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エントリ内容の一覧
コールマン・ホーキンス/ジェリコの戦い
2005年03月23日
Coleman Hawkins/Hawkins! Alive! at the Village Gate
今日はコールマン・ホーキンスです。1930年代から活躍するジャズ・テナーの父と呼ばれたホーキンスが60年台に残した定評あるワンホーンの痛快ライブ盤『ジェリコの戦い』です。パーソネルは、コールマン・ホーキンス(ts)、トミー・フラナガン(p)、メイジャー・ホリー(b)、エディ・ロック(ds)。1962年NYヴィレッジ・ゲイトにてライヴ録音。
このアルバムはよく記憶に残っています。ジャズにのめりこんである程度の時間が経過した頃、京都三条河原町にある「Big Boy」というジャズ喫茶で初めて耳にしました。コールマン・ホーキンスというとスイング時代の名テナーくらいとしか知らなかったのですが、その豪快なモダン・ジャズのバップの響きを聞いて驚いたのを記憶しています。最初聴いたときは誰これ?こんな人いたっけ、ホーキンスの名前を見てそうかこういうテナーを演る人なんだと一人ごちたことを思い出します。
50年代後半~60年代初頭はホーキンスにとっては満足な録音を多く残しているように思います。このブログでも紹介したシェリー・マンの『2-3-4』やモンクの『モンクス・ミュージック』などでは現役バッパーとしての一面を見事に披露していますね。それとビレッジ・ゲイトはニューヨークの有名なジャズ・クラブです。ハービー・マンやクリス・コナーらのライブ盤がよく知られています。
実に流麗な渋いテナーです。もう一つ特筆すべきはトミー・フラナガンのピアノです。コルトレーンの『ジャイアント・ステップス』に聞かれたような動的なテナーに対比する静的な素敵なピアノです。また、ベースがハミングをしながら弓引きをしていまして、ライオネル・ハンプトンの『スター・ダスト』の名演奏が思い起こされます。1曲目のAll the things you areは大好きな曲です。
1.オール・ザ・シングス・ユー・アー
2.ジェリコの戦い
3.マック・ザ・ナイフ
4.町の噂
5.ビーン・アンド・ザ・ボーイズ(追加曲)
6.イフ・アイ・ハド・ユー(追加曲)
学生時代によく通ったジャズ喫茶を少しまとめておきましょう。すべて京都市内です。
①「52番街」 最もよく通ったお店。レンガ作りの建物の2F。選曲に影響を受けました。ヒゲのマスターが日活ロマンポルノの男優に似た渋い方でした。
②「しあん・くれ~る」「Man Hall」 たまに行きました。前者は有名、後者は52番街の次によく通いました。
③「Big Boy」「ブルー・ノート」 連れとちょっとお茶でもというノリでよく行きました。
④「Yamatoya」「zac baran」 下宿が近かったので風呂の帰りとかにたまに寄っていました。前者ではアルテックの大きなスピーカーが印象的でマイルスの『ESP』を初めて聴いてショックを受けたことを思い出します。
参考にさせていただいたサイト。→ジャズ喫茶マッチの旅さん、ありがとうございます。
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Coleman Hawkins/Hawkins! Alive! at the Village Gate
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投稿者 Jazz Blogger T : 22:54
ティナ・ブルックス/トゥルー・ブルー
2005年03月05日
Tina Brooks/ True Blue
今日はティナ・ブルックスです。幻のテナー奏者と一時言われブルージーな演奏で知る人ぞ知るティナ・ブルックスの数少ないリーダー作『トゥルー・ブルー』。パーソネルは、フレディ・ハバード(tp)、ティナ・ブルックス(ts)、デューク・ジョーダン(p)、サム・ジョーンズ(b)、アート・テイラー(ds)。1960年NY録音。BlueNote4041。
優れたセンスとテクニック、それに作曲の才を持ったティナ・ブルックスの代表作です。全盛時のブルーノートにリーダー作を作る機会を与えられるということ自体がすでに一流の証しです。これ以外にもサイドメンとしては印象に残るケニー・バレルのアルバムなど何枚かに登場していまして、本作のつい1週間前にはフレディ・ハバードの初リーダー作『オープン・セサミ』に参加し標題曲を提供したりしています。
ハバードとブルックス、調和のとれたバランスのよい組み合わせで、デューク・ジョーダンをはじめとするバップのリズムをバックにBNらしい典型的なブルージーなハード・バップが駆け抜けてゆきます。ブルックスのテナーにはアーシーなフレージングと流麗な歌心があり、いぶし銀のような渋いものを感じさせます。アクは決して強くなく適度にクールにブレイクする演奏スタイルは当時のテナーでいいますとハンク・モブレイにブッカー・アーヴィンを少し足したような印象です。いやもっと神経が行き届いた卓越したものを感じるといえば少しほめすぎでしょうか。
フレディ・ハバードやジョーダンも十分な演奏を繰り広げています。ハバードはこの時期絶好調のようで随所に本来のすがすがしいいい音色とテクニックの冴えを示してします。ジョーダンも持ち味のコロコロと小気味良く転がるドライブのきいたブルージーなソロがとても心地いいですね。
全6曲。ブルックス、ハバード、ジョーダンのソロを全曲で聞くことができます。間違いなく最高の部類のハードバップそのものです。まず1曲目のブルックスのソロに耳を傾けてみればただ者でないことがすぐに判明するでしょう。憂いのある響きとメロディアスなフレージングには完全に脱帽です。3では流麗な起伏感と歌心を示していますし、自作曲の5でも高い音楽性を感じずにおれません。
ということで大変に満足な内容ですのでその後の活躍がさぞかし期待されたろうにと思うのですが、現実はなぜか次作のリーダー作が長くお蔵入りとなっていたりと鳴かず飛ばずのまま70年台初頭に40過ぎで没することになります。とても残念なジャズマンの一人ですね。
1. Good Old Soul
2. Up Tight's Creek
3. Theme For Doris
4. True Blue
5. Miss Hazel
6. Nothing Ever Changes My Love For You
7. True Blue - (alternate take)
8. Good Old Soul - (alternate take)
JR.comでは試聴可能です。→Tina Brooks/ True Blue
詳しくはamazon.co.jpでどうぞ。→ Tina Brooks/ True Blue
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:38
ジェリー・マリガン&ポール・デスモンド/ブルース・イン・タイム
2005年03月03日
Gerry Mulligan & Paul Desmond/ Blues in Time
今日はジェリー・マリガンとポール・デスモンドのバリトン&アルト・サックスの共演です。西海岸のクールなジャズの芳香が香ばしい渋い一枚です。パーソネルは、ポール・デスモンド(as)、ジェリー・マリガン(bs)、ジョー・ベンジャミン(b)、デイブ・ベイリー(ds)。1957年LA録音。
デスモンドのアルトが存分に響き渡ります。バックにピアノのないベースとドラムだけの2サックスのカルテットですのでサックスの音色がダイレクトかつシンプルに伝わってきます。マリガンはずっとピアノレスでやってますのでいつもの聞きなれた雰囲気なのですが、デスモンドの場合はたいていブルーベックやギター伴奏が一緒ですのでこの種の雰囲気はとて新鮮に感じられます。
その意味でデスモンドのアルトの憂いのある響きと秀麗なアドリブ・ラインをじっくりと堪能できるアルバムといえます。マリガンも負けじと味のあるセンスを披露しており、デスモンドのあっさり味とマリガンのこってり感が妙にバランスよく馴染んでいることもこのアルバムの魅力だと思います。
いずれも白人サックスの西海岸ミュージシャンということでクールで洗練されたオシャレなジャズなのですね。派手さは希薄ですから、真のジャズ好きが日常的に楽しむにはもってこいの気軽で小ジャレタ類だと思います。私の場合、マリガンのレコードやCDはまさにそんな位置づけで、結構日常的に飽きることなく聴く機会が多いのですね。
全7曲。いずれもほんといい感じです。デスモンドがやはり小粋で耳障りが格別です。もちろんマリガンはマリガンで味があります。マリガンだけですと一人で聴くのに十分なのですが、デスモンドが参加していますと誰かと一緒に「これいいでしょ」というノリでより楽しく聞けるようになるのですね。どの曲も同じように聞こえますが何度も聴いていますとそれぞれに個性と味が滲み出してくるのですよ。1、2、5あたりのミディアム曲がお気に入りです。
1. Blues In Time
2. Body And Soul
3. Stand Still
4. Line For Lyons
5. Wintersong - (take 1)
6. Battle Hymn Of The Republican
7. Fall Out
JR.comでは試聴可能です。→Gerry Mulligan & Paul Desmond/ Blues in Time
詳しくはamazon.co.jpでどうぞ。→ Gerry Mulligan & Paul Desmond/ Blues in Time
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:40
アート・ペッパー/ザ・リターン・オブ・アート・ペッパー
2005年02月26日
Art Pepper / The Return of Art Pepper
今日はアート・ペッパーです。生涯の絶頂期50年代半ばの先鞭を切る名盤『ザ・リターン・オブ・アート・ペッパー』です。パーソネルは、ジャック・シェルドン(tp)、アート・ペッパー(as)、ラス・フリ-マン(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)、シェリー・マン(ds)。1956年LA録音。Jazz West Records。
アート・ペッパー(1925~82)は私にとって最もお好みのアルト・サックス奏者です。本作はペッパー絶頂期の魅力を捉えた大切な愛聴盤です。このアルバム、リターン=復帰という言葉が使われていますが、これは麻薬悪習のために53~56年の間、全く表舞台に出て来れなかったということで、本作がその復帰第1作ということでその名が付けられています。
それにしましてもこの時期集中的に、本作の録音56年8月から翌57年1月までの約半年という短い期間に、アート・ペッパー生涯の名作が立て続けに世に送り出されています。いずれも高水準の素晴らしい内容で、これは驚くべき密度といえましょう。
①The Return of Art Pepper (Jazz West) 1956.8.
②Marty Paich Quartet Featuaring Art Pepper (Tampa) 1956.8~9.
③Playboys/Chet Baker & Art pepper 1956.10.
④Art Pepper Quartet (Tampa) 1956.11.
⑤Modern Art (Intro) 1956.12~57.1
⑥Art Pepper Meets the Rythm Section (Contemporary) 1957.1.
ジャズ・ウェスト、タンパ、イントロといったレーベルは西海岸のマイナー・レーベルでありアート・ペッパーを録音するためだけに設立されたような存在であったようで、それらペッパーのアルバムはその入手の困難さから一時期'幻の名盤'の扱いを受けていたものです。この6枚は甲乙付け難い内容ですが、個人的な好みでは本作①、それに②と⑤をよく聴きます。
ペッパーの魅力はあの独特の甘く切ない陰翳のあるソロ、その情緒的哀歓に満ちたブルージーなフレージングにあり、多くのジャズ・ファンが最大の賛辞を惜しみなく送ってきました。その天才的な語り口は少しアップ・テンポのマイナー・ブルースで最大の興趣を生みますが、決して俗に流されない情緒や感性は品格のある芳香をあたりいったいに放ちます。
さて本作は全10曲。8曲がペッパーのオリジナル。ジャック・シェルドンという達者なテクニシャンのペットとの2管。リズムはラス・フリーマンにルロイ・ヴィネガー、シェリー・マンと最高の組み合わせです。3と8、10が少しスローな曲調ですが他はミディアムからアップ・テンポです。私にはワン・ホーン演奏の8.パトリシアが最もグッときますね。後半の倍テンポでのペッパーのソロには毎度唸らされます。10も渋い名演です。本作はペッパーの真髄を堪能できるお勧めのアルバムです。
それにしても麻薬とジャズというのは当時切ってもきれない関係があったようで多くのジャズ・ジャイアツが良くも悪くも何がしかの影響を受けています。音楽芸術、特に1回きりの即興の瞬間に自己の音楽性すべてを賭けるジャズマン、しかもペッパーのように繊細な感性を持つ(これは優れた芸術家が大抵そうであると思われます)者にとって、束の間の安息や刺激、さらには演奏自体にも好結果をもたらしてくれるという、麻薬はそんな頼るべき存在であったことも事実だったのでしょう。
1. Pepper Returns
2. Broadway
3. You Go to My Head
4. Angel Wings
5. Funny Blues
6. Five More
7. Minority
8. Patricia
9. Mambo de la Pinta
10. Walkin' Out Blues
amazon.com では試聴可能です。→ The Return of Art Pepper
詳細はamazon.co.jp でどうぞ。→ The Return of Art Pepper
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:41
ジョン・コルトレーン/ブルー・トレイン
2005年02月21日
John Coltrane / Blue Train
今日はジョン・コルトレーンの傑作『ブルー・トレイン』です。コルトレーンのBlueNoteリーダー作は本アルバム1枚のみです。パーソネルは、リー・モーガン(tp)、カーティス・フラー(tb)、ジョン・コルトレーン(ts)、ケニー・ドリュー(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1957.9.15.NJ録音。BlueNote1577。
昨日ご紹介した名作『モンクwithコルトレーン』の中でコルトレーンのテナー・スタイルが急速に発展したことを少しお伝えしました。本アルバムはその同年のすぐ数ヶ月後の録音で、確固とした揺るぎない自信を感じさせる内容です。ハード・バッパー達との共演ということでコルトレーンのテナーはモンクと共演したときほどのスリルや新しさは感じられませんが、流石に溌剌としたバリバリの音色と構成力ある緻密なソロには安心して耳を傾けられます。
リー・モーガンもカーティス・フラーも20才そこそこの若者ながらライオンに見込まれたバッパーとして老練な演奏を繰り広げているのも彩りを添えています。特にリー・モーガンは文句の付け所のない素晴らしい吹奏です。ドリュー以下のリズムについては、チェンバースとフィリー・ジョーが前年までマイルス・グループでコルトレーンと一緒でしたのでよく心得たものという感じですし、ドリューも渋いサポートとバップらしいよく転がる好演奏だと思います。
全5曲。+ボーナス2曲。通常のハードバップとは若干一線を画します。コルトレーンのテナーが少しだけ新感覚な分だけ新鮮さがあります。いずれにしてもとても高水準で親しみやすい、まさに変化球なしの直球一本のモダン・ジャズだと思います。特に標題曲1でのコルトレーンのその好調ぶりを感じさせる入魂のソロには唸らずにおれません。その後のモーガンも負けじとほんとに素晴らしいソロをとります。バラッド曲4でもコルトレーン、フラー、ドリュー、モーガンと続くソロの連なりは各々が持ち味を出し切っていて何度聴いても素晴らしいですね。5でのミディアム・アップ・テンポの演奏もモーガン、コルトレーンともに安定した申し分のないソロです。
1. Blue Train
2. Moment's Notice
3. Locomotion
4. I'm Old Fashioned
5. Lazy Bird
6. Blue Train - (alternate take, bonus track)
7. Lazy Bird - (alternate take, bonus track)
iTunes Music Store では試聴が可能です。→
詳しくはamazon.co.jpでどうぞ。→ ブルー・トレイン
関連エントリーはこちら。
→ セロニアス・モンク/ウィズ・ジョン・コルトレーン(1957)
→ ジョン・コルトレーン/ソウル・トレーン(1958)
→ ジョン・コルトレーン/ジャイアント・ステップス(1959)
→ ジョン・コルトレーン/マイ・フェイバリット・シングス(1960)
→ ジョン・コルトレーン/プレイズ・ブルース(1960)
→ ジョン・コルトレーン/オレ・コルトレーン(1961)
→ ジョン・コルトレーン/インプレッションズ(1961)
→ ジョン・コルトレーン/ライブ・アット・ザ・ビレッジ・ヴァンガード(1961)
→ ジョン・コルトレーン/コルトレーン(1962)
→ ジョン・コルトレーン/ジョン・コルトレーンとジョニー・ハートマン(1963)
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:42
J.R.モンテローズ/J.R.モンテローズ
2005年02月12日
J.R.Monterose / J.R.Monterose
今日はJ.R.モンテローズの初リーダー作「J.R.モンテローズ」です。モンテローズは独特な間の取り方と豪放なテナーが印象深い白人テナー。本作はホレス・シルバーを迎えたハードバップの快作です。パーソネルは、アイラ・サリヴァン(tp)、J.R.モンテローズ(ts)、ホレス・シルヴァー(p)、ウィルバー・ウェア(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1956年録音。BlueNote 1536。
J.R.モンテローズは本名フランク・アンソニー・モンテローズ,Jrといい、1927年デトロイト生れ。J.R.というのはジュニアの意だったのです。ジュニアというのは英語名でよく見かける同名の息子のこと、そうケニー・ドリューもJrがいて最近活躍していますよね。
1956年のJ.R.モンテローズは、1月にミンガスの「直立猿人」、5月にドーハムの「カフェ・ボヘミア」、そして10月に本リーダー作を録音しています。当時ハードバップ全盛期の名盤に足跡を残していまして相当に注目されたテナーだったようです。あまりリーダー作がないのでジャズ・ファンにはとても気になる存在ですよね。
特に直立猿人での演奏が鮮烈な印象を残しました。2管と思えない奥深いサウンド、それにマクリーン同様に個性的な音とフレージング。ただミンガスの統制が行き届いていたためその直後に自由を求めてミンガスの元を離れてドーハムのグループに移ります。一緒に出ようとしたジャッキー・マクリーンはミンガスの怒りに触れ鉄拳をくらったというエピソードがありますね。
本作は、当時ジャズ・メッセンジャーズのアイラ・サリヴァンというトランペッターと、ホレス・シルバー以下強力なリズムを従えてのファンキー調の一枚です。モンテロ-ズの特徴あるテナーを存分に味わえます。全6曲。いずれもミディアム~ミディアム・アップ・テンポの機嫌のよいハードバップです。1,3,4がモンテローズのオリジナル曲。
1. Wee-Jay
2. The Third
3. Bobbie Pin
4. Marc V
5. Ka-Link
6. Beauteous
ご購入はamazon.co.jpでどうぞ。→ J.R.Monterose
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:45
ジョー・ヘンダーソン/ペイジ・ワン
2005年02月10日
Joe Henderson / Page One
今日はジョー・ヘンダーソンの初リーダー作の人気盤「ペイジ・ワン」です。ファンキーながらとても渋くて少し新感覚のモダン・ジャズです。パーソネルは、ケニー・ドーハム(tp)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、マッコイ・タイナー(p)、バッチ・ウォーレン(b)、ピート・ラ・ロッカ(ds)。1963年録音。BlueNote 4140。
このアルバムをよく聴く理由はピアノがマッコイ・タイナーということがまずあります。マッコイの音がかなり支配しています。それとケニー・ドーハムのトランペットとジョー・ヘンダーソンのテナーがともにアーシーで微妙にバランスがよいということが挙げられます。当時流行のボサノヴァを取り入れたファンキー・ジャズですが、決して安直なものではなくジャズ・スピリットがしっかり詰まったモダン・ジャズの高貴な香りが漂っているのです。
1曲目のブルー・ボッサはボサノヴァ風の名曲です。ここでのドーハムとジョー・ヘンのソロはともにエモーショナルなものです。その底流にはマッコイ・モードが流れており、それにより新鮮な感覚を発散していることは特筆すべきでしょう。続く2曲目はいっそうマッコイ色の濃い作品です。この美しいリリシズムはこの時期のマッコイの優れた側面の一つで私の内奥を否がうえにも掻き立ててくれます。
4曲目リコーダ・ミーもボサノヴァ仕立ての名演です。何といってもジョー・ヘンのソロが素晴らしい。マッコイのソロも短いながらころころと心地よく弾んでいます。それにここでもバッチ・ウォーレンのベース・ラインがとてもおもしろくてアクセントになっています。
6曲目アウト・オブ・ザナイトのジョー・ヘンのソロなども聞きどころでしょう。新人とは思えない完成されたテナーが全回です。しっかりしたテクニックと僅かに感じさせる新主流派の響き、どちらかと言いますとバップ側にいて安心して身を委ねられるというものです。ここでのマッコイのピアノはまさにマッコイ節です。このピアノ・ソロはやっぱいいですね。この6曲目が一番のお気に入りかな。
1. Blue Bossa
2. La Mesha
3. Homestretch
4. Recorda Meedia
5. Jinrikisha
6. Out Of The Night
JR.comでは試聴可能です。→ Joe Henderson / Page One
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:46
ジェリー・マリガン/ナイト・ライツ
2005年02月03日
Gerry Mulligan / Night Lights
今日はジェリー・マリガンの人気盤「ナイト・ライツ」ですね。ここに収録されているショパンの前奏曲はその昔FMで油井正一さんの「アスペクト・イン・ジャズ」という深夜放送のテーマ曲に使われていましたね。パーソネルは、アート・ファーマー(tp)、ボブ・ブルックマイヤー(tb)、ジェリー・マリガン(bs)、ジム・ホール(g)、ビル・クロウ(b)、デイブ・ベイリー(ds)。1963年録音。
ボサノヴァ風アレンジもあって、お洒落でとても落ち着きのあるよいアルバムですよね。アート・ファーマーやジム・ホールの起用ってのはピタリと当たっていると思います。夜の雰囲気が感じられる不思議なジャズでもあります。
ショパン24の前奏曲(プレリュード)の第4番ホ短調は物悲しい調べですが、大変美しい曲。漆黒の闇に咲く一輪の花、おぼろげに輝いています。よく見れば限りなく美しい。そんな印象です。マリガンのバリトンがボサノヴァのリズムに乗ってそのテーマをほぼ原曲の楽譜通りに紹介したあと、ブルックマイヤー、ファーマーのソロが順にあり、最後にマリガンの短いソロが続きます。なかなかの演奏でした。
全6曲。ミディアム~スロー・テンポの曲ばかりが収められています。5. In The Wee Small Hoursでのマリガンのソロなどは好ましいですね。ジム・ホールのギターが随所にアクセントをきかせてgoodです。ピアノレスでのギターはアルバムのコンセプトによく調和していると思います。聴くほどに味わいが出てくる類のアルバムです。渋いです。さすがはマリガンといいたいですね。
1. Night Lights (1963 version)
2. Tell Me When
3. Festival Minor
4. Prelude In E-Minor
5. In The Wee Small Hours Of The Morning
6. Morning Of The Carnival (from "Black Orpheus")
7. Night Lights (1965 version)
JR.comでは試聴可能です。→ Gerry Mulligan / Night Lights
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今日は音楽ジャンルで何位になっているでしょうか。
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:47
ウェイン・ショーター/アダムス・アップル
2005年01月27日
Wayne Shorter / Adam's Apple
今日もウェイン・ショーターでいってみましょう。「アダムス・アップル」、マイルス・グループで活躍しはじめたショーターの自信を感じさせる完成度の高いワン・ホーン・アルバムです。パーソネルは、ウェイン・ショーター(ts)、ハービー・ハンコック(p)、レジー・ワークマン(b)、ジョー・チェンバース(ds)。1966年録音。BlueNote 4232。
ウェイン・ショーターの黒魔術的な音世界には不思議と惹きつけて已まないものを感じます。それはスクリャービンが後年に神秘主義に傾倒していったように、神秘的な響きというものにはある普遍的な音楽美の一つの要素を含んでいるのではないかと私には思われます。BbやEbのブルーノートがブルース・フィーリングを感じさせるように、神秘和音と呼ばれる「倍音系列から音を選んで4度で並べる」というスクリャービン考案の和音は聞き手にある種の不安感を呼び起こしますが、その神秘和音にある美しいメロディが刻み込まれている時、その美が魔性のような輝きをもって輝き出す、そんなところがあります。
ショーター作の曲やソロにどのような工夫が施されているのかもっと和声などの音楽理論を勉強して少しでも分析ができたらおもしろいだろうなと思います。さて、このショーター、昨日は59年の初リーダー作をとりあげましたが、本日は66年のワンホーン・アルバムです。64年にブレイキーのメッセンジャーズからマイルスのグループに移籍した時期からの数年は、ショーターの最も充実していた時期でしょう。新鮮でかつ完成度の高いアルバムを次々に世に送り出しています。64~66年の主な参加作品を下に列挙してみました。③と⑤は当サイトでご紹介済みです。
①Speak No Evil (64.12)、②ESP(65.1)、③Soothsayer(65.3)、④The All Seeing Eye (65.10)、⑤Plugged Nickel(65.12)、⑥Adam's Apple(66.2)、⑦マイルス・スマイルス(66.10)
いずれ劣らぬ名作ぞろいです。ここでのマイルス名義のアルバムも実質的にはショーターが主導しているといえる音楽です。私は、マイルスのプラグド・ニッケルのライブ盤やESPで衝撃と感動を覚え、これら同時期のショーターの参加作品を愛聴してきました。その中で本作のアダムス・アップルは、4.Foot Printや5.Teruなどの名曲が並ぶショーター・ジャズの確立を感じさせる気品ある作品です。
1.Adam's Appleは当時のジャズ・ロックの名品、2.502 Blues でのショーターとハンコックのソロが絶妙、そして、やはり、5.Teruのまさにショーター的世界には耽溺させられます。全体の調和を重んじるショーターらしくレジー・ワークマンやジョー・チェンバースらのサポートも随所で光っています。
1. Adam's Apple
2. 502 Blues (Drinkin' And Drivin')
3. El Gaucho
4. Footprints
5. Teru
6. Chief Crazy Horse
7. Collector, The - (CD only, bonus track)
JR.comでは試聴OK。→ Wayne Shorter / Adam's Apple
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:48
ウェイン・ショーター/イントロデューシング・W・ショーター
2005年01月26日
Wayne Shorter/ Introducing Wayne Shorter
今日はウェイン・ショーターの初リーダー作「イントロデューシング・ウェイン・ショーター」をご紹介します。バップからモードへの過渡期に登場した、大御所ショーターの記念すべき初リーダー・アルバムです。パーソネルは、リー・モーガン(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)。1959年NY録音。VeeJay。
1959年はマイルス・デイビスの「カインド・オブ・ブルー」やジョン・コルトレーンの「ジャイアント・ステップス」が発表され、ジャズの主流がファンキーやハード・バップからモードという新しい形態に変化しつつあることが明らかにされる年です。また、ウェイン・ショーターにとっては、同年8月にウィントン・ケリーの名作「ケリー・グレイト」(dsがフィリー・ジョーで他メンバーは本作と同じ)に参加、そして、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズの音楽監督(ベニー・ゴルソンと交代)に起用されたりと飛躍の年でした。
その後は衆知の通り、64年にマイルス・デイヴィスのグループに参加、さらに70年代にはウェザー・リポートと、常にジャズ界の桧舞台で活躍することになります。本作は、ショーターが1933年の生れですから若き26才時の作品です。ショーターのオリジナル曲を中心にアレンジもショーターが担当しています。
「ケリー・グレイト」を含めて当時のファンキーやハード・バップとは一線を画する響きを持った新感覚の作品に仕上がっています。ハード・バップを日常的に聴いている耳には微妙に違和感があるものの大変魅力的でもあります。後年のショーターの特徴がすでに開花していて、それを確かに聞き取れるものになっています。本作は当時のダウンビート誌で2ツ星という辛い評価を受けています。理由はグループのアンバランスとのことです。ちなみに、コルトレーンの「ジャイアント・ステップス」は5ツ星ですね。私にとって楽しんで聞けるという点ではむしろ全く逆なのですけれど。
リズム隊は当時のマイルス・グループのリズムで調和していますが、フロントのリー・モーガンがやはりファンキーの音ですのでモーダルな曲調やショーターのソロとは少し相容れにくい感じですね。そういったことよりも、本作でのショーターのソロが素晴らしいですね。3. Down In The Depthsや4. Pug Noseなどでのソロは明らかにコルトレーンの影響を受けているのがわかります。ショーターの才能は、作曲、編曲、それにサックス吹奏といずれも超一流でして、幅広くて高い音楽性を感じさせるものがあります。それと、ショーター色の濃い中ではちょっと可哀想なリー・モーガン、本作でもその圧倒的なテクニックのtpは満点です。私はショーターの音楽が大好きですし、やっぱモーガンも大好きなんですね。
1. Blues A La Carte
2. Harry's Last Stand
3. Down In The Depths
4. Pug Nose
5. Black Diamond
6. Mack The Knife
7. Blues A La Carte - (alternate take)
8. Harry's Last Stand - (alternate take)
9. Down In The Depths - (alternate take)
10. Pug Nose - (alternate take)
11. Black Diamond - (alternate take)
それにしてもジャケットのショータ-の写真、親しみのあるイモ兄ちゃんですよね。小学生の頃の友人のN君にそっくりなんです。ああなつかしいなあ。
JR.comでは試聴可。→ Introducing Wayne Shorter
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:49
ソニー・ロリンズ/ウエイ・アウト・ウエスト
2005年01月25日
Sonny Rollins/ Way Out West
今日はソニー・ロリンズの名盤「ウエイ・アウト・ウエスト」です。ソニー・ロリンズのテナーは豪放で力強く、それでいてユーモアと素朴さがあり、かつしなやかさもあってまさににテナーの王様ですね。本作はロリンズが西海岸に出向き、初めてピアノレス・トリオに挑んだ意欲作でもあります。パーソネルは、ソニー・ロリンズ(ts)、レイ・ブラウン(b)、シェリー・マン(ds)。1957年LA録音。Contemporaryレコード。
ソニー・ロリンズは最高のハード・バップ・テナーとして位置づけれらています。それは56年の名盤 「サキソフォン・コロッサス」 によって決定的なものとなりました。そして、57年3月に本作の 「ウエイ・アウト・ウエスト」、4月にBlueNoteに 「ソニー・ロリンズVol.2」、9月に 「ニュークス・タイム」、11月には 「ライブ・アット・ザ・ヴィレッジバンガード」と定評ある作品を立て続けに世に送り出し、不動の地位を確立することになります。
いずれもロリンズのワンマンジャズではあるのですが、その圧倒的なサウンドでジャズ特有のダイナミズムの魅力を発散しています。それは、本作やヴィレッジ・バンガードのライブ盤でのピアノレスという、さらなるワンマン化によってより強化されてゆくことになります。それは一種の美学といえるほどにロリンズ的世界が先鋭的に突き詰められているといった風情です。
ロリンズは表舞台から忽然と姿をくらますという隠遁を何度か繰り返しますが、その第二期は59年~61年でした。伝統的な意味でのアドリブの奥義を究めること、それは逆にマンネリズムに陥りやすいことを意味します。またジョン・コルトレーンという次代のテナーの台頭ということも影響したことでしょう。ある意味でハードバップの盛衰の大きな潮流を当時の最高のジャズマンであるロリンズ自らが真摯に受け止めたという構図であり、それは全く象徴的であったといえることです。
そうしたジャズ史に見える諸々を考察して少しでもジャズそのものを俯瞰しようとする思いがどれほど音楽の持つ魅力や本質を照らすかということでは、ほとんど詮無いこと、意味ないことと、いつも一通り書き終えてから思うことです。音楽は本来感性で受け取ることがすべてであるはずです。ついうん蓄を傾けたくなるのですね。そりゃ音楽をどう感じたかについてうまく伝えることができればそれにフォーカスしたいのです。それがなかなかできないってことが問題なのです。
いずれにしましても、ソニー・ロリンズのテナーはモダン・ジャズの幾多の音楽の中でも最も素晴らしいものの一つです。例えば、本作の4.Come, Goneや8.Way Out Westでの少しアップ・テンポでの自在のインプロヴィゼイションをじっくり聴けば明白です。
1.I'm an Old Cowhand (From the Rio Grande)
2.I'm an Old Cowhand (From the Rio Grande) [Alternate Take]
3.Solitude
4.Come, Gone
5.Come, Gone [Alternate Take]
6.Wagon Wheels
7.There Is No Greater Love
8.Way Out West
9.Way Out West [Alternate Take]
JR.comでは試聴可。→ Way Out West
→ Saxophone Colossus
→ Sonny Rollins Vol.2
→ Newk's Time
→ A Night At The Village Vanguard
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Sonny Rollins/ Way Out West
関連エントリはこちら。
→ ソニー・ロリンズ/テナー・マッドネス(1956)
→ソニー・ロリンズ/サキソフォン・コロッサス(1956)
→ソニー・ロリンズ/ヴィレッジバンガードの夜(1957)
→ソニー・ロリンズ/ソニー・ロリンズVol.2(1957)
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:50
チャーリー・パーカー/バード&ディズ
2005年01月24日
Charlie Parker/ Bird and Diz
今日はチャーリー・パーカーとディジー・ガレスピーの名盤「バード&ディズ」です。チャーリー・パーカーの比較的音質のよく、かつ、絶好調のアルトを堪能できるアルバムとしてお勧めの一枚です。パーソネルは、ディジー・ガレスピー(tp)、チャーリー・パーカー(as)、セロニアス・モンク(p)、カーリー・ラッセル(b)、バディ・リッチ(ds)。1950年録音。Verveレコード。
チャーリー・パーカーの残した録音は膨大なものになると思います。その上、サヴォイSavoyやダイアルDialなどのレーベルに残したものはビ・バップの創成期の記録を残すものとして歴史的に貴重なものでしょう。1948年以降は昨日もご紹介したノーマン・グランツが主宰するVerveレコードに属してその死の前年の1954年までかなりの量の録音を残します。本作「バード&ディズ」はそれらの一つですが、パーカーの好調時のアルト・サックスを高音質で捉えた定評ある名盤として評価されています。
パーカーとガレスピーとは1945~50年にかけて多くの共演を通じてビバップの歴史を刻みました。ガレスピーはビッグ・バンドを組織して異なる方向へ進みますが、パーカーは精神病院を行き来したりながらもソロイストとして大活躍します。パーカーこそスイング時代からビバップへの転換の担い手です。そのアルト・サックスの特徴は、ビバップの特徴に相当することになるのですが、一言で言えば1小節4拍のダンス・ビートに対して8拍を基調にした急速調のパッセージを自在に吹きまくるところにあり、それは類稀な高度のテクニックと音楽美学、それにオリジナリティに裏打ちされていたといえます。
その後のハード・バップでは当たり前に聞こえる吹奏も元はパーカーが最初に示して見せたものです。本作を聴けば一目瞭然ですが、現在でもなお新鮮な響きを感じることができます。パーカーの持つ独特のフレージングのクセなども感じられて興趣がありますね。別テイクが数多く入っていますが、どのテイクも微妙に異なっていたりして聞き比べてみたりするのもおもしろいものです。それにピアノのモンクがそれほど目立たないながらすでに個性的な音を出しているのも楽しいですね。
1.ブルームディド
2.アン・オスカー・フォー・トレッドウェル(別テイク)
3.アン・オスカー・フォー・トレッドウェル(マスター・テイク)
4.モホーク(別テイク)
5.モホーク(マスター・テイク)
6.マイ・メランコリー・ベイビー(別テイク)
7.マイ・メランコリー・ベイビー(マスター・テイク)
8.リープ・フロッグ(別テイク1)
9.リープ・フロッグ(別テイク2)
10.リープ・フロッグ(別テイク3)
11.リープ・フロッグ(マスター・テイク)
12.リラクシング・ウィズ・リー(別テイク)
13.リラクシング・ウィズ・リー(マスター・テイク)
JR.comでは試聴OKです。→ Charlie Parker/ Bird and Diz
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Charlie Parker/ Bird and Diz
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:51
スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス
2005年01月23日
Stan Getz&Bill Evans/ Stan Getz&Bill Evans
今日もスタン・ゲッツの登場です。ビル・エヴァンスとの共演盤。しかもエルヴィン・ジョーンズも入った豪華メンバー。ヴァーブ得意のオールスター・セッションってやつです。どんなアルバムなのか心配でしたが意外にも大変に楽しめる内容でした。パーソネルは、スタン・ゲッツ(ts)、ビル・エヴァンス(p)、リチャード・デイヴィス(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。1964年録音。Verveレコード。
このアルバムは最近もそうですが日頃結構よく聴いている一枚です。何気なく聴くにはもってこいの手ごろな楽しい内容です。やはりスタン・ゲッツのテナーが歌心があって繊細でとてもよいと思うのですね。ビッグ・ネームが揃ったセッションということで少しちぐはぐな感じは否めないですが、その組み合わせの良し悪しを云々するまでもなく純粋にとても楽しめるジャズになっていると思います。ゲッツのメロディック・センスがいつもにも増して光輝いています。ビル・エヴァンスも50年代デビュー当時の頃のような単音バップ系で応答していまして、それがまた適切で気持ちよいものです。
確かにマイ・ペースのゲッツに比べてエヴァンスは少し控えめな感じかな。恐らくドラムがエルヴィン・ジョーンズですので、いつものエヴァンス特有の前のめりのタッチや複雑なハーモニーが抑えられているのだと思いますね。どうもゲッツとの組み合わせというよりエルヴィンとの組み合わせに違和感を感じている節がありそうですね。それはゲッツも同じかも知れません。エヴァンスとはエヴァンスが引き気味である限り悪くなるはずがないです。ただゲッツの場合はエルヴィンの複雑なリズムを全くものともせずにぐいぐいと行きますね。エヴァンスに負けないように張り切っているのでしょう。
64年といえばいずれも一国一城の主です。スタン・ゲッツはボサノヴァの火付け役としてポピュラーな人気、ビル・エヴァンスも最高の評価を得ているジャズ・ピアニスト、エルヴィン・ジョーンズはコルトレーン・グループで活躍する第一人者のドラマー、ということで各々確立された定評を得ていました。いずれにしましても、このアルバムはスタン・ゲッツの素敵なテナーを存分に味わえるアルバムだと思います。好評を得たらしく、10年後の74年にも再会セッションとしてゲッツとエヴァンスは吹き込みを行っています。→But Beatiful
1. Night And Day
2. But Beautiful
3. Funkallero
4. My Heart Stood Still
5. Melinda
6. Grandfather's Waltz
7. Carpetbaggers's Theme - (previously unreleased, CD only)
8. WNEW (Theme Song) - (previously unreleased, CD only)
9. My Heart Stood Still - (previously unreleased, alternate take, CD only)
10. Grandfather's Waltz - (previously unreleased, alternate take, CD only)
11. Night And Day - (previously unreleased, alternate take, CD only)
JR.comでは試聴OKです。→ Stan Getz&Bill Evans
JR.comでは試聴OKです。→ But Beatiful
iTunes Music Store でも一部ですが試聴可能。→
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Stan Getz&Bill Evans/ Stan Getz&Bill Evans
関連エントリはこちら。
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ・クァルテット (1949, 50)
→ スタン・ゲッツ/ザ・サウンド (1950, 51)
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ・プレイズ (1952)
→ スタン・ゲッツ/スウィート・レイン (1967)
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:52
スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ・クァルテット
2005年01月22日
Stan Getz/ Stan Getz Quartets
今日はスタン・ゲッツの代表作をご紹介します。名盤「スタン・ゲッツ・クァルテット」です。パーソネルは、①スタン・ゲッツ(ts)、アル・ヘイグ(p)、トミー・ポッター(b)、ロイ・ヘインズ(ds)、1950年録音。②スタン・ゲッツ(ts)、トニー・アレス(p)、パーシー・ヒース(b)、ドン・ラモンド(ds)、1950年録音。③スタン・ゲッツ(ts)、アル・ヘイグ(p)、ジーン・ラミー(b)、スタン・レヴィー(ds)、1949年録音。Prestigeレーベル。
スタン・ゲッツは60年代前半のボサノヴァ黎明期ににアントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトらとのボサノヴァ・ジャズの名作「ゲッツ・ジルベルト」を世に送り出して一躍脚光を浴びる存在になりました。ただし、ジャズ・ファンの間ではすでに40年台後半のビッグ・バンド・クールの先鞭を切ったウディ・ハーマン楽団在籍時よりフォー・ブラザーズとして注目され、独立後の50年前後から50年代前半には何枚もの不朽の名アルバムを残し、50年台半ば以降からクール・テナーさらには白人テナーの第一人者としてすでにジャズ界に君臨する存在なのでした。
そのテナーの特徴は、独特のベルベット・サウンドと呼ばれるオブラートに包んだような微妙なくすんだ音色(後にあまり聞かれなくなりますが)とイマジネーションあふれる美しいメロディー構築、バラード奏法における触れなば折れんような佇まいなどにあると思います。その素敵な演奏は一度聴けばすぐに納得できるものですが、一旦その魅力にはまりますと忘れがたい強烈な印象を残すことになる音楽です。50年代半ば以降は、そのクールな奏法から徐々に熱くスイングするウォームなスタイルに変化してゆくことになります。ボサノヴァとの出会いはゲッツの泉のように尽きせぬフレージング力と美学があってこそ大成功へ導かれたものと思われます。
さて、本作の「スタン・ゲッツ・クァルテット」は、そうした初期のゲッツの特徴を捉えた貴重な録音です。決定的なクールな演奏が聴けますし、結構ホットな面もすでに見せてくれています。2.I've Got You Under My Skin、3.What's New、6.My Old Flame、9,Mer-cia あたりは名演中の名演ですね。アル・ヘイグのピアノがまたさりげなくてとてもいいです。こういうピアノに弱い私です。だいぶ以前に当サイトでご紹介したルーストの「ザ・サウンド」(1950&1951年)も同時期の代表的名演です。これら2枚は私にとりましてかけがえの無い大切な愛聴盤となっています。
録音は、①のメンバーが1,2,3,16、②のメンバーが、5,6,11,12,14、③のメンバーが7,8,9,10,13。
1.ゼアズ・ア・スモール・ホテル
2.アイヴ・ガット・ユー・アンダー・マイ・スキン
3.ホワッツ・ニュー
4.トゥー・マーヴェラス・フォー・ワーズ
5.夢から醒めて
6.マイ・オールド・フレイム
7.ロング・アイランド・サウンド
8.インディアン・サマー
9.マーシャ
10.クレイジー・コーズ
11.ザ・レディ・イン・レッド
12.苦しみを夢に隠して
13.マイ・オールド・フレイム (別テイク)
14.ザ・レディ・イン・レッド (別テイク)
15.プリザヴェイション
16.イントゥイット
iTunes Music Store では試聴可能です。→
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Stan Getz/ Stan Getz Quartets
関連エントリはこちら。
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ・クァルテット (1949, 50)
→ スタン・ゲッツ/ザ・サウンド (1950, 51)
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ・プレイズ (1952)
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス (1964)
→ スタン・ゲッツ/スウィート・レイン (1967)
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:53
キャノンボール・アダレイ/ノウ・ホワット・アイ・ミーン
2005年01月21日
Cannonball Adderley/ Know What I Mean
今日はキャノンボール・アダレイとビル・エヴァンスの共演盤です。目立たないけど内容は満点という名盤があるとすれば本作「ノウ・ホワット・アイ・ミーン」はまさにその最右翼でしょう。ジャズの醍醐味を満喫できるお勧めの1枚です。パーソネルは、キャノンボール・アダレイ(as)、ビル・エヴァンス(p)、パーシー・ヒース(b)、コニー・ケイ(ds)。1961年NY録音。Riversideレコード。
キャノンボール・アダレイこそ、チャーリー・パーカー以後のパーカー派アルト奏者の中で唯一パーカーの域に達しえた最も優れたワン&オンリーのアルト奏者だと私は思っています。そのコントロールされたドライブ感というのはパーカーのそれを彷彿とさせるほど全く申し分のないものです。それに歌心あふれるフレージングを自在に操ることができますので、もう怖いものなしの巨人というところですね。
本作は、覚えにくい名前のアルバムですが、内容的にはモダン・ジャズ・ファンにとって間違いなく日常的に愛聴するに相応しい名盤だと思われます。ビル・エヴァンスの参加、それにキャノンボールとの指しつ指されつの濃厚な関係がとても素晴らしい音空間を創り出していると思いますね。ちなみにアルバム名はキャノンボールの口癖とのことで、マイルスの「ソ・ホワット」みたいなものらしいです。
二人の共演といえばカインド・オブ・ブルーや1958マイルスなどが有名で確かによいことはよいのですが、やはり御大マイルスが仕切っているという感じがありまして、本作はそれらに比べてキャノンボールもエヴァンスもずっと開放感を持って本来の自分らしさをダイレクトに主張しているようなところが感じられます。両雄を聴くという視点ではむしろ本作がよりよい仕上がりかなと思いますね。
全8曲。愛らしい歌曲が集められています。1のワルツ・フォーデビーは言わずもがなのエヴァンスの定番です。そのピアノのイントロのところなんて堪らなくいいですよね。6のエルザもやはりエヴァンスの定番ですが少し感触が違いますね。ここでのキャノンボールの抑制のきいたアルトが渋くて聴き所です。7や8もキャノンボールのアルトが快調でその後のエヴァンスのソロも最高です。ほんとにこのアルバムは素晴らしいなと思います。
1. Waltz For Debby
2. Goodbye
3. Who Cares? - (take 5)
4. Venice
5. Toy
6. Elsa
7. Nancy (With The Laughing Face)
8. Know What I Mean? - (take 7)
9. Who Cares? - (take 4)
10. Know What I Mean? - (take 12)
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:54
ジョニー・グリフィン/ジョニー・グリフィン
2005年01月19日
Johnny Griffin/ Johnny Griffin
今日はジョニー・グリフィンです。リトル・ジャイアントと呼ばれた小柄な体躯ながら野性的で豪放なテナー奏者ジョニー・グリフィンは私の大のお気に入りです。今日ご紹介するアルバムは初リーダー作の「ジョニー・グリフィン」です。パーソネルは、ジョニー・グリフィン(ts)、ジュニア・マンス(p)、ウィルバー・ウェア(b)、バディー・スミス(ds)。1956年シカゴ録音。アーゴ・レーベル。
ジョニー・グリフィンは以前にこのブログでも触れたセロニアス・モンクのファイブ・スポットでのライブ盤「ミステリオーソ」で初めて聴いて以来大ファンになりました。私にとってのジョニー・グリフィンはソニー・ロリンズやジョン・コルトレーンと同レベルに位置する愛すべき偉大な名テナー奏者です。スタン・ゲッツやズート・シムズとはちょっと毛色が異なりますので比較は難しいですが。
グリフィンの代表作として、本作以外では、BlueNoteの「シカゴ・コーリング」やRiversideの 「リトル・ジャイアント」、それに同じくRiversideでのモンクとの諸作が挙げられると思います。その特徴は、その体からは予想できない音量とヴァイタリティ溢れる音色、荒削りで豪快なスイング、吹けば吹くほど熱っぽさが加わってくるスリルあるドライブ感、テクニック抜群で自在に操るフレージングなど、本当に魅力いっぱいのテナーです。一時入手困難なアルバムとして有名だった本作はワン・ホーンで吹きまくるグリフィンを捉えた名作です。
全8曲、グリフィンのテナーを存分に味わえる内容です。ミディアム・テンポでのグリフィンがやはりよい具合で、特に、6での自在なスイング&ブローなどは記憶されるべき名演だと思います。1や7なども同様に安心して身をゆだねることができるテナーが魅力的です。
8曲目はロリポップという名のグリフィン作の曲ですが、当サイトも利用している著名な格安レンタルサーバー「ロリポップ」と同じ名前ですね(英語の綴りはlollypopとlolipopで違いますが)。ちなみに、数日前にメールが来てまして、現在、ロリポップでは日本語JPドメイン無料取得キャンペーン中とのこと。興味ある方はこちらへアクセスしてみてください。 → ロリポップならMovableType設置マニュアルも充実。あなたも月々263円でブログデビューしてみよう!!
1.アイ・クライド・フォー・ユー
2.サテン・ラップ
3.イエスタデイズ
4.リフ・ラフ
5.ビー・イーズ
6.ザ・ボーイ・ネクスト・ドア
7.ジーズ・フーリッシュ・シングス
8.ロリポップ
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:55
バルネ・ウィラン/エッセンシャル・バラード
2005年01月12日
Barney Wilen/ Essential Ballad
今日はフランスを代表する名サックス奏者バルナ・ウィランの90年代の洒落たアルバム「エッセンシャル・バラード」を紹介しましょう。パーソネルは、バルネ・ウィラン(as,ts)、アラン・ジャン・マリー(p)、ローラン・デ・ワイルド(key)、ミッシェル・ゼニーノ(b)、ジャン・ピエール・アルナード(ds)。1992年録音。ヴィーナス・レコード。
バルネ・ウィランと言えば、本ブログでも以前にご紹介したルイ・マル監督の映画「死刑台のエレベーター」で、音楽を担当したマイルス・デイヴィス・クインテットに参加して一躍有名になりました。現地フランスでマイルスに抜擢された当時まだ20才の気鋭のサックス奏者。その艶のある音色と軽快なブローはすでに一流のものであり、その後一時ブランクがありますが、80年代後半に復帰して活躍しているようです。1937年生れ。
本作は、近年のバルネの数多くのアルバムのうちの一枚です。雰囲気のいい安定感のあるアルトとテナーにうっとりすることができます。音もよし、選曲もよし、演奏もよし、というにくいやつです。確かに50年代モダン・ジャズのきらめきや切迫感はほとんど感じられませんが、その分、余裕というか懐の深さがあります。これはBGMとして存分に使えそうな快適印ミュージックです。
1.ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド
2.アイブ・ガット・ア・クラッシュ・オン・ユー
3.オー・レディ・ビー・グッド
4.ティーチ・ミー・トゥナイト
5.アイル・テイク・ロマンス
6.メモリーズ・オブ・ユー
7.アイ・フォール・イン・ラブ・トゥー・イージリー
8.ジャルーズ・ブルース
9.アイム・オールド・カウハンド
10.いそしぎ
11.シャンソン・エスパニョール
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:56
エリック・ドルフィー/アウト・ゼア
2005年01月06日
Eric Dolphy/ Out There
今日はエリック・ドルフィーのアウト・ゼアですね。ドルフィーの本質をじっくり聴くには本作が最適と思います。ロン・カーターのチェロを加えた変則クァルテット演奏。パーソネルは、エリック・ドルフィー(as,bcl,fl)、ロン・カーター(cello)、ジョージ・デュヴィヴィエ(b)、ロイ・ヘインズ(ds)。1960年録音。Prestigeレーベル。
ドルフィー2作目のリーダー作。自分の音を追求する自由な姿勢を感じさせる演奏です。若い頃に培ったクラシックの素養を垣間見せる室内楽的ジャズといった印象。例のごとくアルト・サックス、バス・クラリネット、フルートの3種の楽器を巧みに各楽曲毎に取り替えて演奏しています。ロン・カーターのチェロが独特の雰囲気を醸し出しており不思議な世界です。
やはり学生時代に中古レコードで購入して何度も繰り返し聞きました。いったいこの音世界は何なのだろう。異常に乾いた感覚。明らかに何かが乾燥しすぎている。覚醒しているが酩酊しているよう。感情がこもっているはずなのに微塵も感じさせない。抽象的な音だけれど何か惹かれるものが確かにある。音そのものに得たいの知れない魔力がある。そんなことを何気なく感じつつ聞き入っているといつの間にかドルフィーの世界に完全に浸っている自分を発見する、いつもそんなパターン、またやられたなと。
全7曲。いずれもドルフィーの音楽、ドルフィーにしか作れない音楽です。ミンガスやコルトレーンとの共演は知っているけれど、もっとエリック・ドルフィーをよ~く知りたいという方にお勧めのアルバムです。5や6のフルート演奏がおもしろいですね。今日の気分ですけど。あとCDジャケットがちょっといただけない、ドルフィーの吹奏姿勢を写したオリジナルのプレスティジ・レコードのやつがよいです。
1. Out There
2. Serene
3.The Baron
4. Eclipse
5. 17 West
6. Sketch Of Melba
7. Feathers
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:57
ジャッキー・マクリーン/スイング・スワング・スインギン
2004年12月29日
Jackie McLean / Swing Swang Swingin'
こんにちは。今日はジャッキー・マクリーンです。私のお好みのハード・バッパーです。50年代後半から60年代初頭にかけて大活躍した大変よく知られたアルト・サックス奏者です。本作はジャッキー・マクリーンのリーダー作ワン・ホーン・アルバムとして人気&世評の高いブルー・ノート盤です。パーソネルは、ウォルター・ビショップ・ジュニア(p)、ジミー・ギャリソン(b)、アート・テイラー(ds)。1959年録音。BlueNoteレーベル。
ジャッキー・マクリーンはその四角張った特徴ある音色と淀みない歌心あるインプロビゼーションとで世に名を馳せた典型的なハード・バッパーです。個人的にも一番のハードバッパーはと問われればこのジャッキー・マクリーンの名を筆頭格に挙げることに何ら躊躇はしないでしょう。
ジャズに使用される楽器の中で、サックス、特にアルト・サックスが最もジャズ演奏、すなわち即興演奏に適した楽器ではないかと私は密かに考えています。その先鞭はチャーリー・パーカーが卓越したテクニックでもってまずバップを解放してモダン・ジャズ~ハード・バップ路線の基礎を築いたことにはじまりました。そして、多くのモダン・ジャズ・サックス奏者がその上にそれぞれの個性を反映しながら50年代ハードバップの隆盛を彩ります。マクリーンはまさにその渦中にいて間違いなく最も活躍した一人です。
マクリーンは多くのセッションに参加していますので、大抵のジャズ・ファンならそこかしこでその音色を耳にしていることと思います。本作はマクリーンのリーダー作でして、典型的な50年代後半のモダン・ジャズ、ブルーノート・サウンドを心ゆくまで堪能させてくれる好アルバムです。何かジャズでも聴きたいなと思うときに無難にそれなりの満足をもたらしてくれる作品だと思います。
スイング、スワング、スウインギンという表題、その名はよく体を表していますね。飄々とさりげなく空気を吸うくらいに構えたところのない日常的な雰囲気、それでいて一期一会の高水準のハードバップ。奏者のリラックス感がダイレクトに聞き手の心に伝わり和みをもたらしてくれるようなそんなアルバムです。
1. What's New?
2. Let's Face the Music and Dance
3. Stablemates
4. I Remember You
5. I Love You
6. I'll Take Romance
7. 116th and Lenox
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:58
ハンク・モブレー/ソウル・ステーション
2004年12月28日
Hank Mobley / Soul Station
こんにちは。今日はハンク・モブレーです。モブレーのテナーの快演を存分に味わえるカルテットによるワン・ホーン・アルバム。パーソネルは、ハンク・モブレイ(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・ブレイキー(ds)。1960年録音。BlueNoteレーベル。
ブルーノートのサックス奏者として引っ張りだこだったハンク・モブレイは、リーダー作はじめ多くの録音で聞くことができます。サイドメンとして参加しているモブレーを聴いて知っている方も多いと思います。リーダー作の中でも名盤トップに入ると思われるのが本作のソウル・ステーションです。ウィントン・ケリー、ポール・チェンバース、アート・ブレイキーという強力なトリオをバックにモブレイがソウルフルに吹きまくります。
いわゆるB級テナーと呼ばれることがありますが、いやどうしてブルーノートのアルフレッド・ライオンが見込んだだけのことはあってさすがに一流のハードバッパーだと思います。その渋さを理解するには相当にジャズにのめり込んでいる必要があるかもしれません。ジャズ喫茶などで、サイドメンとしていいテナーだな、誰が吹いているのかなと、レコードジャケットの裏を見て何度かモブレーの名を確認した記憶がありますね。
本作の収録曲はブルースが主体ということで、ウィントン・ケリーのブルージーなピアノを存分に聴けるという点も魅力として挙げておくべきでしょう。モブレーのテナーも常に安定的で快調なスイング感いっぱいのソロが聴けます。曲目別では、いずれも好演ですが、2.This I DIg of Youや6.Soul Station、それに1.Rememberや3.Dig Thisなどもとてもよい感じです。ケリーのピアノが光彩を放っています。
1. Remember - (featuring Judy Garland)
2. This I Dig Of You - (featuring Frank Sinatra)
3. Dig Dis
4. Split Feelin's
5. Soul Station
6. If I Should Lose You
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:58
ウェイン・ショーター/預言者
2004年12月16日
Wayne Shorter / Soothsayer
こんにちは。今日はウェイン・ショーターです。私の大好きなジャズ・マンの一人です。パーソネルは、フレディ・ハバード(tp)、ジェイムス・スポ-ルディング(as)、ウェイン・ショーター(ts)、マッコイ・タイナー(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)。1965年録音。BlueNoteレーベル。
ウェイン・ショーターの神秘的な黒魔術の世界には一時はまっていた時期がありました。やはり京都での下宿時代です。20台前半の研ぎ澄まされた神経に直に響く感じです。このアルバム、預言者はショーターの才能が遺憾なく発揮されたこの時期のショーターの代表的リーダー作だと思います。ここでは、ショーターの独自のモーダルな世界が見事に開花しています。
まず、耳を奪われるのがそのアンサンブル・アレンジの不思議な美的感覚です。50年代のバップとは完全に一線を画する先鋭的なハーモニーです。それと、楽曲の美しさ、特に、5. 6. 7.(レコードではB面)が素晴らしい。6.Lady Dayはビリー・ホリデイの別名を曲名にしたものですが、その美しいメロディを聴くために何度針を落としたことでしょう。ここでのマッコイ・タイナーのピアノが実にリリカル。タイナーは時折この種のピアノ美を示してくれますね。また、7.Valse Tristeは新鮮さに満ちています。まさにショーターの指し示す新世界です。いい曲だなあと率直に思います。
この5~7を今日改めて繰り返し聴いていますと、20年くらいをタイム・スリップしたような感覚です。思い出がいっぱい詰まっています。特に6と7あたりを聞くと堪らないですね。悩み多き青春の苦い思い出とともに切ないけれど少し甘い記憶が深い闇の底から次々とよみがえってくるようです。
1. Lost
2. Angola
3. Angola [Alternate Take]
4. Big Push
5. The Soothsayer
6. Lady Day
7. Valse Triste
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リー・コニッツ/サブコンシャス・リー
2004年12月06日
Lee Konitz / Subconscious Lee
こんにちは。今日はリー・コニッツです。知的でクールなリー・コニッツの初期代表作といえばこのサブコンシャス・リーです。パーソネルは、リー・コニッツ(as)、レニー・トリスターノ(p)、ビリー・バウアー(g)、アーノルド・フィシュキン(b)、シェリー・マン(ds)、ウォーン・マーシュ(ts)、サル・モスカ(p)、デンジル・ベスト(ds)、ジェフ・モートン(ds)。 1949-50年録音。
私はこのアルバムが大好きです。リー・コニッツの極めてクールなアルトに魅力を感じます。その乾いたトーンと媚びることの決してない冷徹なメロディックラインと芸術志向の姿勢。ギターやピアノとの対位法的な関係。そこには一つの美学が存在していると思います。レニー・トリスターノの美学ということかもしれませんが、新しいジャズが産声をあげているのです。その創造性は凄いことだと思います。49年の録音ということですが、その古さを全く感じさせない不思議な音世界が構築されています。
どの演奏も時代の先取りという点で驚嘆すべき内容です。Ice Cream Konitz、Marshmallowなどのアップ・テンポの演奏は現在に通じるモダン・ジャズそのものです。ミディアム・テンポのSound Lee、Fishin' Aroundなども味わいのある演奏です。JudyやRetrospectionではレニー・トリスターノが主体でコニッツは終盤に参加していますがともに素敵な演奏です。トリスターノの美学をコニッツは全面的に踏襲しているのだなと感じます。決して甘さに流れることない室内楽的な均整のとれた音楽です。
このリー・コニッツをより大衆的にしたと思えるのがポール・デスモンドだと思います。また少し違うかもしれませんが、ブルース・フィーリングに天才的センスを示したのがアート・ペッパーでしょうか。この白人系のクールなアルトの流れは現在も脈々と受け継がれているように思います。そこかしこでこの種の音を耳にすることができます。
1. Progression - (bonus track)
2. Tautology
3. Retrospection
4. Subconcious-Lee
5. Judy
6. Marshmallow
7. Fishin' Around
8. Tautology
9. Sound-Lee
10. Rebecca
11. You Go To My Head
12. Ice Cream Konitz
13. Palo Alto
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:01
エリック・ドルフィー/ラスト・デイト
2004年11月24日
Eric Dolphy / Last Date
こんにちは。今日はエリック・ドルフィーです。ラスト・デイト。まさに遺作です。パーソネルは、エリック・ドルフィー(as,bcl,fl)、ミシャ・メンゲルベルグ(p)、ジャック・ショルス(b)、ハン・ベニンク(ds)。1964年5月オランダ録音。同年6月ベルリンで客死、享年36才。
エリック・ドルフィーは、アルト・サックス、バス・クラリネット、フルートの3種の楽器を巧みに使って独特の音世界を築きあげ何枚ものアルバムにその足跡を残しました。そして50年代60年代前半というモダン・ジャズの全盛期を全力で駆け抜けてゆきました。私はその妥協のない吹奏姿勢と搾り出されてくる唯一無二の音の触感に言いようのない不思議な魔力を感じてきました。ブッカー・リトルらとの有名なファイブ・スポットでのライブ盤や、コルトレーン・グループに参加しているドルフィーはいずれも優等生です。優れたソロイストです。ワンホーン型のリーダー・アルバムはドルフィー色が濃く、独特の音楽観を感じることができるように思います。
現在は癒し系とか所謂口当たりのよい音楽が人気のようですが、ドルフィーのように真摯で難し気な音楽は少なくなりましたね。ただよく聴いていますと馬のいななきようなバスクラの音色はある意味でユーモラスに聞こえ、その抽象的な連続するアルト音の中にも不思議な無機的調和感が潜んでおり、また、甘美な曲調でのフルート演奏には独特の耽美的世界を垣間見ることができます。大学時代の狭い4畳半空間で厭くことなく聴いたこのドルフィー的世界に、時々無性に、回帰して浸りきりたいと思うことがあります。
1. Epistrophy
2. South Street Exit
3. Madrig Speaks, the Panther Walks
4. Hypochristmutreefuzz
5. You Don't Know What Love Is
6. Miss Ann
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:02
チャーリー・パーカー/ジャズ・アット・マッセイ・ホール
2004年11月09日
Jazz at Massey Hall
こんにちは。今日はモダン・ジャズ創世記を代表する巨人達が一堂に会した歴史的ジャム・セッションのジャズ・アット・マッセイ・ホールです。パーソネルは、ディジー・ガレスピー(tp)、チャーリー・パーカー(as)、バド・パウエル(p)、チャーリー・ミンガス(b)、マックス・ローチ(ds)。53年カナダ・トロント録音。
全体に思いつくこととしてまずミンガスのベースが異様に主張しているという印象があります。従来のパーカーやパウエルの演奏ではこれほど変化のあるベース伴奏はありえないことでしょう。その不自然な音量からベースだけ後から追加録音しているような感じがありますね。
このアルバムで好きな曲はAll The Things You Areです。最初いきなりBird Of Paradiseのイントロが流れてきて面食らいますが、ディジー・ガレズピーがメロディーを吹いて建て直します。自在なパーカーのソロはもう流石という他言うこと無いですね。この曲は予想外のメロディラインで不思議と惹き付けられるのですね。意中の恋人であることがやっとわかるような感覚です。
また、Hot Houseでのパーカーのソロなどはもう全盛期のそれです。ガレスピーも安定したソロを聞かせてくれますし、パウエルの長いソロも申し分ないものです。その他では、Night in TunisiaでのパウエルのソロもあのAmazing Bud Powellでの演奏ほど鬼気迫るものではないですが十分にパウエルのひらめきを感じることができる優れた演奏だと思います。
1. Perdido
2. Salt Peanuts
3. All The Things You Are / 52nd Street Theme
4. Wee (Allen's Alley)
5. Hot House
6. A Night In Tunisia
JR.comでは試聴可能です。→Jazz at Massey Hall
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Jazz at Massey Hall
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:03
ジョン・コルトレーン/オレ!コルトレーン
2004年10月27日
John Coltrane / Ole Coltrane
こんにちは。今日はジョン・コルトレーンです。学生時代に何度このオレ!を聴いたことでしょう。思い出のいっぱい詰まったレコードです。BlueNote系のハード・バップを1~2年くらい毎日のように聴いてきますと、コルトレーンの少し斬新な音宇宙がとても新鮮に感じられるのでした。このオレ!コルトレーンはその典型です。パーソネルは、フレディ・ハバード(tp)、エリック・ドルフィー(as,fl)、ジョン・コルトレーン(ss,ts)、マッコイ・タイナー(p)、アート・デイヴィス(b)、レジー・ワークマン(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。1961年録音。Atlanticレーベル。
ハードバップを浴びるように聴いてジャズのエッセンスを吸収した20才台の私の耳には60年代初頭のコルトレーンの音楽はとても新鮮に感じられました。その頃のコルトレーンは辛酸労苦の末にサックス奏者としての最高のレベルに達していまして、60年代初頭より明らかに新たな音楽性の発露を模索している段階であったようです。それが奏法としてのシーツオブサウンズや音楽性としてのアフリカ回帰の路線なのでした。
このオレ!コルトレーンはその道程に位置する興味ある録音です。どちらかと言えばまだ端境期に当たりオーソドックスな感覚がむしろほどよく残っていまして、初心者の私にも楽しめる音楽になっているように思われます。Soul Trane、Giant Steps、My Favorite Things、Ole Coltrane、Live at the Village Vanguard、Love Supreme、と続く、コルトレーンの軌跡はジャズ全体の変遷、さらにはモダン・ジャズの歴史という点においても一つの重要な位置を占めていると思われるのですね。
いまだによく聴くアルバムなのですが、1曲目表題曲でのコルトレーンのソプラノ・サックス、3曲目アイシャでのマッコイ・タイナーのピアノが聴きものです。
1. Olé
2. Dahomey Dance
3. Aisha
4. To Her Ladyship
iTunes Music Store では試聴可能。→
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ John Coltrane / Ole Coltrane
関連エントリーはこちら。
→ セロニアス・モンク/ウィズ・ジョン・コルトレーン(1957)
→ ジョン・コルトレーン/ブルー・トレーン(1957)
→ ジョン・コルトレーン/ソウル・トレーン(1958)
→ ジョン・コルトレーン/ジャイアント・ステップス(1959)
→ ジョン・コルトレーン/マイ・フェイバリット・シングス(1960)
→ ジョン・コルトレーン/プレイズ・ブルース(1960)
→ ジョン・コルトレーン/インプレッションズ(1961)
→ ジョン・コルトレーン/ライブ・アット・ザ・ビレッジ・ヴァンガード(1961)
→ ジョン・コルトレーン/コルトレーン(1962)
→ ジョン・コルトレーン/ジョン・コルトレーンとジョニー・ハートマン(1963)
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投稿者 Jazz Blogger T : 20:59
キャノンボール・アダレイ/サムシン・エルス
2004年10月26日
Canonball Adderley/ Somethin' Else
こんにちは。今日はキャノンボール・アダレイです。有名な"サムシン・エルス"ですね。パーソネルは、マイルス・デイヴィス(tp)、キャノンボール・アダレイ(as)、ハンク・ジョーンズ(p)、サム・ジョーンズ(b)、アート・ブレイキー(ds)。1958年録音。Blue Noteレーベル。文句なしの名盤です。1曲目の"Autumn Leaves(枯葉)"など典型的なモダン・ジャズのエッセンスが聴ける名演です。
このアルバムはマイルス・デイヴィスがむしろ実質的なリーダーなのですが、他社専属のマイルスをブルーノート盤のリーダーにすることは契約上できず、キャノンボール・アダレイのリーダー・アルバムとして世に出ることになりました。ハンク・ジョーンズ、サム・ジョーンズ、アート・ブレイキーといった大御所達に囲まれてオーソドックスだけど自由で自在なC・アダレイのアルト・サックスと思慮深いマイルスのペットが好対照をなしてご機嫌なモダン・ジャズに仕上がっています。
ジャズの入門編としては格好の題材です。ジャズのベテランもたまに聴く定番でしょう。"たまに"といのは微妙ですが私個人的には年に2回くらいですかな。随所の名フレーズが頭にこびりついていますので年数回でも存分に味わい尽くすことができるというものです。音楽のメロディといいますのは記憶として残りやすい類のものですが、繰り返し聴くというのはそのフレーズから呼び起こされる快感を再確認して記憶としてより強いものにする過程そのものです。ですから長年かけて聴き続けることでその感覚を維持する、あるいはより強度を増したFootPrintとするのですね。その確認過程自体が快感ですし、複雑だけど魅力的なメロディ、例えばA・C・ジョビンの曲などは記憶できるまで時間がかかりますが、記憶に刻まれますとそれを確認しながら深めてゆく作業が快感そのものになるのですね。なんてね。ほんまかいな?(笑)。
1. Autumn Leaves
2. Love For Sale
3. Somthin' Else
4. One For Daddy-O
5. Dancing In The Dark
6. Bangoon - (bonus track)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:04
ズート・シムズ/ズート
2004年10月24日
Zoot Sims/ Zoot
こんにちは。今日はズート・シムズです。白人テナー奏者として50年代から活躍してきた著名ジャズマン。この"ズート"はズート・シムズの痛快なワン・ホーン・アルバムでして長く私の愛聴盤です。パーソネルは、ズート・シムズ(ts, as)、ジョン・ウィリアムス(p)、ノビー・トッター(b)、ガス・ジョンゾン(ds)。1956年NYにて録音。
ズートはバップ系ではスタン・ゲッツと並ぶ名テナーです。その豪腕でごりごり行きます。テクニックと歌心に支えられたご機嫌なノリですので聴く側としては安心して没入できます。50年代のジャズの魅力を最大限に捉えたアルバムがこの"ズート"です。あの寺島靖国さんもその著書「JAZZリクエストノート」の中で、1曲目の「9:20スペシャル」あたりはまさにモダン・ファンにとってのキング・オブ・スィングの称号、これはズートのためにある、とお書きになっています。
これはその明るいテナーの音に包まれてそこらに寝転んで聴くモダン・ジャズです。それにピアノの音がやたらに抜けていて心地よいです。ジャズ・ファンならこのズート・シムズを一度は堪能せねばならないでしょう。それはこのズートのジャズを知らずしてモダン・ジャズを語ることの無謀さをぬぐいきれないと思うからです。
1.9:20 スペシャル
2.ザ・マン・アイ・ラヴ
3.55th・アンド・ステイト
4.ブルー・ルーム
5.ガスズ・ブルース
6.ザット・オールド・フィーリング
7.ボヘミア・アフター・ダーク
8.ウディン・ユー
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Zoot Sims/ Zoot
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:05
ジョン・コルトレーン/ライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・バンガード
2004年10月07日
John Coltrane/ Live at the Village Vanguard
こんにちは。今日はやっとジョン・コルトレーンの登場です。前回のチャーリー・パーカーにしても今回のジョン・コルトレーンにしても実はMyFavoritesとしてはもっと早くにご登場を願うべきお慕いしてきた方々なのです。ごめんなさい。ただあのエリントンさんにしてもつい先日ご登場いただいたのですからお許しいただけるものと存じあげます。
というわけで、ジョン・コルトレーンさんには学生時代の一時期に相当はまっていた時期がありました、60年前後のアルバムなのですけどね。至上の愛とかそれ以降のものはちょいとついていけませんが、このヴィレッジ・バンガードのライブ盤(61年録音)やほとんど同時期同場所での録音で別アルバムとなったインプレッションズあたりがお気に入りでした。その後は50年代の諸作に興味を持ち、現在もいろいろ探求している段階かもしれません。ジャズに深入りするほどコルトレーンの偉大さが少しずつわかってきたような気がしています。
このライブ盤はマッコイ・タイナー(p)、ジミー・ギャリソン(b)、エルビン・ジョーンズ(ds)という最強のレギュラー・リズム隊に、エリック・ドルフィーのバス・クラリネットとコルトレーンのソプラノ&テナーという豪華なクインテット演奏です。2曲目のSoftly as in a Morning Sunriseが何といっても素晴らしい出来です。マッコイ・タイナーの切れの良いピアノ、それにエルビン・ジョーンズの圧巻のドラム・バッキングの背後からコルトレーンの強烈なソロがうなりをあげます。ソニー・ロリンズのヴィレッジ・バンガードのライブ盤でも同曲が収められておりエルヴィン・ジョーンズの叩くドラムがスリリングな瞬間を演出してロリンズのテナーが輝いていましたね。コルトレーンもシーツ・オブ・サウンズという音の洪水のような次々とたたみかけてくる個性的なインプロビゼーションが魅力で、このライブでも新鮮な新しい感覚のテナーが全開です。
マッコイ・タイナー、ジミー・ギャリソン、エルビン・ジョーンズという当時のコルトレーンのリズム隊は、ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスというマイルス・デイビスのリズム隊に引けをとらない最高のメンバーでした。コルトレーンは技術的なところで革新を目指しましたが、マイルスの場合は音楽コンセプトでしたね。演奏家としての技術に限界があったマイルスと演奏家として当代一に優れていたコルトレーンはともに偉大ではありますが、マイルスが歴史的により大きな存在となれたのは演奏家としてでなく芸術家としての力量がずばぬけていたからなのでしょう。
1. Spiritual
2. Softly As In A Morning Sunrise
3. Chasin' The Trane
4. India
5. Impressions
iTunes Music Store では試聴可能です。→
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ John Coltrane/ Live at the Village Vanguard
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→ セロニアス・モンク/ウィズ・ジョン・コルトレーン(1957)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:06
チャーリー・パーカー/バード・シンボルズ
2004年10月06日
Charlie Parker/ Bird Symbols
こんにちは。今日はチャーリー・パーカーです。モダン・ジャズ史上最も巨大なジャズ・ジャイアンツの一人です。数多くの名盤の中から私のお気に入りの"Bird Symbols"を選びました。パーカーは40年台後半にSavoyとDialの2つのレーベルに多くの歴史的な録音を残しています。このバード・シンボルズはDialセッションから選曲されたいわばベスト盤です。
チャーリー・パーカーのアルト・サックス演奏は、モダン・ジャズのアドリブ・プレイの基本となるものです。コード進行に基づくインプロビゼーションというアイデアを最初に具現化することで「ビ・バップ革命」の中心的な役割を果たしたジャズマンです。それは卓越したテクニックとメロディ・センスを有するチャーリー・パーカーにしてはじめて可能となるものでした。
7曲目~12曲目のクインテット演奏が素晴らしい出来です。マイルス・デイビス(tp)、アル・ヘイグ(p)らがサポートしていますが、パーカーの圧倒的なプレイが光輝いています。アル・ヘイグは素晴らしい出来できながらマイルスのミュートには後の輝きは感じられず凡庸です。パーカーの魅力はそのスピードと矢継ぎ早に湧き出るアドリブ・フレージングにありまして、ここでの6曲はいずれもミディアム~スローの曲でありながらその心に染みる深い味わいは単なる職人芸をはるかに超えたまさしく真の芸術家の手によるものと言えるでしょう。この6曲は間違いなく私にとっての至宝の一つです。
1. Moose the Mooche
2. Yardbird Suite
3. Ornithology
4. A Night in Tunisia
5. Bird's Nest
6. Cool Blues
7. Bird of Paradise
8. Embraceable You
9. My Old Flame a
10. Scrapple From the Apple media
11. Out of Nowhere
12. Don't Blame Me
JR.comでは試聴可能です。→Charlie Parker/ Bird Symbols
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Charlie Parker/ Bird Symbols
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:07
ソニー・ロリンズ/ヴィレッジバンガードの夜
2004年09月15日
ソニー・ロリンズ/ヴィレッジバンガードの夜
こんにちは。今日はテナー・サックスの巨人、ソニー・ロリンズの登場です。珍しいトリオの演奏で、ソニー・ロリンズ(ts)、ウィルバー・ウェア(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)というメンバー。57年録音。BlueNote 1581。
ヴィレッジバンガードはNYにある著名なジャズ・クラブです。このクラブでのライブ・レコーディングには有名な録音が数多く残されています。このCDもその典型的な1枚です。他にもジョン・コルトレーンのもの、ビル・エバンスのものなどが有名ですね。
ここでのロリンズ・トリオの演奏は、ジャズの即興性の良さとジャズ・スピリットに満ちた名演中の名演です。シンプルなトリオという編成ですが、3者の力量が火花を散らすようで、そのバランスが絶妙ですね。ロリンズの延々と続くアドリブは文句なしにいいですし、最近亡くなられたエルビン・ジョ-ンズのドラム、そのポリリズムが凄いです。エルビンに触発されたロリンズがしゃかりきになっているという感じです。2曲目の"Softly as in a Morning Sunrise"(朝日のごとくさわやかに)はまさにMyFavoritesです。CDサキソフォン・コロッサスもロリンズの代表的な名盤ですが、私はこちらのバンガードのライブ盤の方がずっとお気に入りなのです。
1. A Night In Tunisia
2. I've Got You Under My Skin
3. Night In Tunisia, A - (evening take)
4. Softly As In A Morning Sunrise - (alternate take)
5. Four
6. Introduction
7. Woody 'N' You
8. Introduction
9. Old Devil Moon
JR.comでは試聴可です。→ Sonny Rollins/A Night At The Village Vanguard
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ ソニー・ロリンズ/ヴィレッジバンガードの夜
関連エントリはこちら。
→ ソニー・ロリンズ/テナー・マッドネス(1956)
→ソニー・ロリンズ/サキソフォン・コロッサス(1956)
→ソニー・ロリンズ/ウエイ・アウト・ウエスト(1957)
→ソニー・ロリンズ/ソニー・ロリンズVol.2(1957)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:08
スタン・ゲッツ/ザ・サウンド
2004年09月11日
"The Sounds" Stan Getz
こんにちは。今日はスタン・ゲッツですね。私にとりまして、アート・ペッパーが好みのアルト奏者としますと、テナーではこのスタン・ゲッツになります。といいましても有名な "ゲッツ/ジルベルト" などのボサ・ノバ黎明期60年台前半のゲッツではなく、クール・ジャズ全盛の50年前後のゲッツなのですけれど。
40年代のウッディ・ハーマン楽団の一員であった若きゲッツは、ルースト・レーベルにリーダーアルバムを吹き込み、その繊細かつ自在のフレージング&歌心と暖かいベルベット・サウンドで一世を風靡しました。49~53年くらいの録音に絶頂期が捉えられています。このザ・サウンドは、前半6曲が50年録音、後半6曲がスウェーデンでの51年録音です。前半部は当時の典型的なゲッツですが、YesterdaysやGone with the Windなどに聴かれるバラードでのゲッツのクールな演奏は美の極致を示すものと言えるでしょう。
この時期チャーリー・パーカーらとも共演しているアル・ヘイグのピアノも抜群に素敵ですね。後半部もDear Old StockholmやエリントンのPrelude to a Kissはじめどの曲もとても素晴らしい演奏です。現地のピアニスト・ベンクト・ハルベルグがまたいいのですよ。20台半ばのゲッツはこの初めてのスウェーデン楽旅のあと何年か続けて訪問したのち、現地で美人の伴侶と結ばれていますね。
このザ・サウンド以外にも、ルースト期を網羅した3枚組みの
"The Complete Roost Recordings " や、ゲッツの代表作として名高い"スタン・ゲッツ・クァルテッツ" 49-50年録音、また、1951年のライブ盤 "アット・ストーリーヴィル1&2" などもありますね。どれも一聴に値するものです。
1 Strike up the Band
2 Tootsie Roll
3 Sweetie Pie
4 Yesterdays
5 Hershey Bar
6 Gone with the Wind
7 Standanavian
8 Prelude to a Kiss
9 I only Have Eyes for You
10 Dear Old Stockholm
11 Night and Day
12 I'm Getting Sentimental over You
Stan Getz (ts)、Al Haig, Bengt Hallberg, Horace Silver (p)、Tommy Potter, Joe Calloway, Gunnar Johnson (b)、Roy Haynes, Walter Bolden, Jack Noren, Kenneth Fagerlund (ds),Recorded in 1950.1951. Roost.
iTunes Misic Store では試聴可能です。→
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ "The Sounds" Stan Getz
関連エントリはこちら。
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ・クァルテット (1949, 50)
→ スタン・ゲッツ/ザ・サウンド (1950, 51)
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ・プレイズ (1952)
→ スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス (1964)
→ スタン・ゲッツ/スウィート・レイン (1967)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:09
アート・ペッパー/モダン・アート
2004年09月10日
Art Pepper/ Modern Art
こんにちは。今日はアート・ペッパーですね。日本人好みの渋い私も大好きなサックス・プレイヤーです。ミディアム・テンポのブルースが絶妙に良いですね。禁断症状のように、たまにムショウに聴きたくなるときがあります。憂いのある水のしたたるような、これぞ職人&名人芸の技、すべての賛辞と喝采を挙げたくなります。このモダン・アートはそんなアート・ペッパーの絶頂期を捉えたモダン・ジャズ・サックスの代表的名盤です。1956年録音。
まず、1曲目と最後8曲目のBlues in とBlues outという、ベースをバックに歌うデュオでのペッパーに耳を傾けてみてください。そのアルトの抑制の効いた音色と哀歓のあるブルースセンスに脱帽するはずです。そして、2曲目ミディアム・スローのBewitchedで完全にノックアウトされてしまいます。ここでのラス・フリーマンの肉声(笑)を伴ったピアノ・ソロもなかなかよいですぞよ。その他含めて全8曲、極上のワン・ホーン・ジャズを堪能することができます。
アート・ペッパーのお勧めCDは他にも、50年台後半とカムバック後の70年台とが定評があります。もう1枚だけ挙げるとすれば、当時のマイルス・デイビス・クインテットのリズム隊とのやはりカルテット演奏の "ミーツ・ザ・リズム・セクション" がよいですね。よりスマートなペッパーの快演が聴けるでしょう。ちょい臭みのあるペッパーの方が好きという向きにはこちらモダン・アートですが。
1. Blues In
2. Bewitched, Bothered and Bewildered
3. Stompin' at the Savoy
4. What Is This Thing Called Love?
5. Blues Out
6. When You're Smiling
7. Cool Bunny
8. Diane's Dilemma
9. Diane's Dilemma [Alternate Take]
10. Summertime [#] - Art Pepper
11. Fascinating Rhythm [Alternate Take]
12. Begin the Beguine [Alternate Take]
13. Webb City [Alternate Take]
Art Pepper (alto saxophone); Russ Freeman, Carl Perkins (piano); Ben Tucker (bass); Chuck Flores (drums).
iTunes Music Storeでは試聴も購入も可能です。
→ Art Pepper/ Modern Art
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:09
エリック・ドルフィー/ファイブ・スポットのエリック・ドルフィーVol.1
2004年09月09日
Eric Dolphy/ Live at the Five Spot Vol.1
こんにちは。今日はエリック・ドルフィーの登場です。そろそろコアの領域になってきましてね。これまでは万人向けの音楽でしたが、ネタ切れになってきますと専門的な個人的な世界に突入してゆくことになります。これは望むところではあるのです。パーソネルは、ブッカー・リトル(tp)、エリック・ドルフィー(bcl,as)、マル・ウォルドロン(p)、リチャード・デイヴィス(b)、エド・ブラックウェル(ds)。1961.7.16.Five Spot, NY録音。
さて、ジャズ・ファンならよくご存知のエリック・ドルフィーです。ライブ演奏というのはまさにジャズの持つ即興性とぴったり共鳴しますので、ジャズの歴史的名盤というものの中にはライブ・レコーディングのものが実に多いですね。このファイブ・スポットのライブ盤もまさしく定評ある歴史的名盤です。
大学生の時にジャズに開眼し、半年も経たずにこのレコードに出会うべくして出会いました。その時の興奮は今でも虚ろに覚えていますが、これぞジャズ、ジャズってやっぱすごいな、ということを実感させてもらった記念すべきレコードです。学生時代アルバイトで得た小銭をレコードと映画に費やし清貧の生活を享受することによって、すぐに数百枚のレコードが狭い下宿に所狭しと居並ぶことになりますが、その中でこのエリック・ドルフィーのライブ盤は常に自分の中ではベスト3でした。エリック・ドルフィーのアルト・サックスとバス・クラリネットが火を噴くようにうなり声をあげ、ブッカー・リトルのトランペットが冷静なソロをとり、マル・ウォルドロンのピアノが個性的なメロディーを奏でます。どれくらい繰り返し聴いたことでしょう。まさにレコードが擦り切れるくらいだと思います。
学生の頃のことを思い出します。今出川寺町上る、にあったジャズ喫茶、名前をどうしても思い出すことができませんが、そこによく通いました。アルテックの大きなスピーカーがあって、ひげのマスターがいて、なぜかそこでこのファイブ・スポットのVol.2のエリック・ドルフィーがフルートを吹く曲を何度も聴いた記憶があります。ちなみに、当然Vol.2も同日の録音ですので文句なくいいです。エリック・ドルフィーのことはまたいつかきっともっとたくさん書くことになります。
1. Fire Waltz
2. Bee Vamp
3. Prophet, The
4. Bee Vamp - (alternate, bonus track)
Eric Dolphy (bcl, as) Booker Little (tp); Mal Waldron (p); Richard Davis (b); Ed Blackwell (ds).
Recording information: Five Spot, New York, 1961.7.16.
JR,comでは試聴可能です。→Eric Dolphy/ Live at the Five Spot Vol.1
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:10