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エントリ内容の一覧
バリー・ハリス/プレイズ・タッド・ダメロン
2005年02月09日
Barry Harris / Plays Tadd Dameron
今日はバリー・ハリスです。バップ期のピアニスト兼作曲家として著名なタッド・ダメロンの作品ばかりを収めた本アルバム「プレイズ・タッド・ダメロン」はこの上なく渋い最上級のピアノ・トリオ作品です。紛れも無く私の大の愛聴盤です。パーソネルは、バリー・ハリス(p)、ジーン・テイラー(b)、リロイ・ウィリアムス(ds)。1975年録音。Xanaduレーベル。
こういうジャズが私はやっぱり一番好きなのです。リラックスしてくつろいだ感じ、分かりやすくて難しいことは言わない、そんなジャズ・ピアノです。バリー・ハリスはハード・バップというよりビ・バップに近いオーソドックスなピアニスト。75年録音ということで年季の入ったツボを抑えた渋い好演を聞かせてくれます。先日ご紹介したサド・ジョーンズのマグニフィセントやリー・モーガンのサイドワインダーなど50~60年代から名脇役で鳴らしたピアノです。
全8曲、ダメロンの代表作をハリスのピアノで聴くことができます。1,2,6,8らはほぼスタンダードとして耳にする機会がありますね。1曲目Hot houseはパーカー&ディズでおなじみのメロディ。ミディアム・テンポでご機嫌なピアノです。2のソウル・トレーンはジョン・コルトレーンとダメロンの共演アルバムで聞けるとても美しい作品です。ここでのハリスは丁寧で繊細な演奏です。ちなみにコルトレーンの名アルバム「ソウルトレーン」には意外にも収録されていないのですね。
3曲目や5曲目はハリスのセンスのよいピアノが存分に楽しめる最高のナンバーです。アルコールを傾けながら聴くにはもってこいだと思います。6曲目のIf I Could See Me Nowは私好みのキュートなメロディを持つバラードですね。ダメロンはサラ・ボーンのために書いたとのこと。ハリスのピアノはあくまでブルージーに冷静な展開をみせます。7と8はともに少しアップ・テンポでスインギーな演奏です。
1. Hot House
2. Soultrane
3. Chase
4. Lady Bird
5. Casbah
6. If You Could See Me Now
7. Tadd Walk
8. Our Delight
amazon.comでは試聴可能です。→ Plays Tadd Dameron
ご購入はamazon.co.jpでどうぞ。→ Plays Tadd Dameron
オフィシャル・サイトはこちら。→ The Official Barry Harris Website
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:49
ハンプトン・ホーズ/ザ・トリオ Vol.2
2005年02月07日
Hampton Hawes / The Trio Vol.2
今日はハンプトン・ホーズの「ザ・トリオ Vol.2」です。スインギーなホーズのピアノを堪能できる名盤だと思います。ピアノ・トリオによるご機嫌なハード・バップをご賞味あれ。パーソネルは、ハンプトン・ホーズ(p)、レッド・ミッチェル(b)、チャック・トンプソン(ds)。1955年LA録音。コンテンポラリー・レコード。
ジャケットの写真は戦後進駐軍で日本に来て「馬さん」と呼ばれた感じがわかるような気がします。でも名前がホーズなので、ホースとなって馬、そういう連想なのでしょうけど。風貌は映画の中のチャップリンのような雰囲気ですね。
ハンプトン・ホーズって実は私にとって大好きなピアニストなのです。どの曲を弾いてもまさしくホーズ調、すぐにホーズとわかるそんな独特のタッチとセンスなんですね。小気味よいスイング感は圧倒的です。フニクリフニクラっていう感じのノリは一緒になって気持ちが高まってくるというものです。ブルースが得意でそれがブルージーなブルースというよりむしろウエスト・コーストらしくからっとした明るさが持ち味。
定評あるVol.1に比べてVol.2も遜色のない同等のよい出来だと思います。全9曲、スタンダードの名曲が並んでいます。1曲目はビル・エヴァンスの演奏も有名ですがこのホーズの演奏も実に快調そのものです。2曲目などはバース部分のあとの途中からのアップテンポはまさにホーズ節が全回という感じでもう堪らなくいい具合です。これくらいのミデイアムから少し早めのテンポでの自在なソロにはいつも唸らされますね。
4曲目のYesterdaysも本来バラードなのですが、2と同様途中からホーズ調ブルースに料理されましてそれがなかなかの味付けでgoodなのです。モンクの名曲6や有名曲8では意外に本来の曲調に忠実にオーソドックスなまとめ方です。やはり3のブルースあたりが最もホーズらしさが出ていて安心して耳を傾けられます。
1.あなたと夜と音楽と
2.ステラ・バイ・スターライト
3.ブルース・フォー・ジャック
4.イエスタデイズ
5.スティープルチェイス
6.ラウンド・ミッドナイト
7.ジャスト・スクィーズ・ミー
8.ニューヨークの秋
9.セクション・ブルース
iTunes Music Storeでは試聴可能。→
amazon.comでは試聴可能です。→ The Trio Vol.2
ご購入はamazon.co.jpでどうぞ。→ The Trio Vol.2
関連エントリはこちら。
→ハンプトン・ホーズ/オールナイト・セッションVol.1
→ハンプトン・ホーズ/ザ・トリオVol.1
→ハンプトン・ホーズ/フォア・リアル
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:50
ニューヨーク・トリオ/過ぎし夏の想い出
2005年01月27日
New York Trio / The Things We Did Last Summer
今日は最近よく耳にするニューヨーク・トリオを聴きましょう。ピアノのビル・チャーラップはいい味を持った旬のピアニスト。素晴らしい音質で安らぎのあるジャズをじっくり満喫できる一枚です。パーソネルは、ビル・チャーラップ(p)、ジェイ・レオンハート(b)、ビル・スチュアート(ds)。2002年NY録音。Venusレコード。
今日はちょいと息抜きをしたいと思いましてニューヨーク・トリオにしました。50~60年代のモダン・ジャズを聴くにはそれなりの覚悟というか身構えが必要になるようで、連日直球勝負では疲れがあとに残って蓄積してゆくようですね。このビル・チャーラップのピアノ・トリオの演奏は大変心地よいものでして、聞き流しているだけでもほんわかといい気持ちになってくる類の音楽です。
週末ということでのんびりゆきまますね。先週と先々週の2度に渡り、三宮センター街のHMV(ジュンク堂の地下)に行きましたら、ニューヨーク・トリオの新譜「星へのきざはし」(4作目)が出てましたので、しっかりと試聴してまいりました。2回に分けてほぼ全曲を立ち聞き(苦笑)で堪能してしまいましたね。1曲目の「恋人よ我に帰れ」でのチャーラップの粒立ちのよいピアノの音色には寒いぼの立つような快感を覚えましたですよ。
ヴィーナス・レコードはエディ・ヒギンズじっちゃんでいつもお世話になってますが、とても音質が良好なのです。ピアノ・トリオ演奏ながらベースとドラムに臨場感があって演奏自体がそこそこであれば十分に満喫できるというものですね。本作の「過ぎし夏の想い出」は彼らトリオの2作目に当たります。ビル・チャーラップの歯切れのよいピアノが何といっても魅力的ですね。
4.How high the moonや6.You'd be so nice to come home toあたりの感触がほどよい加減で私にはとても好ましいです。少しアップテンポでスインギーな方がよいみたいです。標題曲の2もいい感じです。1と5はピアノ・ソロです。スロー・ナンバーも多く十分に楽しめる一枚です。それに、ドラムのブラシュやスネアの音がすぐ目の前で演奏しているような錯覚に陥るほどにリアルです。エディ・ヒギンズのアルバムよりはずっと真摯で本格的な現代ジャズ。個人的には新譜も早く購入したいところですが、本作を聞き飽きるまでもう少し我慢することにします。
1.いそしぎ
2.過ぎし夏の想い出
3.いつの頃から
4.ハウ・ハイ・ザ・ムーン
5.モナリザ
6.帰ってくれたらうれしいわ
7.ペーパー・ムーン
8.恋去りし時
9.時のたつまま
HMVでは新譜の試聴が可能です。→ ニューヨーク・トリオ/星へのきざはし
詳しくはamazon.co.jpでどうぞ。→ New York Trio / The Things We Did Last Summer
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お蔭様で本日のところ音楽ジャンルで30位と上々です。ありがとうございます。
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:51
セロニアス・モンク/プレイズ・デューク・エリントン
2005年01月17日
Thelonious Monk/ Plays Duke Ellington
今日はセロニアス・モンクですね。愛聴盤の「プレイズ・デューク・エリントン」です。作曲家としても才のあるモンクが他者の作品だけでリーダー・アルバムを製作したというのは恐らくこれ一枚きりでしょう。リヴァーサイド専属第1弾ということでプロデューサーのオリン・キープニュースによって企画されたものです。発売当時は失敗作と受け取られましたが後に再評価を受けることになるアルバムです。パーソネルは、セロニアス・モンク(p)、オスカー・ペティフォード(b)、ケニー・クラーク(ds)。1955年、New Jersey録音。Riversideレコード。
セロニアス・モンクの音楽は日頃結構よく聴く方だと思います。その中で一番のお気に入りが本アルバムです。モンクの独特の魅力を堪能するにはピアノ・ソロやトリオの演奏で味わうのが最も近道だと思います。その意味で、本作はエリントンのよく知られた著名な楽曲をモンクがシンプルなモンク調で弾きこなしたものですが、親しみの持てる最良の1枚といえるでしょう。
力みや衒いのない自然体、いつものマイペースのモンクがいます。古びたピアノですぐ隣で弾いてくれているような錯覚を起こしそうな感じです。とてもなじみやすくて肩の凝らない演奏で、何と言うか一種の癒し系の音楽ですね。長年聴いていますが聴くほどに魅力を増してくる類の音楽です。モンクの音楽はほんとに不思議ですね。うまいとは決して言えない、むしろ素人?と思えるような朴訥なピアノなのですが、ジャズの良いところをほんわか~と教えてくれるのですね。ジャズの本質を理解するのにこれほどよい材料は他にないのかもしれません。
プレスティジに所属していたモンクはプロデューサーのボブ・ワインストックに100ドル余りの借りがあり、その肩代わりをしたのがオリン・キープニュース。その代わりにプレスティジとの契約が終了すればリヴァーサイドに移るという契約をしました。リヴァーサイドはその後モンクを最初のアーティストに迎えて有名レーベルとして発展してゆくことになります。ちなみにジャケットはアンリ・ルソーの「ライオンの食事」です。
1.It Don't Mean a Thing If It Ain't Got Swing
2.Sophisticated Lady
3.I Got It Bad (And That Ain't Good)
4.Black and Tan Fantasy
5.Mood Indigo
6.I Let a Song Go Out of My Heart
7.Solitude
8.Caravan
iTunes Music Store では試聴可能です。→
詳しくはamazon.co.jpでどうぞ。→ Thelonious Monk/ Plays Duke Ellington
関連エントリはこちら。
→セロニアス・モンク/アローン・イン・サンフランシスコ
→セロニアス・モンク/セロニアス・ヒムセルフ
→セロニアス・モンク/ミステリオーソ
→セロニアス・モンク/ウィズ・ジョン・コルトレーン
→セロニアス・モンク/ストレート・ノーチェイサー
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:52
ボビー・ティモンズ/イン・パーソン
2005年01月15日
Bobby Timmons/ In Person
今日はボビー・ティモンズです。ジャズ・メッセンジャーズのピアニスト、名曲モーニンの作曲者として著名なジャズマンです。本作イン・パーソンはボビー・ティモンズ・トリオによるNYの有名ジャズ・クラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ盤です。パーソネルは、ボビー・ティモンズ(p)、ロン・カーター(b)、アルバート・ヒース(ds)。1961年。Riversideレコード。
ボビー・ティモンズは58年から61年までアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズに参加しリー・モーガン同様若くして華やかな脚光を浴びます。本作のイン・パーソンは独立後の最初のリーダー作で、1935年生れですから20才台半ばの作品となります。ボビー・ティモンズは一般にピアニストとしてより作曲家としての才を認められていますが、そのゴスペルからスタートした黒人らしいソウルフルでアーシーなピアノは独特の体臭を持つ味のあるものです。74年38才で夭逝。
本アルバムの魅力はそうしたボビー・ティモンズの渋いピアノを存分に堪能できることですが、もう一つの特筆すべき点として若きロン・カーターのベースがクローズアップされていることが挙げられます。ロン・カーターといえばその後63年にマイルス・デイヴィスのグループに参加し、卓越したテクニックと音楽性とでモダン・ジャズを代表するベース奏者へと飛躍してゆくことになります。
全10曲。なかなかよいアルバムだと思います。ミデイム・テンポのブルース5や7、8でのボビー・ティモンズのアーシーな香りのするピアノが堪らないですね。ウィントン・ケリーやソニー・クラークらほどの粘りあるブルージーさはなく多少あっさり味ですがそれがまたよかったりするのです。それにやはりロン・カーターのベースが随所で新感覚の新鮮なソロとバッキングをとっていまして、7や9などは聴きどころです。特に、9では独演会といえるほどの長いソロをとっています。
1.枯葉
2.ソー・タイアード
3.グッドバイ
4.ダット・デア(テーマ)
5.ゼイ・ディドント・ビリーヴ・ミー
6.ダット・デア
7.ポプシー
8.時さえ忘れて
9.朝日のようにさわやかに
10.ダット・デア(テーマ)
JR.comでは試聴OKです。→ Bobby Timmons/ In Person
詳しくはamazon.co.jpでどうぞ。→ Bobby Timmons/ In Person
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:56
フィニアス・ニューボーン Jr./フィニアス・レインボウ
2005年01月13日
Phineas Newborn Jr./ Phineas' Rainbow
今日はフィニアス・ニューボーンJr.です。驚異的なテクニックでピアノを理知的に最大限に活用できる稀有な存在です。本作フィニアス・レインボウはデビュー間もないフィニアス・ニューボーンJr.がジャズ・シーンに鮮烈なインパクトを与えた衝撃のアルバムです。パーソネルは、フィニアス・ニューボーンJr.(p)、カルヴィン・ニューボーン(g)、ジョージ・レオン・ジェイナー(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1956年録音。RCAレコード。
その驚くべきピアニスティックな演奏は8曲目のティン・ティン・ディオを聴けば一目瞭然です。有名なアフロ・ナンバーをアタックの強いピアノで全くぶれることなく完全にコントロールされたプレイを披露しています。唖然とするほどの演奏です。これほどのピアノは他ではめったに聴けません。驚愕がそのうち快感に変化してゆきます。単なるテクニシャンではなく、音楽性とインプロヴィセーションともに高い芸術性を持ち合わせていることが明らかにされてゆきます。
難を言えば、日本人好みのブルージーとか余韻といったものが希薄な点でしょうか。ですが、そういうことを言う隙を全く与えないような光る個性が圧倒的です。このフィニアス・ニューボーンJr.は1931年生れで、56年NYに進出してカウント・ベイシーに認められます。アトランティックに吹き込んだ初リーダー作"Here is Phineas"(56年)により一躍注目を集めます。2枚目のアルバムが本作の"Phineas Rainbow"です。いずれも名盤ですし、その後も多くの名作を残します。
このフィニアス・ニューボーンJr.にはバド・パウエルと同様に精神病で入院するという経歴があります。尋常ではない凄みのあるピアノ、それはやはり常人の手によるものではありますまい、さもありなんとは思ひかるべし。
1.オーヴァータイム
2.エンジェル・アイズ
3.カム・トゥ・ベイビー・ドゥ
4.星へのきざはし
5.ランズ・エンド
6.クラリス
7.シー
8.ティン・ティン・デオ
9.ニューヨークの秋
10.恋とは何でしょう
JR.comでは試聴OKです。→ Phineas Newborn Jr./ Phineas' Rainbow
詳しくはamazon.co.jpでどうぞ。→ Phineas Newborn Jr./ Phineas' Rainbow
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:58
ウィントン・ケリー/ケリー・アット・ミッドナイト
2005年01月08日
Wynton Kelly/ Kelly at Midnight
今日はウィントン・ケリーのピアノ・トリオ演奏を取り上げました。ケリーの代表作のケリー・アット・ミッドナイトです。パーソネルは、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1960年録音。VeeJayレーベル。
ウィントン・ケリーの最も活躍した時期はRiversideに録音をした58年にはじまり、59年にマイルス・グループのピアニストとして参加し63年に去るまでの1960年前後と言われています。1931年生れ1971年没。享年39才。私にとってソニー・クラークとこのウィントン・ケリーの二人は特別に思い入れのあるピアニストです。
マイルス・グループのピアニストは55~58年レッド・ガーランド、58~59年ビル・エヴァンス、59~63年ウィントン・ケリーと変遷しています。この時期のケリーはマイルスのアルバムだけでなくリーダー作含めて実に多くのセッションに参加し名演を残しています。マイルスが共演のピアノから影響を強く受けるタイプということで、「ケリーは煙草に火をつけるような存在だ。彼がいなくては煙草は喫えない。」という言葉をマイルス自身も残しています。
本作ケリー・ミッドナイトはトリオ作品として間違いなくウィントン・ケリーの代表作の一つでしょう。全5曲。歯切れのよいブルージーなピアノが存分に味わえます。特に、2や4、5などのミディアムからミディアム・スローでのブルース系の曲でのケリーの小気味よいジャズ・テイストには脱帽です。また、ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズの巧みなスティックさばきが際立ち、ピアノ、ベース、ドラムの3者がかなり対等な関係を築いていることも特筆すべき点だと思います。
1. Temperance
2. Weird Lullaby
3. On Stage
4. Skatin'
5. Pot Luck
iTunes Music Store では試聴可能です。→Kelly at Midnight
詳細はアマゾンでどうぞ。→ Wynton Kelly/ Kelly at Midnight
関連エントリはこちら。
→ウィントン・ケリー/ウィスパー・ノット
→ウィントン・ケリー/フル・ヴュー
→ウィントン・ケリー/ケリー・グレイト
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:59
クロード・ウィリアムソン/ラウンド・ミッドナイト
2005年01月07日
Claude Williamson/ Round Midnight
今日はクロード・ウィリアムソンの人気盤ラウンド・ミッドナイトです。スウィング・ジャーナル誌選定ゴールド・ディスク受賞のピアノ・トリオ作品。クロード・ウィリアムソンはウエスト・コーストのパウエル直系白人ピアニスト。パーソネルは、クロード・ウィリアムソン(p)、レッド・ミッチェル(b)、メル・ルイス(ds)。1956年録音。ベツレヘム・レーベル。
バド・パウエルほどの抜き差しならぬ緊張感はなく、とてもリラックスした明るいジャズです。むしろ同じくパウエル系のハンプトン・ホーズに近いと言った方がよいでしょう。本作ラウンド・ミッドナイトはクロード・ウィリアムソンの代表作。味のあるピアノ・トリオ演奏です。表題(曲)とは対照的にウエスト・コーストの太陽を少し感じますね。BGMとして流していますとおしゃれなよい雰囲気を作ってくれそうなアルバムです。
全12曲。後半に行くほどおもしろくなってきます。レコードでいうB面が好きです。特に、7や10~12はパウエルやホーズとは異なる素敵な個性を発散していてなかなかよいと思います。レッド・ミッチェルとメル・ルイスの好サポートに乗ってエンジン全開という感じですね。11と12が特にお勧めの好演です。左手が強靭なのですよね。右手と同じくらいに。ただ、8はハンプトン・ホーズそっくり。例のフニクラは少し希薄だけれど。
1.ステラ・バイ・スターライト、2.サムバディ・ラヴズ・ミー、3.アイル・ノウ、4.飾りのついた四輪馬車、5.ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス、6.ヒッピー、 7.二人でお茶を、8.サヴォイでストンプ、9.ラウンド・ミッドナイト、10.ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス、11.ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ、12.ザ・ソング・イズ・ユー
JR.comでは試聴OK。→ Claude Williamson/ Round Midnight
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:00
バド・パウエル/イン・パリ
2005年01月04日
Bud Powell/ Bud Powell in Paris
今日はバド・パウエルの晩年の作品を取り上げてみました。定評あるイン・パリ、最近の私の愛聴盤の一つです。59~64年の渡仏パリ滞在時の作品。パーソネルは、バド・パウエル(p)、ギルバート・ロブレ(b)、カンサス・フィールド(ds)。1963年パリ録音。
バド・パウエルのピアノ・インプロヴィゼーションをこよなく愛する私のような者にとりましてこのアルバムは大変愛着のある一枚です。パウエルといえば50年前後の諸作が歴史的な価値を持つほど優れたものという評価がなされている一方、晩年のものはそれほど高い評価を与えられていません。
確かに本作を含めた60年台晩年の録音には往年の鬼気迫る天才的な閃きは希薄になりましたが健在のジャズ・スピリットと少し枯れた味わいには私などは妙にしっくりしたものを感じるのですね。緊張を強いられることのない肩の凝らない、なじみのいいジャズに仕上がっていると思います。パウエルの魅力を寝転びながらリラックスして堪能できるという点で座右に置いておきたい一枚です。
全11曲どれも快調です。ミス・タッチが目立ちますがこのパウエルの持つジャズ・テイストの前ではあまり気にならないものですね。3. 6. 8.あたりのバラード演奏、それに2や11などのミディアム・テンポのブルースに聞かれるピアノ・ソロがたまらなく好きですね。往年の近寄りがたい天才パウエルと違って少し凡人になって親近感の持てる、ちょうどよい按配ってところです。
1.ハウ・ハイ・ザ・ムーン、2.ディア・オールド・ストックホルム、3.身も心も、4.ジョードゥ、5.リーツ・アンド・アイ、6.サテン・ドール、7.パリの大通り、8.言い出しかねて、9.リトル・ベニー、10.インディアナ、11.Bフラット・ブルース
iTunes Music Store では試聴可能です。→
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Bud Powell/ Bud Powell in Paris
関連エントリはこちら。
→バド・パウエルの芸術
→ポートレイト・オブ・セロニアス
→アメイジング・バド・パウエル Vol2
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:01
ビル・エバンス/エブリバディ・ディグス
2005年01月02日
Bill Evans / Everybody Digs
こんにちは。正月2日目はビル・エバンスといきましょう。大好きなアルバム、「エブリバディ・ディグス」です。エバンスの個性が輝き出した記念すべきピアノ・トリオの名作です。パーソネルは、ビル・エバンス Bill Evans (p)、サム・ジョーンズ Sam Jones (b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ Philly Joe Jones (ds)。1958.12.15.NY年録音。Riversideレーベル。
まずもって、アルバム・ジャケットが奇抜ですね。著名なジャズマンのビル・エバンスに関するコメントがそのまま英語の文章で記載されています。マイルス・デイヴィス、ジョージ・シアリング、アーマッド・ジャマル、キャノンボール・アダレイの4人、そのサイン入り(?)です。なぜこの4人なのかというのは私には容易には想像できませんが、まだ未知の若手であるエバンスに最大の賛辞が短い言葉で送られています。
マイルス・デイヴィス 「オレはほんとビル・エバンスには多くのことを学んだぜ。やつはピアノを(お手本のように)プレイすべき正にその方法で弾いてみせるのさ。」
ジョージ・シアリング 「ビル・エバンスは私が最近耳にした最も新鮮なピアニストです。」
アーマッド・ジャマル 「ボクはビル・エバンスは最高の一人だと思うね」
キャノンボール・アダレイ 「ビル・エバンスはまれなオリジナリティとテイスト、それにプレイすべき決定版と思えるような曲のコンセプトを作れるたぐいまれな能力を持ってるな。」
全11曲。どの曲を聴いても、当時の他のピアノとは一線を画する、すでに完全にエバンスの音を感じることができます。その意味でどの曲の演奏も新鮮で密度が濃く、しかも美的なものを感じとることができます。特に、7.Peace Piace や11.Someone Other Time は美しいものです。マイルスのアルバム、「カインド・オブ・ブルー」のブルー・イン・グリーンで聞かれるエバンスの世界ですね。
個人的な好みでは、6.Tenderly と 8.What is There to Say? がお気に入りです。音楽美に打ち震えます。右手のソロがよいです。バド・パウエルの線上にいてさらにその上にプラスしたピアノ・スタイルであることがわかります。9.Oleoでのサム・ジョーンズ、フィリー・ジョーとの掛け合いなんかもちょっと面白い感覚です。
1. Minority
2. Young And Foolish
3. Lucky To Be Me
4. Night And Day
5. Epilogue
6. Tenderly
7. Peace Piece
8. What Is There To Say?
9. Oleo
10. Epilogue
11. Some Other Time - (bonus track)
Bill Evans (p), Sam Jones (b), Philly Joe Jones (ds). Recorded on Dec.15, 1958.
iTunes Music Store では試聴可能です。→
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Bill Evans / Everybody Digs
関連エントリーはこちら。
→ アート・ファーマー『モダン・アート』(1958)
→ ビル・エヴァンス『エブリバディ・ディグス』(1958)
→ ビル・エヴァンス『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』(1959)
→ ビルエヴァンス『ポートレイト・イン・ジャズ』(1959)
→ キャノンボール・アダレイ『ノウ・ホワット・アイ・ミーン』(1961)
→ ビル・エヴァンス『エクスプロレイションズ』(1961)
→ ビル・エヴァンス『ムーン・ビームス』(1962)
→ デイブ・パイク『パイクス・ピーク』(1962)
→ ビル・エヴァンス『シェリーズ・マンホールのビル・エヴァンス』(1963)
→ スタン・ゲッツ『スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス』(1964)
→ モニカ・ゼタールンド『ワルツ・フォー・デビー』(1964)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:03
デューク・ピアソン/プロフィール
2004年12月25日
Duke Pearson / Profile
こんにちは。今日はデューク・ピアソンですね。ハイセンスで品のよい優美さと確かなスイング感で実力のあるピアニストの一人です。このプロフィールはピアソンの初リーダー・トリオ作品です。パーソネルは、デューク・ピアソン(p)、ジーン・テイラー(b)、レックス・ハンフリーズ(ds)。1959年録音。BlueNote ST-84022。
デューク・ピアソンのピアノは一見すると特徴がなく地味っぽいのですが、よく親しんで聴きますとその味のある一級の品格に引き付けられることになります。ほんわかと和むことのできるピアノ、その魅力に一旦触れますと長く座右に置いておきたくなる類のものでしょう。昔、ブラインド・テストなる音だけ聞いて誰が演奏しているかを当てるクイズがありましたが、このピアソンは最も当てにくいピアニストの一人かもしれませんね。ですけれど日頃よく聴いているファンにとってはきっと簡単に答えられると思います。タッチに微妙ですが特徴がありますよ。
全7曲。いずれも楽しめます。特に、小粋で美しいメロディの4.I'm Glad There is Youがいいですね。リリカルな曲でのピアソンの良さがよく出た演奏だと思います。絶妙なタッチセンスと、途中からアップテンポになる辺りが心地よいのです。冒頭の1.Like Someone in Loveも快適なピアノ・ジャズです。肩の凝らないgoodな演奏です。このアルバムには目立たないけれど渋くてさりげない、道端に咲く小花のキュートな美があります。
1. Like Someone In Love (Burke-Van Heusen)
2. Black Coffe (Webster-Burke)
3. Taboo (M. Lecuona)
4. I'm Glad There Is You (Madeira-Dorsey)
5. Gate City Blues (Pearson)
6. Two Mile Run (Pearson)
7. Witchcraft (Coleman-Leigh)
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Duke Pearson / Profile
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:04
オスカー・ピーターソン/ザ・トリオ
2004年12月22日
Oscar Peterson / The Trio
今日はオスカー・ピーターソンです。最強のオスカー・ピーターソン・トリオによる定評ある白熱のライブ演奏です。別名(日本名)は、オスカー・ピーターソンの真髄。パーソネルは、オスカー・ピーターソン(p)、レイ・ブラウン(b)、エド・シグペン(ds)。1963年シカゴ録音。Verveレーベル。
ピアノの機能をフルに生かしきることのできるジャズ・ピアニストとして万人が認めるオスカー・ピーターソン、「黄金のトリオ」時代の最高に乗っているライブ・アルバムです。レイ・ブラウンとエド・シグペンとのコンビは、1959年から65年まで続きます。息の合った絶妙のピアノ・トリオであり、ジャズを心行くまで堪能させてくれるという点では最高のコンボの一つでしょう。
このアルバムは、3人がともに30才代の油の乗り切った働き盛りの時期に、シカゴのロンドン・ハウスでのライブ演奏を記録したものです。音質のいい録音と、雰囲気のいい生の演奏、それに申し分のないザ・トリオの演奏ということで、オスカー・ピーターソンの数多い秀作アルバムの中でも五指に入る最高の出来に仕上がっていると思います。
全7曲。ベニー・ゴルソンの名曲6.ウィスパー・ノットでのピーターソンの軽やかにスイングする右手のシングルトーンには感服です。お勧めです。3.シカゴも同様にスインギーかつ次々に湧き出るアドリブ・フレーズが魅力。フランク・シナトラの名唱で著名なラブ・バラードの2.ウィー・スモール・アワーズでは、ピーターソンのロマンティックでファンタスティックなバラード演奏が見事に音楽美を形作っています。
1.恋したことはない、2.ウィー・スモール・アワーズ、3.シカゴ、4.夜に生きる、5.サムタイムズ・アイム・ハッピー、6.ウィスパー・ノット、7.ビリー・ボーイ
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:05
レイ・ブライアント/レイ・ブライアント・プレイズ
2004年12月20日
Ray Bryant / Ray Bryant Plays
今日はレイ・ブライアントの粋なピアノ・トリオ・アルバムです。このレイ・ブライアント・プレイズは幻の名盤として有名でした。パーソネルは、レイ・ブライアント(p)、トミー・ブライアント(b)、オリヴァー・ジャクソン(ds)。1955年録音。Signatureレーベル。
これはゴキゲンなジャズです。軽快で小粋なしゃれたピアノ・ジャズ。発売当初はマイナー・レーベルのため人気が無かったのですが、20年後の日本で幻の名盤として火がつきました。今ではレイ・ブライアントの代表的なピアノ・トリオ・アルバムです。ブライアントのスタイルは、伝統的なモダン・ジャズ奏法に加えて、ブキウギやストライドもこなす広範囲のテクニック、さらには卓越したブルースやゴスペル・フィーリングを兼ね備えています。
本作に収められた12曲はモダン・ジャズの名曲揃いで、まさに名曲集です。どれも好ましい演奏ですが、個人的な好みで言いますと、5のナウズ・ザ・タイムなんかのスイング感が絶妙にいいと思います。ジャズの楽しさがストレートに伝わってくる演奏ですね。6.ホイートレイ・ホールや11.A列車で行こう、なども同様な感触で素敵です。ブルース感覚がとてもよい上に右手のアタックが実に心地良いのです。このレイ・ブライアントともう一人エロール・ガーナーの二人はエンターテイメントの華のあるモダン・ジャズ・ピアノとして、私は大好きですね。
1.デロニィのジレンマ、2.ブルー・モンク、3.ミスティ、4.スニーキング・アラウンド、5.ナウズ・ザ・タイム、6.ホイートレイ・ホール、7.ドゥードリン、8.ア・ハンドレッド・ドリームス・フロム・ナウ、9.バグズ・グルーヴ、10.ウォーキン、11.A列車で行こう、12.ウィスパー・ノット
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:09
レッド・ガーランド/グルーヴィー
Red Garland / Groovy
今日はレッド・ガーランドのピアノ・トリオ・アルバム、グルーヴィーです。多くのジャズ・ファンの耳にこびり付いていると思われる、大人気の名盤です。パーソネルは、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。1956、57年録音。Prestigeレーベル。
1曲目、C・ジャム・ブルースの冒頭のフレーズが流れてきますと、もういきなりのカウンターパンチというやつです。堪りません。ガーランドの得意のブロック・コードが出てくる頃には完璧にノックダウンしているのですね。5曲目のWhat Can I Say, Dearなどもガーランド節満載の心地よい演奏です。小気味よい粒だった音色と粋なブルース感覚。このアルバムはまさにグルーヴィーなピアノ・ジャズを堪能できるレッド・ガーランドの傑作です。
レッド・ガーランドは50年代半ばにマイルス・デイヴィスに見出され有名なマラソン・セッションに参加して名を馳せました。58年にマイルスのもとを離れますが、55~60年前後に吹き込まれたガーランドのピアノ演奏は本作のリーダー作はじめかなり大量なものでしょう。本作は、ガーランドの快演が聞かれるガーランドの代表的な録音というだけでなく、間違いなくピアノ・ジャズの典型的な名盤です。
1. C-Jam Blues
2. Gone Again
3. Will You Still Be Mine
4. Willow Weep For Me
5. What Can I Say After I Say I'm Sorry
6. Hey Now
Red Garland (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds). 1957.
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:08
エディ・ヒギンズ/懐かしのストックホルム
2004年12月13日
Eddie Higgins / Dear Old Stockholm
こんにちは。今日はエディ・ヒギンズですね。スイングジャーナル誌の読者投票(2002年11月号)によるエディ・ヒギンズ・トリオで聴きたいスタンダード・ベスト10で構成されたアルバム。ヴィーナス・レーベル10周年記念だとか。それにしても名曲がずらりと並んでいます。何を聞こうかと迷ったときなどに気が付くとヒギンズ・トリオがいつの間にやら鳴っているという感じですね。パーソネルは、エディ・ヒギンズ(p)、ジェイ・レオンハート(b)、ジョー・アシオーネ(ds)。 ヴィーナス・レーベル。
このヒギンズさん、ジャケット写真の左の男性かなと思いきや、1932年生れといいますから、70才を超えてらっしゃるのですね。50年代の後半から活躍の筋金入りのモダン・ジャズ・ピアニストです。ピアノの響きだけ聞いていますと歳ってわかんないもんですね。まあ落ち着きや円熟味は感じますけど。それにしてもモノクロのジャケットいいですね。タバコの煙が渋いし北欧系の美形も大変好ましいと思います。こりゃ、CD屋さんで試聴したりすれば間違いなく即買いというやつですね。
懐かしのストックホルムというタイトルはちょっと違和感ありますね。やっぱ、ディア・オールド・ストックホルムでなくっちゃね。私の場合この曲ではすぐにスタン・ゲッツのことを思い出しますが。それにしてもスウェーデンって国はモダン・ジャズと切っても切れない関係ですな。そうそうスウェーデンといえば以前から懸案のジェリー・マリガンのこといつか書かないとね。今日はかなり脈絡がないですね。早めにこのアルバムの中身のこと書きましょう。芸術っぽさは感じないけれどそれほど低俗でもない。寛いだ雰囲気が自然と醸し出されます。こういうのを聴きますとアルコールが止まらなくなってしまします。そして幸せな感じがじんわりとしてきます。ジャズっていいなあ、心地良いなあとなりますね。1曲だけ選べと酷なことを言われたら、8を選ぶかな、今日の気分ですけど。
1.ムーンライト・ビカムス・ユー、2.モア・ザン・ユー・ノウ、3.ナーディス、4.虹の彼方に、5.懐かしのストックホルム、6.クリフォードの想い出、7.あなたと夜と音楽と、8.イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ、9.アゲイン、10.ウィ・ウィル・ビー・トゥゲザー・アゲイン、11.ウィッチクラフト、12.イット・ネバー・エンタード・マイ・マインド、13.星影のステラ、14.ブレイム・イット・オン・マイ・ユース (74分)
ちなみに、そのスイングジャーナル誌の読者投票結果の順位ってちょっと気になりますよね。異論もあろうかと思いますが以下のような結果だったそうです。断っておきますがあくまでヒギンズじっちゃんに弾いてほしい曲ですからね。(*印は本アルバム収録) 1位 懐かしのストックホルム*、2位 ミスティ、3位 あなたと夜と音楽と*、4位 星影のステラ*、5位 いつか王子様が、6位 虹の彼方に*、7位 酒とバラの日々、8位 ナーディス*、9位 わが心のジョージア、10位 ブレイム・イット・オン・マイ・ユース*、11位 慕情、12位 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン、13位 サマータイム、14位 ムーン・リバー、15位 イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド*、16位 スターダスト、17位 イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ*、18位 モア・ザン・ユー・ノウ*、19位 ガール・トーク、20位 ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ、21位 ムーンライト・ビカムズ・ユー*、22位 ウイ・ウイル・ビー・トゥゲザー・アゲイン*、23位 メモリーズ・オブ・ユー、24位 イージー・リビング、25位 ウィッチクラフト。
Venus RecordsのHPで試聴可能です。→Eddie Higgins/Dear Old Stockholm
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:10
トミー・フラナガン/エクリプソ
2004年12月12日
Tommy Flanagan / Eclypso
こんにちは。今日はトミー・フラナガンです。50年代後半より数多くの名アルバムに足跡を残してきたモダン・ジャズの名ピアノニストです。本アルバムのエクリプソはピアノ・トリオの名作です。パーソネルは、トミー・フラナガン(p)、ジョージ・ムラーツ(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。1977年NY録音。enyaレーベル。
トミー・フラナガンのピアノの特徴は、優れたジャズ・センスとスウィング感、それに渋いグルーヴ感、粒立ちの良い転がるような右手のタッチ・センス、心憎いほどの上手さと器用さ、などが挙げられると思います。ハード・バップ系モダン・ジャズの典型的存在と言えるでしょう。名盤にトミフラありと言われるほどにサイドメンとして大活躍ですが、60年前後ではリーダー作はそれほど多くないのですね。
57年にスエーデンで録音した初リーダー作のオーヴァーシーズOverSeasというトリオ・アルバムが有名でフラナガンの代表作と言われています。その20年後に録音された、リメイク版とも言えそうな本作エクリプソは負けず劣らずの好演となっており、私の場合むしろこちらを好んで聴くということで本日取り上げてみたというわけです。ドラムは前作と同じエルヴィン・ジョーンズですが、ベースがウィルバー・リトルからジョージ・ムラーツに代わっています。ムラーツのベースは軽めによく唄うということで、現代ピアノ・トリオ・アルバムとしての基調的な雰囲気が伝わってきます。エルヴィン・ジョーンズはフロントをあおるような野性的なポリリズムよりも、丁寧な渋いブラッシュ・ワークが冴えています。
曲目では、前作OverSeasと、4.Relaxin' at Camarillo、6.Eclypso、7.Confirmationの3曲が同じで、他の4曲が異なるという内容。4.と7.はチャーリー・パーカーの曲、6.はトミフラの曲、さすがにこの3曲は再吹込みするだけのことはあってメロディも良くて演奏も上質でご機嫌なものに仕上がっていると思います。全7曲いずれもアップまたはメディアム・テンポで流麗な極上のピアノ・トリオ演奏が聴けるアルバムです。ここでのトミー・フラナガンのピアノは円熟味といいますか手馴れたものという印象が強く、安心して傾聴できる類のものです。革新性とかスリルという点では少々物足りない面もありますが、気楽に寛げるジャズということでは高得点間違いなしという優等生的な演奏ですね。トミー・フラナガン、1930年生れ、2001年没。
1. Oleo
2. Denzil's Best
3. Blue Time, A
4. Relaxing at Camarillo
5. Cup Bearers, The
6. Eclypso
7. Confirmation
Tommy Flanagan (p), George Mraz (b), Elvin Jones (ds). Rrecorded on Mar 30, 1993.
iTunes Music Store では試聴可能です。
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Tommy Flanagan / Eclypso
関連エントリはこちら。
→ トミー・フラナガン/ムーズヴィル (1960)
→ ジョン・コルトレーン/ジャイアント・ステップス (1959)
→ ソニー・ロリンズ/サキソフォン・コロッサス (1956)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:11
ドン・フリードマン/サークル・ワルツ
2004年12月10日
Don Friedman / Cirlcle Waltz
こんにちは。今日はドン・フリードマンです。サークル・ワルツはエヴァンス系の耽美的ピアノ・ジャズの名盤です。パーソネルは、ドン・フリードマン(p)、チャック・イスラエル(b)、ピート・ラロッカ(ds)。1962年録音。Riverside レーベル。
このアルバム、結構聴く機会が多いです。少しあっさり味なのですね。アクが強くないというか。エヴァンス愛聴者にとってはその差は歴然としています。エヴァンスにはハーモニック・センスに新しいアプローチを示そうとする鋭角的なもの、また深みのある内省感とでも呼べるようなものが感じられますが、フリードマンのピアノはそうした精神性や独創性が少し希薄です。
5.LOVES PARTING が特にお気に入り。ゆったりとした美しいピアニズムがいいですね。エヴァンスにそっくりですが微妙に淡白な味わいが私は好きです。4.IN YOUR OWN SWEET WAY も同様に淡い色の漂泊感が素敵です。1.CIRCLE WALTZ と 3.I HEAR A RHAPSODY はともにミディアム・テンポの魅力ある演奏です。適度にスウィングしながらかつ叙情感が漂っています。私の場合本当のところこういう演奏が大好きなのです。ピアノの心地よい音の連なりが流麗に流れてゆく感覚です。時の経過を忘れます。
2.SEA'S BREEZE と7.MODES PIVOTING はアップ・テンポの演奏。エヴァンスとの個性の違いはもう明白です。ちょいと心もとないところもあるピアノだけれどその潜在的なジャズ・スピリットを感じて好感の持てる演奏です。6.SO IN LOVE も興味ある演奏です。昔の淀川長治さんの「日曜洋画劇場」でおなじみの美しいメロディですが、途中から曲調ががらりと変わってアップテンポとなります。そういえばハンプトン・ホ-ズも同様におもしろい演奏を残していますね。
ドン・フリードマンは一時、ビル・エヴァンス・トリオのベーシスト、スコット・ラファロと同居していたとのことで、おそらくエヴァンス圏の内側にいてもろに影響を受けたのだろうと推察されますが、その才は確かなもので、エヴァンスがもしこの世に存在しなくともフリードマンはやはり耽美的な美しいピアノを弾いていたに違いないと思います。
1.CIRCLE WALTZ 2.SEA'S BREEZE 3.I HEAR A RHAPSODY 4.IN YOUR OWN SWEET WAY 5.LOVES PARTING 6.SO IN LOVE 7.MODES PIVOTING
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:12
ユタ・ヒップ/ヒッコリーハウスのユタ・ヒップ
2004年12月04日
Jutta Hipp / Jutta Hipp at the Hickory House Vol.1
こんにちは。今日はユタ・ヒップです。伝説の女性ピアニスト。パーソネルは、ユタ・ヒップ(p)、ピーター・インド(b)、エド・シグペン(ds)。1955年録音。BlurNote 1515,1516。
ユタ・ヒップは東ドイツで生れライプニッツのグラフィック・アーツで学んだ後、46年のロシア侵攻で西ドイツに逃れ、54年当時最も著名なジャズ評論家レナード・フェザーに見出されて渡米、ブルーノート・レーベルに3枚のアルバムを録音します。それが、Jutta Hipp With Zoot Sims、Jutta Hipp at the Hickory House, Vol. 1 & Vol.2 です。その後、ジャズから離れて一般人として過すことになるのですが、ジャズを再び聴衆の前で演奏することは無かったということです。昨年2003年78才で永眠。
このアルバムでは、最初にレナード・フェザーがユタ・ヒップを簡単に紹介し、その後、ドイツ訛りのヒップ自ら曲の紹介をやっており、両者の貴重な肉声を聞くことができます。ヒップの演奏にはそのジャズ・フィーリングとアドリブ・メロディ構築に非凡な才能を感じます。また、その壊れそうなガラス細工のように神経の行き届いた繊細なピアノ・スタイルには神経症的な鋭敏な感受性を感じずにおれません。私はヒップ自身についても音楽的センスに病的に優れた内向的な芸術家肌タイプ?という印象を持ちます。
このアルバムに収められた演奏はどれもジャズ好きには納得できる素敵なものです。繰り返し聴くほどに味の出てくるタイプの音楽でしょう。磨けば光る原石の輝きがあると思います。例えば、Vol.1の2曲目DearOldStockholmでのヒップのピアノには黄金の糸を次から次に紡ぎ出してくるような横溢するジャズ・スピリットを感じることができます。ミデイアム~ミデイアム・スローの曲を丹念に作りこんで弾きこんだ演奏に何とも深い味わいと魅力があると思います。それにしてもライブ演奏ですので客の頼りないまばらな拍手が寂しい限りですが、日本のジャズファンなら拍手喝采で迎えたろうになあと惜しまれます。
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:13
テテ・モントリュー/テテ
2004年12月02日
Tete Montoliu / Tete!
こんにちは。今日はテテ・モントリューです。盲目の天才ピアニストの壮絶なピアノ・トリオ・アルバムです。パーソネルは、テテ・モントリュー(p)、ニールス・ヘニング・エルステッド・ペデルセン(b)、アルバート・ヒース(ds)。1974年録音。SteepleChase。
スペイン出身のテテ・モントリュー(1933-1997)はその天才的実力の割には知名度が低いのではないかと少し残念な気がします。そのラテン系の派手な自己主張の強さというか、乾燥した饒舌な音の洪水的アイデンティティが、たとえ申し分のないテクニックとジャズ・スピリットに裏打ちされているとしてもそのうまさが逆に嫌味となるような、いわば日本人好みのブルージーな湿っぽい感触とは明らかに対極の音楽という印象がありますね。そのテクニックと個性のとんがり具合というのは、もうコルトレーン作の1曲目ジャイアント・ステップスを聞きますと覆いようなく明らかなのですが、私はこの素晴らしい演奏に胸を張って拍手喝采を送りたいと思うのですね。恐らく時代が変わればいつか大絶賛される類の音楽なのではないかと私は直感しています。
ビル・エバンスは自らのモード手法の特性を日本の墨絵になぞらえて的確に言い当てましたが、後戻りできない一回性の音と、さらに音と音の間による深遠な美学という点において、テテ・モントリューの音楽は全く異質でありむしろその間の暗闇を音で埋めつくさずにはおれない脅迫観念に近いものを感じるのですね。確かにソニー・クラークやウィントン・ケリーらのブルージーな渋めのピアノには日本人の一人として全く異論なく深く共鳴共感するのですが、日本以外で結構人気のある実力派ピアニスト、特にカラっとあっさり味の饒舌なピアニスト達もやはり良いものは良い、一流は一流という、それなりの聴く耳は持っていたいし、持っているつもりです。フィニアス・ニューボーン・Jrというやはり純粋なる天才的ジャズ・ピアニストがいましたが、テクニックもジャズ・センスも抜群だけどやはり日本人好みという点ではその実力の割りに人気がないという点でテテ・モントリューと似たような印象があります。
1. Giant Steps
2. Theme for Ernie
3. Body and Soul [#]
4. Solar
5. I Remember Clifford
6. Hot Housse
Tete Montoliu (p), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Albert 'Tootie' Heath (ds). Recorded on May 28, 1974 at Rosenberg Studio, Copenhagen, Denmark.
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:14
ケニー・ドリュー/ケニー・ドリュー・トリオ
2004年11月24日
Kenny Drew / Kenny Drew Trio
こんにちは。今日はケニー・ドリューです。繊細なタッチが魅力のケニー・ドリューが50年代に残した素敵なピアノ・トリオ・アルバムです。パーソネルは、ケニー・ドリュー(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョ・ジョーンズ(ds)。1956年NY録音。Riverside。
60年代以降ヨーロッパ(コペンハーゲン)に拠点を移し盟友ニールス・ペデルセン(b)と組んでスティープルチェイス・レーベルから数多くのアルバムを残します。ダーク・ビューティやデュオ、デュオ2など内容のしっかりしたものが多いですね。確かなスイング感とセンシティブなフレージングはミデイアムまたはスロー気味の曲調で味のある演奏が聴けるでしょう。ヨーロピアン・ピアノの源流をなすような影響力を発散していたように思います。28年生れ、93年没。息子であるケニー・ドリュー・Jrがやはりジャズ・ピアニストとして活躍中。
このアルバムは地味ながらも渋くていつも身近に置いておきたくなるような類のものです。ドリューというピアニストの原点があるように思います。モンクの3.Rudy My Dearやディズニーの6.When You Wish Upon a Starなどの心優しいメロディでのドリューの繊細な感覚には深く共感できるものがあります。線が細いけれどそこが逆に魅力的なのですね。
1. Caravan
2. Come Rain or Come Shine
3. Ruby, My Dear
4. Weird-O
5. Taking a Chance on Love
6. When You Wish Upon a Star
7. Blues for Nica
8. It's Only a Paper Moon
Kenny Drew (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds). Recorded on September 20 & 26, 1956 in NYC.
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:15
マッコイ・タイナー/バラードとブルースの夜
2004年11月12日
McCoy Tyner /Nights of Ballads and Blues
こんにちは。今日はマッコイ・タイナーの渋めのトリオ・アルバムです。マッコイ・タイナーはこの時期コルトレーン・カルテットのピアニストとして最も期待される気鋭の若手の一人でした。パーソネルは、マッコイ・タイナー(p)、スティーブ・デイビス(b)、レックス・ハンフリーズ(ds)。63年録音。Impulse。
このアルバムはマッコイの3作目のリーダー作としてインパルス・レーベルから出されています。コルトレーンはマッコイの演奏にこそBeautyという言葉がふさわしいと述べていますが、このアルバムはそうした美しいピアノが存分に聴けるマッコイ・ファンには堪らなく魅力的な仕上がりになっています。
数多くのコルトレーンとの共演で聴かれるマッコイのピアノにはシーツ・オブ・サウンドと呼ばれる鋭い面とともに時折見せる叙情的な一面が垣間見えます。このピアノ・トリオ・アルバムでは、後者のスローからミデイアム・テンポのバラードとブルース、それもスタンダードが中心に演奏されています。玉が心地よく転がるような右手のフレーズ、美しいメロディで修飾されたアドリブ・ライン、そして真摯で妥協のない姿勢など、マッコイの特徴がよく伝わってきます。7曲目のGroove Waltzでは本来のモード奏法ですが、これがやはりとてもよいのですね。これこそがマッコイ節です。この曲はついつい繰り返したくなります。
1. Satin Doll (05:36)
2. We'll Be Together Again (03:36)
3. 'Round Midnight (06:19)
4. For Heaven's Sake (03:45)
5. Star Eyes (05:00)
6. Blue Monk (05:18)
7. Groove Waltz (05:27)
8. Days of Wine and Roses (03:20)
McCoy Tyner (p), Steve Davis (b), Lex Humphries ( Drums )
Recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey on March 4, 1963.
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:16
ミシェル・ペトルチアーニ/ピアニズム
2004年11月11日
Michel Petrucciani /Pianism
こんにちは。今日はミシェル・ペトルチアーニですね。彼は1963年仏生れ、81年デビュー、99年36歳で没。生来ハンディのある身体でしたが全くそうしたことを感じさせない天才ピアノ芸術家。パーソネルは、ミシェル・ペトルチアーニ(p)、パレ・ダニエルソン(b)、エリオット・ジグムンド(ds)。1985年録音。
力強いドライブ感とタッチセンス、素晴らしい両手のテクニック、バランスある芸術感、どれをとっても80年に亡くなったビル・エヴァンスに替わって登場した次の世代を担う逸材でした。チック・コリアやキース・ジャレットより私はこのペトルチアーニのピアノが好きですしその感性に絶対的な信頼を寄せていました。
基本的に駄作がなくリーダー・アルバムがいずれも高水準となるアーティストです。エレクトリック楽器と一緒にフュージョン系のセッションを行ってもその魂の籠ったピアノは決して力負けすることはありません。普遍的な音楽性とその高い芸術性ゆえ、どんな中にあってもペトルチアーニの個性は違和感なく溶け込むことができ、しかも一等恒星のようにいつも一定のレベルで光り輝いています。
このピアニズムというアルバムはペトルチアーニの素顔を映すような素敵な素敵なピアノ・トリオ作品です。現代ピアノ・ジャズの完成された洗練さを示す典型的な一枚でしょう。Here's That Rainy Dayという愛らしいメロディのスタンダード曲では、ペトルチアーニのバラッド表現の魅力がよくわかる演奏になっています。同曲はデニー・ザイトリンのZeitgeistというアルバムでの演奏と共に私の大のお気に入りです。ペトルチアーニの写真に見るその優しい眼差しを感じる演奏です。
1. The Prayer
2. Our Tune
3. Face's Faces
4. Night And Day (Gay Divorce)
5. Here's That Rainy Day
6. Regina
Michel Petrucciani (p), Palle Danielsson (b), Eliot Zigmund (ds). Release on Dec 20, 1985.
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:17
デューク・ジョーダン/フライト・トゥ・デンマーク
2004年11月10日
Duke Jordan/Flight to Denmark
こんにちは。今日はデューク・ジョーダンの名盤フライト・トゥ・デンマークです。パーソネルは、デューク・ジョーダン(p)、マッズ・ヴィンディング(b)、エド・シグペン(ds)。1973年録音。Steeplechase。
デューク・ジョーダンのピアノは明朗でよくスイングする典型的なモダン・ジャス・ピアノです。このアルバムの中のOn Green Dolphin Streetという曲は私にとって何度も繰り返し聴きいてきた大のお気に入りナンバーなのです。スタンダードですので多くのミュージシャンに取り上げられていますが、このジョーダンの演奏が最も好きなものの一つですね。おしゃれでハイセンス、そしてわかりやすくて明るいアドリブ・フレーズ、これはもう万人受けする演奏だと思います。それに、マット・デニス作のEverything Happens to Meや表題曲のFlight to Denmark がまた品のよいキュートな演奏です。
休日の昼下がりや深夜などのくつろぎタイムにそ~っと聴くのがよいです。心地よいリズムと魅力的なフレーズが次から次へと繰り出されてきますので全身がじんわりとリラックスしてゆくのですよ。
1. No Problem
2. Here's That Rainy Day
3. Everything Happens to Me
4. Glad I Met Pat [Take 3][#]
5. Glad I Met Pat [Take 4]
6. How Deep Is the Ocean?
7. On Green Dolphin Street
8. If I Did-Would You? [Take 1][#]
9. If I Did-Would You? [Take 2]
10. Flight to Denmark
11. No Problem [Take 2][#]
12. Jordu [Take 1][#]
Duke Jordan(p), Mads Vinding(b), Ed Sigpen(ds).
1973.録音。Steeplechase Redcords.
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:18
アル・ヘイグ/ジャズ・ウィル・オー・ザ・ウィスプ
2004年11月06日
Al Haig/ Al Haig Trio
こんにちは。今日はアル・ヘイグです。40年代後半からチャーリー・パーカーやスタン・ゲッツとの共演の多い名ピアニストの代表的名盤です。パーソネルは、アル・ヘイグ(p)、ビル・クロウ(b)、リー・エイブラハム(d)。54年録音。このアルバムはなにを隠そう私の愛聴盤です。
アル・ヘイグのピアノに対する私の持つ印象は、その端整な佇まい、野辺に咲く一輪のスミレのような目立ちはせぬが近づくと限りなく美しい可憐なといったものです。メロディの豊かさ、スピード感、くつろぎ感などは、バド・パウエルの切羽詰った魅惑的な感覚とはまた趣の異なる魅力を持っていると思います。
ベースとドラムが文字通りの伴奏役であって面白みに欠けるきらいがありますが、この当時ではこんなものでしょう。アル・ヘイグのピアノが縦横に活躍します。また録音状態がそれほどよくはありません。ただし、この少しあいまいな音感がヘイグのピアノにはむしろ不思議な調和が感じられます。60年代以降の音質の良いヘイグのピアノが妙になじみにくいのは、このアルバムとそれに並ぶ同時期のもう一枚のアルバム、アル・ヘイグ・カルテットとの2枚の印象が強すぎるからだと思います。
1. Autumn In New York
2. Isn't It Romantic
3. They Can't Take That Away From Me
4. Royal Garden Blues
5. Don't Blame Me
6. Moonlight In Vermont
7. If I Should Lose You
8. April In Paris
9. All God's Chillun Got Rhythm
10. Body And Soul
11. Gone With The Wind
12. My Old Flame
13. On The Alamo
Al Haig (piano); Bill Crow (bass); Lee Abrams (drums).
Recorded at Esoteric Studios. 1954.3.13.NY録音。
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:20
キース・ジャレット/アップ・フォー・イット
2004年10月29日
Keith Jarrett/ Up for It
こんにちは。今日はキース・ジャレットのスタンダード・ライブ盤です。今や大御所のキース・ジャレットのピアノは安心して耳を傾けらる類のジャズ音楽ですね。若い頃の妥協のない斬新な演奏も悪くはないのですが昨今の少しアクのとれたリラックスしたスタンダード演奏に私はずっと拍手を送ってきました。このアップ・フォー・イットはそうしたキースの絶妙なバランスあるピアノ・トリオ・ジャズの凝縮されたエッセンスが聴ける最右翼の名盤だと思います。パーソネルは、80年代からのレギュラー・トリオで、キース・ジャレット(p)、ゲイリー・ピーコック(b)、ジャック・デ・ジョネット(ds)。2002年7月フランスのアンティーブ・ジャズ祭におけるライヴ録音。
キース・ジャレットの70年代の音楽にはあの有名なケルン・コンサートなど何枚かのソロ・アルバムが典型としてありますが、私にはなぜかあまり感心がなく、"生と死の幻想"とかよりジャジーな音楽に興味を持っておりました。その自由な即興性と長いフレージング構築にはなるほど天才とうならせるものを感じましたが日常的に愛好する類のものではありませんでした。それがこの90年代以降のスタンダード演奏には私の求める何かが確かに感じられるのでした。そこには耳になじんだメロディーが達人の手さばきで料理されていまして、そのピアノ・トリオから放たれる音楽は、決して俗に流されることがなくしかも芸術的な品があり、かつ極上のエンターテイメントがそこはかとなく香り立っているのでした。
例えば、3曲目の有名なバラード My Fanny Valentine を聴いてみていただけるとよいかと思います。フレーズのディテイルがスパイラル状に少しづつ深まってゆくさまが手にとるようにわかりますが、聴く側はその尋常でない混沌の海に引き込まれてゆくことになるのですね。そして終いには引くに引けずに身を任せて漂うしかないのですが、その心地良さといったら何というのでしょう、この境地は即興音楽としてのジャズの魅力が存分に実感できるというものです。これこそがキース・ジャレットの真骨頂なのでしょう。私はこの世界を今まで認知しなかったことに後悔しています。もっと早くに浸るべきであったと。
今年もあと2ヶ月くらいとなりまして年々1年が短くなるなあと実感していますが、2004年はこのキース・ジャレットの名盤と、あとアーマッド・ジャマルのポインシアナ・リビジッテドに出会えたことが記念すべきこととなりそうです。年々感動の機会は減ってゆきますが、新たな地平を見出してゆくこと、発見の喜びは尽きることのない楽しみです。今日もウイスキーを片手にパソコンに向かいバックにキースの今日のアルバムを聴きながら書いているのですが、金曜で明日と明後日は休みという背景もあって、夜更けの深まりとともにじんわりと気分が高揚してくるのでした。最後の枯葉まで約70分が過ぎようとしています。キースさんご苦労さん、ありがとね。拍手々々。
1. If I Were A Bell
2. Butch & Butch
3. My Funny Valentine
4. Scrapple From The Apple
5. Someday My Prince Will Come
6. Two Degrees East, Three Degrees West
7. Autumn Leaves
8. Up For It
Keith Jarrett (p), Gary Peacock (b), Jack DeJohnette (ds).
Amazon.comで試聴できます。→Keith Jarrett/ Up for It
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:21
アーマッド・ジャマル/ポインシアナ・リビジッテド
2004年10月23日
Ahmad Jamal/ Poinciana Revisited
こんにちは。今日はアーマッド・ジャマルです。50年代よりスタイリストとして活躍してきたピアニストです。このアルバムは私にとって最近数ヶ月で最もよく聴いているアルバムなのです。58年のライブ盤"ポートフォリオ・オブ・アーマッド・ジャマル"もよく聴きますが。パーソネルは、アーマッド・ジャマル(p)、ジャミル・スリーマン(b)、フランク・ギャント(ds)。1969年、ニューヨーク「ヴィレッジ・ゲイト」にてライブ録音。
マイルス・デイヴィスやキース・ジャレットが絶賛したと言われるアーマッド・ジャマルのピアノ・スタイルは、シンプルな単音を特徴とする独特の雰囲気を持つ当時のビバップ・イディオムとは一線を画する孤高の類のものです。マイルス・デイヴィスは50年代のレギュラー・クァルテットのピアニスト、レッド・ガーランドにジャマルのように弾くことを要請したと言われます。また。K・ジャレットは先の"ポートフォリオ・オブ・アーマッド・ジャマル"に完全に魅了されたとNewYorkTimesで証言しています。
この69年録音のライブ・アルバムでは有名なPoincianaが聴かれますが、他にもHave You Met Miss Jones?やLament、それにTheme from Valley of the Dolls、Frank's Tuneなど魅力的な演奏全7曲が収められています。50年代に比べて多弁になった感がありますが、その構成やメロディックセンスにはより洗練されたエンタテイメント性が加わって味わい深いものがあります。特にブルース調の曲での淡白な味覚には聴くほどにやみつきになりますね。じんわりと馴染んできましてそれが積み重なることで豊饒感に満たされてゆくのです。
1. Have You Met Miss Jones?
2. Poinciana
3. Lament
4. Call Me
5. Theme from Valley of the Dolls
6. Frank's Tune
7. How Insensitive
Ahmad Jamal(p), Jamil Sulieman(b), Frank Gant(ds).
Recorded at 'Village Gate' NY 1969.
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Ahmad Jamal/ Poinciana Revisited
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:22
ハンプトン・ホーズ/オールナイト・セッションVol.1
2004年10月14日
Hampton Hawes/ All Night Session Vol.1
こんにちは。今日はピアニストのハンプトン・ホーズです。パーソネルはハンプトン・ホーズ(p)、ジム・ホール(g)、レッド・ミッチェル(b)、バズ・フリーマン(ds)。56年録音。何を聴こうかと迷ったときにこのアルバムをよくターン・テーブルに載せてきました。決して期待を裏切ることはありません。ごきげんなバップが聴けます。
私にとってピアノ・トリオなどの小コンボのピアノ演奏は最も好ましいジャズ形態です。このハンプトン・ホーズのピアノは小気味よくスイングすることでは間違いなくこの時期の筆頭格です。その代表アルバムは一般的にはこちらではなくハンプトン・ホーズ・トリオVol.1~2の方でしょう。個人的にはこちらのアルバムの方を圧倒的によく聴いていますが。ジム・ホールのギターとのコンビネーションが抜群に相性がよく、それにレッド・ミッチェルのベースも冴えていて申し分のない出来だと思います。
1曲目の"ジョードゥ"の頭出しを聴いた瞬間に一発でノックアウトされますし、2曲目の"グルービン・ハイ"もおなじみのメロディーながらスリルのある演奏です。3・4曲目ではホーズの快調なピアノが魅力的です。気兼ねなく寝転んで聴けるようなこういうジャズがやっぱり大好きですね。
1. Jordu
2. Groovin' High
3. Takin' Care
4. Broadway
5. Hampton's Pulpit
Hampton Hawes (piano); Jim Hall (guitar); Red Mitchell (bass); Bruz Freeman (drums).
1956.11.12.LA録音。Contemporary Records。
JR.comでは試聴可能です。→All Night Session Vol.1
米アマゾンでも試聴OK。→ Hampton Hawes/All Night Session Vol.1
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Hampton Hawes/ All Night Session Vol.1
関連エントリはこちら。
→ハンプトン・ホーズ/ザ・トリオVol.1
→ハンプトン・ホーズ/ザ・トリオVol.2
→ハンプトン・ホーズ/フォア・リアル
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:24
スティーブ・キューン/エクスタシー
2004年09月29日
Steve Kuhn/ Ecstasy
こんにちは。今日はジャズ・ピアニスト、スティーヴ・キューンの登場です。現在ではオーソドックスなモダン・ジャズ・ピアニストとして有名になったキューンですが、70年代のデビュー間もない頃はマンフレート・アイヒャーが主催するECMレーベルに所属する知る人ぞ知る耽美派のピアニストでした。エクスタシーというタイトルのこのアルバムは私の大好きなピアノ・ソロ・アルバムです。1974年録音。オスロ。
70年代のECMといえばひたすらこの種の耽美的音世界を追求しておりある種貴重なレーベルという印象です。現在も活動を続けているようですね。→ECMRecordWebSite
このエクスタシーというアルバムの1曲目のシルバーという曲を聴いてみてください。まさに究極のピアノ美です。学生時代に4畳半の狭い下宿で何度この曲を聴いたことでしょう。刹那的ではありますが無限大の音空間に浮遊することができます。そして今ここに自分は確かに存在しているのだという至福感に満たされるのでした。当時のキューンのピアノはジャズという範疇ではくくれないもっと自由な音楽です。
1.シルヴァー
2.プレリュード・イン G
3.ウラ
4.ある男の物語~ハリソン・クラブフェザー氏の武勇談
5.ライフズ・バックワード・グランス
Steve Kuhn/ Trance
また、ECMに同時期のアルバムとして"トランス"があります。こちらも定評がありまして、耽美的ではありますがエクスタシーよりはジャジーで、しかもエレクトリック・ピアノを弾くキューンを聴くことができます。ここでもシルバーを演奏しています。 パーソネルは、スティーヴ・キューン(p)、スティーヴ・スワロー(b)、ジャック・ディジョネット(ds)、スー・エヴァンス(perc)。74年NY録音。
Steve Kuhn/ Three Waves
キューンは66年に初リーダー作"スリー・ウェイブス"(Three Waves)というアルバムを発表しています。スイング感の乏しいジャズではありますが不思議な魅力のあるアルバムでした。ピアノ・トリオ・アルバムとして結構定評があるようです。カーラ・ブレイ作の「アイダ・ルピノ」という有名女優の名を取った1曲目が妙に印象的です。パーソネルは、スティーブ・キューン(p)、スティーブ・スワロー(b)、ピート・ラ・ロッカ(ds)。66年録音。
キューンの最近の豹変ぶりに、商業的には成功しているのだと思いますが、少し安心するとともに当時の新鮮なピアノを知る者としては残念な気持ちも少なからずあります。
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:25
エロール・ガーナー/コンサート・バイ・ザ・シー
2004年09月28日
Erroll Garner/ Concert by the Sea
こんにちは。今日はジャズ・ピアニストのエロール・ガーナーの登場です。パーソネルは、エロール・ガーナー(p)、エディー・カルホーン(b)、デンジル・ベスト(ds)。55年、パサデナ(カリフォルニア州)でのライブ盤。このアルバムは私の大のお気に入りです。よく売れているとのことですが歴史的名盤というほど有名ではありません。ちょっと時間があって何かちょっと聞いてみようかなというときに気楽に聴ける音楽としていつも座右に置いているアルバムです。
エロール・ガーナーのピアノはビハインド・ザ・ビートと呼ばれて強力な左手に対して遅れ気味に右手がシングル・トーンを奏でるクセがあります。その独特な響きはすぐにガーナーとわかる類のものです。そしてそれが不思議といい感じなのです。このアルバムはライブ盤ということもあり、とてもリラックスした雰囲気がありガーナーのよい面がめいっぱい出ているのだと思います。
例えば2曲目のTeach Me Tonightを聴きますとそんなガーナーの特徴がよくわかります。この快適感はいったい何なのでしょう。私はこの演奏がたまらなく好きですね。この演奏を聴いていると自然と心が和んでくるのがわかります。いつもこのアルバムは期待を裏切ることがありません。その他の曲も素敵なものがばかりです。Autumn Leavesも興味ある演奏ですね。
1. I'll Remember April
2. Teach Me Tonight
3. Mambo Carmel
4. Autumn Leaves
5. It's All Right With Me
6. Red Top
7. April In Paris
8. They Can't Take That Away From Me a
9. How Could You Do A Thing Like That To Me
10. Where Or When
11. Erroll's Theme
Erroll Garner (piano); Eddie Calhoun (bass); Denzil Best (drums). Recorded live in Carmel, California.1955.9.19.録音.
JR.comでは試聴可能です。→Erroll Garner/ Concert by the Sea
amazon.comでも試聴OK。→エロール・ガーナー/コンサート・バイ・ザ・シー
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Erroll Garner/ Concert by the Sea
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:26
ソニー・クラーク/ソニー・クラーク・トリオ
2004年09月27日
Sonny Clark/ Sonny Clark Trio
こんにちは。今日はジャズ・ピアニストのソニー・クラークのトリオ演奏をご紹介します。ご存知の方も多いと思いますし、私もやはりかなりはまっているのですが、ソニー・クラークは日本のジャズ・ファンに絶大な人気を持つピアニストなのですよ。その粒だった音の連なり感やブルースでのスイング感は独特のものがあり、一度その味をしめるとなかなか忘れがたいものになるのですね。私もそうなのですが、ブルースはちょっとという方多いと思いますが、ソニー・クラークの奏でるブルースには臭みがなくとてもクールなジャズになるのです。パーソネルは、ソニー・クラーク(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1957.10.13.録音。BlueNote Records1579。
私はソニー・クラークが大好きです。特にそのピアノが存分に聴けるトリオ演奏が大のお気に入りです。しかもクラークにはブルーノートとタイムの2つのレーベルにトリオ演奏のリーダーアルバムがあります。ブルーノート盤はスタンダード曲中心、タイム盤は全曲オリジナル曲の収録です。どちらも素晴らしい甲乙つけ難い演奏でジャズ・ピアノの名盤と言えるでしょう。個人的にはどちらかと言えば少しリラックス感のあるブルーノート盤を聴く機会の方が多少多いかな。特に"朝日のごとくさわやかに"などいいです。タイム盤は自作曲のみで緊張感もありピアノ芸術という意味では上でしょうね。どの曲も独特のピアノ・ソロを存分に聴くことができます。
京都で学生時代を過ごしたのですが当時はジャズ喫茶がまだ健在の頃でよく通ってました。有名な"しあんくれ~る"とかにもよく行きましたね。マッキントッシュのアンプにJBLのスピーカー。ママさんが来られるとそろそろ閉店時間というお店でしたね。そんな真摯なジャズ喫茶で一番よく似合うと思えるのがこのソニー・クラークのブルースですね。そんな印象があります。神戸にも震災後少し状況は変わりましたが、元町にジャムジャムという昔の雰囲気そのままの素敵なジャズ喫茶がありまして、月1回くらいのペースで通ってます。コーヒー1杯で3時間粘るという芸当は歳のせいかちょい無理ですけどね。
1. Be-Bop
2. I Didn't Know What Time It Was
3. Two Bass Hit
4. Tadd's Delight
5. Softly As In A Morning Sunrise
6. I'll Remember April
7. I Didn't Know What Time It Was - (alternate take)
8. Two Bass Hit - (alternate take)
9. Tadd's Delight - (alternate take)
Sonny Clark (piano); Paul Chambers (bass); Philly Joe Jones (drums).
iTunes Music Store では試聴可能です。→
amazon.comでも試聴OK。→ソニー・クラーク・トリオ(BlueNote盤)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:27
エンリコ・ピエラヌンティ/ナイト・ゴーン・バイ
2004年09月22日
Enrico Pieranunzi Trio/ The Night Gone By
こんにちは。今日はイタリア人ピアニストで現役では世界最高のジャズ・ピアニストの一人と言われているエンリコ・ピエラヌンティです。知っている方はよく知っているちょい舌を噛みそうな名前ですが、そのピアノは清らかなせせらぎのような透明感と小気味良くスイングする絶妙なバランスを持つ極上のピアノなのです。ビル・エバンスの陰鬱を拭い去ってあっさり味に仕立てたようなさわやかさがあるのですね。このアルバム"ナイト・ゴーン・バイ"はそんなエンリコ・ピエラヌンティの代表的名盤です。おそらく現代ジャズ・ピアノ演奏の最上級のものであると確信しています。1996年録音。
このCDは2年くらい前に神戸元町にあるBal地下のVirgin Recordというなじみの店で購入しました。しかし残念なことにその店が閉店してもう1ヶ月以上経つでしょうか。ジャズのコーナーだけでも視聴できるCDプレイヤー・セットが10ケ所くらいもあり、最近話題のものから往年の名盤まで自由に聴けるという私にとってはとても貴重なお店でした。特に、澤野工房(試聴OK♪)というジャズ・レーベルのCDが聴ける視聴コーナーは大のお気に入りでした。大阪新世界を拠点にしてヨーロッパを中心に優れたジャズを発掘するマイナー・レーベルですが、中にほんとに素晴らしいミュージシャン(特にピアニスト、例えばウラジミール・シャフラノフ)がいたりしていつも期待しながらこの店に通っていましたね。
話が少しそれてしまいました。エンリコ・ピエラヌンティのCDは澤野工房のものではないですが醸し出す雰囲気は似ています。現代のヨーロピアン・ピアノ・ジャズの繊細で品のある芳香が香ばしく漂ってきます。スタンダード曲と自作曲を組み合わせた全10曲約60分。3曲目のスタンダードBody and Soulはピエラヌンティの特質を示す典型的な名演でしょう。6曲目の自作曲A Nameless Gateもその軽快なスイング感がたまりません。ジャズ・ピアノ・ファン必聴のお勧めアルバムです。
1. Yesterdays
2. Night Gone By
3. Body And Soul
4. Someday My Prince Will Come
5. Canzone Di Nausicaa
6. Nameless Gate
7. It Speaks For Itself
8. If I Should Lose You
9. Ove The Rainbow
10. L'heure Oblique
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Enrico Pieranunzi Trio/ The Night Gone By
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:29
バド・パウエル/アメイジング・バド・パウエル Vol2
2004年09月08日
The Amazing Bud Powell Vol2 バド・パウエル
こんにちは。今日はバド・パウエルですね。モダン・ジャズ・ピアノの父として歴史に残るピアニストです。定評のあるレコードは何枚もありますが、その中で思い入れのあるのが表題のジ・アメイジング・バド・パウエルVol.2です。このなかの"You Go to My Head"が大のお気に入り曲だからです。曲というより演奏ですね。有名スタンダード曲ですからね。ここでのパウエルの右手のソロがホーンライクで気持ちよくスイングしています。パウエルの素晴らしい長いストロークのソロが冴え渡っています。
1947~1953年は精神病院を出入りした不安定な時期でしたが残されたレコードには絶頂期の鬼気迫るピアノ・ソロがたくさん記録されています。リラックスの中にも不思議な緊張感があるのですね。天才の放つ一筆には単純そうに見えながらも凡人には及ばないsomethingが匂い立つかのようです。今回のVol.2以外にも、例えば、"The Amazing Bud Powel Vol.1"、"バド・パウエルの芸術"、"ジャズ・ジャイアンツ"、"ザ・ジーニアス・オブ・バド・パウエル"などがあります。
天才パウエルの演奏には後のエバンスらのような耳ざわりのよい洗練されたものは感じられませんが、ぬかずけの香ばしさのような一度はまると抜け出せない本物の良さがそこにあるように思います。ジャズというのはこういうものです、エバンスもひっくるめて後のピアニストすべては私パウエルの亜流にすぎません、本家はこちらですというような底力というか求心力があるのですよ。
映画「ラウンド・ミッドナイト」は、バド・パウエルのパリでの生活をモチーフにした哀しく切ない物語ですね。こちらについてはまた今度お話したいと思います。
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1.リーツ・アンド・アイ
2.ニューヨークの秋
3.アイ・ウォント・トゥ・ビー・ハッピー
4.イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー
5.シュア・シング
6.ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス
7.グラス・エンクロージャー
8.カラード・グリーン・アンド・ブラック・アイ・ピーズ
9.虹の彼方に
10.オードリー
11.ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド
12.オーニソロジー(別テイク)
iTunes Music Store で試聴可能です。→
関連エントリはこちら。
→バド・パウエルの芸術
→ポートレイト・オブ・セロニアス
→バド・パウエル・イン・パリ
詳しくはアマゾンでどうぞ。→The Amazing Bud Powell Vol2 バド・パウエル
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:30
ビル・エバンス/エクスプロレーションズ
2004年08月29日
Bill Evans / Explorations
こんにちは。今日はビル・エバンスの登場です。50年前後のバド・パウエルがモダン・ジャズのピアノ・スタイルを方向付けたピアニストとすれば、60年前後のビル・エバンスはその流れを踏襲しつつさらに現在の一般的なモダン・ジャズ・ピアノのスタンダードを完成したピアニストと言えるでしょう。Bill Evans (p)、Scott LaFaro (b)、Paul Motian (ds)。1961.2.2.NY録音。
パウエルの場合は強力な右手がホーン楽器のようにシングル・トーンで自由なアドリブフレーズを奏でるスタイルでしたが、エバンスの場合には、左手によるハーモニックセンスの強化、モード手法を取り入れたアドリブの自由性、ベース&ドラムとの対話的相互作用によるコンボ音楽としての成熟、などが特徴として挙げられます。
エバンスは1958年末に自らのトリオ・アルバム2作目となる "Everybody Digs" を発表し気鋭のピアニストとして頭角を現します。翌59年にはマイルス・デイビスのグループで有名な ”Kind of Blue" の録音に参加した後、同年末に、スコット・ラファロのベース、ポール・モチアンのドラムスの有名なトリオを組み、リバーサイドレーベルに歴史的名盤、"Portrait in Jazz" を録音します。さらに、61年には本作 "Explorations" を録音し、同年NYヴィレッジ・バンガードでのライブ盤2枚、こちらも大変優れた演奏の "Waltz for Debby" と "Sunday At The Village Vanguard" を録音します。
今挙げたCDはいずれもエバンスが残したピアノ・ジャズの金字塔です。特にポートレイト・イン・ジャズ以降のリバーサイド盤は4部作として有名です。もちろんこの後にも次々と録音活動は続き高水準の演奏を残すのですが、ラファロが不慮の事故で夭逝したこともあるのでしょうか、エバンスの天才的な輝きは徐々に変容してゆくことになります。一般の定評もこの60年前後に集中します。この中でどれがいいと問われれば、甲乙付け難く好みの問題になると思いますが、私は、"Everybody Digs"と"Explorations"が好きです、と応えることにしています。IsraelやNardisらのメロディは耳に染み付いて脳内記憶物質として深く内奥に根づいてしまっているようです。
1. Israel
2. Haunted Heart
3. Beautiful Love - (take 2)
4. Beautiful Love - (take 1, bonus track)
5. Elsa
6. Nardis
7. How Deep Is The Ocean?
8. I Wish I Knew
9. Sweet And Lovely
10. Boy Next Door, The - (bonus track)
Bill Evans (p), Scott La Faro (b), Paul Motian (ds). Recorded on Feb. 2, 1961.
iTunes Music Store では試聴可能です。→
詳しくはアマゾンでどうぞ。→Explorations [FROM US] [IMPORT]/BILL EVANS
関連エントリーはこちら。
→ アート・ファーマー『モダン・アート』(1958)
→ ビル・エヴァンス『エブリバディ・ディグス』(1958)
→ ビル・エヴァンス『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』(1959)
→ ビルエヴァンス『ポートレイト・イン・ジャズ』(1959)
→ キャノンボール・アダレイ『ノウ・ホワット・アイ・ミーン』(1961)
→ ビル・エヴァンス『エクスプロレイションズ』(1961)
→ ビル・エヴァンス『ムーン・ビームス』(1962)
→ デイブ・パイク『パイクス・ピーク』(1962)
→ ビル・エヴァンス『シェリーズ・マンホールのビル・エヴァンス』(1963)
→ スタン・ゲッツ『スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス』(1964)
→ モニカ・ゼタールンド『ワルツ・フォー・デビー』(1964)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:31