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ヘレン・メリル/ザ・ニアネス・オブ・ユー

JAZZ Vocal

2005年02月08日

the nearness of you.jpg Helen Merrill / The Nearness of You

 今日はヘレン・メリルでいきましょう。私の愛聴盤「ザ・ニアネス・オブ・ユー」です。メリルがハスキー・ヴォイスで軽やかにスタンダートを歌います。パーソネルは、ヘレン・メリル(vo)、1,3,4,5,6,8がマイク・シンプソン(fl)、ディック・マークス(p)、ジョン・フリーゴ(b)、フレッド・ランドクイスト(ds)、その他がボビー・ジャスパー(fl)、ビル・エヴァンス(p)、オスカー・ペティフォード(b)、ジョージ・ラッセル(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1957&1958年録音。Emercyレコード。

 半年くらい前に映画「ウォーター・ボーイズ」をDVDで見る機会がありまして青江美奈の伊勢崎町ブルースを久しぶりに耳にしました。ヘレン・メリルの歌声を青江美奈みたいという方がいるようですのでじっくり聞いてみる良い機会ではありました。確かに両者ともハスキーなのですが、ヘレン・メリルの魅力はハスキー・ヴォイスと共に真綿でくるんだようなまろやかな中高音にありまして、青江美奈のあの中低音の声質とはかなりの隔たりがあることを確認しました。 

 本アルバムのヘレン・メリルは何とも魅力があります。彼女の代表作としては恐らく「with Clifford Brown」でなくむしろこちらだろうと私は自信を持って主張したいと思います。それはメリルらしい伸びやかでハスキーな声質がポップなスタンダード曲の名唱として効果的に捉えられており、メリルの個性が全面的に開花していると感じられるからです。

 3.I remember you、5.Dearly belovedや8.I see your face before me、それに10.The Nearness of youを聴けば納得できます。すがすがしい気持ちになってきます。フルートの軽妙なアクセントが重くなりがちなメリルの歌声を軽やかなものにしているようです。ミディアムから少しアップテンポで高音側で歌うメリルの歌には何とも知れず魅かれるものがあります。恣意的かもしれませんが、母性とか子宮といった類を感じるのは私だけでしょうか。

 標題曲ニアネス・オブ・ユーはスターダストで有名なホーギー・カーマイケルのキュートな作品です。ここでは、ビル・エヴァンスのピアノ・ソロが少しだけ聞かれますが、硬質なタッチがすでに独特な音感を作り出しています。特に、メリルからエヴァンスへとバトンが引き継がれる部分での濃厚なエヴァンス的な間のとり方はある種の格調ある雰囲気を醸し出しています。

1. Bye, Bye Blackbird
2. When tne sun comes out
3. I remember you
4. Softly as in a morning sunrise
5. Dearly beloved
6. Summertime
7. All of you
8. I see your face before me
9. Let me love you
10. The nearness of you
11. This time the dream's on you
12. Just imagine

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順位はどうなっているでしょうか。それがかなり落ち込んでるのですよ。 

投稿者 Jazz Blogger T : 23:53 | トラックバック

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