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ビル・エバンス/エクスプロレーションズ
JAZZ Piano 1
2004年08月29日
Bill Evans / Explorations
こんにちは。今日はビル・エバンスの登場です。50年前後のバド・パウエルがモダン・ジャズのピアノ・スタイルを方向付けたピアニストとすれば、60年前後のビル・エバンスはその流れを踏襲しつつさらに現在の一般的なモダン・ジャズ・ピアノのスタンダードを完成したピアニストと言えるでしょう。Bill Evans (p)、Scott LaFaro (b)、Paul Motian (ds)。1961.2.2.NY録音。
パウエルの場合は強力な右手がホーン楽器のようにシングル・トーンで自由なアドリブフレーズを奏でるスタイルでしたが、エバンスの場合には、左手によるハーモニックセンスの強化、モード手法を取り入れたアドリブの自由性、ベース&ドラムとの対話的相互作用によるコンボ音楽としての成熟、などが特徴として挙げられます。
エバンスは1958年末に自らのトリオ・アルバム2作目となる "Everybody Digs" を発表し気鋭のピアニストとして頭角を現します。翌59年にはマイルス・デイビスのグループで有名な ”Kind of Blue" の録音に参加した後、同年末に、スコット・ラファロのベース、ポール・モチアンのドラムスの有名なトリオを組み、リバーサイドレーベルに歴史的名盤、"Portrait in Jazz" を録音します。さらに、61年には本作 "Explorations" を録音し、同年NYヴィレッジ・バンガードでのライブ盤2枚、こちらも大変優れた演奏の "Waltz for Debby" と "Sunday At The Village Vanguard" を録音します。
今挙げたCDはいずれもエバンスが残したピアノ・ジャズの金字塔です。特にポートレイト・イン・ジャズ以降のリバーサイド盤は4部作として有名です。もちろんこの後にも次々と録音活動は続き高水準の演奏を残すのですが、ラファロが不慮の事故で夭逝したこともあるのでしょうか、エバンスの天才的な輝きは徐々に変容してゆくことになります。一般の定評もこの60年前後に集中します。この中でどれがいいと問われれば、甲乙付け難く好みの問題になると思いますが、私は、"Everybody Digs"と"Explorations"が好きです、と応えることにしています。IsraelやNardisらのメロディは耳に染み付いて脳内記憶物質として深く内奥に根づいてしまっているようです。
1. Israel
2. Haunted Heart
3. Beautiful Love - (take 2)
4. Beautiful Love - (take 1, bonus track)
5. Elsa
6. Nardis
7. How Deep Is The Ocean?
8. I Wish I Knew
9. Sweet And Lovely
10. Boy Next Door, The - (bonus track)
Bill Evans (p), Scott La Faro (b), Paul Motian (ds). Recorded on Feb. 2, 1961.
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