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ユタ・ヒップ/ヒッコリーハウスのユタ・ヒップ

JAZZ Piano 1

2004年12月04日

ユタ・ヒップ/ヒッコリーハウスのユタ・ヒップ Jutta Hipp / Jutta Hipp at the Hickory House Vol.1

 こんにちは。今日はユタ・ヒップです。伝説の女性ピアニスト。パーソネルは、ユタ・ヒップ(p)、ピーター・インド(b)、エド・シグペン(ds)。1955年録音。BlurNote 1515,1516。

 ユタ・ヒップは東ドイツで生れライプニッツのグラフィック・アーツで学んだ後、46年のロシア侵攻で西ドイツに逃れ、54年当時最も著名なジャズ評論家レナード・フェザーに見出されて渡米、ブルーノート・レーベルに3枚のアルバムを録音します。それが、Jutta Hipp With Zoot SimsJutta Hipp at the Hickory House, Vol. 1 & Vol.2 です。その後、ジャズから離れて一般人として過すことになるのですが、ジャズを再び聴衆の前で演奏することは無かったということです。昨年2003年78才で永眠。

 このアルバムでは、最初にレナード・フェザーがユタ・ヒップを簡単に紹介し、その後、ドイツ訛りのヒップ自ら曲の紹介をやっており、両者の貴重な肉声を聞くことができます。ヒップの演奏にはそのジャズ・フィーリングとアドリブ・メロディ構築に非凡な才能を感じます。また、その壊れそうなガラス細工のように神経の行き届いた繊細なピアノ・スタイルには神経症的な鋭敏な感受性を感じずにおれません。私はヒップ自身についても音楽的センスに病的に優れた内向的な芸術家肌タイプ?という印象を持ちます。

 このアルバムに収められた演奏はどれもジャズ好きには納得できる素敵なものです。繰り返し聴くほどに味の出てくるタイプの音楽でしょう。磨けば光る原石の輝きがあると思います。例えば、Vol.1の2曲目DearOldStockholmでのヒップのピアノには黄金の糸を次から次に紡ぎ出してくるような横溢するジャズ・スピリットを感じることができます。ミデイアム~ミデイアム・スローの曲を丹念に作りこんで弾きこんだ演奏に何とも深い味わいと魅力があると思います。それにしてもライブ演奏ですので客の頼りないまばらな拍手が寂しい限りですが、日本のジャズファンなら拍手喝采で迎えたろうになあと惜しまれます。

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投稿者 Jazz Blogger T : 21:13 | トラックバック

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