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アニタ・オデイ/シングス・ザ・モスト

JAZZ Vocal

2005年02月16日

anita sings the most Anita O'Day / Sings The Most

 今日はアニタ・オデイの最高作と評判の『シングス・ザ・モスト』です。O・ピーターソンらをバックにオデイの魅力がパーフェクトに捉えられた白人女性ヴォーカル・ファン必聴の一枚です。パーソネルは、アニタ・オデイ Anita O'Day (vo)、オスカー・ピーターソン Oscar Peterson (p)、ハーブ・エリス Herb Ellis (g)、レイ・ブラウン Ray Brown (b)、ジョン・ポール John Poole (ds)。1957年シカゴ録音。

 このアルバムは聴くたびに愛着が蓄積してゆく類のとても貴重な作品だと思います。私の場合ほぼ飽和しているかと思いますが、たまに聞くと、ふむふむと一人ごちるというわけですね。アニタ・オデイ、その声質はハスキーとは言いがたいある種のしわがれ声でして決して讃えられるものではありませんが、そのジャズ・センスに満ちたテイストはその妙な声をも魅力的なものとするに足るほどに抜群の味わいがあります。

 全11曲。聞きなれたスタンダードが並びます。個人的には、2.テンダリーが一番好きですね。美しいメロディを肩の力を抜いた語り口でこれぞジャズ・ヴォーカルという小粋なセンスで歌いあげます。ピーターソンのピアノ・ソロ伴奏もツボを抑えた好演です。途中からオン・テンポになるとがらりと雰囲気が変わってしっとりした歌声になりますがこちらも流石オデイという感じです。なかなかのものです。アニタ・オデイ姐さんは噛むほどにいい旨みが滲み出てくるのですよ。

 3.オールド・デヴィル・ムーンなどもオデイらしい、素晴らしいテクニックとジャズ・スピリットを感じさせる歌い回しです。こういうのはもう天性の才というやつでしょう。このドライブ感はそうたやすく出せるものではないと思います。6.ゼム・ゼア・アイズのハミングなどもまさに才能がほとばしるようです。オデイの生涯の名演といえばこの曲かもしれません。 

 最後を飾る11.魅せられて も素敵な歌です。曲自体が大好きで、アート・ペッパーとラス・フリーマンの名演をすぐ思い浮かべますね。いきなりオデイの声で始まり、丁寧で微妙なフレージングが印象に残ります。5や6も同様に素晴らしい味がありますね。このアルバムはほんとジャズ好きにはたまらないエッセンスが凝縮されていますね。玄人好みというのですか、こういうのを。もし未聴の方がいらしたら、ぜひ下記リンクで試聴をお試しくださいませ。

1. 'S Wonderful / They Can't Take That Away From Me
2. Tenderly
3. Old Devil Moon
4. Love Me Or Leave Me
5. We'll Be Together Again
6. Stella By Starlight
7. Taking A Chance On Love
8. Them There Eyes
9. I've Got The World On A String
10. You Turned The Tables On Me
11. Bewitched, Bothered And Bewildered

JR.comでは試聴可能です。→ Anita O'Day / Sings The Most

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投稿者 Jazz Blogger T : 23:51 | トラックバック

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