メイン・ページ > JAZZ Piano 2 > ビル・エヴァンス/シェリーズ・マン・ホールのビル・エヴァンス・トリオ

ビル・エヴァンス/シェリーズ・マン・ホールのビル・エヴァンス・トリオ

JAZZ Piano 2

2005年04月19日

shelly's_manne_hole.jpeg Bill Evans/ At Shelly's Manne Hole

 今日はビル・エヴァンスですね。週の半ばはちょっと疲れ気味でして安易ながら敬愛するエヴァンスさんにご登場願いました。『シェリーズ・マン・ホール』、何気なく聴くにはもってこいの音よし演奏よし雰囲気よしの何拍子も揃った愛聴盤なのですね。パーソネルは、ビル・エヴァンス(p)、チャック・イスラエル(b)、ラリー・バンカー(ds)。1963年ハリウッド、シェリーズ・マン・ホールで録音。

 ジャズを聴くときは大抵アルコールを入れながらとなりますが、ほんとリラックスしたいときはいつも聴いている定番を聴きくことになりますね。今日はそんな感じで逝かせてもらいます。逝くってちょっと語弊ありありですがまあちょっと洒落っ気です。いや酔っ気ですかな。私の場合、大体19時から20時くらいに帰宅いたしまして、夕食の際に晩酌としてビール大1本を消費した後、深夜にかけて少し濃いやつをロック数杯飲む慣わしになっております。ふふ、慣わしというほどのもんじゃ焼きではありませんが、まあそんな感じでここ数年過ごしておるというわけです。どんな感じって、そう週に1本くらい空けるペースでしょうか。

 今週はそれが当りの週なのです。探求者である限りは常に当りはずれがあるのが宿命なのですが、バーボンのYellow Stone、これがなかなかのヒットということで今日は悦に入りつつエヴァンスを鳴らしながらもっと深みに嵌ろうという魂胆なのです。うまいお酒とジャズ、この組み合わせは生きていて良かった、という慰みの世界だと思うのですね。いろいろ試行錯誤してきました、苦節20年、ジャズ+アルコール遍歴の旅はこのバーボンとエヴァンスの組み合わせでひとつの頂点に達していると我ながら思うのであります。ちょい今だけの気分かもしれないという危惧は対象が何にしても私の場合に常にあるのですけれど。

 神戸元町鯉川筋下山手通り少し下る、って京風の地名ですがな、その辺りに地元では有名な格安アルコール店があります。私が毎週のようにワイン、ウィスキー、バーボン、それに焼酎などをやたら購入しているお店どす。近隣のスナックやらの飲食屋さんがこぞって大量買いするような超お安いお店どすがな。そこで先週土曜、このケンタッキー・ストレイト・バーボンのYellowStoneを迷いに迷って1200円何がしかで入手したのでした。種類がたくさんありすぎて迷うのですね、それも楽しみではありますが。そのYellowStoneは色が赤みがかっていて樽熟成に余念がないことがわかっていましたので、直観的に口に触れる前から期待感で打ち震えていたのですね。

 このYellowStoneというお酒は同名の国立公園で作られている伝統あるバーボンなのだそうです。まあバーボンといえばアメリカ独自のお酒でして、日本の日本酒同様に、上等なものほど酒飲みに鍛え上げられた上等の味がするのですね。本当か嘘かちょっと怪しいのですが、1200円プラスアルファとはいえ普通は倍の2400円するとのことで上等らしいのですね。私の場合、750mlで2000円を越えますとこれはたまに飲む上等ものという勝手な定義にしていまして、日々たしなむのは1000円台が多いのです。

 これが芳香と甘い口当たりがクセになるような品のあるお酒なのですね。仕事しながらその舌触りを思い起こしては思わずにんまりしてしまうような、そして少しでも早くおうちに帰って飲みたいなと思わせるパワーがあるのですね。これはひょっとしなくてもほとんどアル中の世界かもしれませんが(笑)。

 というわけで、ちょっと危機感を感じつつ、一方ではそんにゃことどうでもいいがなと開き直りつつ、ビル・エヴァンスの深い誘惑の罠に心地よく嵌っている自分がここにいるのです。タイム・マシンに乗ってハリウッドにあるシェリーズ・マン・ホールのライブ演奏に観客と一緒にエバンス・トリオの至芸に耳を傾けます。音が実に良いですから40年前という感覚が麻痺しています。これは現代21世紀のピアノ・トリオ演奏の音と遜色ないレベルだと思いますね。

 スコット・ラファロとともに残した歴史的な録音よりもちょっと肩の力が抜けた感じがよいですね。聴く側としましても楽しめる余裕を少し与えてもらえますのでね。そのスキがないと芸術鑑賞という高尚なものになってしまうのですね。まあそれはそれでいいのですが、リラックス・ミュージックとしてはこれくらいのほどよい真摯さとエンターテイメント具合がよいと思うのですね。その意味でエヴァンスを気軽に楽しむには、中核部分の59~61年くらいを前後に少し外した57、58年、62~65年くらいが丁度よいかもと思う今日この頃なのでございます。枝雀師匠はとうにお亡くなりになっていますがな。

1. Isn't It Romantic
2. The Boy Next Door
3. Wonder Why
4. Swedish Pastry
5. Our Love Is Here To Stay
6. 'Round Midnight
7. Stella By Starlight
8. All The Things You Are - (bonus track)
9. Blues In "F"

BILL EVANS (p) CHUCK ISRAELS (b) LARRY BUNKER (ds). Recorded on May 30, 31, 1963.

iTunes Music Store では試聴可能です。→Bill Evans - At Shelly's Manne-Hole

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Bill Evans/ At Shelly's Manne Hole


関連エントリーはこちら。
 → アート・ファーマー『モダン・アート』(1958)
 → ビル・エヴァンス『エブリバディ・ディグス』(1958)
 → ビル・エヴァンス『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』(1959)
 → ビルエヴァンス『ポートレイト・イン・ジャズ』(1959)
 → キャノンボール・アダレイ『ノウ・ホワット・アイ・ミーン』(1961)
 → ビル・エヴァンス『エクスプロレイションズ』(1961)
 → ビル・エヴァンス『ムーン・ビームス』(1962)
 → デイブ・パイク『パイクス・ピーク』(1962)
 → ビル・エヴァンス『シェリーズ・マンホールのビル・エヴァンス』(1963)
 → スタン・ゲッツ『スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス』(1964)
 → モニカ・ゼタールンド『ワルツ・フォー・デビー』(1964)


ブログランキングに参加中です。→人気ブログランキング

投稿者 Jazz Blogger T : 09:55 | トラックバック

« ソニー・ロリンズ/ソニー・ロリンズVol.2 | メイン | ティナ・ブルックス/バック・トゥ・ザ・トラックス »

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://dellton.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/382

Copyright (C) 2004-2014 MY FAVORITES All Rights Reserved.