全8曲。最後の Blue Red のみガーランドのオリジナル、他はスタンダード曲で、玄人好みのする好ましい選曲と思われます。渋い演奏が並びます。2曲目 My Romance や6曲目 Little Girl Blue のリリカルなバラッド演奏が素敵です。シングル・トーンが限りなく優しくかつ美しいですね。
5曲目 September in the Rain や1曲目 A Foggy Day などのミディアム・テンポの演奏も小気味よくていとてもいい具合ですね。当時のマイルス・グループの雰囲気そのものです。4曲目 Makin' Whoopee と8曲目Blue Red はブルース演奏、その得意なグルーヴィーなセンスが光ります。
1. Foggy Day
2. My Romance
3. What Is This Thing Called Love?
4. Makin' Whoopee
5. September in the Rain
6. Little Girl Blue
7. Constellation
8. Blue Red
全11曲。美しいメロディと明晰なビート、自由に駆け回るピアノには心地よい音楽が持つべき魅力が満ち溢れています。2曲目の Home が特にお気に入り。シンセサイザーがその無限の音宇宙にさらなる奥行きを与えているかのようです。昔よく聞いたクロスオーバーイレブンというFM番組、就寝前の癒しタイムによく耳馴染んだ音世界そのものです。
3曲目 P'tit Louis と5曲目 Rachid は本来というか従前のビビッドなアコースティック・ピアノ・ジャズ。ペトルチアーニの素敵なピアニスティックな感性を味わうことができます。やっぱ落ち着きます、こういうのが安心でいいなと。それにしてもペトルチアーニの作曲の才も褒め称えるべきですね。1曲目 September Second も彼の代表的名作、淀みのないピアノ演奏も緊張の持続する素晴らしい内容です。
1. September Second
2. Home
3. P'tit Louis
4. Miles Davis' Licks
5. Rachid
6. Brazilian Suite #3
7. Play School
8. Contradictions
9. Laws of Physics
10. Piango, pay the man
11. Like that
バド・パウエル(1924-1966)の全盛期は1950年前後の47年から53年くらいとよく言われますね。神がかり的で天才の芸術と呼ぶにふさわしい真摯なジャズ・ピアノ。ブルー・ノート、ルーレット、ヴァーブに残されたそれら切れ味鋭く一種近寄りがたい凄味あるピアノには私も畏敬の念を抱き続けています。例えば、「アメジング・バソ・パウエルVol.1&2」や「バド・パウエルの芸術」などで聞かれる張りつめた隙のない演奏には天才的なきらめきが感じられます。特に私のお気に入りは前者に収められたYou Go to My Headでのホーンライクでアイデアに富んだドライブ感ある長いアドリブ演奏なのです。
全8曲。いずれも洒落た味のある演奏です。2曲目表題曲の Invitaion では淀みなく次々に巧なメロディックイディオムが展開されます。3曲目 Enigma は落ち着いた曲想の中に抑えられたリリシズムが匂い立つような素敵な演奏。そして、5曲目 If You Could See Me Now がまた心優しくて切ないとても美しい世界。7曲目 Daydream もアル・ヘイグならではの淡白で繊細な味わい。
1. Holyland
2. Invitation
3. Enigma
4. Sawbo City Blues
5. If you could see me now
6. Sambalhasa
7. Daydream
8. Linear Motion
Al Haig (p), Gilbert 'Bibi' Rovere (b), Kenny Clarke (ds). Recorded at Olympic Sound Studios, Barnes, England, on January 7th、1974.
デニー・ザイトリンはシカゴ生れの現役のジャズ・ピアニストであり、また精神科医でもあります。1960年代にサンフランシスコに移り、チャーリー・ヘイデンらと組んで Columbia に上記2枚を含む5枚ほどのアルバムを残しました。残念ながら今のところCDでの再発はないようですが、ザイトリン本人も自身の音楽にとって a marverous platform と位置づけているようにいずれも満足な内容であったのだと思います。
本作は Columbia 時代の最後の作品です。全11曲。ザイトリンのオリジナル4曲。素晴らしいアルバムだと思います。例えば、4曲目 Here's That Rainy Day はキュートなメロディのスタンダード曲。数多い演奏の中でこのザイトリンの演奏が私は最も好きです。同曲はエヴァンスも録音を残しているものの、ザイトリンのこの演奏によって同曲が特別に好きになったほどですので、こちらの方が印象深いのです。ザイトリンのピアノには惹きつけてやまない独特の美学が感じられますが、その秘密は左手の多彩な動きと右手の美音の連なりにあり、左手の動きに意外性があるため曲想が立体的なものになるのではないかと思います。
6曲目 Maiden Voyage がまた素敵な解釈です。私にとっては本家ハンコックのクインテット演奏より好みになりますし、ヴァイブのボビー・ハッチャーソン『ハプニングス』(1966年) の演奏と同じくらいに好印象です。静かに奏されるテーマ紹介直後のザイトリンの最初の1コーラスが実に素敵です。透徹した美意識を感じずにおれません。
1. Dormammu [Denny Zeitlin] (6:38)
2. Put Your Little Foot Right Out [P.D.] (3:12)
3. The Hyde Street Run [Denny Zeitlin] (2:18)
4. Here's That Rainy Day [Burke, VanHeusen] (3:47)
5. I Got Rhythm [Gershwin, Gershwin] (2:11)
6. Maiden Voyage [Hancock] (7:37)
7. Offshore Breeze [Denny Zeitlin] (2:35)
8. Night and Day [Porter] (2:57)
9. Mirage [Denny Zeitlin] (17:14)
Denny Zeitlin (p), Charlie Haden (b), Joe Halpin (b), Jerry Granelli (ds), Oliver Johnson (ds).
Recorded on Apr 11, 1966 & Mar 18, 1967.
全7曲。1曲目 IF THERE IS SOMEONE LOVELIER THAN YOU からアップテンポの快調なピエラヌンティのソロが堪能できます。ピエラヌンティの音楽は聞き流せばさっと過ぎ去ってゆくほどさりげなくあっさりしているのですが、繰り返して聞くことでアドリブのメロディが耳に慣じんだ頃にようやくその心地よさが深く味わえるのだと思います。そういう類の音楽に私はなぜか愛着を抱きます。
2曲目 I FALL IN LOVE TOO EASILY はスローバラッド。粘っこいピアノが魅力的です。 ピエラヌンティのバラッド演奏は印象的なシングルトーンで独特な音列を並べる意外性のあるものですが、そこにある美意識には説得力があります。
3曲目 THE MOOD IS GOOD はミディアムテンポでやはり私はこうしたピエラヌンティがお好みのようです。リズムに乗って次々に繰り出されてくる音の連なりに身をゆだねるようなそんな快感です。5曲目 A CHILD IS BORN では粘っこくしっとりしていている上にリズムに乗る快適なピアノが素敵です。この演奏が本CDで一番のお勧めかな。
1. IF THERE IS SOMEONE LOVELIER THAN YOU
2. I FALL IN LOVE TOO EASILY
3. THE MOOD IS GOOD
4. NEW LANDS
5. A CHILD IS BORN
6. ALL THE THINGS YOU ARE
7. I LOVE YOU
Enrico Pieranunzi (p), Marc Johnson (b), Joey Baron (ds). Recorded on Feb 17, 1984.
iTunes Music Store では試聴可能です。→ Enrico Pieranunzi / New Lands
スタンダード中心の全12曲収録。まずは1曲目 All Or Nothing At All を聞けば、このトリオ演奏が高度に連携のとれた密度の高い音楽であることがすぐに分ります。ベースのファビアン・ギスラーの動きが激しく刺激的で、ドラムが細やかにリズムを刻みます。
続く2曲目 Never Let Me Go は素敵なソローなバラッド。ラカトシュの余韻たっぷりの粘着質の音の連鎖が魅力的。エヴァンスほど内省的でないけれどひたすら耽美的なピアノです。3曲目 My Favorite Things はミディアム・テンポでやはり3者のインタープレイがなかなか好印象で、終始、前のめりに攻めの姿勢のラカトシュのピアノが心地よいです。
4曲目 Last Time Together が本作品の中で私が最も好む演奏。ラカトシュの父、ピアニストの Bela S. Lakatos の作品。スポンテイニアスで特徴的なベースとドラムの複雑なリズムに乗って、ラカトシュのピアノが淀みなく美音の連鎖を繋いでゆきます。ラカトシュの唸り声が聞こえる頃に絶頂を迎えますが、時を忘れさせるこの快感はなんて素敵なのでしょう。全くもって新鮮な感激。私がヨーロッパのピアノ・ジャズに求めてきたものがまさしくこの演奏にありそうです。
1. All Or Nothing At All
2. Never Let Me Go
3. My Favorite Things
4. Last Time Together
5. Weaver Of Dreams
6. Ray's Idea
7. The More I See You
8. Estate
9. Waltz for Sue
10. When Will The Blues Leave
11. Till There Was You
12. You're My Everything
Robert Lakatos (p), Fabian Gisler (b), Dominic Egli (ds). Recorded on Oct.22&23, 2006 in Zulich.
まずもって、9曲目 In the Wee Small Hours の後半のピアニズムが美しくて大好きです。鋭いタッチながら極めてリリカルな演奏です。シナトラやアン・バートンでお馴染みのメロディ。何度でも聞きたくなります。ライオネル・ハンプトンのスターダストのようなビブラフォンの鋭く美的なアタック音を思い出させてくれます。
それに、2曲目 My Favorite Things でも同様な見事なソロを聞かせてくれます。グッと溜めて一気に魅惑のラインを力強くかつスピーディーに吐き尽くす感じ。決して緊張が緩みません。 有名曲がとても新鮮に聞こえます。5曲目 Spring is Here でもその種の快適なソロ、美しいシングルトーンに惹かれます。
1. Isn't It Romantic
2. My Favorite Things
3. You Are Too Beautiful
4. With A Song In My Heart
5. Spring Is Here
6. Things Ain't What They Used To Be
7. Close Your Eyes
8. Con Alma
9. In The Wee Small Hours Of The Morning
With A Song In My Heart/Tonu Naissoo(P) Trio(Aterlier Sawano AS046) - Recorded February 20 and 21, 2003. Jorma Ojanpera(B), Petteri Hasa(Ds).
6曲目 Tin-Tin-Dio はアート・ペッパーの演奏でお馴染みの私好みの曲ですが、シャフラノフはスピード感とアイデアに満ちた素敵なアドリブを繰り広げており、流石シャフラノフと、その面目を示す演奏になっていますね。9曲目 I've Never Been In Love Before は最長7分を超える演奏で、シャフラノフの長いソロが堪能できます。こうしたミディアム・テンポの愛らしい曲を心地よく快調かつリリカルに演奏したものが最もシャフラノフの優れた特徴を表現していると思われます。
1. Love Walked In
2. I Remenber Clifford
3. Giant Steps
4. White Nights
5. Bluesnost
6. Tin-Tin-Dio
7. Sad To Say
8. Lester Left Town
9. I've Never Been In Love Before
10. 'Round Midnight
11. One By One
12. Django
13. Vova-Nova
14. I Mean You
Vladimir Shafranov (p), George Mraz (b), Al Foster (ds). Recorded at New York City, January 4&5, 1990.
今日はお好みのピアニスト、アル・ヘイグのデリケイトで端正なピアノ・タッチを堪能しています。40年代後半から50年代に大活躍した後、70年代にも数少ないながら本作はじめ優れた録音を残しています。パーソネルは、アル・ヘイグ(p)、ジャミル・ナッサー(b)、フランク・ガント(ds)。1977年録音。Progressive Records.
1. Golden Earrings
2. Angel Eyes
3. Blues Changes
4. Splittin'
5. Django
6. The Thrill Is Gone
7. Daahoud
8. Sonar
Ray Bryant (piano); Ike Isaacs (bass); Specs Wright (drums). Recorded at the Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey on April 5, 1957. Includes liner notes by Ira Gitler. Prestige.
今日は最近私のお好みの女流ピアニスト、リニー・ロスネスの登場ですね。本作の"As We Are Now"はサックスを加えた97年録音のカルテット演奏です。清冽で瑞々しいピアノ・ジャズが広がりのある音宇宙を形作っています。パーソネルは、リニー・ロスネス(p)、クリス・ポッター(ts,ss)、クリスチャン・マックブライド(b)、ジャック・デジョネット(ds)。1997年NY録音。
1. Black Holes
2. The Land Of Five Rivers
3. Abstraction Blue (For Georgia O'Keeffe)
4. Mizmahta
5. Non-Fiction
6. Bulldog's Chicken Run
7. As We Are Now
8. Absinthe
9. Pee Wee
Renee Rosnes(p), Chris Potter(ts,ss), Christian McBride(b), Jack Dejohnette(ds).
本当に何て素晴らしいジャズなのでしょう。ここ数日じっくりと聞いてきましてそうした思いを再確認しています。本作は愛着のあるピアノ・トリオ・アルバムです。特に、3曲目ミディアム・スローのWhat A Difference A Day Madeに耳を傾けるたびにジャズの力強い魅力を実感させてもらっています。このしっとりしたブルーヴ感こそまさに私がジャズに求める醍醐味に他なりません。後半少しアップテンポになってからのケリーの見事なソロ・インプロヴィゼーションにはモダン・ジャズ・ピアノの最高のアドリブと絶賛したくなるような品格を嗅ぎ取ることができますね。
1. I Want A Little Girl
2. I Thought
3. What A Difference A Day Made
4. Autumn Leaves
5. Dontcha Hear Me Callin' To Ya
6. On A Clear Day (You Can See Forever)
7. Scufflin'
8. Born To Be Blue
9. Walk On By
Wynton Kelly (piano); Ron McClure (bass); Jimmy Cobb (drums). Recorded in September 1966.
1. Go Away Lttle Girl
2. The Shadow Of Your Smile
3. I Can't Give You Anything But Love
4. Round Midnight
5. Where Ware You
6. Estate
7. The Summer Knows
8. More Than You Know
9. Chez Regine
10. Triology
11. GOne With The Wind
12. Liz Anne
13. It Might As Well Be Spring
Louis Van Dijk ルイス・ヴァン・ダイク (p) Edwin Corzilius エドウィン・コージリアス (b) Frits Landesbergen フリッツ・ランデスバーゲン (ds) ; Recorded 2004-10-11,12,at Amsterdom.
1. Django
2. Teddy's Tune
3. Tea For Two
4. Lush Life
5. Effendi
6. Waltz For Debby
7. 'Round Midnight
8. Scandal
9. I Love You, Porgy
10. Cleopatra's Dream
11. Prelude To A Kiss
12. The Sorcerer
Eric Reed (p), Ron Carter (b), Al Foster (ds). Recorded at NYC in 2003. M&I, MYCJ-30211.
1. Minor Meeting
2. Nica
3. Sonnys Crip
4. Blues Mambo
5. Blues Blue
6. Junka
7. My Conception
8. Sonia
9. Nica [Alternate Take]
10. Blues Blue [Alternate Take]
11. Junka [Alternate Take]
12. Sonia [Alternate Take]
Sonny Clark (p), George Duvivier (b), Max Roach (ds). 1960/3/23
1. Minor Meeting
2. Nica
3. Sonnys Crip
4. Blues Mambo
5. Blues Blue
6. Junka
7. My Conception
8. Sonia
9. Nica [Alternate Take]
10. Blues Blue [Alternate Take]
11. Junka [Alternate Take]
12. Sonia [Alternate Take]
Sonny Clark (p), George Duvivier (b), Max Roach (ds). 1960/3/23
大変個性的なスタイルですのですぐにエロール・ガーナーと分かるのですね。ツボに嵌ると極上の魅力的なジャズ世界がかもし出されます。収録曲は全10曲。どれも落ち着きのあるいい塩梅のジャズ・ピアノです。ミディアム・テンポ曲でのリズム感、スロー曲でのくつろぎ感、といったところは相当に高いレベルに違いありません。お気に入りは、6曲目Againや8曲目Through a Long and Sleepless Nightなどでのしっとりとした情緒、それに2曲目Exactly Like Youでの得意のビート感覚など。最高です。勿論1曲目も。
1. MISTY
2. EXACTLY LIKE YOU
3. YOU ARE MY SUNSHINE
4. WHAT IS THIS THING CALLED LOVE
5. FRANTENALITY
6. AGAIN
7. WHERE OR WHEN
8. LOVE IN BLOOM
9. THROUGH A LONG AND SLEEPLESS NIGHT
10. THAT OLD FEELING
2曲目Ah Moore がこれまた美しい演奏です。淡白な中にもほのかに漂う透徹した美意識はキューン独自の耽美的音楽観によるものでしょう。これら1&2の2曲でこのアルバムが私にとってとても特別なピアノ・トリオ作品であることが自明となります。いずれもスティーヴ・スワローのベースがおもしろい動きをしながらアクセントの基点になっていることを特記すべきです。
レコードのB面に当る5曲目Why Did I Choose You? はボサノヴァ調のリズムの上をやはりキューンの美しいピアノがすべるように流れて行きます。カクテル・ピアノ風ではありますが、耳を澄ましてき聴きますとその淡麗な味わいはそうそうお目にかかることのできない美意識に裏付けられていることが明らかになることでしょう。感情を抑制しながらも静かに青く燃えるような美しい演奏です。
そして、7曲目Never Let Me Go でも同様な淡いながら美しい色彩がひっそりと示されています。スワローのベース、ラ・ロッカのドラムの3者の一体感が感じられる素敵な演奏です。ほんと瑞々しくて素敵です。
1. Ida Lupino 2:35
2. Ah Moore 3:27
3. Today I Am A Man 5:57
4. Memory 2:41
5. Why Did I Choose You? 2:54
6. Three Waves 6:57
7. Never Let Me Go 3:02
8. Bits And Pieces 4:44
9. Kodpiece 0:20
Steve Kuhn Trio: Steve Kuhn (piano); Steve Swallow (bass); Pete LaRoca (drums).