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フレディ・ハバード/オープン・セサミ

JAZZ Trumpet

2005年07月21日

open_sesame.jpeg Freddie Hubbard / Open Sesame

 今日はフレディ・ハバードの初リーダー作でかつ代表作である『オープン・セサミ』です。ハバードもいいですが、テナーのティナ・ブルックスとピアノのマッコイ・タイナーという二人の妙味を確認するためのアルバムといえるかもしれませんね。パーソネルは、フレディ・ハバード(tp)、ティナ・ブルックス(ts)、マッコイ・タイナー(p)、サム・ジョーンズ(b)、クリフォード・ジャーヴィス(ds)。1960.6.19.NJ録音。BlueNote4040。

 マッコイ・タイナーが単なるハード・バップとは異なるやはり新世代の新感覚をほのかに匂わせています。特にリリカルな小気味よいタッチは実に素敵に思うのですね。例えば、2曲目の名曲 But Beautiful でのティナ・ブルックスのソロの直後、マッコイが引き継ぐところの最初の数音の連なりなどを耳にしますと私はその洗練された高い美意識に深い共感を覚えるのです。この感覚は他でもよく感じることのできる私の好きなマッコイの際立った一面なのです。

 一方、フレディ・ハバードのトランペットは全く淀みのない優等生のものです。常に一定の水準を示します。危なげのない演奏だけに、リー・モーガンのようなスリルのある面白さが感じられず、むしろクリフォード・ブラウンのように上手すぎて返って楽しめないというところがあるような気がいたします。ストレート・アヘッドな演奏でその実力が遺憾なく発揮されているのが本作というところでしょう。よくわかりました、流石にあんたは凄い、という印象です。

 その意味でもティナ・ブルックスの貧弱で危なかっしい佇まいは異彩を放っています。その底流に流れる繊細かつソウルフルな味が絶妙に臭い立ってくるあたりは持ち前の個性というものでしょう。多弁で安定感のあるハバードと朴訥で線が細いけれどとても黒っぽいティナの組み合わせは、他のアルバムでも聞くことができますが、これはなかなかgoodなコンビという感じがします。

1. Open Sesame
2. But Beautiful
3. Gypsy Blue
4. All Or Nothing At All
5. One Mint Julep
6. Hub's Nub
7. Open Sesame - (alternate take, bonus track)
8. Gypsy Blue - (alternate take, bonus track)

Freddie Hubbard (trumpet); Tina Brooks (tenor saxophone); McCoy Tyner (piano); Sam Jones (bass); Clifford Jarvis (drums). Recorded at Rudy Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, New Jersey on June 19, 1960.

JR.comでは試聴可能です。→Freddie Hubbard /Open Sesame

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Freddie Hubbard / Open Sesame

関連エントリーはこちら。→ティナ・ブルックス『トゥルー・ブルー』

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