マリガンのバリトンの調べというか音色に郷愁があっていいですね。3曲目 Sweet and Lovely がその不可思議だけど愛らしいメロディと不器用そうなバリトンの組み合わせが面白いですね。バリトンサックスの魅力って、不細工だけどそれが可愛らしく思えるというフレンチドックやボストンテリアらの愛玩犬の魅力に通じるものがあるように思われますがいかがでしょうか。
1. 'Round Midnight
2. Rhythm-A-Ning
3. Sweet And Lovely
4. Decidedly (Take 4)
5. Decidedly (Take 5)
6. Straight, No Chaser (Take 3)
7. Straight, No Chaser (Take 1)
8. I Mean You (Take 4)
9. I Mean You (Take 2)
Gerry Mulligan (bs), Thelonious Monk (p), Wilbur Ware (b), Shadow Wilson (ds).
NYC, August 12, 1957,
6曲目がまたクールなジャズです。ロック調のオルガンとドラムのハードで粘っこいバッキングが現代を感じさせてくれますね。マンヌッツァのソロ演奏が素敵です。スティーブ・キューン70年代のローズの演奏を思い起してしまいます。7曲目 Mona Lisa がアップテンポの快演。イオナータのテナーが力強くていい感じ。
8曲目スタンダード曲 All Blues でのマンヌッツァのオルガン演奏がファンキーに弾けています。イオナータがまた渋いソロをとってくれます。9曲目は最後を締める静かなバラッド。オルガン伴奏の雰囲気が素敵です。
1. Coffee Time (Max Ionata)
2. In 'n' Out (Joe Henderson)
3. Donna (Gorni Kramer)
4. Kiss (Prince)
5. E.S.C. (Luca Mannutza)
6. Safari (Luca Mannutza)
7. Mona Lisa (Max Ionata)
8. All Blues (Miles Davis)
9. Chan's Song / Dedicated to Gianni Basso (Herbie Hancock)
Max Ionata (ts), Fabrizio Bosso (tp, flh), Luca Mannutza (org), Lorenzo Tucci (ds).
Recorded in Roma, 2010.
全5曲。2曲目ミシェル・ルグラン作「思い出の夏」の美しいメロディを料理するペッパー節がなかなか渋いですね。レビエフのピアノもいい感じです。3局目スタンダード Stella By Starlight も同様な路線で、渋柿のようにしわがれたバラッド演奏に凄みを感じさせられます。4曲目のジョビンの名曲「イパネマの娘」もメリハリの効いた鋭いアクセントの中にしなやかな黒豹のような品格と機敏さを漂わせています。このクセになる粘っこさは私が求めて止まない本流のジャズそのものなのですね。
1.Cherokee
2.The Summer Knows
3.Stella By Starlight
4.A Girl From Ipanema
5.This Blues of Mine(Blues In E-Flat)
Art Pepper (as), Milcho Leviev(p), Bob Magnuson(b), Carl Burnett(ds).
本作はハービー・ハンコックと競演したことで話題のライブ盤なのですが、アドリブのできが大変によくて、ファイブ・スポットでの火の玉のような興奮とスリルを再び感じさせてくれます。全7曲中、曲順に、バス・クラリネット3曲、フルート1曲、アルト・サッックス3曲。バスクラでは『馬のいななき』と言われた独特のドルフィー節が随所に聞かれ、1曲目Softly, as in a morning sunriseが特に印象的。ほとんど原曲の主題メロディを感じられない20分の長い演奏です。
1 SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
2 SOMETHING SWEET, SOMETHING TENDER
3 GOD BLESS THE CHILD
4 SOUTH STREET EXIT
5 IRON MAN
6 RED PLANET
7 G.W.
ERIC DOLPHY (bcl, fl, as), HERBIE HANCOCK (p), EDDIE KHAN (b), J.C. MOSES (ds).
Recorded live in March 1963.
YouTubeから1964年死の数ヶ月前の映像をここにアップさせていただきましょう。チャーリー・ミンガスのグループの一員としてバスクラを吹くライブ演奏です。ドルフィーのバスクラ演奏の一端を垣間見ることができる貴重な映像です。パーソネルは恐らくは以下と思われます。Johnny Coles (tp), Eric Dolphy (bcl), Clifford Jordan (ts), Jaki Byard (p), Charles Mingus (b), Dannie Richmond (d) 。
全12曲。7曲目 Summertime や11曲目 Breeze and I らのべたっとした曲調ながらその美味を味わい尽くす処理具合、9曲目 Body and Soul での哀感の中に力ある生命力を感じさせる豊かな表現などは素晴らしい。また、例えば、5曲目 I Can't Believe That You're in Love With Me や10曲目 Without a Song での主題の紹介やその後の展開部分に耳を傾けますと、その底知れぬ表現力の深味に恐れ入ります。麗しい音色で媚態を誇示するような吸引力。アニダ・オデイが何気なく歌いながらテクニックと色香発散を周到に計算駆使しているような具合です。
1. Holiday Flight
2. Too Close for Comfort
3. Long Ago (And Far Away)
4. Begin the Beguine
5. I Can't Believe That You're in Love With Me
6. Webb City
7. Summertime
8. Fascinating Rhythm
9. Body and Soul
10. Without a Song
11. Breeze and I
12. Surf Ride
Art Pepper(as), Carl Perkins(p), Ben Tucker(b), Chuck Flores(ds). Recorded in LA, on April 1, !957.
1. Alfie's Theme
2. He's Younger Than You Are
3. Street Runner With Child
4. Transition Theme for Minor Blues or Little Malcolm Loves His Dad
5. On Impulse
6. Alfie's Theme Differently
全7曲。いずれも質の高い快適なジャズです。何気なく聞くには最高のジャズ。疲れた夜に恋人と聞く大人のジャズ。癒しのジャズですね。特にバラッド演奏が素敵で、3曲目Thanks for the Memory と7曲目 Stairway to the Stars が個人的にお好み。ビブラートが効いた余韻のあるバリトンが実に渋いのです。繊細な歌い回しが味わい深く、それに一瞬だけ感極まって豪放にうねりますがそれがまたいい表情を見せてくれます。4曲目 All the Things You Are や5曲目 I've Got the World on a String も曲本来の持つ快調具合がうまく表現されていてとてもいい塩梅。また、全体に、ソニー・クラークのピアノがつぼを押さえた憎いやつそのものであり、ルロイ・ヴィネガーのベース、これがまた腰の重い重量級で実に心地よいです。
1. Handful of Stars
2. Goof and I
3. Thanks for the Memory
4. All the Things You Are
5. I've Got the World on a String
6. Susie's Blues
7. Stairway to the Stars
特に未発表だったボーナス・トラックのうちの6曲目 Everything Happens To Me でのソプラノ・サックスが素晴らしい出来だと思います。溢れでる歌心が見事なのですね。続くデューク・ジョーダンのソロも哀愁があってよいです。1曲目 Besame Mucho はご存知の通りいかにもケニー・ドーハム好みの曲調ですが、やはり期待通りのきめ細やかなソロが聞かれます。ドーハムは私の好みにぴたりとくるのですね。続くウィランのソロも起伏とスリルに富んだイマジネーションある好演です。
そして、タッド・ダメロン作の4曲目 Lady Bird がとてもよい具合です。少し早めのミディアム・テンポに乗って3者のこれぞハード・バップと言える快調なソロが聞けるのですね。会場からも掛け声が起こるようないい雰囲気になってます。特にウィランのテナーはメリハリがきいて豪快ながら繊細にメロディを紡ぐ好演。
1. Besame Mucho
2. Stablemates
3. Jordu
4. Lady Bird
5. Lotus Blossom *
6. Everything Happens To Me *
7. I'll Remember April *
8. Temoin Dans La Ville * (彼奴らを殺せ)
Barney Wilen (ts), Kenny Dorham (tp), Duke Jordan (p), Paul Rovere (b), Daniel Humair (ds), Recorded on Aipl. 24&25, 1959.
例えば、5曲目 Blue Seven でのベース次いでドラムとによる長いイントロの後に満を持して出てくるロリンズの渋いテーマ提示とそれに次ぐリズムに乗った圧巻のアドリブ・ソロには素晴らしいジャズのみが有する品格が端的に示されているように思います。何てイカした音楽でしょう。バッキングのトミー・フラナガンのピアノがまた背後で微妙な陰翳を刻んでいます。
2曲目 You Don't Know What Love Is ではいきなりロリンズのテナーからスタートしてテーマ紹介後に聞かれるソロは起伏に富んだ何と凄みのあるテナーでしょう。その後のフラナガンのソロは対照的に優しく美しいものです。
いずれにせよバラード演奏は依然に独特の魅力を放っていまして、やはり素晴らしいとしか言いようがないのです。例えば、3曲目 'Tis Autumn や6曲目 Body and Soul、7曲目 Stars Fell on Alabama、12曲目 These Foolish Things らのスローバラッドでの美しいフレーズと優しい音色にはただただ感激するのみです。
多少の違いを感じるのは少しアップテンポの曲調では力強いブローをしていることでしょうか。1曲目 Stella by Starlight や2曲目 Time on My Hands、4曲目 Way You Look Tonight などでは心地よいハードバップのセンスが光っていると思うのですね。 ゲッツほどの天性の卓越した技量をもってすれば、より自由にホットに吹きまくるというのが自然な姿なのだと思われます。
1. Stella by Starlight
2. Time on My Hands
3. 'Tis Autumn
4. Way You Look Tonight
5. Lover, Come Back to Me
6. Body and Soul
7. Stars Fell on Alabama
8. You Turned the Tables on Me
9. Thanks for the Memory
10. Hymn of the Orient
11. These Foolish Things
12. How Deep Is the Ocean?
Stan Getz (ts), Jimmy Raney (g), Duke Jordan (p), Bill Crow (b), Frank Isola (ds). Recorded at NYC on Dec. 12&29 1952.