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ジェリー・マリガン/アット・ストリーヴィル

JAZZ Sax 2

2005年07月20日

mulligan_storyville.jpeg Gerry Mulligan / At Storyville

 今日はジェリー・マリガンの『アット・ストリーヴィル』です。マリガンはチェット・ベイカーとの双頭カルテットを解散した後の54年にトロンボーンのボブ・ブルックマイヤーとコンビを組んで60年台初頭まで活動を行います。シンプルなジャズ・センスと精妙なアンサンブルを大変好ましく感じています。パーソネルは、ジェリー・マリガン(bs)、ボブ・ブルックマイヤー(tb)、ビル・クロウ(b)、デイヴ・ベイリー(ds)。1956年録音。Pacific Jazz。

 私はこの時期のマリガンが好きです。本作や『パリ・コンサート』などのライブ盤が特にお好みで気軽に頻繁に聞いてきたアルバムです。マリガンのバリトンの魅力を一言で表現するのは容易ではありませんが、その搾り出されてくる苦みばしった音色と確かなスイング感が独特の味があってある種クセになるものがあります。

 その端的なところは、例えば、3曲目Baubles Bangles And Beads に聴くことができます。ミディアム・テンポのブルース調の曲でして、マリガンのソロが実に見事なアヤを示しています。焚き火などで木を燃やしたりしている際に、時折バキっという金属音が鳴ることがあります。あれは木が割れる音だと思いますがマリガンのバリトンも丁度そのような音を発するのです。それはまさに急速調で力強いアドリブ・ソロを演っている最中によく鳴ります。それが私の場合に一種の快感となるのです。

 ブルックマイヤーの柔らかい音と心地よい対照を形作っていることも成功している点だと思います。それにビル・クロウのベースがしっかりとした時を刻んでいましてこれがまたよいのですね。ビル・クロウと言えばそのジャズ関連の著作でも有名ですね。例えばこちら。→ ビル・クロウ / ジャズ・アネクドーツ

 全15曲。米国東海岸ボストンにある老舗「ストリーヴィル」でのライブ録音。50年という時の隔たりがあまり感じられません。聴衆の話声がしきりに聞こえ、拍手もまばらで、こじんまりしたジャズ・クラブの雰囲気がとてもいいですね。ジャズのことが好きになるにつれてマリガンの音楽をもっと聞きたくなる、私の場合はそんな印象があって、本作はそうした意味で大変貴重な一枚なのです。

1. Bweebida Bwobbida
2. Birth Of The Blues
3. Baubles Bangles And Beads
4. Rustic Hop
5. Open Country
6. Storyville Story
7. That Old Feeling
8. Bike Up The Strand / Utter Chaos
9. Blues At The Roots
10. Ide's Side
11. Can't Get Started
12. Frenesi
13. Flash
14. Honeysuckle Rose
15. Limelight / Utter Chaos

Gerry Mulligan(bs), Bob Brookmeyer(tb), Bill Crow(b), Dave Bailey(ds). Pacific Jazz 1228. 1956.12.録音.

JR.comでは試聴可能です。→Gerry Mulligan / At Storyville

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Gerry Mulligan / At Storyville

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