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スティーヴ・キューン/スリー・ウェイブズ
JAZZ Piano 3
2005年07月31日
Steve Kuhn/Three Waves
今日はスティーヴ・キューンのピアノ・トリオ作品『スリー・ウェイブズ』です。デビュー間もない頃の60年代70年代前半の耽美的で清澄なキューンのピアノは長く私の大のお気に入りであると同時に音楽美を感じることのできる特別な存在です。パーソネルは、スティーヴ・キューン(p)、スティーヴ・スワロー(b)、ピート・ラ・ロッカ(ds)。1966年録音。Contact.
スティーヴ・キューン(1938~)は90年代以降も日本のVenusレーベルからアルバムを次々と製作して活躍するよく知られたピアニスト。私にとっては60~70年代の若い頃の孤高の美を示すピアノ作品が愛聴盤として特別な存在です。本作の他、以前にご紹介したピアノソロの『エクスタシー』や、コンボの『トランス』などキューンの美学を顕著に表現した作品があります。
1曲目「アイダ・ルピノ」はカーラ・ブレイ作曲の独特のリズムとメロディを持った女優の名をとった曲。冒頭にキューンがポール・ヘインズの詩を朗読して不思議な空間を醸しながら静溢で端正な演奏がスタートします。2分あまりの短い曲ながら東洋の神秘的なるものを感じさせるような大変印象深い演奏です。
2曲目Ah Moore がこれまた美しい演奏です。淡白な中にもほのかに漂う透徹した美意識はキューン独自の耽美的音楽観によるものでしょう。これら1&2の2曲でこのアルバムが私にとってとても特別なピアノ・トリオ作品であることが自明となります。いずれもスティーヴ・スワローのベースがおもしろい動きをしながらアクセントの基点になっていることを特記すべきです。
レコードのB面に当る5曲目Why Did I Choose You? はボサノヴァ調のリズムの上をやはりキューンの美しいピアノがすべるように流れて行きます。カクテル・ピアノ風ではありますが、耳を澄ましてき聴きますとその淡麗な味わいはそうそうお目にかかることのできない美意識に裏付けられていることが明らかになることでしょう。感情を抑制しながらも静かに青く燃えるような美しい演奏です。
そして、7曲目Never Let Me Go でも同様な淡いながら美しい色彩がひっそりと示されています。スワローのベース、ラ・ロッカのドラムの3者の一体感が感じられる素敵な演奏です。ほんと瑞々しくて素敵です。
1. Ida Lupino 2:35
2. Ah Moore 3:27
3. Today I Am A Man 5:57
4. Memory 2:41
5. Why Did I Choose You? 2:54
6. Three Waves 6:57
7. Never Let Me Go 3:02
8. Bits And Pieces 4:44
9. Kodpiece 0:20
Steve Kuhn Trio: Steve Kuhn (piano); Steve Swallow (bass); Pete LaRoca (drums).
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Steve Kuhn/Three Waves
関連エントリーはこちら。
→スティーヴ・キューン 『エクスタシー』(1974)
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:42
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デューク・エリントン/女王組曲
JAZZ others 2
2005年07月29日
Duke Ellington/The Ellington's Suites
今日はデューク・エリントンの名作『女王組曲』です。ジャズの枠を少し越えた20世紀の美しい音楽。1958年英国リーズで開かれた芸術祭に招かれエリザベス女王に謁見するという栄誉に浴したエリントンが霊感を得て本作「女王組曲」The Queens Suitesを作曲して録音したとのこと。1959年、1971年、1972年録音。
今日先ほど夕食を採りながらTVを見ていましたらマレーネ・ディートリッヒやココ・シャネルとともにエリザベス女王のことが取り上げられていました。思わず当ブログに近いうちに書こうと思っていた本作『女王組曲』のことを思い立ち、食後すぐにレコード棚の奥深くより取りいだしてきたのでした。そしてこの1時間くらいずっと耳を傾けておるというわけでございます。
女王組曲は1~6曲目、レコードで言いますとA面に当りまして、7~12がグーテラス組曲、13~15がユウィス組曲という構成になっています。私の場合これまでほとんど女王組曲1~6のみを繰り返し聞いてきたのでした。その中でも、特に、1、3、5と奇数番目の曲がお気に入りなのです。
1曲目は「日没とモッキンバード」という題でモッキンバードの鳴き声をモチーフにした印象的な曲です。途中ジョニー・ホッジスの憂いのあるアルト・ソロが聞かれます。エリントンの音楽にはこの曲に感じられる何か高貴な品というものがいつも漂っているのですね。
3曲目 Le Sucrier Velours はフランス人が甘い鳴き声とビロードのような感触の鳥に対して使う名前とのこと。このハイセンスの美しい曲調とサックス・アンサンブルの見事な調和といいますのは初めて耳にした時から長く私の心を捉えてきたのでした。この品格はエリントンのみが表現できるエリントン美学の世界でしょう。
5曲目 The Single Petal Of A Rose バラの一片(ひとひら)は驚嘆を意味するエリントンのピアノのみによるこれまた大変美しい曲です。この曲のためだけにでもこのアルバムを手元に置いておく価値があるのではないかと私は思います。実は私もこの曲をラジオで初めて聞いて感動したときの印象が後日まで長く残って中古品を見つけたときに即、購入したというわけです。エリントン自身この曲を気に入っているようで、コンサートの最後によくこの曲を弾いたということです。
私はエリントンの音楽が単純なジャズの枠に収まらないコンテンポラリーなものであることに常に魅力を感じてきました。その意味で本作はその種の典型的な作品です。洗練と気品に満ち溢れています。エリントンの優れた資質を感じ取ることができるのですね。勿論、他方においては、優れたソロイストを擁してよくスイングする本来の伝統的なジャズ演奏も最高水準で示すことができる側面があるわけで、その懐の深さが単なるジャズマンでなく芸術家として高く評価される要因なのだと思われます。
1. Sunset And The Mockingbird
2. Lightning Bugs And Frogs
3. Le Sucrier Velours
4. Northern Lights
5. The Single Petal Of A Rose
6. Apes And Peacocks
7. Fanfare
8. Goutelas
9. Get-With-Itness
10. Something
11. Having At It
12. Fanfare
13. Uwis
14. Klop
15. Loco Madi
Duke Ellington (piano); Cat Anderson, Clark Terry, Shorty Baker, Ray Nance, Cootie Williams, Mercer Ellington, Eddie Preston, Money Johnson, Johnny Coles (trumpet); Britt Woodman, Quentin Jackson, John Sanders, Vince Prudente, Chuck Connors, Booty Wood, Malcolm Taylor (trombone); Harold Minerve, Norris Turney, Paul Gonsalves, Harold Ashby, Harry Carney, Russ Andrews, Russell Procope, Johnny Hodges, Jimmy Hamilton (reeds); Wulf Freedman (electric bass); Joe Benjamin, Jimmy Woode (bass); Jimmy Johnson, Rufus Jones (drums). Recorded in New York, New York on February 25 and April 1 & 14, 1959, April 27, 1971, and October 5, 1972.
JR.comでは試聴可能です。→Duke Ellington/The Ellington's Suites
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Duke Ellington/The Ellington's Suites
関連エントリーはこちら。
→デューク・エリントン『ブラック・ブラウン&ベージュ』
→デューク・エリントン『極東組曲』
→デューク・エリントン『エリントン・アット・ニューポート』
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:20
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ジョニー・グリフィン/イントロデューシング・ジョニー・グリフィン
JAZZ Sax 2
2005年07月28日
Johnny Griffin/Introducing Johnny Griffin
今日はジョニー・グリフィンのBN初リーダー作の『イントロデューシング』です。シカゴ出身のパワフルなテナー奏者ジョニー・グリフィンにとってアーゴ盤『JG』に次ぐ2枚目のリーダー作品です。パーソネルは、ジョニー・グリフィン(ts)、ウィントン・ケリー(p)、カーリー・ラッセル(b)、マックス・ローチ(ds)。1956年NY録音。BlueNote1533.
何とも凄いテナーです。力強い音色と完璧なテクニック、それに尽きることのない歌心。ソニー・ロリンズやジョン・コルトレーンらの最高峰と比肩できる数少ないテナーの一人に違いありません。単純に楽しめるという点ではむしろ彼らの上を行く存在かもしれないと私は密かに感じているのです。
私がそうしたグリフィンのテナーに初めて接したのはセロニアス・モンクのファイブ・スポットでのライブ盤『ミステリオーソ』でした。ジャズに興味を抱いて間もない大学1年時に大阪千日前のワルツ堂にて中古品で購入したのでした。そしてそのブローしまくるテナーの魅力にはすぐに参ることになります。ワン・ホーンで難なく何コーラスも吹ききってまさに独壇場とするその芸当には年季の入った職人気質の仕事に通じるものを感じるのでした。
本作はシカゴからNYに出てきてすぐのBN初登場のアルバムですが、その圧倒的なテナーが全開しています。全く申し分のない上質のジャズに仕上がっています。上手すぎて俗に流される少し手前で流石に一流のジャズメンとしてのバランスが示されていまして、音楽的に十分に楽しめるというところが味噌なのです。テナーのワン・ホーン・アルバムの最高の一枚と断言できるほどの内容と言えると思われます。
全7曲。ほぼ全曲でグリフィンの見事なソロを聞くことができます。その余裕たっぷりのブロー具合というのはグリフィンの真骨頂を表しているものと思われます。7曲目ラバーマンなどでのソロにはユ-モアも感じられると同時にそのスポンテイニアスで自在な吹奏はほとんど千両役者の一人舞台というやつです。ほんと凄いです。ピアノのウィントン・ケリーも当時まだ無名に近い存在ながら当然のごとくに味のあるピアノを聞かせてくれます。
1. Mil Dew
2. Chicago Calling
3. These Foolish Things
4. Boy Next Door
5. Nice And Easy
6. It's Alright With Me
7. Lover Man
Johnny Griffin (ts), Wynton Kelly (p), Curly Russell (b), Max Roach (ds). NYC. 1956. 4. 17.
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Johnny Griffin/Introducing Johnny Griffin
関連エントリーはこちら。
→ジョニー・グリフィン『JG』
→セロニアス・モンク『ミステオリオーソ』
→ウェス・モンゴメリー『フルハウス』
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:32
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ケニー・ドーハム/アフロ・キューバン
JAZZ Trumpet
2005年07月27日
Kenny Dorham/Afro-Cuban
今日はケニー・ドーハムのBN初リーダー作の『アフロ・キューバン』ですね。1曲目「アフロディジア」が近年大人気とのことですが私の場合は断然2曲目の「ロータス・フラワー」(蓮の花)が実はお気に入りなのです。パーソネルは、ケニー・ドーハム(tp)、J.J.ジョンソン(tb)、ハンク・モブレー(ts)、セシル・ペイン(bs)、ホレス・シルバー(p)、パーシー・ヒース(b)、アート・ブレイキー(ds)、カルロス・ポタート・ヴァルデス(conga)。1955年NY録音。BlueNote1535。
初代ジャズ・メッセンジャーズのメンバー4人(ドーハム、モブレー、シルバー、ブレイキー)が参加したドーハムの初期を代表するアルバムです。『カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ』(BN1507)や『カフェ・ボヘミアのケニー・ドーハム』(BN1524)はBN番号こそ小さいですが本作よりほんの少しあとの録音なのです。本作は10インチ盤をベースに12インチLP化したもの。
1~5曲目のコンガが入った演奏で最初はちょっととっつきにくいかもしれませんがそのエキゾティックなところを新鮮に感じて許容できればきっと楽しめる内容でしょう。6~9曲目は通常のハードバップ、しかもハードバップという形態が産声を挙げたばかりの時期の演奏です。いずれもドーハムの堅実で落ち着いたトランペットの音色と演奏テクニックが印象に残ります。
1曲目が80年代ロンドン・クラブ・シーンで注目を集めて再評価されることになる有名曲。この曲を聞きながら踊る若者ってのは相当先鋭的な耳の持ち主たちなんだろうなと思ったりします。私にとりましては何といいましてもずっとスローで美しいメロディの2曲目なのですけれどね。この曲なら私も踊ってみたいとその気になるように思います。リズムを刻むコンガの響きがいかにもラテンのダンスを思い起こさせてくれます。ダンスが身近になった大ヒット映画『シャル・ウィ・ダンス』の世界ですね。
この2目曲Lotus Flower は通常のモダン・ジャズにはない魅力があって私は大好きなのです。今晩も何度も何度も繰り返して聞いています。まさに快楽印ミュージックです。本アルバムは少し変化のあるハードバップですがたまに無性に聞きたくなる妙に吸引力のある作品です。
1. Afrodisia
2. Lotus Flower
3. Minor's Holiday
4. Minor's Holiday - (alternate take)
5. Basheer's Dream
6. K. D.'s Motion - (CD only)
7. La Villa
8. Venita's Dance
9. K. D.'s Cab Ride - (CD only)
Kenny Dorham (trumpet); Hank Mobley (tenor saxophone); Cecil Payne (baritone saxophone); Jay Jay Johnson (trombone); Horace Silver (piano); Oscar Pettiford, Percy Heath (bass); Art Blakey (drums); Carlos "Potato" Valdes (congas). Producer: Alfred Lion. Reissue producer: Michael Cuscuna. Recorded at the Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey on January 30 and March 29, 1955.
JR.comでは試聴可能です。→Kenny Dorham/Afro-Cuban
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Kenny Dorham/Afro-Cuban
関連エントリーはこちら。→ケニー・ドーハム『カフェ・ボヘミアのケニー・ドーハム』
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:21
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ビリー・ホリデイ/レディ・イン・サテン
JAZZ Vocal
2005年07月26日
Billie Holiday/Lady In Satin
今日はビリー・ホリデイの『レディ・イン・サテン』を聞いています。声の衰えは如何ともしがたいもののオーラを発するような独特の凄みが華麗なオーケストレイションとの対比によってより際立っています。死の前年ビリー・ホリデイが自らレイ・エリスをアレンジャーに指名して録音されたものです。パーソネルは、ビリー・ホリデイ(vo)、レイ・エリス(arrange, cond)、他。1958年NY録音。
ビリー・ホリデイ(1915~1959)は伝説のジャズ歌手ですね。44年という短い人生ながら生前すでに最高の名声を勝ち得たという意味では充実した人生と言えると思います。不幸な生い立ち、売春による逮捕、麻薬による逮捕といった常人では経験しえない人生だったかもしれませんが、それを歌に昇華することによって半世紀にも渡って後世のファンに親しまれ続けるということは十分に人生の借りを返したといえるのではないかと思うのです。
本作はビリー・ホリデイがオーケストラ・アレンジャーであるレイ・エリスを指名し、さらに全曲を自ら選曲して製作されました。しかもビリーにとってもっともお気に入りのアルバムになったとのことです。片思いの失恋の歌ばかりをしわがれた声で淡々と歌い上げています。積年の情念とは裏腹にいともあっさりと人生を諦観したような歌唱です。それが逆に何と上手い演出になっていることでしょうか。
美しすぎるオーケストラの響きとのギャップが大きいので最初は違和感を持ちますが聞き込むうちにその不可思議な雰囲気にも溶け込んで慣れてくるのです。特にバックの女性コーラスによる幽玄で清楚な音響を耳にしますと私はもう参ってしまいます。昔よく聞いたFMラジオのジェットストリームの世界を想い出します。若い頃はこのラジオ放送を聞いて海外旅行のことを夢見ていたのでしたよね。
自分が歌手であればやはりこういう素敵なオーケストラをバックに一度は存分に好きな歌を歌って記録に残しておきたいと思うことでしょう。自分のキャラとはアンバランスだとかそんな些細なことは自己満足を満たす上ではあまり関係ないでしょうね。
1. I'm A Fool To Want You - (edited master)
2. For Heaven's Sake
3. You Don't Know What Love Is
4. I Get Along Without You Very Well
5. For All We Know
6. Violets For Your Furs
7. You've Changed
8. It's Easy To Remember
9. But Beautiful
10. Glad To Be Unhappy
11. I'll Be Around
12. The End Of A Love Affair - (instrumental track & overdub take 8, mono)
13. I'm A Fool To Want You - (previously unreleased, take 3, bonus track)
14. I'm A Fool To Want You - (previously unreleased, alternate take 2, bonus track)
15. The End Of A Love Affair: The Audio Story - (previously unreleased, bonus track)
16. The End Of A Love Affair - (previously unreleased, stereo, bonus track)
17. Pause Track
Billie Holiday (vocals); Ray Ellis (conductor); Miles Davis (trumpet); Urbie Green, J.J. Johnson, Tom Mitchell (trombone); Danny Bank, Phil Bodner, Romeo Penque (woodwinds); George Ockner (violin); David Sawyer (cello); Janet Putnam (harp); Mal Waldron (piano); Barry Galbraith (guitar); Milt Hinton (bass); Osie Johnson (drums); Phil Kraus (percussion). Recorded in New York, New York from February 19-21, 1958. Columbia.
JR.comでは試聴可能です。→Billie Holiday/Lady In Satin
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Billie Holiday/Lady In Satin
関連エントリーはこちら。→ビリー・ホリデイ『アット・ストリーヴィル』
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ソニー・クラーク/ダイヤル・S・フォー・ソニー
JAZZ others 2
2005年07月25日
Sonny Clark/Dial "S" For Sonny
今日はソニー・クラークの初リーダー作『ダイヤル・S・フォー・ソニー』です。BlueNoteのハウス・ピアニストのような存在となるクラーク26回目の誕生日の録音です。4曲の自作曲を持ち込んでのセッション。パーソネルは、アート・ファーマー(tp)、カーティス・フラー(tb)、ハンク・モブレー(ts)、ソニー・クラーク(p)、ウィルバー・ウェア(b)、ルイス・ヘイズ(ds)。1957年7月21日NJ録音。BlueNote1570.
ソニー・クラーク(1931~1963)は本作の半年後に録音されることになる『クール・ストラッティン』などの名作だけでなく50年代後半から60年代初にかけて数多くのBNのセッションに参加して、いわばハード・バップを代表するピアニスト。アルフレッド・ライオンに気に入られたということですね。日本での熱狂的な人気とは裏腹に米国ではあまり人気がないとのこと。残念ながら才能ある芸術家の常で30過ぎの若さで夭逝してしまいます。
本作はそのメンバーから察せられる如くに溌剌とした直球のハード・バップです。4曲目Sonny's Mood に代表される魅力的でキュートな曲調と引き続く快調なソロの連続、これはまさにホレス・シルバーの世界です。本作の中味を聞けば聞くほどライオンはクラークを第ニのシルバーに仕立て上げようとした節が感じられますね。優れた作編曲とグルーヴィーなピアノ・センス、こういう逸材はそうそう見当たりませんものね。
1曲目表題曲でのソニー・クラークのブルージーなピアノ・ソロが素敵です。それに4曲目や6曲目でも同様にクラーク独特の魅力ある粘着性の音の連なりが次から次へと紡ぎ出されてきまして、これらは一種の快感に違いありません。それに3曲目のスタンダード曲ではアート・ファーマーの丁寧な表現が光っていますのとハンク・モブレーのいぶし銀のような個性的な本領を聴くことができます。
1. Dial S For Sonny
2. Bootn' It - (mono)
3. It Could Happen To You
4. Sonny's Mood
5. Shoutin' On A Riff
6. Love Walked In
7. Bootin' It - (stereo, bonus track)
Sonny Clark (piano); Hank Mobley (tenor saxophone); Art Farmer (trumpet); Curtis Fuller (trombone); Wilbur Ware (double bass); Louis Hayes (drums). Liner Note Author: Bob Blumenthal. Recording information: Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey (07/21/1957).
JR.comでは試聴可能です。→Sonny Clark/Dial "S" For Sonny
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Sonny Clark/Dial "S" For Sonny
関連エントリーはこちら。
→ソニー・クラーク『ソニーズ・クリブ』(BN1576, 1957)
→ソニー・クラーク『ソニー・クラーク・トリオ』(BN1979, 1957)
→ソニー・クラーク『ソニー・クラーク・クインテッツ』(BN1592, 1958)
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:22
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ホレス・シルバー/ソング・フォー・マイ・ファーザー
JAZZ others 2
2005年07月24日
Horace Silver/Song For My Father
今日はホレス・シルバーの『ソング・フォー・マイ・ファーザー』ですね。ポルトガル出身の父親のために書かれた表題曲はじめポルトガル民謡とカリプソがファンキー調に味付けされて素敵な世界に仕上げられています。新人ジョー・ヘンダーソンのテナーが見事にしっくりきていますし、シルバーのピアノがいつもにも増してグルーヴィーに大活躍しています。パーソネルは、ブルー・ミッチェル、カーメル・ジョーンズ(tp)、ジュニア・クック、ジョー・ヘンダーソン(ts)、ホレス・シルバー(p)、ジーン・テイラー、テディ・スミス(b)、ロイ・ブルックス、ロジャー・ハンフリーズ(ds)。1963年、1964年NJ録音。BlueNote4185.
50年代半ばから60年代前半にかけての約10年間にホレス・シルバーが世に送り出した音楽はまさにハード・バップ創造とその具現そのものでした。その音楽を今現在の耳で聞きますと、ハード・バップ内での一つの発展系としてのファンキージャズいうところです。音的にはさほど新しさを感じさせてくれるものではありませんが、そこにはシルバー作の魅力的なメロディとファンキー調の極上のノリとが常に用意されていまして、楽しむ分には全く申し分のないものですし、典型的なハードバップの体現者としての恒久の価値があると言えるのではないかと思われます。
3曲目と6曲目が63年のブルー・ミッチェル、ジュニア・クックら従来のメンバーとの録音、他が64年のジョー・ヘンダーソンら新メンバーによる録音です。やはり、まず1曲目がその魅惑的な主題のために目立ちます。この種のファンキーな曲調は当時の流行でもありました。リー・モーガンの『サイド・ワインダー』やハービー・ハンコックの『テイキン・オフ』収録の「ウォーターメロン・マン」などが同様のライン上にあるでしょう。この「ソング・マイ・ファーザー」でのジョー・ヘンダーソンのソロがその筋の専門職という感じがして実によいです。
3曲目のポルトガル風というのかどうかよくは知りませんが、その美しくもマイナーな曲調とそれをベースにして繰り広げられるシルバーのソロになかなか深い味わいがあると思われます。印象的な主題が好ましい4曲目もエキゾティックな魅力にあふれています。シルバーの渋いソロの後に控えるヘンダーソンのソロがまたまた実に新鮮で酸っぱい果実のように刺激的です。
それにやはり素敵な最後を飾るべき6曲目がこのアルバムを忘れがたいものにしています。シルバーの陰影のあるピアノ表現の妙を堪能することのできるトリオ演奏です。実にクール、かっこいいですね。本作はもちろん著名な1曲目もさることながら、他の曲にも優れた出来のものがあり十分に楽しめる内容のアルバムだと思います。ちなみにジャケットの人物はホレス・シルバーの父親です。
1. Song For My Father
2. The Natives Are Restless Tonight
3. Calcutta Cutie
4. Que Pasa
5. The Kicker
6. Lonely Woman
7. Sanctimonious Sam - (bonus track)
8. Que Pasa - (Trio Version)
9. Sighin' And Cryin' * - (bonus track)
10. Silver Threads Among My Soul - (bonus track)
Horace Silver (piano); Carmell Jones, Blue Mitchell (trumpet); Joe Henderson, Junior Cook (tenor saxophone); Teddy Smith, Gene Taylor (bass); Roger Humphries, Roy Brooks (drums). Recorded at the Van Gelder Studio, Engelwood Cliffs, New Jersey on October 31, 1963, January 28, 1964 and October 26, 1964.
JR.com では試聴可能です。→Horace Silver/Song For My Father
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Horace Silver/Song For My Father
関連エントリーはこちら。→ホレス・シルバー『ファーザー・エクスプロレイションズ』
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ジョン・コルトレーン/インプレッションズ
JAZZ Sax 2
2005年07月22日
John Coltrane / Impressions
今日はジョン・コルトレーンの『インプレッションズ』といきましょう。パーソネルは、ジョン・コルトレーン(ss,ts)、エリック・ドルフィー(bcl)、マッコイ・タイナー(p)、レジー・ワークマン、ジミー・ギャリソン(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。1961~3年録音。Impulse Records。
このジョン・コルトレーン『インプレッションズ』は学生時代に狭い下宿でいやというほど繰り返し聴いた思い出深いアルバムなのです。特に1曲目の「インディア」。レジー・ワークマンとジミ・ギャリソンの2ベースにエルヴィン・ジョーンズのドラミングが作り出すインド風東洋的なリズムの上をコルトレーンのソプラノ・サックスとドルフィーのバスクラが哲学的な響きでもって駆け抜けて行きます。この耳慣れない不可思議な音世界に私は妙に魅かれるのでした。貧相でむさ苦しい下宿部屋が広大な宇宙に繋がる感覚というのでしょうか、ジャズ音楽に象徴される「自由」の感覚を満喫させてくれるのでした。
ライブ演奏の1曲目と3曲目「インプレッションズ」の2曲は名作『ライブ・アット・ザ・ビレッジ・ヴァンガード』と同じ時(61年)の録音なのですね。残りは後の62年と63年のスタジオ録音を追加したものです。60年代に入ってコルトレーンはインド音楽、特に、第一人者ラヴィ・シャンカールに影響を受けます。後にビートルス、特にジョージ・ハリソンがもっと直接的に影響を受けてロックの世界にインド伝統楽器シタールが入り込みましたよね。
50年代のジャズとは明らかに一線を画する新しい感覚です。これは、コルトレーンの『オレ・コルトレーン』以降のアトランティックやインパルス・レーベルでドルフィーが参加した一連の作品にそのニュアンスが感じ取れます。アフリカ回帰や東洋思想というところでしょうか。西洋的でない哲学的で内省的な世界としてのジャズの一端が映し出されています。
1. India - (live)
2. Up 'Gainst The Wall
3. Impressions - (live)
4. After The Rain
5. Dear Old Stockholm - (bonus track)
John Coltrane (ss,ts); Eric Dolphy (bcl); McCoy Tyner (p); Reggie Workman, Jimmy Garrison (b); Elvin Jones, Roy Haynes (ds). Producer: Bob Thiele. Reissue producer: Bryan Koniarz. Recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey on September 18, 1962. and April 29, 1963. and live at the Village Vanguard, New York, New York on November 3, 1961.
JR.comでは試聴可能です。→John Coltrane / Impressions
iTunes Music Store では試聴可能です。→
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ John Coltrane / Impressions
関連エントリーはこちら。
→ セロニアス・モンク/ウィズ・ジョン・コルトレーン(1957)
→ ジョン・コルトレーン/ブルー・トレーン(1957)
→ ジョン・コルトレーン/ソウル・トレーン(1958)
→ ジョン・コルトレーン/ジャイアント・ステップス(1959)
→ ジョン・コルトレーン/マイ・フェイバリット・シングス(1960)
→ ジョン・コルトレーン/プレイズ・ブルース(1960)
→ ジョン・コルトレーン/オレ・コルトレーン(1961)
→ ジョン・コルトレーン/ライブ・アット・ザ・ビレッジ・ヴァンガード(1961)
→ ジョン・コルトレーン/コルトレーン(1962)
→ ジョン・コルトレーン/ジョン・コルトレーンとジョニー・ハートマン(1963)
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フレディ・ハバード/オープン・セサミ
JAZZ Trumpet
2005年07月21日
Freddie Hubbard / Open Sesame
今日はフレディ・ハバードの初リーダー作でかつ代表作である『オープン・セサミ』です。ハバードもいいですが、テナーのティナ・ブルックスとピアノのマッコイ・タイナーという二人の妙味を確認するためのアルバムといえるかもしれませんね。パーソネルは、フレディ・ハバード(tp)、ティナ・ブルックス(ts)、マッコイ・タイナー(p)、サム・ジョーンズ(b)、クリフォード・ジャーヴィス(ds)。1960.6.19.NJ録音。BlueNote4040。
マッコイ・タイナーが単なるハード・バップとは異なるやはり新世代の新感覚をほのかに匂わせています。特にリリカルな小気味よいタッチは実に素敵に思うのですね。例えば、2曲目の名曲 But Beautiful でのティナ・ブルックスのソロの直後、マッコイが引き継ぐところの最初の数音の連なりなどを耳にしますと私はその洗練された高い美意識に深い共感を覚えるのです。この感覚は他でもよく感じることのできる私の好きなマッコイの際立った一面なのです。
一方、フレディ・ハバードのトランペットは全く淀みのない優等生のものです。常に一定の水準を示します。危なげのない演奏だけに、リー・モーガンのようなスリルのある面白さが感じられず、むしろクリフォード・ブラウンのように上手すぎて返って楽しめないというところがあるような気がいたします。ストレート・アヘッドな演奏でその実力が遺憾なく発揮されているのが本作というところでしょう。よくわかりました、流石にあんたは凄い、という印象です。
その意味でもティナ・ブルックスの貧弱で危なかっしい佇まいは異彩を放っています。その底流に流れる繊細かつソウルフルな味が絶妙に臭い立ってくるあたりは持ち前の個性というものでしょう。多弁で安定感のあるハバードと朴訥で線が細いけれどとても黒っぽいティナの組み合わせは、他のアルバムでも聞くことができますが、これはなかなかgoodなコンビという感じがします。
1. Open Sesame
2. But Beautiful
3. Gypsy Blue
4. All Or Nothing At All
5. One Mint Julep
6. Hub's Nub
7. Open Sesame - (alternate take, bonus track)
8. Gypsy Blue - (alternate take, bonus track)
Freddie Hubbard (trumpet); Tina Brooks (tenor saxophone); McCoy Tyner (piano); Sam Jones (bass); Clifford Jarvis (drums). Recorded at Rudy Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, New Jersey on June 19, 1960.
JR.comでは試聴可能です。→Freddie Hubbard /Open Sesame
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Freddie Hubbard / Open Sesame
関連エントリーはこちら。→ティナ・ブルックス『トゥルー・ブルー』
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:22
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ジェリー・マリガン/アット・ストリーヴィル
JAZZ Sax 2
2005年07月20日
Gerry Mulligan / At Storyville
今日はジェリー・マリガンの『アット・ストリーヴィル』です。マリガンはチェット・ベイカーとの双頭カルテットを解散した後の54年にトロンボーンのボブ・ブルックマイヤーとコンビを組んで60年台初頭まで活動を行います。シンプルなジャズ・センスと精妙なアンサンブルを大変好ましく感じています。パーソネルは、ジェリー・マリガン(bs)、ボブ・ブルックマイヤー(tb)、ビル・クロウ(b)、デイヴ・ベイリー(ds)。1956年録音。Pacific Jazz。
私はこの時期のマリガンが好きです。本作や『パリ・コンサート』などのライブ盤が特にお好みで気軽に頻繁に聞いてきたアルバムです。マリガンのバリトンの魅力を一言で表現するのは容易ではありませんが、その搾り出されてくる苦みばしった音色と確かなスイング感が独特の味があってある種クセになるものがあります。
その端的なところは、例えば、3曲目Baubles Bangles And Beads に聴くことができます。ミディアム・テンポのブルース調の曲でして、マリガンのソロが実に見事なアヤを示しています。焚き火などで木を燃やしたりしている際に、時折バキっという金属音が鳴ることがあります。あれは木が割れる音だと思いますがマリガンのバリトンも丁度そのような音を発するのです。それはまさに急速調で力強いアドリブ・ソロを演っている最中によく鳴ります。それが私の場合に一種の快感となるのです。
ブルックマイヤーの柔らかい音と心地よい対照を形作っていることも成功している点だと思います。それにビル・クロウのベースがしっかりとした時を刻んでいましてこれがまたよいのですね。ビル・クロウと言えばそのジャズ関連の著作でも有名ですね。例えばこちら。→ ビル・クロウ / ジャズ・アネクドーツ
全15曲。米国東海岸ボストンにある老舗「ストリーヴィル」でのライブ録音。50年という時の隔たりがあまり感じられません。聴衆の話声がしきりに聞こえ、拍手もまばらで、こじんまりしたジャズ・クラブの雰囲気がとてもいいですね。ジャズのことが好きになるにつれてマリガンの音楽をもっと聞きたくなる、私の場合はそんな印象があって、本作はそうした意味で大変貴重な一枚なのです。
1. Bweebida Bwobbida
2. Birth Of The Blues
3. Baubles Bangles And Beads
4. Rustic Hop
5. Open Country
6. Storyville Story
7. That Old Feeling
8. Bike Up The Strand / Utter Chaos
9. Blues At The Roots
10. Ide's Side
11. Can't Get Started
12. Frenesi
13. Flash
14. Honeysuckle Rose
15. Limelight / Utter Chaos
Gerry Mulligan(bs), Bob Brookmeyer(tb), Bill Crow(b), Dave Bailey(ds). Pacific Jazz 1228. 1956.12.録音.
JR.comでは試聴可能です。→Gerry Mulligan / At Storyville
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Gerry Mulligan / At Storyville
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:34
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マイルス・デイヴィス/クッキン
JAZZ Trumpet
2005年07月19日
Miles Davis / Cookin'
今日はマイルス・デイヴィスの50年代プレスティッジから一番のお気に入りの一枚『クッキン』をご紹介しましょう。パーソネルは、マイルス・デイヴィス Miles Davis (tp)、ジョン・コルトレーン John Coltrane (ts)、レッド・ガーランド Red Garland (p)、ポール・チェンバース Paul Chambers (b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ Philly Joe Jones (ds)。 1956.10.26.NY録音。Prestige。
1曲目のMy Funny Valentine、いきなりバラードを持ってくるのは定石外ですが、些細なことは曲が進むうちに忘れ去られてしまうほどにここでのマイルスのミュート・トランペットの端正な佇まいが素敵ですね。それに続く少しアップ・テンポのレッド・ガーランドのピアノがグルーヴィーですし、寄り添うように波長を合せるポール・チェンバースのベースがまたジャズ的な雰囲気を醸しています。コルトレーンはいつ出てくるかと思いきやここではお休みなのですね。
2曲目のミディアム・ブルースではコルトレーンの重量級のずしりと重いテナーが地鳴りのように心地よく響き渡ります。マイルスのミュートとのバランスが絶妙というところです。それにここでもガーランドのピアノが小気味よくキュートなメロディを刻みます。
本当に50年代半ばのマイルス・デイヴィスは明快なモダン・ジャズで聴くほどにいい味が出てくるのですね。そうモダンとくれば、それは関西お好み焼きの雄、「鶴橋風月」のモダン焼きのようにキャベツのしっかりした甘みとこしのある麺、それに関西風甘めのソースの3者、その絶妙のバランスに相通じるものを感じます。思い切り話がそれてますがな(笑)。マイルス、コルトレーン、ガーラーンド、チェンバース、この組み合わせの妙は流石にマイルスのセンスの良さを物語っておりますですね。フィリー・ジョーのことも忘れんといてと外野席から野次が飛びそうですが。私はこういう微妙なセンスには結構に敏感に反応する性質(たち)です。3曲目、4曲目も同様です。以上。
1. My Funny Valentine
2. Blues By Five
3. Airegin
4. Tune-Up / When Lights Are Low
JR.comでは試聴可能です。→Miles Davis / Cookin'
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Miles Davis / Cookin'
関連エントリーはこちら。
→マイルス・デイヴィス『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』(1956)
→マイルス・デイヴィス『1958マイルス』(1958)
→マイルス・デイヴィス『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』(1961)
→マイルス・デイヴィス『マイ・ファニー・バレンタイン』(1964)
→マイルス・デイヴィス『イン・ベルリン』(1964)
→マイルス・デイヴィス『プラグドニッケルのマイルス・デイヴィス』(1965)
→マイルス・デイヴィス『ESP』(1965)
→マイルス・デイヴィス『ウィ・ウォント・マイルス』(1981)
お好み焼きの「鶴橋風月」はチェーン展開を積極的に行っておりまして、関西では本店鶴橋以外にもそこかしこにあるようです。梅田ではヨドバシカメラの7階か8階の名店街に、神戸三宮ではワシントンホテル内1階にありまっせ、と。私もたまに利用させてもらってますがモダン焼きがお勧めです。
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:22
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ウィントン・ケリー/ケリー・グレイト
JAZZ others 2
2005年07月17日
Wynton Kelly / Kelly Great
今日はウィントン・ケリーの『ケリー・グレイト』です。ウィントン・ケリーが在籍していたマイルス・コンボのリズムセクションのメンバーに、ジャズ・メッセンジャーズのフロント・ラインの二人、リー・モーガンとウエイン・ショーターが参加した人気盤。パーソネルは、リー・モーガン(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1959.8.12.NY録音。
ウィントン・ケリーの小気味がよくてブルース・フィーリングに満ちたピアノはジャズの持つアーシーな醍醐味をいつも湛えています。マイルス・デイヴィスも 「やつは煙草に火をつけるマッチの役割をしてくれるのさ」 と言っている通り、ケリーのピアノが響くや否や一瞬にしてその空間には深いジャズ的時空が広がるのです。
本作はケリーをリーダーにした当時の精鋭クインテットによる典型的なハード・バップです。ケリーの魅力が映えるブルース調の曲が中心です。3曲目のミディアム・ブルース June Night などに耳を傾けますとウィントン・ケリーの素晴らしさが直に伝わってきます。マイルスの『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』の表題曲で見せたキュートなケリーの印象そのものです。
リー・モーガンのトランペットはいつもながら味があって全く申し分のないものです。この人はクリフォード・ブラウンほど完璧に楽器をコントロールできないようですが、少しテクニック不足のところを逆にそれをスリルのある瞬間に変えてしまうくらいに音楽的なセンスが凄いという気がいたしますね。ジャズとしてイカした演奏がどんなものかを知り尽くしていてそうしたバランス感覚が抜群なのだろうなと思います。
そして、やはりウェイン・ショーターの新感覚が随所に示されています。しかもかなり大胆な吹奏になっています。後年のショーターを知る者としてはさもありなんというところですが、モーガンやケリーとは明らかに異質で新鮮です。当時のジャズ・メッセンジャーズのボスであるアート・ブレイキーや後年のボスとなるマイルスがその場を牛耳っているわけではないので自由に伸び々々と演っているのかなとでも思えそうなくらいです。
全5曲。いずれも聴きどころのあるよい演奏だと思います。1,3,4曲目はブルース。2と5曲目はウェイン・ショーターの作曲。特に5曲目 Sydney はショーター色の濃い曲。この曲のみショーターのソロはなくケリーだけがブルージーな素敵なソロをとっています。個人的には3曲目と4曲目が好みです。4曲目ではチェンバースの少し退屈なアルコを聴くことができます。
1. Wrinkles
2. Mama "G"
3. June Night
4. What I Know
5. Sydney
Vee Jay Records。Wynton Kelly(p) Lee Morgan(tp) Wayne Shorter(ts) Paul Chambers(b) Philly Joe Jones(ds)。
iTunes Music Store では試聴可能です。→
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Wynton Kelly / Kelly Great
関連エントリーはこちら。
→ ウィントン・ケリー『ケリー・ブルー』
→ ウィントン・ケリー『ケリー・アット・ミッドナイト』
関連エントリはこちら。
→ ウィントン・ケリー『ウィスパー・ノット 』
→ ウィントン・ケリー『フル・ヴュー 』
→ マイルス・デイヴィス『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:30
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ザ・スリー・サウンズ/ムーズ
JAZZ Piano 2
2005年07月16日
The Three Sounds / Moods
今日はBlueNoteのいわば専属ピアノ・トリオ、スリー・サウンズを聞きましょう。『ムーズ』はジャケットに何とBlueNoteオーナー、アルフレッド・ライオンの奥方を起用するという入れ込みようで、内容も彼らの魅力を湛える代表的なアルバム。パーソネルは、The Three Sounds、ジーン・ハリス Gene Harris (p)、アンドリュー・シンプキンス Andrew Simpkins (b)、ビル・ダウディ Bill Dowdy (ds)。1960.6.28.NJ録音。BlueNote4044。
このアルバムは日頃何気なくよく聴いている一枚です。ジーン・ハリスの明快にスイングするピアノがいいですし、ベースが重心重くて骨太、それに音響がブルーノートらしい奥行き感のあるサウンド。ピアノの音は決してピアニスティックで繊細な表情を映すものではなく芯が太くて野暮ったいもの。それが返ってブルージーやドライブ感を表現するには最適なものとなってるのでしょう。
レコードを聞きながらジャケットに見入ったり、英文ライナーノーツを読んだりというのが私の密かな楽しみですが、本作の後にA・ライオン夫人となるルース・メイソンの何と魅力的なことでしょう。他のジャケットではBN4114でも眺めることができますし、BN4060のドナルド・バードのライブ盤では司会者としてその肉声を聞くこともできます。
そのジャケットが醸す軟弱な雰囲気とは一線を画するジャジーな内容のアンバランス加減がおもしろいのですね。安易に聞けるという意味では確かに軟派なのかもしれませんが、これもまさしくBlueNoteのジャズの一端なのだと思います。しかも60年前後といいますとBlueNoteが最もBlueNoteらしい時期ですからね。多少リバーブがきつ目に感じられる録音は気のせいでしょうか。何とかプッシュしたいという製作者の雰囲気を感じたりします。
1曲目のLove For Sale はキャノンボール・アダレイの有名盤『サムシン・エルス』で聞かれる同名曲と雰囲気が似ていますが、これはベースの音感と動きに類似点があるからだと思います。3曲目のOn Green Dolphin Street でもベースがアクセントを示していましてその上をジーン・ハリスのグルーヴィーなピアノが心地よくスイングしています。この2曲を聞けばスリー・サウンズの基本的コンセプトがよく理解できると思います。私にとってお好みの極めて上質でエンターテイメントなピアノ・トリオなのですね。7曲目Tammy's Breeze などは本当に素敵ですぞよ。
BlueNoteのアルフレッド・ライオンの嗜好は日本のジャズ・ファンにとって共鳴するものがあるのだと思います。ドイツから移民として渡ってきたライオン、それにジャケット写真はフランシス・ウルフ、それに録音はご存知ルディ・ヴァン・ゲルダーです。このトリオはジャズ史上に輝くBlueNoteレーベルを築いてきたのでした。下の写真はライオン(左)とウルフ(狼)ですね(笑)。

1. Love For Sale
2. Things Ain't What They Used To Be
3. On Green Dolphin Street
4. Loose Walk
5. Li'l Darlin'
6. I'm Beginning To See The Light
7. Tammy's Breeze
8. Sandu
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ The Three Sounds / Moods
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:43
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ビル・エヴァンス/ニュー・ジャズ・コンセプション
JAZZ Piano 2
2005年07月15日
Bill Evans / New Jazz Conception
今日はビル・エヴァンスの記念すべき初リーダー作品の『ニュー・ジャズ・コンセプション』をご紹介しましょう。バド・パウエルの影響を感じ取れるバップ系の響きの中に後年のエヴァンスの臭いをほのかに感じさせる大変魅力的なアルバムなのです。パーソネルは、ビル・エヴァンス(p)、テディ・コティック(b)、ポール・モチアン(ds)。1956.9.27NY録音。Riverside Records。
ビル・エヴァンス(1929~1980、ウィリアム・ジョン・エヴァンス)は私の最もお好みのジャズマンなんだと最近は素直に感じています。ジャズを聞き始めた頃はそうでもなくて例えばピアノではバド・パウエルの方がよいと断じていたのでした。それがジャズに深く入り込むほどに自分の中のエヴァンスの存在が少しずつ大きくなってくるのでした。
今はエヴァンス初期~中期の作品、そう56年から65年くらいのアルバムに深いジャズ・テイストを感じています。例えば、初リーダー作の本作、2作目の『エブリバディ・ディグス』(1958)や3作目の『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』(1959)など、有名な4部作直前のこれらのアルバムにはそれぞれに深い味わいがあって、名人が名人になってゆく道程が刻まれています。特に本作と2作目あたりのエヴァンス流の模索具合には新鮮な魅力があるのです。
本作において否が応でもすでにエヴァンス特有の美学の片鱗が垣間見えます。5曲目のスタンダード曲Easy Living での粘着質のリリシズムは当時エヴァンスのみが示しうる類のものです。確かにホーンライクで粘っこいアドリブ・ソロにはパウエルの音を予感させますが、静かな中にも熱い思いを秘めた内省的な響きはエヴァンス独特の世界を感じさせてくれます。この演奏は本当に感動的なものでしてエヴァンス・ファンならずとも味わうべき素晴らしいピアノ演奏です。
本作がもしエヴァンスの作品でなければ50年代名作としてもっと著名になったのではないかと思われます。後年の多数の名作に隠れる形であまり注目を集めることがないのが残念です。エヴァンスの軌跡途上の作品という位置づけなのでしょうが、一個のバップ系のピアノ・トリオ作品として聞きますと大変に面白みのあるピアノ・アルバムに違いありません。才能がほとばしっている感があります。
次作の『エブリ~』は誰しもが認める傑作でしょう。この2者の間には確かな飛躍があります。本作はまだ少し開きかけの、でもまだまだ開ききらない花の蕾、確実に極上の美を示すであろうことが容易に類推できるような素敵な蕾、そんな印象になりますね。11&12曲目のNo Cover, No Minimum などはパウエルにホレス・シルバーを足したようなまさにバップ系のピアノですが、そこはかとないハーモニック・センスの美意識を感じとることができます。そして、8曲目Waltz For Debby の可憐な佇まいはすでにこの時点でほぼ完成されていることがわかります。
1. I Love You
2. Five
3. I Got It Bad And That Ain't Good
4. Conception
5. Easy Living
6. Displacement
7. Speak Low
8. Waltz For Debby
9. Our Delight
10. My Romance
11. No Cover, No Minimum - (take 1, bonus track)
12. No Cover, No Minimum - (bonus track)
JR.comでは試聴可能です。→Bill Evans / New Jazz Conception
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Bill Evans / New Jazz Conception
関連エントリーはこちら。
→ アート・ファーマー『モダン・アート』(1958)
→ ビル・エヴァンス『エブリバディ・ディグス』(1958)
→ ビル・エヴァンス『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』(1959)
→ ビルエヴァンス『ポートレイト・イン・ジャズ』(1959)
→ キャノンボール・アダレイ『ノウ・ホワット・アイ・ミーン』(1961)
→ ビル・エヴァンス『エクスプロレイションズ』(1961)
→ ビル・エヴァンス『ムーン・ビームス』(1962)
→ デイブ・パイク『パイクス・ピーク』(1962)
→ ビル・エヴァンス『シェリーズ・マンホールのビル・エヴァンス』(1963)
→ スタン・ゲッツ『スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス』(1964)
→ モニカ・ゼタールンド『ワルツ・フォー・デビー』(1964)
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:44
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フィル・ウッズ/フィル・アンド・クイル
JAZZ Sax 2
2005年07月14日
Phil Woods / Phil and Quil
今日はフィル・ウッズのアルトに耳を傾けています。ジーン・クイルとの2サックス盤『フィル・アンド・クイル』。50年代のフィル・ウッズは正統なパーカー派というだけでなくその憂いのある美しいアルトの響きに独特の魅力があって忘れがたい名白人サックス奏者です。パーソネルは、フィル・ウッズ、ジーン・クイル(as)、デイブ・マッケナ(p)、バディ・ジョーンズ(b)、シャドウ・ウィルソン(ds)。1957年録音。
フィル・ウッズは50年代以降も常に第一線で活躍してますが、60年代以降は金属的な音色とハード・ドライビングでラジカルな印象です。私にとってはデビュー間もない50年代半ばのフィル・ウッズがお好みです。初めてウッズに接したのは丁度その頃のクインシー・ジョーンズ『私の考えるジャズ』でしたが、その角ばっていながらしなやかで湿っぽいところのある特徴的なアルトの響き、それにパーカー直系の細やかでリリカルなフレージングにはつくずく納得させられまして、フィル・ウッズの存在が大きく輝いて見えるのでした。
フィル・ウッズとジーン・クイルの2アルトによる心地よいサックス・バトルが快調かつハード・バッピシュに繰り広げられています。2サックスによる麗しいユニゾンやハーモニーもなかなか魅力があるのですよね。各々のソロも目一杯楽しめまして、まさに元気が出てくるジャズですね。ウッズのアルトを存分に味わうのにとても適した快演になっています。
全11曲。ミディアム・テンポの曲調が中心です。いずれも最初の出だしのテーマ紹介のところが2サックスによるアンサンブルでそれぞれに工夫が施されています。とてもいい具合なのです。各ソロになりますと申し分のないハード・バップの香りが思い切り発散されていまして、自然とご機嫌な気分になってくるのです。4、10、11曲目など、渋いブルース系の曲ではウッズのしなやかなアルトが冴えわたっていますね。
1. Sax Fifth Avenue
2. Ready Rudy
3. Cabeza
4. Twin Funkies
5. Rib Roast
6. High Stepping Bizzes
7. Four Flights Up
8. Dig Your P's And Q's
9. Dry Chops In The Moonlight
10. Pottsville, U.S.A.
11. Frank The Barer
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Phil Woods / Phil and Quil
関連エントリーはこちら。→クインシー・ジョーンズ『私の考えるジャズ』
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:35
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エンリコ・ピエラヌンティ/プレイ・モリコーネ
JAZZ Piano 2
2005年07月13日
Enrico Pieranunzi / Play Morricone
今日はエンリコ・ピエラヌンティのピアノ・トリオを聴いています。『プレイ・モリコーネ』は映画音楽で著名な作曲家エンリオ・モリコーネの作品だけで製作されたピアノ・アルバムです。エンリコ・ピエラヌンティはイタリア出身の現代ジャズ・ピアノを代表する一人ですね。繊細で流麗なタッチは独特の美意識に貫かれています。パーソネルは、エンリコ・ピエラヌンティ(p)、マーク・ジョンソン(b)、ジョーイ・バロン(ds)。2001年録音。
エンリコ・ピエラヌンティは1949年生まれということですから現在50代半ばなのですね。80年代より活躍していまして、ビル・エヴァンス系の耽美的な音で適度に絡みつく粘着質のピアノなのですね。そのフレージングには独特の個性が感じられますが、さわやかに香る美的なセンスは万人を魅了する芳香を有しています。
90年前後から10年以上毎年数枚のアルバムを次々とリリースしていましてその多産ぶりが伺えます。以前にご紹介した『ナイト・ゴーン・バイ』(1996年)も極めて上質なピアノ・トリオ作品でしたが、本作もほぼ同様の路線上の作品です。やはりその耽美的な感性が際立っています。4曲目の流れるように美しいピアノの音の連なりはほんと素晴らしいと思います。しっかりとしたジャズ・フィーリングに裏打ちされているからこそ、その魅惑的な吸引力は絶大なものとなるのですね。
う~ん、やっぱりたまらないですね。これは病み付きになる音です。4曲目と10曲目がいいです。映像が自然に浮かんでくるようです。私の場合、音楽を聞いていて映像など音以外の神経に結びつくものは最上の類の音楽との認識です。脳が刺激を受けて異常に活性化されている状況なんだろうと思っています。音の流れに没頭すること、それが必須の要件ですが。ジャズを聴いて喜びを感じること、それは耳に響く音に興味を持つこと、そしてその自分にとって好ましいと思える音に精神を集中することではじめて得ることができるのだと思います。
1. Addio Fratello Crudele
2. Mio Caro Dottor Grasler
3. Voglia Matta
4. Just Beyond The Horizon
5. Incontro
6. Jona Che Visse Nella Balena
7. Le Mani Sporche
8. ....Correva L'anno Di Grazia 1870
9. Escalation
10. Stanno Tutti Bene
11. Quando Le Donne Avevano La Coda
iTunes Music Store では試聴可能です。→
Enrico Pieranunzi / Play Morricone
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関連エントリーはこちら。→エンリコ・ピエラヌンティ『ナイト・ゴーン・バイ』
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:45
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トミー・フラナガン/ムーズヴィル
JAZZ Piano 2
2005年07月12日
Tommy Flanagan / Moodsville
今日はトミー・フラナガンのトリオ・アルバムを聞きましょう。『Moodsville』は珠玉のピアノ演奏を堪能できるとてもキュートなアルバムです。私はこういうセンスに弱いのです。一見カクテル・ピアノ風でいながらじっくり聞けば本物の上品な香りが臭い立つそんなピアノなのですね。パーソネルは、トミー・フラナガン(p)、トミー・ポッター(b)、ロイ・ヘインズ(ds)。1960年録音。Prestige Records。
トミー・フラナガンのピアノは小気味よくスイングするハード・バップ・ピアニストとして筆頭格の名手の一人。『サキソフォン・コロッサス』や『ジャイアント・ステップス』などでの名脇役ぶりで忘れがたいピアニストです。本作ではそんな切れ味鋭いピアニズムを懐の中に仕舞い込んで情緒的な優しいメロディを実に丹念に見事に歌い上げています。
決してベタには流されないところが流石に名人でして、品格漂う珠玉のピアノ作品に仕上げているのです。これはあの繊細なタッチ・センスのアル・ヘイグのピアノ作品に通じる世界です。微妙に黒人特有のアーシーでグルーヴィーな雰囲気は隠しようもないのですね。そのセンスが露骨に感じ取れるのは6曲目のJes' Fine のみかもしれませんが、他の美しいバラッド演奏にもそこはかとなくそうしたセンスがかすかに匂っていまして、そこのところが本作の魅力の本質かとも思われます。
いずれにせよ歌ものが大好きでジャズ・ピアノに目が無い私のようなジャズ・ファンには座右に置いておくべき魅惑の世界が展開されているのですね。全7曲。最初の1曲目でふら付きだして、2曲目のYou Go To My Head がはじまる頃にはほぼにダウン寸前、そして3曲目Velvet Moon で完全にノックアウト状態ですね。4曲目のエリントンの名曲Come Sundayが来ますと夢心地になりまして、その後はもう忘我の境地といったところです。
1. In The Blue Of The Evening
2. You Go To My Head
3. Velvet Moon
4. Come Sunday
5. Born To Be Blue
6. Jes' Fine
7. In A Sentimental Mood
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詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Tommy Flanagan / Moodsville
関連エントリはこちら。
→ トミー・フラナガン/エクリプソ (1993)
→ ジョン・コルトレーン/ジャイアント・ステップス (1959)
→ ソニー・ロリンズ/サキソフォン・コロッサス (1956)
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:45
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スタン・ゲッツ/スウィート・レイン
JAZZ Sax 2
2005年07月11日
Stan Getz / Sweet Rain
今日はスタン・ゲッツですね。『スウィート・レイン』は60年代後半のゲッツの名作です。ボサノヴァ・ムーブメントで一世を風靡したスタン・ゲッツはデビュー間もないチック・コリアを招いて新世代のジャズにトライしています。パーソネルは、スタン・ゲッツ(ts)、チック・コリア(p)、ロン・カーター(b)、グラディ・テイト(ds)。1967年録音。Verve Records。
スタン・ゲッツについてはすでに何枚かのアルバムをご紹介しています通り、私の好みはやはり50年前後のクールなゲッツなのです。本作は60年代の作品ながら全体を覆う雰囲気にはそこはかとなくクールな臭いが漂っています。本作を好ましく思える理由を敢えて挙げるとすればそういうことかなと思います。このクールの源を探り当てようとしますとその背後に当時のウェイン・ショーターの影響を感じずにおれません。テナー・スタイルだけでなくその音楽性にもショーターの持つ独特の覚醒した宇宙感の臭いを私は捉えてしまいます。
スタン・ゲッツは50年代以降は稀代のメロディニストにしてさらにエネルギッシュさを加えつつ60年代前半にはアントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトらと共にボサノヴァ音楽の勃興に一役買って大ブレイクします。本作はそのブームが少し落ち着いた頃の録音で、ボサノヴァ系でなく正統なモダン・ジャズです。マイルス・デイヴィスのグループがウェイン・ショーターを音楽監督としてショーター色の強いアルバムを4部作を世に送っていた頃です。
本作へのチック・コリアの参加とショーター風のゲッツの吹奏が新世代ジャズを感じさせてくれます。1曲目や3曲目を聞けばその特質は明らかです。チック・コリアの硬質なタッチが素敵な空間を創っていてとりわけ美しいですね。3曲目のゲッツの幻想的なソロも格別のものがあります。王様スタン・ゲッツのテクニックを持ってすれば何でもござれというところなのでしょう。あんたが大将、あんたが一番。
1. Litha 8:33
2: O Grande Amor 4:45
3: Sweet Rain 7:12
4: Con Alma 8:08
5: Windows 8:58
Stan Getz(ts), Chick Corea(p), Ron Carter(b), Grady Tate(ds). Rec. on Mar. 30, 1967.
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Stan Getz / Sweet Rain
関連エントリはこちら。
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ・クァルテット (1949, 50)
→ スタン・ゲッツ/ザ・サウンド (1950, 51)
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ・プレイズ (1952)
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス (1964)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:36
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バーニー・ケッセル/イージー・ライク
JAZZ Guitar 1
2005年07月10日
Barney Kessel / Easy Like
今日はバーニー・ケッセルのギターを聴きましょう。バーニー・ケッセルのノリのよいギターは私のFavorite。『イージー・ライク』はケッセル30才時の定評ある初期の傑作です。モダン・ジャズ・ギターの開祖と言われるチャーリー・クリスチャンのスタイルを忠実に継承しながら自己の確固としたスタイルをすでに築いています。パーソネルは、バーニー・ケッセル(g)、バディ・コレット、バド・シャンク(fl,as)、クロード・ウィリアムソン、アーノルド・ロス(p)、レッド・ミッチェル、ハリー・ババシン(b)、シェリー・マン(ds)。1953&
56年LA録音。Contemporary Records。
バーニー・ケッセルのギターはいつもよくスイングして歌心あるメロディアスなアドリブを聞かせてくれますので常に期待通りの寛ぎと癒しを与えてくれます。ジャズ・ギターの名手は数多くいますが私にとって安心して耳を傾けることができるという点では最右翼の貴重な存在です。いつもジャズの楽しさを満喫させてくれるという点ではアルト・サックスのポール・デスモンドが私の中では最も近そうな気がいたします。
ケニー・バレルやグラント・グリーン、それにウェス・モンゴメリーら黒くてブルージーなギターもいいのですが、白人のあっさり味だけれどグルーヴィーでスインギーなギターも捨てがたいですね。いやむしろ私の場合はそちらの方が日常的に聴く分にはウェルカムかもしれません。バーニー・ケッセルのギターはそうした典型的な白人のジャズ・ギターといってよく、かつ最上級の味わいのあるギターだと思います。
全14曲。まずは、2曲目のTenderly にじっくり耳を澄ましますとケッセルのセンスと技の冴えに我を忘れて夢中になってしまいますね。何て心地よい演奏なのでしょう。ジャズの一番おいしいところを味わうことができているように思われます。この演奏を聴きますとすでにケッセル節が完成されていることが明白です。ケッセルは後年も息長く活躍しますが基本路線はほとんど変わっていないのですね。
4曲目What Is There To Say? や11曲目パリの四月なども同様に豊かなジャズ・フィーリングを感じさせてくれる好演です。そういえば、ジュリー・ロンドンの大ヒットアルバム『彼女の名はジュリー』でケッセルの渋い歌伴が聞けますね。このアルバムを名盤たらしめたことに対するケッセルの貢献は多大だったと思われます。ちなみにベースも同じくレッド・ミッチェルでした。
1. Easy Like
2. Tenderly
3. Lullaby Of Birdland
4. What Is There To Say?
5. Bernardo
6. Vicky's Dream
7. Salute To Charlie Christian
8. That's All
9. I Let A Song Go Out Of My Heart
10. Just Squeeze Me
11. April In Paris
12. North Of The Border
13. Easy Like - (alternate take, bonus track)
14. North Of The Border - (alternate take)
JR.comでは試聴可能です。→Barney Kessel / Easy Like
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Barney Kessel / Easy Like
関連エントリーはこちら。→ジュリー・ロンドン『彼女の名はジュリー』
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:37
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T.レックス/ザ・スーパー・ベスト・オブ・T・レックス
_Popular Music
2005年07月09日
T.Rex / The Super Best of T.Rex
今日は懐かしのロック・グループ、T・レックスのことを書きましょう。ビートルズ解散後の70年代前半のイギリスのロック・シーンは雨後の竹の子のごとくに際立った才能が次々と現れるブリティッシュ・ロックの最盛期だったと言えるでしょう。リーダーのマーク・ボラン(1947~1977)はそうした時代に現れたロック史に残る先駆者でした。グラム・ロックと呼ばれるブギーのリズムを取り入れた斬新なサウンドを生み出し、数多くの美しいヒット曲を飛ばしました。本作はT.レックスのヒット曲を集めたベスト盤です。
私はT.レックスのヒット曲にとても魅力を感じてきました。1週間ほど前に本ブログに書くべきアルバムを考えていたときにふとT.レックスのことが脳裏を掠めました。大学生になってジャズの魅力に取り付かれるまでには多種多様な音楽を受け入れてきた背景がありまして、私の中ではT.レックスの音楽に忘れがたい強烈で好意的な印象があるのでした。ここ数日改めてT.レックスのベスト盤とかに耳を傾けてみましたところ、意外にも学生時代に覚えた感激と全く同種のものを感じることができたのでした。
T.レックスの先鋭的な響き、それはギターによるメロディックで特徴的なリフと、ドラムとホルン、サックスによる独特のブギー調のロックのリズム、それにマーク・ボランの退廃的なヴォーカルにあります。つまり、しっかりした特徴的なリズムと非常に魅力的なメロディを持った8ビートのロック、その上にカリスマ的なボランの個性が備わっていますので、多くの若者が容易に受け入れることができるというわけですね。
私はほぼリアル・タイムでT.レックスの音楽を知り、その後も折に触れて繰り返し聴き返していますが、その魅力が色褪せることは決してありませんでした。今もこうしてT.レックスを聴きながら快適な気分で書いています。取分けその明快なリズムと魅惑的なギター・リフが分かりやすくて取っ付き易いのですね。
1971年の後半から73年の前半にかけて大ヒット曲が矢継ぎ早にリリースされて行きました。1曲だけでも大したものなのに10曲近くの名曲が生み出されています。凄い密度です。才能というのはきっとこういうことを言うのでしょう。メタル・グゥルーやテレグラム・サム、20センチュリ・ボーイなどはロック史に燦然と輝く名曲ではないかと密かに思っております。
1971年 7月 シングル「ゲット・イット・オン」をリリース
9月 アルバム「電気の武者」をリリース
11月 シングル「ジープ・スター」をリリース
1972年 1月 シングル「テレグラム・サム」をリリース
5月 シングル「メタル・グゥルー」をリリース
7月 アルバム「ザ・スライダー」をリリース
9月 シングル「チルドレン・オブ・ザ・リボリューション」をリリース
12月 シングル「イージー・アクション」をリリース
1973年 3月 シングル「20センチュリ・ボーイ」をリリース
3月 アルバム「タンクス」をリリース
6月 シングル「ザ・グルーヴァー」をリリース
収録曲は下の23曲です。ライブ演奏が一部用いられています。
1.メタル・グゥルー
2.ゲット・イット・オン(ライヴ : モノラル録音)
3.20センチュリー・ボーイ
4.テレグラム・サム(ライヴ : モノラル録音)
5.ジープスター(ライヴ : モノラル録音)
6.ホット・ラヴ(ライヴ : モノラル録音)
7.ライド・ア・ホワイト・スワン(ライヴ : モノラル録音)
8.チルドレン・オブ・ザ・リヴォリューション
9.イージー・アクション
10.ザ・グルーヴァー
11.サマータイム・ブルース(ライヴ : モノラル録音)
12.ザ・スライダー
13.深紅色の月
14.ロンドン・ボーイズ
15.ライト・オブ・ラヴ
16.ラヴ・トゥ・ブギー
17.地下世界のダンディ
18.ジップ・ガン・ブギー
19.トラック・オン
20.心はいつもロックンロール
21.夢みる夜の魔女
22.レーザー・ラヴ
23.ティーンエイジ・ドリーム
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ T.Rex / The Super Best of T.Rex
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:42
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クリス・コナー/ディス・イズ・クリス
JAZZ Vocal
2005年07月08日
Chris Connor / This Is Chris
今日はクリス・コナーを聴いています。『ディス・イズ・クリス』は定評あるベツレヘム三部作の1枚です。この3作は甲乙付け難い内容ですが選曲という点で本作が一歩抜けているのではないかと思います。パーソネルは、クリス・コナー(vo)、ハービー・マン(fl)、カイ・ワインディング、J.J.ジョンソン(tb)、ジョー・ピューマ(g)、ラルフ・シャロン(p)、ミルト・ヒントン(b)、オジー・ジョンソン(ds)。1955年NY録音。
クリス・コナーのハスキーな声質と知的でクールな歌い回しは私の好みにぴったり合っていまして、白人女性ヴォーカルの中でもクリス・コナーは私の中ではトップの位置を占めています。本作『This Is Chris』ではそうしたクリス・コナーの魅力と優れた特質をじっくり聴くことができます。ヴォーカル・ファンにはお勧めの一枚です。ちなみにベツレヘム三部作の他の2作『クリス』と『バードランドの子守唄』はすでに本ブログでご紹介済みです。
コナーの堂々とした豊かな声量のハスキーヴォイスが前面に押し出されてくるかのようで、その録音状態も決して悪くないむしろ大変好ましいものです。録音当時27才ということですが、20才代とは思えない貫禄が感じられる歌唱です。そしてそのクールなフレージングが老練で見事なものなのです。確かなテクニックと実力が存分に披露されていると言えるでしょう。
全10曲。ラルフ・シャロンの小粋なピアノとハービー・マンやJ.J.ジョンソンらのお洒落な伴奏がコナーの歌とよく調和しています。6曲目Thrill is goneや10曲目Ridin' High などに聴かれるコナーの典型的なクールな歌声が印象的です。それに8曲目のAll Dressed up With a Broken Heartなどでのクールだけれど暖かみを感じさせる歌声も好みです。
1. Blame It on My Youth
2. It's All Right With Me
3. Someone to Watch over Me
4. Trouble Is a Man
5. All This and Heaven Too
6. Thrill Is Gone
7. I Concentrate on You
8. All Dressed up With a Broken Heart
9. From This Moment On
10. Ridin' High
amazon.comでは試聴可能です。→Chris Connor / This Is Chris
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Chris Connor / This Is Chris
関連エントリーはこちら。
→クリス・コナー『バードランドの子守唄』
→クリス・コナー『クリス』
→クリス・コナー『ヴィレッジ・ゲイトのクリス・コナー』
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:38
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チャーリー・パーカー/ナウズ・ザ・タイム
JAZZ Sax 2
2005年07月07日
Charlie Parker / Now's The Time
今日はチャーリー・パーカーの名作『ナウズ・ザ・タイム』といきましょう。やはりチャーリー・パーカーのアルト・サックスを聞かずしてジャズを語ることはできません。40年代後半から50年代前半にかけてパーカーが残したアルバム群にはその後のモダン・ジャズ・サックスの本質的な全容がまるで達人のデッサンのごとくに明瞭に描き出されています。パーソネルは、チャーリー・パーカー(as)、アル・ヘイグ、ハンク・ジョーンズ(p)、テディ・コティック、パーシー・ヒース(b)、マックス・ローチ(ds)。1952、53年NY録音。Verve。
チャーリー・パーカーのアルバムの中で最も好きなものは以前にご紹介したダイアル・セッションの名演を集めた『バード・シンボルズ』です。理性的に抑制されたバラード演奏にバランス感覚に優れた極上のジャズ・センスを感じ取ることができます。アドリブを知り尽くした天才プレイヤーが研ぎ澄まされた神経で刻んだ選りすぐられた音の連なりにはあたかも崇高な精神性が宿っているようです。
その天才のアドリブの全体像をそこそこの音質で聴くのに最も適した一枚が本作の『ナウズ・ザ・タイム』だと思います。40年代のダイアルやサヴォイの各レーベルにこそ絶頂期のパーカーが捉えられているのでしょうが、如何せん音質がいまいちのために日常的に鑑賞するには少し面白みに欠けるきらいがあるのですね。
その圧倒的なアドリブ(というよりインプロヴィゼーションという方がパーカーの場合は当っているかもしれませんが)に耳を傾けますと、すでにその後50年に及ぶジャズの歴史の基礎がすでに築かれていることが明らかになります。そう、すでにパーカーが40年代の後半にほぼ完成したアドリブ様式であって、その後の多くのジャズマン、特にサックス奏者はほぼすべてそのパーカー流を踏襲しているのだなといったことが分かるでしょう。
パーカーのクセと思えるような個性的なフレージングまでもがバップのスタンダードのアドリブ様式の一部になっているようにも聞こえます。少々思い入れが過ぎるかもしれませんが、それくらいに普遍性に富んだものを提示しているように思われます。確かにその後のハード・バッパー達の音と純粋に比較すればパーカーは少し手先が器用かなという程度に聞こえるかもしれませんが、彼以前にはこうした奏法をする人がいなかったということを考慮すればその真価はおのずと定まってくるのですね。
全13曲。別テイクが5曲も入っています。パーカーのアルトの音色はすぐにそれと分かるくらいに個性的な音ですし、そのアドリブラインは完全にコントロールされ余裕に満ちた高度なものです。非凡な才能を感じずにはおれません。例えば7~10曲目Chi-Chiでの4つの別テイクを通して繰り返しパーカーの至芸を味わうこと、それはモダン・ジャズの本質に限りなく近づいていることを意味しているに違いありません。
1. Song Is You
2. Laird Baird
3. Kim
4. Kim [Alternate Take]
5. Cosmic Rays
6. Cosmic Rays [Alternate Take]
7. Chi-Chi
8. Chi-Chi [Alternate Take1]
9. Chi-Chi [Alternate Take2]
10. Chi-Chi [Alternate Take3]
11. I Remember You
12. Now's the Time
13. Confirmation
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Charlie Parker / Now's The Time
関連エントリーはこちら。
→チャーリー・パーカー『バード・シンボルズ』
→チャーリー・パーカー『ジャズ・アット・マッセイ・jホール』
→チャーリー・パーカー『バード・アンド・ディズ』
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:37
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ジョン・コルトレーン/ソウル・トレーン
JAZZ Sax 2
2005年07月06日
John Coltrane / Soul Trane
今日はジョン・コルトレーンですね。『ソウル・トレーン』はコルトレーンのワン・ホーン・アルバムとして実力&内容ともに最高の頂点を示した一枚に違いありません。自信に満ちた力強いテナーの響きは60年代とはまた異なる輝きに満ちています。パーソネルは、ジョン・コルトレーン(ts)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。1958年2月録音。Prestige Records。
ジョン・コルトレーンのサックスの魅力はジャズに深入りすればするほど増大してくるように思われます。その真価を把握することは容易でないということの証なのかもしれません。虎穴に入らずんば虎子を得ずの例えのごとく、山なみの奥深くに分け入らないとその頂を見ることができないという類なのでしょうか。コルトレーンはいつもそこに悠然と佇んでいるのでした。
本作の深い味わいを噛みしめることができる境地に自分もようやく達することができてとても幸せに感じられる今日この頃なのです。57年の『ブルー・トレーン』(BN1577)、59年の『ジャイアント・ステップス』(atlantic)の有名作に挟まれて少し地味目の本作ですが、この『ソウル・トレーン』(prestige)こそがコルトレーンが示した最高の頂点ではないかと密かに思うというわけです。ここにコルトレーンの真髄があると。
60年代以降も納得できる部分があります。特に61年くらいまでは。それ以降はちょっとついていけません。『バラッド』なども名盤の誉れが高いですが、本作『ソウル・トレーン』の2曲のバラッド演奏を聴けばはるかに生命力に溢れていることがわかるはずです。『バラッド』では諦観というかむしろ枯れたニュアンスを醸していますが、私にはそれがいかにももの哀しく聞こえるのです。やはりジャズは演奏者本人がどこかで確実に楽しんでくれていないと聞いている側はもっと楽しめないのかなと思うのですね。
50年代のコルトレーンは遅咲きながらマイルスのグループで個性を発揮して、ロリンズやモンクらとの共演を経てひたすら生真面目に努力することによって独自の境地を切り開きました。シーツオブサウンドという他人に容易に真似されることのない早弾きテクニックを身に着けて、50年代末はハードバップから新主流に脱皮する過渡期に当り、本作がバップでの最後、次作が新境地の最初という位置づけでしょうか。
バップを完全に制してさらにその先に突き進まんというエネルギーが感じられます。本作には隅々にまでそうした自信に満ち溢れた力強いものが行き渡っていて、コルトレーン絶好調の雰囲気がひしひしと伝わってくる演奏なのです。この演奏に深い魅力を感じるとすれば、それは演奏者の心にある深い喜びや充実した精神性が聞く者に直に伝わってきているということに起因しているのだろうと思えるのです。
全5曲。2曲目と4曲目がスローバラッド。1曲目と3曲目がミディアム、5曲目がアップ・テンポです。コルトレーンのテナーには凄まじい説得力が感じられます。ポール・チェンバースの重いベースがコルトレーンのパワフルで饒舌なテナーとよき対をなしていて全体の色調が決められています。レッド・ガーランドのピアノはいつもながら美しさを湛えておりアクの強いコルトレーンの音楽のアクセント付けに一役買っています。
1.Good Bait
2.I Want To Talk About You
3.You Say You Care
4.Theme For Ernie
5.Russian Lullaby
アマゾンでは試聴可能です。→ John Coltrane / Soul Trane
JR.comでも試聴可能です。→ John Coltrane / Soul Trane
関連エントリーはこちら。
→ セロニアス・モンク/ウィズ・ジョン・コルトレーン(1957)
→ ジョン・コルトレーン/ブルー・トレーン(1957)
→ ジョン・コルトレーン/ジャイアント・ステップス(1959)
→ ジョン・コルトレーン/マイ・フェイバリット・シングス(1960)
→ ジョン・コルトレーン/プレイズ・ブルース(1960)
→ ジョン・コルトレーン/オレ・コルトレーン(1961)
→ ジョン・コルトレーン/インプレッションズ(1961)
→ ジョン・コルトレーン/ライブ・アット・ザ・ビレッジ・ヴァンガード(1961)
→ ジョン・コルトレーン/コルトレーン(1962)
→ ジョン・コルトレーン/ジョン・コルトレーンとジョニー・ハートマン(1963)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:38
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ハンク・モブレイ/ハンク・モブレイ
JAZZ Sax 2
2005年07月05日
Hank Mobley / Hank Mobley
今日はハンク・モブレイの隠れた名盤をご紹介しましょう。『ハンク・モブレイ』は、ブルーノートでのハンク・モブレイ6作目の作品です。これぞ真性ハードバップ。ソニー・クラークのブルーノート・デビュー作でもあります。パーソネルは、ビル・ハートマン(tp)、カーティス・ポーター(as,ts)、ハンク・モブレイ(ts)、ソニー・クラーク(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。1957年NY録音。BlueNote1568。
ハンク・モグレイとカーティス・ポーターの2本の個性的なサックスが交差して妙に魅力的なアルバムに仕上がっているのです。もちろん、ビル・ハートマンの明瞭なトランペットもアクがなく申し分ない出来です。私にとって繰り返し聴いても聴くたびに新たな味わいが滲み出てくるような類の最上のハード・バップ・アルバムなのです。
カーティス・ポーターは後にシャフィ・ハディの名でチャールズ・ミンガスのグループに参加して確かな足跡を残すことになりますが、なぜか今一歩メジャーになりきれずとても残念な存在です。私はこのポーターのサックス、そう、マクリーンのような四角張った音色と少しぶきっちょに前に押し出してくる鋭角的なところが大変好ましいと感じています。このアルバムではそうしたポーターのバッパーとしての素敵な面が如実に露わになっていまして、ポーターをじっくり聴くアルバムと言えるかもしれませんね。あの朴訥だけれど忘れがたい印象を残すテナーのJR.モンテローズに通じる面を私は感じます。1曲目でのメリハリのある凄いソロは特筆ものです。すぐにポーターの音と分かるほど個性的ですし、憂いのある表情が実に見事だと思います。
それに西海岸からNYにやってきたソニー・クラークのBN初録音という記念すべきアルバムでもあるのですね。この後、ソニー・クラークはアルフレッド・ライオンに気に入られてBNのハウス・ピアニストのような存在となって次々とリーダー作を録音する機会を与えられることになります。本作でも独特のアーシーなアドリブを披露していまして、すでに個性が確立されていることがよくわかります。
そうそう、主役のモブレイでしたよね。なぜか、お人よしの臭いのするハンク・モブレイさんはいつも後回しになるのですね。それでいて、確かにその個性はじっくり聞かないと希薄ではありますが、その味を一度占めるとなかなか捨てがたいボディブロウのように後々にずっしりと利いてい来る類の謂わば最もたちの悪い吸引力があるのですよ。
全5曲。渋い直球のハードバップです。ファンキー色が薄くて私の大のお好みの世界です。3.Bag's Grooveや5.Newsでのミディアム曲での流麗で淡々とした演奏でありながらそこはかとないグルーヴを発散する音楽、これぞブルーノート・ジャズの真髄だろうと感じます。ハンク・モブレイとソニー・クラークの組み合わせは本作の直後に録音されたソニー・クラークの初リーダー作『ダイアル・S・フォー・ソニー』(BN1570)でも聴くことができます。この後、数多い録音をこの両者は各々に残してゆくことになるのですが、これら初期の作品における真摯で直截な輝きに私は妙に心地よい魅力を感じることができるのです。
1. Mighty Moe And Joe (6:52)
2. Falling In Love With Love (5:29)
3. Bag's Groove (6:00)
4. Double Exposure (7:47)
5. News (8:12)
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Hank Mobley / Hank Mobley
関連エントリーはこちら。→ ソニー・クラーク『ダイアル・Sフォー・ソニー』
→ ハンク・モブレイ『ソウル・ステイション』
→ チャールズ・ミンガス『メキシコの思い出』
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:39
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ウィントン・ケリー/ウィスパー・ノット
JAZZ Piano 2
2005年07月04日
Wynton Kelly / Whisper Not
今日はウィントン・ケリーのピアノを満喫するのに好適な一枚を選んでみました。『ウィスパー・ノット』はギターのケニー・バレルを迎えたカルテット演奏によるブルージーでグルーヴィーな渋いアルバムです。パーソネルは、ケニー・バレル(g)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1958年NY録音。Riverside Records。
ウィントン・ケリーは50年代後半から60年代前半にかけて大活躍したモダン・ジャズを代表するピアニストですね。マイルス・デイヴィスのグループにも参加しています。そのブルージーでよく転がる演奏は同時期のトミー・フラナガンやソニー・クラークらと並んで取分け印象深いものがあります。
そのウィントン・ケリーがサイドメンとして参加した録音は数多く残されていますが、ピアノ・トリオ演奏は数枚というほど意外に少ないものです。以前にこのブログでも紹介した『ケリー・アット・ミッドナイト』がその筆頭格で、他には『枯葉』くらいでしょうか。そして、本作はケニー・バレルが加わったカルテットですが、ケリーのピアノがほぼ主役ということではトリオ演奏と同等にケリーのピアノを堪能することができるアルバムだと思われます。
バレルのギターはご存知の通りブルース感覚に卓越したケリーとは言わば同類のセンスを持つジャズマンだけにごく自然な調和を感じさせてくれます。ケリーのピアノも幾分かあっさりした感じに聞こえて、濃いブルースに少々食傷気味の私などにとっては中庸を得て丁度心地良いところに落ち着いているのです。何を聴こうかなって困った時などについつい手が伸びてしまう魅力的で身近な一枚なのですね。
全7曲プラス別テイク1。どれも思わずにんまりしてしまいそうな渋~いgoodな演奏なのです。6曲目のDon't Explainでのアーシーなセンスなどは格別な味わいがあります。それに4曲目Strong Manや5曲目I'll Windなども実に言い感じです。1曲目のWhisper Notなどはまさに想像できる通りの期待に違わぬグルービ~な演奏といえるでしょう。
1. Whisper Not
2. Action
3. Dark Eyes
4. Strong Man
5. Ill Wind
6. Don't Explain
7.You Can't Get AwayDark
8. Eyes - (take 2, bonus track)
Wynton Kelly (p), Kenny Burrell (g), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds). Recorded on January 31,1958.
iTunes Music Store では試聴可能です。→
Wynton Kelly / Whisper Not
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Wynton Kelly / Whisper Not
関連エントリーはこちら。→ウィントン・ケリー『ケリー・ブルー』
→ウィントン・ケリー『ケリー・アット・ミッドナイト』
→ウィントン・ケリー『フル・ヴュー 』
→ウィントン・ケリー『ケリー・グレイト 』
→ウェス・モンゴメリー『フル・ハウス』
→ケニー・バレル『ミッドナイト・ブルー』
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:46
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リニー・ロスネス/星に願いを
JAZZ Piano 2
2005年07月02日
The Drummonds / When You Wish Upopn A Star
今日は最近お気に入りのピアニストであるリニー・ロスネスのアルバムを紹介させていただきます。ヴィーナス・レーベルの『星に願いを』。ザ・ドラモンズこと、ビリー・ドラモンドとレイ・ドラモンド兄弟がリニー・ロスネスを迎えて珠玉のピアノ・トリオ演奏を残しました。パーソネルは、リニー・ロスネス(p)、ビリードラモンド(b)、レイ・ドラモンド(ds)。1999年NY録音。Venus Records。
このブログを始めるまで最近のジャズ・シーンに極めて疎い私でした。このブログを毎日のように更新することになって否が応でも現在のジャズ・シーンに目を開かされるのでした。そして、その収穫が大好きなピアノでは、ビル・チャ-ラップとこのリニーロスネスなのでした。あ、それに、アーマッド・ジャマルやキース・ジャレットの素晴らしさに開眼したのも実は最近のことなのです。まあ、それは置いといて、と言いましても、ジャマルは絶対的に素晴らしいと思うのですが、ジャレットはワン・パターンかなという気がしないでもないですが。
確かにブログを書くようになりまして、「今」どんなのが巷で流れているのかが結構に気になってくるのですね。もっといいのが出てきているんじゃないか、自分はそんなことも知らず取り残されて一人よがりのことを書いているんじゃないかって不安になるものです。ですから、最近できるだけ枠を広げるように少しは努力をしているというわけです。ほんの少しですけれどね。そして、やっぱり、ちゃんといるじゃないですか、才能は着実に次々と出てきているってことを実感している今日この頃ではあります。
リニー・ロスネスってピアニスト、以前にご紹介した『レター・トゥ・ビル・エヴァンス』で一辺に惚れ込みました。一般にどのような評価がなされているのかほとんど知らず、全くの主観なのですが「すごくよい」と思うのです。そして、本アルバムを聴いてそれが確信に変わりました。抜群のセンスの良さが光っています。泉のように湧き出るイマジネーションと粘着質のリリアカルなタッチはビル・エヴァンスの流れを踏襲しながらも洗練の極みを示す現代を代表するジャズ・ピアニストではないのかと私は密かに感じているのでございます。
いや超のつくような美形だからとかの贔屓目は全く関係ございません。それに見かけだけで言いますと小生の趣味とは若干違う部分があります。純粋にそのピアノ演奏に参っているのです。例えば、4曲目ミディアム・テンポのAlone togetherに耳を傾けてみますと、7分の演奏時間の内5分くらいを占めるロスネスのインプロヴィゼーション、これがほのかな叙情性を発散しながらリズムに乗りつつよくコントロールされたアドリブ・ラインには思わず唸らされますね。この心地よい緊張感が素晴らしい。
1.Nature Boy
2. Autumn In New York
3. Over The Rainbow
4. Alone together
5. When You Wish Upon A Star
6. Danny Boy
7. Lullaby Of Birdland
8. The Sound Of Silence
9. Polka Dots And Moonbeams
10. Like Someone In Love
iTunes Music Store では試聴可能です。→
The Drummonds / When You Wish Upopn A Star
J-Waveでは試聴可能です。→ リニー・ロスネス『星に願いを』
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ The Drummonds / When You Wish Upopn A Star
当ブログでの関連エントリーはこちら。→リニー・ロスネス『レター・トゥ・ビル・エヴァンス』
それにしても先週訪問した吉祥寺のジャズ喫茶『メグ』のことまだ記事にしていません。すみません。
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:47
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