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スタン・ゲッツ/スウィート・レイン
JAZZ Sax 2
2005年07月11日
Stan Getz / Sweet Rain
今日はスタン・ゲッツですね。『スウィート・レイン』は60年代後半のゲッツの名作です。ボサノヴァ・ムーブメントで一世を風靡したスタン・ゲッツはデビュー間もないチック・コリアを招いて新世代のジャズにトライしています。パーソネルは、スタン・ゲッツ(ts)、チック・コリア(p)、ロン・カーター(b)、グラディ・テイト(ds)。1967年録音。Verve Records。
スタン・ゲッツについてはすでに何枚かのアルバムをご紹介しています通り、私の好みはやはり50年前後のクールなゲッツなのです。本作は60年代の作品ながら全体を覆う雰囲気にはそこはかとなくクールな臭いが漂っています。本作を好ましく思える理由を敢えて挙げるとすればそういうことかなと思います。このクールの源を探り当てようとしますとその背後に当時のウェイン・ショーターの影響を感じずにおれません。テナー・スタイルだけでなくその音楽性にもショーターの持つ独特の覚醒した宇宙感の臭いを私は捉えてしまいます。
スタン・ゲッツは50年代以降は稀代のメロディニストにしてさらにエネルギッシュさを加えつつ60年代前半にはアントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトらと共にボサノヴァ音楽の勃興に一役買って大ブレイクします。本作はそのブームが少し落ち着いた頃の録音で、ボサノヴァ系でなく正統なモダン・ジャズです。マイルス・デイヴィスのグループがウェイン・ショーターを音楽監督としてショーター色の強いアルバムを4部作を世に送っていた頃です。
本作へのチック・コリアの参加とショーター風のゲッツの吹奏が新世代ジャズを感じさせてくれます。1曲目や3曲目を聞けばその特質は明らかです。チック・コリアの硬質なタッチが素敵な空間を創っていてとりわけ美しいですね。3曲目のゲッツの幻想的なソロも格別のものがあります。王様スタン・ゲッツのテクニックを持ってすれば何でもござれというところなのでしょう。あんたが大将、あんたが一番。
1. Litha 8:33
2: O Grande Amor 4:45
3: Sweet Rain 7:12
4: Con Alma 8:08
5: Windows 8:58
Stan Getz(ts), Chick Corea(p), Ron Carter(b), Grady Tate(ds). Rec. on Mar. 30, 1967.
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関連エントリはこちら。
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ・クァルテット (1949, 50)
→ スタン・ゲッツ/ザ・サウンド (1950, 51)
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ・プレイズ (1952)
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス (1964)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:36 | トラックバック
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