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ビル・チャーラップ/アイム・オールド・ファッッションド
2012年07月03日
Bill Charlap / I'm Old Fashioned
ビル・チャーラップの変則ピアノ・トリオ演奏。ピアノ、ギター、ベースのトリオ。ピーター・バースタインという私にとっては初めてのギタリストに魅了されました。渋いギターです。表題通り古い様式なのだけれど不思議な新鮮な感覚のあるジャズ。パーソネルは、ビル・チャーラップ (p), ピーター・バーンスタイン (g), ピーター・ワシントン (b)。2009年NY録音。Venus Records。
最近、敬愛すべきビル・チャーラップさんとはご無沙汰していまして、チャーラップさんには悪いのですが、このアルバムに魅了された主要素はギターのピーター・バーンスタインにあります。そのくすんだ音色から繰り出されるグルーヴィーなサウンドに心を奪われています。渋いです。クールです。彼の演奏こそがオールド・ファッションなのですよ。
私はバーニー・ケッセルのギターが好きでよく聞くのですが、このバーンスタインさんのギターはそのケッセルに非常によく似ています。レコードをすり切れるほど聴いてしまうような四畳半的なジャズ。音色もフレーズもそっくりな印象です。よくスイングすると同時に渋いフレーズを次々に繰り出してくるギターなのですね。
ビル・チャーラップの演奏もいつもにもまして何かしらオシャレな雰囲気があります。ギターのバーンスタインに触発されているのだと思います。全13曲。いずれもミディアムかそれ以下のゆったりした分かり易いジャズです。最上の寛ぎがあって耳を澄まして聴き入っていると自然と気持ちが落ち着きます。
大好きなスタンダード曲のオンパレード。ここまで名曲が並ぶのは珍しいのではないでしょうか。チャーラップのピアノとバースタインのギターはよくマッチしています。いずれもねっとり絡み付くような粘着質な感覚があって、それでいて愛らしいメロディックなフレージングがあり、さらには適度なグルーヴがあるのですね。
1. I'm Old Fashioned
2. I Can't Get Started
3. Stella By Starlight
4. Ghost Of A Chance
5. All The Things You Are
6. Easy Livin
7. Darn That Dream
8. Angel Eyes
9. What Is This Thing Called Love
10. Body And Soul
11. Gone With The Wind
12. Everything Happens To Me
13. These Foolish Things
Bill Charlap (p), Peter Bernstein (g), Peter Washington (b).
Recorded at The Avatar Studio in New York on December 17&18, 2009.
YouTubeからピーター・バーンスタインの演奏を1本拝借してきました。ブラッド・メルドーらとのトリオ演奏です。バースタインのギターは本アルバムの演奏とはかなり差がありますが、実にスインギーかつグルーヴィー、また現代的でもあり、実にいい感じですね。メルドーのオルガン演奏もクールでカッコいい。一瞬ディープ・パープルのスモーク・オン・ザ・ウォーターっぽいフレーズが出てきてびっくりさせられますが。
VIDEO
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Bill Charlap / I'm Old Fashioned
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投稿者 Jazz Blogger T : 22:03
ジェシ・ヴァン・ルーラー/ライブ・アット・マーフィーズ・ロウ
2011年12月22日
Jesse van Ruller / Live at Murphy's Law
今夜はお気に入りのジャズ・ギタリストのジェシ・ヴァン・ルーラーですね。トリオ演奏のライブ盤。最高に渋いジャズ。ギター・トリオでのライブ演奏がジェシの実力からすると最もフィットしていると思います。パーソネルは、ジェシ・ヴァン・ルーラー (g)、フランツ・ヴァン・デル・ホーヴェン(b)、マタイン・ヴィンク(ds)、ヨス・マクテル(b)、ヨースト・ヴァン・サイク(ds)。2004年オランダ・ハーグ録音。55 Records。
ジェシ・ヴァン・ルーラーは私にとって最もお好みのジャズ・ギタリスト。昨年ご紹介した「ヨーロピアン・クィンテット」 は1994年録音のデビュー盤ですね。若手ジャズマンの登竜門として著名なセロニアス・モンク・コンペティションで優勝した逸材。
静かな夜に一人の時間を満喫する際に聴くにはもってこいの素敵すぎるジャズです。単に甘いだけでなくて、ジャズ本来のスリルのあるところが渋いのですね。繊細で多彩な技能と歌心で華があり聴衆を決して飽きさせません。
ピアノのないベースとドラムのトリオ演奏の方がより自由な演奏ができるのでしょう。ジェシのギターが全編に渡って縦横無尽に歌います。そういう意味で最高のパーフォーマンスが繰り広げられているのです。
全8曲。選曲もいいですね。1曲目にエリントン「極東組曲」から佳曲 Isfahan がくるところが凄いですね。ビル・チャーラップのアルバムでも取り上げられていて意外な感じに驚きましたが、ここでのジェシのミディアムテンポの演奏は1番手として実にしっくりとぴたりと嵌っている感じがします。漂う哀愁感とさらりとしたクールさは、ジョニー・ホッジスの麗しいアルトサックスの調べとはまた違った魅力に溢れています。
どの曲の演奏も素晴らしいの一語に尽きます。もう聞き惚れてしまう類の素敵なギターです。バラッドでは 7曲目 Goodbye がいいです。美しく悲しい調べの中にほのかな光と慰めが感じられます。後半のアドリブ・ラインが渋くてかっこいい。とても癒されます。
2曲目 Along Came Betty の少しロック調のセンスが現代的な新しさを感じさせてくれます。3曲目 The End of a Love Affair にはギター、ベース、ドラムの3者が一体となった濃密な空間があります。8曲目 Sandu はクリフォード・プラウン作のブルース系の曲。ノリのよいアドリブが冴えています。
1. Isfahan
2. Along Came Betty
3. The End of a Love Affair
4. Detour Ahead
5. Get Out of Town
6. Nobody Else But Me
7. Goodbye
8. Sandu
Jesse van Ruller (g), Frans van der Hoeven (b), Martijn Vink (ds), Jos Machtel (b), Joost van Schaik (ds). Recorded in 2004 at Murphy's Law, Hague, Netherlands.
YouTubeから2004年当時の同様なトリオ演奏をピック・アップしてみました。本CDとよく重なる繊細で美的な演奏です。
VIDEO
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Jesse van Ruller / Live at Murphy's Law
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:10
ジェシ・ヴァン・ルーラー/ヨーロピアン・クインテット
2010年10月26日
Jesse van Ruller/Europian Quintet
今夜は素敵なジャズ・ギターです。1972年オランダ生れのギタリスト、ジェシ・ヴァン・ルーラーのデビュー作品。繊細な美意識と渋いジャズ・センスに、出会ったときから私はずっと痺れっぱなしです。好みにぴったりのクールなギター・サウンド。パーソネルは、ジェシ・ヴァン・ルーラー (g)、ジュリアン・ジョゼフ (p)、ニック・タイス (b)、マーク・モンデシー (ds)、ピーター・・ウェニガー (sax)。1996年録音。Blue Music。
先週末に初めて接してから毎日ジェシ・ヴァン・ルーラーを聞いています。ギター・ジャズってこんなに魅力的だったっけ?と改めて考え直させてくれるほど魅了されています。豊かな表現力、時に躍動するリズム感、美しい和音、綺麗な音色など、実に多彩で奥深いですね。
ジャズ・ギターの魅力って何だったのでしょうってほんと再考させられます。思い起こせば、バーニー・ケッセルのリズム感のある尽きないアドリブ、ジム・ホールのちょっと暗めなフレーズ、ジョー・パスの静かに燃える渋いガット・ギターの調べ、パット・マルチーノのロック臭のする速弾き、グラント・グリーンの泥臭いけれどノリのよいハード・バップ、ケニー・バレルの粘っこいブルース・フィーリング、ウェス・モンゴメリのクールな和声とイカした音色、など、いろいろ浮かんできますね。
つまりは、ジェシ・ヴァン・ルーラーは私の好きな過去のジャズ・ギター・ジャイアンツの魅力をほぼすべて持ち合わせているってことなんだと書いているうちにやっと納得しましたですよ。そうなんですね、このオランダのギタリストは私の好みにぴったりの最高のジャズ・ギタリストなのですよ。さすがにヨーロピアンなので、ブルース系グルーヴは希薄なようですが。
全10曲。20代前半の青年の演奏とは思えないような円熟というか匠が感じられます。特に静かめの演奏がいいです。2曲目 Bewitched はアート・ペッパーの演奏でおなじみの大好きなバラッド。ベースとの静かなデュオは濃いめのアルコールが胃壁に染み込むように心の内奥に深く染み渡ります。渋すぎて痺れます。同じ感覚を味わえるのが、9曲目 You’re my everything のトリオ演奏。こちらは少しアップテンポで明朗。ジェシの音選びと和音選び、その組み合わせ、それに繰り出されるアドリブ・フレーズなど多彩な芸が実にカッコいいんですよ。この演奏を聴くためだけにでもこのCDを入手する価値があると思えるほど素敵です。
1. Debits ‘n Credits
2. Bewitched
3. The Ruler
4. De Poesch
5. I’ll be seeing you
6. Two walk
7. Green’s Greenery
8. Vienna night express
9. You’re my everything
10. This could be the start of something big
Jesse van Ruller (g), Julian Joseph (p), Marc Mondesir (ds), Nic Thys (b), Peter Weniger (sax). Blue Music 1996.
YouTubeからクールなジェシ・ヴァン・ルーラーのソロ・ギターをフィーチャーした少し風変わりな映像をピックアップしておきましょう。ジェシはルックスもカッコいい好青年イケメン・ミュージシャン。手先の器用なこうしたタイプはさぞかし女性にモテることでしょう。
ジェシのオフィシャル・サイトはこちら。→ jessevanruller.com
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Jesse van Ruller/Europian Quintet
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:34
ジョー・パス/アンフォーゲッタブル
2008年11月01日
Joe Pass / Unforgettable
今日はジョー・パスのとても渋いソロ・ギターを聴いています。秋の夜長、ガット・ギターの素朴で優しい調べには心底に癒されますね。選曲も素敵なバラード中心。ジャズ・ギターの魅力ここにあり。パーソネルはジョー・パス(g)。1992年録音。Pablo。
ジョー・パス(1929~1994)のギターっていいですね。『ヴァーチュオーソ』シリーズ(1973年~)でソロ・ギターの新境地を開いて注目され、本作は1992年晩年のやはりソロ演奏。ただギターにいつものエレキ・ギターの代りにガット・ギターを使っていてより自然で優しい音色。曲もスローからミディアムテンポのスタンダード・バラードが中心。心静かな素朴な味わいにてほんと渋い音楽に感じ入りますね。
左手の弦を擦(こす)る音がよく聞こえてきます。すぐ目の前にいて自分一人のためにギターを弾いてくれているような錯角を起こします。1曲目のマイ・ロマンスが始まるや、もうその美し過ぎるジョー・パスのジャズ・ギター世界に浸ります。出だし部分のアルペジオと最初の歌い回しには病みつきになりそう。寂しげでなお美しい。
それにしてもガット・ギター1本のみでなんて深い音世界を表現できるのでしょう。平易に奏でられる音々は一端空間に広がるやいとも簡単にしかもあっという間に空間全体を別世界にしてくれます。これを名人芸というに違いありません。素敵で凄いジョー・パスの世界。無理や無駄が無く一見単純に見えるのですね。
このジョー・パスのソロ・ギターには独特の雰囲気がありますね。聴くときの心理状態によってはとても重い音楽かもしれません。特に悲しいときや辛いときに聴くといっそう気持ちが沈む込むでしょう。が、同時に結局は癒されるのだと思います。それくらいに状況によっては力のあるというか感情に訴えかける音楽だと思います。BGMなどで聞き流すのがいいのでしょうね。渋くて心地よい音楽として。
1. My Romance
2. Very Thought of You
3. I Cover the Waterfront
4. Isn't It Romantic?
5. Walkin' My Baby Back Home
6. Autumn Leaves
7. 'Round Midnight
8. I Should Care
9. Unforgettable
10. Don't Worry 'Bout Me
11. Spring Is Here
12. Moonlight in Vermont
13. April in Paris
14. Stardust
15. You'll Never Know
16. After You've Gone
17. I Can't Believe That You're in Love with Me
HMVでは試聴可能です。→Joe Pass/Unforgettable
詳しくはアマゾンでどうぞ→ Joe Pass / Unforgettable
関連エントリはこちら。
→ジョー・パス/ヴァーチュオーソ
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投稿者 Jazz Blogger T : 16:50
ジョー・パス/ヴァーチュオーソ
2006年01月22日
Joe Pass / Virtuoso
今日はジャズ・ギターの名手ジョー・パスの渋いソロ・ギターの名盤『ヴァーチュオーソ』をご紹介いたしましょう。一人で深夜など自分のためだけのリラックス・タイムに満喫すべき静かでありながら豊かなジャズ・ギターの調べは音楽の一つの美学を如実に表現していると私は感じています。パーソネルは、ジョーパス(g)。1975年NYC録音。Pabloレコード。
ギターという楽器はサックスやペット、さらにはピアノなどと比較してジャズのメイン楽器としてはそれほどメジャーな存在ではないかもしれませんが、ジャズの一角を照らしてきた貴重な楽器であることに間違いありません。その独特の雰囲気は、時に最高のジャズを演出することができたりするのですね。
バーニー・ケッセル、ジミー・レイニー、ケニー・バレル、タル・ファーロー、グラント・グリーン、ジム・ホール、ウェス・モンゴメリー、パット・マルティーノ、パット・メセニーら本ブログに登場した著名ギタリストも数多くいますが、今回のジョー・パスは職人的技術と繊細なジャズセンスから言って私の大のお好みギタリストになります。その渋い歌い回しは実に素晴らしい。この種の内省的ソロ・ギターの原型こそはジョー・パスの本作あたりが形作っているに違いないと思うのです。
そういえば昨年初夏に北海道は小樽の町でたまたま立ち寄ったジャズ喫茶にてほぼ同種の孤独に満ちながら豊かなジャズ・ギターを聞きましたっけ。日本人ギタリストでしたが、その醸す雰囲気はまさにジョー・パスが指し示す美学をまさにトレースしているのでした。私にとって旅先の未知の土地で孤独を密かに享受しつつ出会ったジャズは、ある意味、その旅情に最も似つかわしい音楽であったかと、今パスを聞きつつ回顧されるのです。
見知らぬ土地で風に舞う虚ろな蝶のように限りなく自己を無に帰すべき豊穣な時間の中をジョー・パス・ライクの音楽が孤独を祝福するかのように静かに通り過ぎてゆくのでした。それは20代前後の挫折と苦悩に支配されながら無限のごとく存在する未来だけが明るい光となるあの青き孤独の香りを想い出させてくれるのでした。
なぜかルイ・マルの映画『ルシアンの青春』でのジャンゴ・ラインハルトのギターの調べが微妙に重なりますね。ジプシー色のある派手ながら哀しい音楽がいっそう主人公の不幸な運命を照らしていました。主人公を演じた17歳の無垢の少年は映画収録2年後に不幸にも交通事故で亡くなります。
1. Night And Day
2. Stella By Starlight
3. Here's That Rainy Day
4. My Old Flame
5. How High The Moon
6. Cherokee
7. Sweet Lorraine
8. Have You Met Miss Jones?
9. 'Round Midnight
10. All The Things You Are
11. Blues For Alican
12. The Song Is You
amazon.comでは試聴可能です。→Joe Pass / Virtuoso
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Joe Pass / Virtuoso
関連エントリはこちら。
→ジョン・ジェンキンズ『ジョン・ジェンキンズとケニー・バレル』
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投稿者 Jazz Blogger T : 22:30
バーニー・ケッセル/オン・ファイアー
2005年11月03日
Barney Kessel / On Fire
今日はお好みの白人ギタリスト、バーニー・ケッセルにご登場願いましょう。その代表作とされるトリオ演奏の『オン・ファイアー』は、ケッセルのスインギーでご機嫌な熱いライブ演奏が繰り広げられた定評ある名作です。パーソネルは、バーニー・ケッセル(g)、ジェリー・シェフ(b)、フランク・キャプ(ds)。1965年ライブ録音。Emerald。
バーニー・ケッセルのギターはよく歌ってスイング感があって日常的に楽しむにはもってこいのいわば茶の間のモダン・ジャズと呼べるでしょう。いつでもどこでも確実にジャズの面白みを感じさせてくれますので本当に頼りになる存在なのですね。ジュリー・ロンドンの『彼女の名はジュリー』やポール・ウィナーズの諸作などで格別に親しみのあるギタリストなのです。
やはりそのグルーヴ感のある歌い回しが魅力的ですし、何と言ってもベースとドラムのリズムを従えたギター1本の構成でジャズの醍醐味を十分に伝え得るその力量たるや流石に抜群のものがありますね。次から次に繰り出される変化のある技と歌心に全くもって魂を奪われてしまうのです。いつものごとくアルコールで少し麻痺した今宵の我が感性にとっては極上のテイストを与えてくれています。
やはりライブ演奏といういかにも直截なダイナミズム空間が興趣を生むことに貢献しているのでしょう。多くの一流ジャズメンに当てはまると思いますが、ケッセルほどの力量があればむしろ一過性の即興性のライブにこそスリルを伴った素晴らしい演奏が成就するのだと思われます。とにかく西海岸白人系特有の小気味良い根アカのご機嫌なジャズが満開なのです。
3曲目のエリザベス・テーラー主演の映画「いそしぎ」の主題曲The Shadow Of Your Smileのような有名曲の素朴な解釈にもケッセルならではの味わいが感じられます。やはり4曲目Recado Bossa Novaのメリハリのきいたボサノヴァ演奏に聞かれる尽きることなく泉のように湧き出てくるメロディ構築には面目躍如の感があります。この凄まじいノリこそケッセルの本領です。堪らない魅力がありますね。1、2曲目や7曲目にも同種のスインギーでブルージーなギターが目一杯聞かれます。
1. Slow Burn
2. Just in Time
3. The Shadow Of Your Smile
4. Recado Bossa Nova
5. Sweet Baby
6. Who Can I Turn To
7. One Mint Julep
Barney Kessel(g), Jerry Scheff(b), Frank Capp(ds). Rec. 1965, live at P.J.'s, Hollywood.
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Barney Kessel / On Fire
関連エントリーはこちら。
→ バーニー・ケッセル『イージー・ライク』 (1953&54)
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投稿者 Jazz Blogger T : 22:37
ケニー・バレル/アット・ザ・ファイブ・スポット
2005年08月27日
Kenny Burrell / At The Five Spot Cafe
今日はケニー・バレルのライブ盤『アット・ザ・ファイブ・スポット・カフェ』です。バレル、ブルックス、ティモンズといういぶし銀の強者達による、ハード・バップのライブ演奏の醍醐味を直かに伝える渋い一枚です。パーソネルは、ティナ・ブルックス(ts)、ケニー・バレル(g)、ボビー・ティモンズ、ローランド・ハナ(p)、ベン・タッカー(b)、アート・ブレイキー(ds)。1959年NY録音。BlueNote4021。
ケニー・バレルのシングル・トーンのギターが冴え渡っています。ブルース系の曲でのグルーヴ感という格別の味わいのあるバレル。そのバレルがライブ演奏で静かに燃えています。私は個人的にこの種のライブが大好きなのです。素の力量が自ずと明らかになるだけでなく、自由な即興にはスタジオとは異なる予想外のスリルが満ちているからです。
ファイヴ・スポットはニューヨークのグリニリッジ・ビレッジにある有名なジャズ・クラブ。セロニアス・モンクやエリック・ドルフィーらのライブ盤がすぐに思い浮かびますね。こじんまりした雰囲気の中で白熱した演奏が繰り広げられるという好印象があります。耳の肥えた客がじっと固唾を呑んで静かに見守っているそんなイメージです。まばらな拍手がこうしたジャズにはよく似合いますよね。
全5曲。CDの種類によってはボーナストラック3曲。聞きどころは、まずラバーマンでのケニー・バレルのアーシーなシングルトーンのギターワークです。これはほんと素晴らしい。胸にぐっと来るものがあります。それにその後のボビー・ティモンズが負けずにグルーヴィーなソロをとっていまして、これがまた堪らない体臭を放っています。バレルとティモンズ、これはなかなかよい組み合わせではありませんか。
それにバレル自身のよく通る声による紹介で始まるディジー・ガレスピー作の1曲目バークス・ワークス。これがまた渋い演奏です。テーマ自体がもうバレルの世界にぴったりの黒いブルースの上、バレル→ブルックス→ティモンズへと連なるソロの流れはハードバップの真髄のような素敵な演奏です。ティナ・ブルクスの例の憂いのあるセクシーなテナーが私の心を揺さぶってくれます。
1. Birk's Works
2. Lady Be Good
3. Lover Man
4. Swingin' - (bonus track)
5. Hallelujah
6. Beef Stew Blues - (bonus track)
7. If You Could See Me Now - (bonus track)
8. 36-23-36
Kenny Burrell (guitar); Tina Brooks (tenor saxophone); Bobby Timmons, Roland Hanna (piano); Ben Tucker (bass); Art Blakey (drums). Recorded live at the Five Spot Cafe, New York, New York on August 25, 1959.
JR.comでは試聴可能です。→At The Five Spot Cafe
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Kenny Burrell / At The Five Spot Cafe
関連エントリーはこちら。
→ケニー・バレル『ミッドナイト・ブルー』
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:12
バーニー・ケッセル/イージー・ライク
2005年07月10日
Barney Kessel / Easy Like
今日はバーニー・ケッセルのギターを聴きましょう。バーニー・ケッセルのノリのよいギターは私のFavorite。『イージー・ライク』はケッセル30才時の定評ある初期の傑作です。モダン・ジャズ・ギターの開祖と言われるチャーリー・クリスチャンのスタイルを忠実に継承しながら自己の確固としたスタイルをすでに築いています。パーソネルは、バーニー・ケッセル(g)、バディ・コレット、バド・シャンク(fl,as)、クロード・ウィリアムソン、アーノルド・ロス(p)、レッド・ミッチェル、ハリー・ババシン(b)、シェリー・マン(ds)。1953&
56年LA録音。Contemporary Records。
バーニー・ケッセルのギターはいつもよくスイングして歌心あるメロディアスなアドリブを聞かせてくれますので常に期待通りの寛ぎと癒しを与えてくれます。ジャズ・ギターの名手は数多くいますが私にとって安心して耳を傾けることができるという点では最右翼の貴重な存在です。いつもジャズの楽しさを満喫させてくれるという点ではアルト・サックスのポール・デスモンドが私の中では最も近そうな気がいたします。
ケニー・バレルやグラント・グリーン、それにウェス・モンゴメリーら黒くてブルージーなギターもいいのですが、白人のあっさり味だけれどグルーヴィーでスインギーなギターも捨てがたいですね。いやむしろ私の場合はそちらの方が日常的に聴く分にはウェルカムかもしれません。バーニー・ケッセルのギターはそうした典型的な白人のジャズ・ギターといってよく、かつ最上級の味わいのあるギターだと思います。
全14曲。まずは、2曲目のTenderly にじっくり耳を澄ましますとケッセルのセンスと技の冴えに我を忘れて夢中になってしまいますね。何て心地よい演奏なのでしょう。ジャズの一番おいしいところを味わうことができているように思われます。この演奏を聴きますとすでにケッセル節が完成されていることが明白です。ケッセルは後年も息長く活躍しますが基本路線はほとんど変わっていないのですね。
4曲目What Is There To Say? や11曲目パリの四月なども同様に豊かなジャズ・フィーリングを感じさせてくれる好演です。そういえば、ジュリー・ロンドンの大ヒットアルバム『彼女の名はジュリー』でケッセルの渋い歌伴が聞けますね。このアルバムを名盤たらしめたことに対するケッセルの貢献は多大だったと思われます。ちなみにベースも同じくレッド・ミッチェルでした。
1. Easy Like
2. Tenderly
3. Lullaby Of Birdland
4. What Is There To Say?
5. Bernardo
6. Vicky's Dream
7. Salute To Charlie Christian
8. That's All
9. I Let A Song Go Out Of My Heart
10. Just Squeeze Me
11. April In Paris
12. North Of The Border
13. Easy Like - (alternate take, bonus track)
14. North Of The Border - (alternate take)
JR.comでは試聴可能です。→Barney Kessel / Easy Like
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Barney Kessel / Easy Like
関連エントリーはこちら。→ジュリー・ロンドン『彼女の名はジュリー 』
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:37
ウェス・モンゴメリー/ボス・ギター
2005年06月16日
Wes Montgomery / Boss Guitar
今日はウェス・モンゴメリーの『ボス・ギター』といきましょう。モダン・ジャズ・ギターの代表者と言えばやはりこのウェス・モンゴメリーに落ち着くのでしょう。後のフュージョンの先駆者としてテクニックと音楽性を併せ持っていました。パーソネルは、ウェス・モンゴメリー(g)、メル・ライン(org)、ジミー・コブ(ds)。1963年NY録音。Riverside Records。
本作は63年録音と思えないほどすでに後年のクロスオーヴァーらのカッコイイ感触を発散しているのです。シンプルなトリオ演奏でアーシーでジャジーな魅力が十分にある上、とても心地良い快楽印のフュージョン系音楽に仕上がっているのですもの。最初の印象は少々軟弱なのですが、聞き込むうちにその真価が自ずと明らかにされてゆきます。
ウェス・モンゴメリーのギターとオルガンの組み合わせというのはなかなかツボを押えた演出なのですよ。50年代のモンゴメリーといいますとオクターブ奏法とかの超絶のテクニックが前面に出てきますが、本作含めて60年代になりますと渋いジャズ・センスの魅力が際立ってきまして、特に本作ではお馴染みのスタンダード曲の口当たりのよい演奏が極上の「なごみ」系ミュージックに仕上がっていまして、週末の夜に軽く一杯やりながらの癒しタイムなどにもってこいのアルバムでしょう。
お勧めは10曲目のFor Heaven's Sakeです。流石に渋い。くすんだ音色が妙に魅力的なのです。6曲目のCanadian Sunsetや4曲目のDays Of Wine And Roses、それに10曲目の「そよ風と私」などがいい感じです。アレンジが多少俗っぽいと言えば俗っぽいのですが、ジャズ・フィーリングが横溢していまして決して厭味にはなっていません。
ほんとはテクニシャンだけれどそれをぐっと抑えて真正面から音楽性で勝負する姿勢には肯けるのです。ケニー・バレルのブルース・フィーリングを都会的に洗練したような味わいは素晴らしいバランス感覚に裏打ちされているのです。ウェス・モンゴメリーは本作のあとA&Mに移籍してクリード・テイラーの好みに一致してよりポップなイージー・リスニング的世界に浸ってゆくことになりますが、残念なことに68年6月15日に43才の若さで亡くなっています。モンゴメリーにとって全盛期が60年代以降となったことは本当に不幸だったのかもしれません。60年代後半は正統派モダン・ジャズにとっては冬の時代だったのです。
1. Besame Mucho
2. Besame Mucho - (take 2, bonus track)
3. Dearly Beloved
4. Days Of Wine And Roses
5. The Trick Bag
6. Canadian Sunset
7. Fried Pies
8. Fried Pies - (take 1, bonus track)
9. The Breeze And I
10. For Heaven's Sake
JR.comでは試聴可能です。→Wes Montgomery / Boss Guitar
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Wes Montgomery / Boss Guitar
関連エントリーはこちら。→ ウェス・モンゴメリー『フル・ハウス 』
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:43
ウェス・モンゴメリー/フル・ハウス
2005年02月25日
Wes Montgomery / Full House
今日はウェス・モンゴメリーの代表的名盤『フル・ハウス』です。名テナー・ジョニー・グリフィンと当時のマイルス・バンドのリズム隊を迎えた豪華な名ライブ演奏です。パーソネルは、ジョニー・グリフィン(ts)、ウェス・モンゴメリー(g)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)。1962年バークレイ「Tsubo」にて録音。Riversideレコード。
ウェス・モンゴメリー、ジョニー・グリフィン、ウィントン・ケリーと役者が揃っています。このアルバムは最上級のファンキー・ジャズながらウェスの新鮮なギターの魅力があいまってブルージーで濃厚な旨みのあるジャズです。特に、ケリーとウェスのアーシーなセンスが見事に共鳴していて心地よい音空間が形作られています。
私にとりましてケリーもグリフィンも大のお気に入りジャズ・ミュージシャンですので、さらにそこに渋い渋いウェスのギターが加わりますと、これはもう当然のごとくに安心して身を預けることのできる極楽印のジャズ万華鏡となりますよね。その上にライブ録音ということですのでほんともう堪らないものがあります。
それにしましてもウェスのあのくすんだ音色のギターって最初はどうも馴染めなかったりするのですが、1オクターブ離れた2つの音を同時に鳴らすオクターブ奏法により醸し出される独特の不思議な魅力などは印象深いものがあります。このアルバムの他にも、『インクレディブル・ウェス・モンゴメリー』(1960)、『ボス・ギター』(1963)、『スモーキン・アット・ザ・ハーフ・ノート』(1965)、『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』(1967)など名盤が多数あります。1968年43才での早すぎる死は惜しまれます。
全9曲(うち別テイク2)。どの曲も内容のある演奏です。1や4ではグリフィンが大活躍します。B級気味ですが流石に圧倒的なソロにはいつもながら脱帽させられます。2はウェスとチェンバース、コブとのカッコよくて渋すぎるトリオ演奏です。チェンバースの素晴らしいベース・サポートの妙味も聞き取れますよ。ウィントン・ケリーはもうこの時期は絶好調そのものでしてブルージなケリー節を全体に所かまわず存分に聞かせてくれますね。客のノリや雰囲気も最高にgood。
1. Full House
2. I've Grown Accustomed To Her Face
3. Blue 'N' Boogie
4. Cariba
5. Come Rain Or Come Shine - (take 2)
6. S.O.S. - (take 3)
7. Come Rain Or Come Shine - (take 1, bonus track)
8. S.O.S. - (take 2, bonus track)
9. Born To Be Blue - (bonus track)
JR.comでは試聴可能です。 → Wes Montgomery / Full House
amazon.co.jpでも試聴可能です。→ Wes Montgomery / Full House
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:37
タル・ファーロウ/タル
2005年02月18日
Tal Farlow/ Tal
今日はタル・ファーロウです。モダン・ジャズ・ギターの巨人。スインギーで骨太のハード・バップ・ジャズ・ギターです。鬼才エディ・コスタのピアノが対等に活躍しており渋いながら旨みのあるシンプルなトリオ演奏になってます。パーソネルは、タル・ファーロウ(g)、エディ・コスタ(p)、ヴィニー・バーク(b)。1956年録音。Verveレコード。
1921年生れのタル・ファーロウはチャーリー・クリスチャンのモダンな演奏に影響を受けてギターをスタートし、49~55年のレッド・ノーヴォ・トリオ時代にスピード感と超絶技巧を身に付け自分のスタイルを築き、54年にはダウン・ビート誌の人気投票でニュー・スターに選ばれ、56~57年は1位を獲得。50年代半ば~後半にかけての諸作で名声を確立。
タル・ファーロウの魅力は中低音の力強い単音による独特のドライブ感にあります。オクトパスと呼ばれてその大きな手で最高のテクニックを有していました。本アルバム『タル』はタルの代表作の一つ。本作のメンバーは55年からのレギュラー・トリオ、いかにも息の合った隙の無い好演です。
全8曲。スタンダード曲が並びます。ハード・バピッシュなタル・ファーロウのギターが全開です。また、エディ・コスタのピアノが本領を発揮していてその個性的な打楽器のような響きを随所に披露しています。トリオという小コンボでの火花を散らすような緊張感がgoodですね。
ジャズ・フィーリングに満ちたドライブ感が持ち味のタルはコードをほとんど弾かずに単音に徹していまして幾分短調になりがちなところがありますが、そこへアクの強いコスタが絡むということでバランスがとてもよくなるように思いますね。ほんと以前にもコスタのことはシェリー・マンの『2・3・4 』で触れました通り、この数年後に31才の若さで夭逝するのですが惜しい逸材であったに違いありません。
1. Isn't It Romantic
2. There Is No Greater Love
3. How About You
4. Anything Goes
5. Yesterdays
6. You Don't Know What Love Is
7. Chuckles
8. Broadway
ご購入はamazon.co.jpでどうぞ。→ Tal Farlow/ Tal
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:39
ラルフ・タウナー/ダイアリー
2005年01月20日
Ralph Towner/ Diary
今日は耽美派ギタリストのラルフ・タウナーの初ソロ・アルバム「ダイアリー」です。12弦ギターやクラシックギターとピアノを組み合わせて幻想的で清冽なECM的音楽世界を創り出しています。ジャズというよりコンテンポラリーな現代音楽の美学を堪能させてくれるお勧めの1枚です。パーソネルは、ラルフ・タウナー(piano, 12-string & classical guitars, gong)。1973年NY録音。ECMレコード。
ラルフ・タウナーは1940年米国オレゴン州に生れ、60年代後半からウィンター・コンソートなどのメンバーとしてその特異なギター・スタイルを注目され、70年代に入りマンフレート・アイヒャーが主催するECMレコードでリーダー作を制作する機会を得ます。本作は2作目のリーダー・アルバムです。この後は、ソルスティスというヤン・ガルバレグ、エバーハルト・ウエーバーらとのユニットを結成してECMの看板ミュージシャンとして活躍してゆくことになります。
ECMはドイツ・ミュンヘンに本拠を置くレコード会社ですが、耽美的なジャズ的音楽を次々に世に送り出してきた貴重なレーベルです。本ブログでも以前にスティーブ・キューンの作品で少し触れています。→スティーブ・キューン/エクスタシー
とにかくジャズというジャンルに収まりきらない透徹した耽美的な芸術世界です。まだラルフ・タウナーを聴いたことがなく、音楽美に敏感な方がいらしたら、是非とも一度耳にされることをお勧めします。下記のJR.comで試聴が可能です。ギターとピアノを使ったアコースティックでシンプルな世界です。一聴の価値ある音楽だと思います。
全8曲、どの曲も美しくて大変魅力的です。個人的には5が大好きです。この繊細で清澄な別世界は音楽でのみ感じ取ることのできる美的空間です。このアルバムは、学生時代から折に触れ聴く愛聴盤ですが、雪の降る真冬の夜に下宿で一人こたつに入って孤独を噛みしめながらもタウナーの音空間に我を忘れていた当時の頃のことをなつかしく思い出させてくれます。
1. Dark Spirit
2. Entry In A Diary
3. Images Unseen
4. Icarus
5. Mon Enfant
6. Ogden Road
7. Erg
8. The Silence Of A Candle
JR.comでは試聴OKです。→ Ralph Towner/ Diary
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投稿者 Jazz Blogger T : 19:58
ジミー・レイニー/ジミー・レイニー・カルテット
2004年12月23日
Jimmy Raney / Jimmy Raney Quartet
こんにちは。今日はジミー・レイニーです。スタン・ゲッツとの50年初頭の録音などで活躍する名ギタリスト、ジミー・レイニーのリーダー作。本作はソニー・クラークの参加でバップとして引き締まった作品になりました。パーソネルは、ジミー・レイニー(g)、ソニー・クラーク(p)、レッド・ミッチェル(b)、ボビー・ホワイト(ds)。1954年パリ録音。Vogueレーベル。
これは私にとって大の愛聴盤です。シンプルなモダン・ジャズの本質を直に感じることのできる当時のモダン・ジャズの自然体を伝える好アルバムです。ジミー・レイニーとソニー・クラークという組み合わせ、そして、レッド・ミッチェルが加わった54年のパリ録音、これはもう何かが生れないはずがないです。収録曲はすでにレイニーがスタン・ゲッツと共演したものが中心ですが、当然のごとく優れた新鮮なジャズが息吹いています。
ジャズ評論家のレナード・フェザーが企画・立案した「ジャズ・クラブUSA」がヨーロッパ各地で54年初頭に公演を行いました。それがヴォーグ・オリジナル・LP・コレクションとして10インチのアナログ盤で25枚ほどが記録として残されています。本作はその内の一枚、しかも典型的な秀作と言ってよい内容です。50年代前半の前衛音楽たるべきジャズを異国の地フランスで披露する、晴れがましさとそれを歓迎するパリ大衆という文化交流の図式があり、それに存分に応えうる気鋭の若手ジャズメンの溌剌たる自由奔放な音楽という印象です。
ソニー・クラークの潜在的なセンス、それはすでに人心を魅了するに足るものであったことが如実に示されています。むしろ、色が幾分薄い分だけいっそう好ましく思えるのは私の贔屓目でしょうか。7曲目Once in a whileのレイニーなしの記念すべきソニー・クラークのトリオ演奏を今日も4回くらいあくことなく繰り返して聴いてしまいました。やはりよいものはよいという感慨です。満足々々。
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:02
パット・マルティーノ/イグジット
2004年11月14日
Pat Martino /Exit
こんにちは。今日はジャズ・ギターの鬼才、パット・マルティーノです。パーソネルは、パット・マルティーノ(g)、ギル・ゴールドスタイン(p)、リチャード・デイヴィス(b)、ビリー・ハート(ds)。1976年録音。このアルバムはマルティーノの代表作でありギター・ジャズの大人気盤です。
渋いギターです。独特のフィーリングです。その音を聴けばすぐにマルティーノとわかる類のものです。後半3曲、4~6曲目は、酒とバラの日々、ブルーボッサ、クリフォードの思い出、とスタンダードの名曲ぞろいですね。くつろぎ感のある極上のジャズです。ギルのピアノも粒立ちがよく品があってとてもいいです。ついつい手を伸ばして聴いてしまう手頃なCDなのですね。
2曲目のComeSundayはエリントンの曲です。マヘリア・ジャクソンを迎えてのBlackBrown&Beigeというアルバムで聴けます。滅多に取り上げられることのないこの美しい曲を、マルティーノは原曲の持つ敬虔な曲調を尊重しながら完全に消化した解釈を示しています。
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:09
グラント・グリーン/マタドール
2004年11月04日
Grant Green/ Matador
こんにちは。今日はグラント・グリーンです。ブルーノート・レーベルのギター・ジャズといいますとまずこの人の名前が浮かびます。このマタドールというアルバムはその代表的な名作です。パーソネルは、グラント・グリーン(g)、マッコイ・タイナー(p)、ボブ・クランショウ(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。64年録音。
昨日のケニー・バレルのブルーノート盤ミッドナイト・ブルーに続いて、同じくブルーノート盤の人気盤のグラント・グリーンの本作をレコード棚の奥から引っ張リ出してきまして改めて聴いてみたわけです。K・バレルよりずっと頻繁に聴いてきましたので、しっかり記憶の底に定着したフレーズには感激です。リズムがマッコイ・タイナーにエルヴィン・ジョーンズという、私のお気に入りの当時のコルトレーンのリズム隊で、ベースがジミー・ギャリソンでなくボブ・クランショウですがリー・モーガンのサイド・ワインダーとかに参加した実力派です。
64年といいますとコルトレーン・カルテットが最も充実していた時期でして、マッコイもエルヴィンも油の乗り切った演奏を聞かせてくれます。1曲目と2曲目(レコードではA面)を昔はよく聴きました。2曲目のMyFavoritesThingsはコルトレーン・カルテットの演奏が有名ですが私はこちらのグリーンの演奏の方がはっきり言って好きです。マッコイのピアノ、エルヴィンのドラムはやっぱたまらないものがあります。
名前を忘れましたが京都河原町今出川上るにあった2階にあるジャズ喫茶で、このアルバムがよくかかってました。ひげのマスターの好みはしょっちゅう通ってますとだいたい分かってきますが、自分もその影響を受けていたのだなあと今さらながら感じます。そのお店、アルテックの大きなスピーカーで、客はいつも1人か2人でしたね。
〔追記2005/3/23〕
ジャズ喫茶の名前をふと思い出しました。「52番街」です。ネットで調べて間違いないことを確認しました。店内の様子を今だにありありと思い出すことができます。自分のお気に入りのいつも座っていた場所も。
試聴はAmazon.co.jpで可能です。→ Grant Green/ Matador
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:11
ケニー・バレル/ミッドナイト・ブルー
2004年11月03日
Kenny Burrell/ Midnight Blue
こんにちは。今日はブルーノート・レーベルのギター・ジャズの名盤、ケニー・バレルのミッドナイト・ブルーです。パーソネルは、Stanley Turrentine(ts)、Kenny Burrell(g)、Major Holley Jr(b)、Bill English(ds)、Ray Barretto(cong)。1963年録音。ケニー・バレルはブルース・フィーリングの横溢した当代屈指のギタリストとして長く第一人者として活躍してきました。
このアルバムは私にとってはなじみのブルージージャズでして隣の兄さん的印象ですが、BlueNoteでは特に人気盤とのことでその躍進ぶりには少し嬉しいけれど意外な感じもあります。実は今朝、めったに覗くことのなかったレコード棚の奥の奥を物色していましたら目につきましたので何年かぶりにターンテーブルに載せてみたのでした。共演者が物足りない、特にスタンリー・タレンタインのテナーがちょいとB級かなと勝手に思い込んでいましたが、そんなことをものともしないバレルのマイペースのブルース・ギターなのでしたね。学生時代に繰り返し聴いたなじみのフレーズを思い出しては悦に入るのでした。
全7曲すべてブルースですが強い臭みはなくほどよく洗練された演奏に仕上がっています。特に6曲目の Gee Baby, Ain't I Good to You が渋くて好みです。これを聴くためだけにでもこのCDを手に入れる価値ありというものです。当時のブルー・ノートではギタリストとしてケニー・バレルとグラント・グリーンが特によく起用されているようですが、二人はアルフレッド・ライオンの好みに一致したのだろうな、それはたぶん日本人の好みにもかなりオーバーラップするのですよね、と改めて感じたしだいです。
米Amazonでは試聴できます。→ Kenny Burrell/Midnight Blue
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:12