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トミー・フラナガン/ムーズヴィル

JAZZ Piano 2

2005年07月12日

moodsville.jpeg Tommy Flanagan / Moodsville

 今日はトミー・フラナガンのトリオ・アルバムを聞きましょう。『Moodsville』は珠玉のピアノ演奏を堪能できるとてもキュートなアルバムです。私はこういうセンスに弱いのです。一見カクテル・ピアノ風でいながらじっくり聞けば本物の上品な香りが臭い立つそんなピアノなのですね。パーソネルは、トミー・フラナガン(p)、トミー・ポッター(b)、ロイ・ヘインズ(ds)。1960年録音。Prestige Records。

 トミー・フラナガンのピアノは小気味よくスイングするハード・バップ・ピアニストとして筆頭格の名手の一人。『サキソフォン・コロッサス』や『ジャイアント・ステップス』などでの名脇役ぶりで忘れがたいピアニストです。本作ではそんな切れ味鋭いピアニズムを懐の中に仕舞い込んで情緒的な優しいメロディを実に丹念に見事に歌い上げています。

 決してベタには流されないところが流石に名人でして、品格漂う珠玉のピアノ作品に仕上げているのです。これはあの繊細なタッチ・センスのアル・ヘイグのピアノ作品に通じる世界です。微妙に黒人特有のアーシーでグルーヴィーな雰囲気は隠しようもないのですね。そのセンスが露骨に感じ取れるのは6曲目のJes' Fine のみかもしれませんが、他の美しいバラッド演奏にもそこはかとなくそうしたセンスがかすかに匂っていまして、そこのところが本作の魅力の本質かとも思われます。

 いずれにせよ歌ものが大好きでジャズ・ピアノに目が無い私のようなジャズ・ファンには座右に置いておくべき魅惑の世界が展開されているのですね。全7曲。最初の1曲目でふら付きだして、2曲目のYou Go To My Head がはじまる頃にはほぼにダウン寸前、そして3曲目Velvet Moon で完全にノックアウト状態ですね。4曲目のエリントンの名曲Come Sundayが来ますと夢心地になりまして、その後はもう忘我の境地といったところです。
 
1. In The Blue Of The Evening
2. You Go To My Head
3. Velvet Moon
4. Come Sunday
5. Born To Be Blue
6. Jes' Fine
7. In A Sentimental Mood

JR.comでは試聴可能です。→Tommy Flanagan / Moodsville

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Tommy Flanagan / Moodsville

関連エントリはこちら。
 → トミー・フラナガン/エクリプソ (1993)
 → ジョン・コルトレーン/ジャイアント・ステップス (1959)
 → ソニー・ロリンズ/サキソフォン・コロッサス (1956)


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