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アート・テイタム&ベン・ウェブスター
JAZZ others 2
2005年04月30日
Art Tatum/ Art Tatum&Ben Webster
今日はアート・テイタムとベン・ウェブスターの名作共演盤です。たまにはこういう寛ぎのあるスイング~バップ系のジャズも聴きたくなるときがあります。そんなときにこのアルバムが最適なんですね。リラックス・タイムの出来上がりです。パーソネルは、ベン・ウェブスター(ts)、アート・テイタム(p)、レッド・カレンダー(b)、ビル・ダグラス(ds)。1956年LA録音。Pablo Records。
スタンダードのバラッドが続きます。ヴィブラートのかかったベン・ウェブスターのテナーが無粋にならず絶妙なバランスで聞かせてくれますね。それに、この録音の2ヶ月後に亡くなるとは思えないテイタムの品のある小気味よいピアノさばきがとても素敵なのですね。5.Night And Dayでの出だしのところ、それに途中のソロでのテイタムのスイング調ピアノなんてのはこれは堪らないですね。
1.Gone With The Wind
2.All The Things You Are
3.Have You Met Miss Jones?
4.My One And Only Love
5.Night And Day
6.My Ideal
7.Where Or When
8.Gone With The Wind(alternate take 1)
9.Gone With The Wind(alternate take 2)
10.Have You Met Miss Jones(alternate take)
JR.comでは試聴可能です。→Art Tatum&Ben Webster
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Art Tatum/ Art Tatum&Ben Webster
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:34
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iPod shuffleが届きました。
_others
2005年04月28日
Apple iPod shuffle 512MB
iPod shuffleをついに購入してしまいました。一昨日の夜にアマゾンに申し込んで今日お昼に届いていたのです。今、やっとその音を聴いてそこそこの音だったので一安心しているところです。まず充電しないと音が出ないということで、2時間ほど充電していました。そして、一番初めに試したのは、先日、本ブログでご紹介したカール・パーキンスの『イントロデューシング』、いや~これはこれは、粋なピアノと重いベースが十分に鑑賞に堪える音で鳴ってくれるじゃあ~りませんか。うれちい!
というわけで、軽くて好きな曲がたくさん入って通勤のお供に最適だと思いいたりまして、音楽大好きおじさんとしましてはそりゃどうせいつかそのうち買うことになるんだったら、そろそろ買うべよと思い切ったのでした。なにを隠そう私は通勤に片道1.5時間、往復3時間をかけて平日毎日会社に通っている悲しい身柄、この3時間をもっと有意義に過ごさねばと常々感じている今日この頃だったのです。ついにほとんど衝動買いでアマゾンの購入ボタンを押してしまったのでした。
明日からの通勤を思うと幸せな気分になってくるのです。というのはウソで、実は、明日4/29から5/8まで10連休なのですね。やった~!やっほ~っていう気分です。今夜は最高!いとしきiPodも手元にあってしみじみとした夜を過ごしているのでございます。
一番安い512MBを購入しましたが200曲くらい入るので容量は十分です。それにシャッフルとは言え、順番に聞くこともできますし、次曲へすぐ飛ぶのも指で一押しでできますし、やはり小型なのがよいと思いました。その感覚は今こうして使い始めて間違いでなかったとガッテンしているところなのです。
それにそれに、アマゾンで買えば10%還元でして税込・送料込みで10,980円プラス1000円分のアマゾン商品券が付いてきますので、実質9,980円ということで、これは楽天もヨドバシも遠く及ばずおそらくは最安値だと思うのですね。いい買い物だと思います。アマゾン商品券はCDや書籍でいとも簡単に使えますしね。
まだの方でご興味ある方はアマゾンで詳しく見てみてくださいね。
→ Apple iPod shuffle 512MB
→ iPod特集ページ
4/27~5/10の期間はさらにお得みたいです♪
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:00
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エリス・レジーナ&トゥーツ・シールマンス/ブラジルの水彩画
_Bossa Nova / MPB
_Popular Music
2005年04月26日
Elis Regina&Toots Thielemans/ Aquarela Do Brasil
今日はエリス・レジーナとトゥーツ・シールマンスの共演盤の『ブラジルの水彩画』ですね。ボサノヴァの名盤です。自在で流麗なレジーナの歌声とシールマンスの心地よい口笛とハーモニカのハーモニー。しかも名曲が満載です。1969年録音。
静かな夜一人じっくりとエリス・レジーナの歌に耳を傾けますと音楽の素晴らしさがほのかに辺り一面を覆いつくしてやはり彼女こそ最高のボサノヴァ歌手なのだなと実感させられますね。レジーナのアルバムといえば以前にご紹介したジョビンとの共演作『エリス&トム』がすぐに思い浮かびますが、本作のトゥーツ・シールマンスとの共演も同等レベルのうっとりするような素敵な内容だと思いますね。繰り返し聴くほどにその深い味わいが増してくるという本当に愛すべきアルバムなのですね。
6曲目のヴォセ、このリラックス感はボサノヴァの真骨頂。エリスの微笑みを感じる歌声とトゥーツの口笛が美しくてクセになる音楽です。7曲目の小舟、これがまた大々々好きな曲なのですね。エリスのしっとりした歌声が響いて来る最初のワンコーラスで完全にノックアウトされてしまいます。それに12曲目のヴォルタがまたしみじみと歌い込まれていまして堪らないものがあります。
上の3曲だけで私はもうほんと大満足なんです。この3曲を繰り返し聴きます。3回ずつくらい聴きますと、幸せいっぱいでお腹いっぱいの気分になりますね。ああ今日も一日が無事に終わりました、ありがとう感謝です、って感じになるのです。もしこのアルバムのことをご存知なくて、ボサノヴァに少しでも興味のある方がいらしたら、是非とも下にお示ししたリンクから試聴できますので一度お試しあれ。ボサノヴァの魅力と深い味わいを感じることができるかもですよ♪
1. Wave
2. Aquarela Do Brasil
3. Visao
4. Corrida de Jangada
5. Wilsamba
6. Voce
7. O Barquinho
8. O Sonho
9. Five for Elis
10. Canto de Ossanha
11. Honeysuckle Rose
12. Volta
amazon.comでは試聴可能です。→Aquarela Do Brasil
JR.comでは試聴可能です。→Aquarela Do Brasil
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ エリス・レジーナ&トゥーツ・シールマンス/ブラジルの水彩画
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:47
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輪舞/ロジェ・バディム
_movies
2005年04月24日
La Ronde/ロジェ・バディム
こんにちは。今日はロジェ・バディム監督の『輪舞』です。アルチュール・シュニッツラーの著名な同名小説「輪舞」の2度目の映画化作品です。演者は、マリー・デュボア、アンナ・カリーナ、ジェーン・フォンダ、カトリーク・スパーク、フランシーヌ・ベルジェ、ベルナール・ノエル、クロード・ジロー、ジャン・クロード・ブリアリ、モーリス・ロネ、他。音楽/ミシェル・マーニュ。1964年仏。
豪華な俳優による男女の織り成す味のある駆け引きを描いたとても気になる作品ですね。フランスはやはり恋愛の先進国というか大人の男女の国という印象になります。全部で10組の取組みが見られます。男優5人と女優5人が各2回づつ順に相手を変えて登場します。最後は元に戻るという意味で輪舞ということなのでしょう。
その非常に高度なやり取り、それに素敵な女優さんがたくさん出てくるところが妙に惹かれますね。内容ははどうということはないのですが、それぞれの男女の風景がリアルかつ精緻に描かれているというわけです。
①娼婦(マリー・デュボワ)と兵隊(クロード・ジロー)
②兵隊(クロード・ジロー)と小間使い(アンナ・カリーナ)
③小間使い(アンナ・カリーナ)と若旦那(ジャン・クロード・ブリアリ)
④若旦那(ジャン・クロード・ブリアリ)と人妻(ジェーン・フォンダ)
⑤人妻(ジェーン・フォンダ)と夫(モーリス・ロネ)
⑥夫(モーリス・ロネ)と小娘(カトリーヌ・スパーク)
⑦小娘(カトリーヌ・スパーク)と作家(ベルナール・ノエル)
⑧作家(ベルナール・ノエル)と女優(フランシーヌ・ベルジェ)
⑨女優(フランシーヌ・ベルジェ)と伯爵(ジャン・ソレル)
⑩伯爵(ジャン・ソレル)と娼婦(マリー・デュボワ)
ロジェ・バディムは私生活ではブリジッド・バルドー、カトリーヌ・ドヌーブ、そして本作にも出演しているジェーン・フォンダと次々と結婚をしてゆくのですが、女性の美や優しさに対する愛情ある視線には共感できるものを少しですが感じたりしますね。本作に登場している女優も粒ぞろいという感じでして、個人的な好みでは左写真のカトリーヌ・スパークや下のマリー・デュボワがいいですね。キュートなマリー・デュボワの写真はシャルル・アズナブールと共演した『ピアニストを撃て』からのものです。
ほぼ原作通りということで、アルチュール・シュニッツラーの秀逸な原作小説が光ります。すでに映画化されたものが3本ありまして、映画化1作目はシモーヌ・シニョレやジェラール・フィリップらの出演したマックス・オフュルス監督1950年仏作品。このバディム監督作品は2作目で1964年仏作品。3作目はオットー・シェンク監督、フランシス・レイ音楽の1973年ドイツ作品でした。
左はバディムとジェーン・フォンダの67年当時の写真です。
詳しくはアマゾンでどうぞ。→La Ronde/ロジェ・バディム
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投稿者 Jazz Blogger T : 10:44
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ジャッキー・マクリーン/ジャッキーズ・バッグ
JAZZ Sax 2
2005年04月23日
Jackie McLean/ Jackie's Bag
今日はジャッキー・マクリーンのブルーノート初リーダー作の『ジャッキーズ・バッグ』です。パーソネルは、1~3がドナルド・バード(tp)、ジャッキー・マクリーン(as)、ソニー・クラーク(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1959年1月録音。4~6がブルー・ミッチェル(tp)、ジャッキー・マクリーン(as)、ティナ・ブルックス(ts)、ケニー・ドリュー(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。1960年9月録音。BlueNote4051。
レコードで言うB面4~6曲目が昨日ご紹介したティナ・ブルックス『バック・トゥ・ザ・トラックス』の2曲目と同じです。断然こちらのマクリーンがいいということで、恐らくはブルックス盤に収められたのは余りのものではないかと思われるのですね。このB面、ブルクスもミッチェルもそれにドリューも実にいい具合です。
それにA面1~3曲目にはソニー・クラークが参加してドナルド・バードとの2管です。マクリーンはどれもク好調ですので申し分ないものですが、クラークがヘロイン中毒が悪化しているようで少しヘロヘロ気味ですが、さすがに3曲目でのソロはクラーク節の面目が保たれておりグッと来る演奏になっます。
というわけで、これはいろいろ楽しめる面白いアルバムだと思いますね。四角張ったマクリーンの香ばしいアルトの響きが全回ですので、マクリーン目当てで十分に満足がえられましょう。プラスアルファとしてのブルックス、ドリュー、ミッチェル、それにクラークということになります。4曲目でのマクリーン→ミッチェル→ブルックス→ドリューの各ソロはいずれも素晴らしい内容でこの流れはまさしくブルーノート・サウンドの真骨頂を感じることができます。私はファンキー調よりもこうした真摯な直球系のバップが断然に好みなのです。
5曲目は、一瞬ウエィン・ショーターかなと思わせるようなモード系の響き、それにソロはドリューのピアノのみという興味深い演奏です。このドリューの美意識はとても共感できるものですね。本アルバム中ひときわ印象に残る曲です。6曲目も4曲目同様にスピード感のある心地よいハード・バップです。やはり私にとってここでもブルックスのテナーが味があって目が離せないという感じですね。憂いがあって繊細な音色とフレージング。ペッパーやゲッツらの白人系哀愁感に通じる何かがありますね。
1. Quadrangle
2. Blues Inn
3. Fidel
4. Appointment In Ghana
5. A Ballad For Doll
6. Isle Of Java
7. Street Singer - (bonus track)
8. Melonae's Dance - (bonus track)
9. Medina - (bonus track)
JR.comでは試聴可能です。→Jackie McLean/ Jackie's Bag
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Jackie McLean/ Jackie's Bag
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:45
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ティナ・ブルックス/バック・トゥ・ザ・トラックス
JAZZ Sax 2
2005年04月20日
Tina Brooks/ Back to the Tracks
今日はティナ・ブルックスの『バック・トゥ・ザ・トラックス』ですね。ジャケット・デザインや曲順まで決まっていながら85年まで発売が見送られた幻の作品。パーソネルは、ブルー・ミッチェル(tp)、ティナ・ブルックス(ts)、ケニー・ドリュー(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。2のみジャッキー・マクリーン(as)参加。1960年NY録音。BlueNote4052。
ティナ・ブルックスの初リーダー作『トゥルー・ブルー』(BN4041)はすでに以前に本ブログでご紹介していまして正直言ってべた褒めの内容でした。本作も甲乙つけ難いほど十分に素晴らしいアルバムだと思っています。ブルックスならではの憂いのある音色とフレーズが本作でも十分に発揮されており、長くお蔵入りになっていたことが不思議でなりません。
メンバーは、トランペットがフレディ・ハバードからブルー・ミッチェル、ピアノがデューク・ジョーダンからケニー・ドリュー、それにベースがサム・ジョーンズからポール・チェンバースにそれぞれ替わっていますのと、1曲だけですがあのジャッキー・マクリーンが参加しているのですね。マクリーンが参加した2曲目Street Singerがブルージーで実に素敵な演奏なのです。ブルックスのソロが圧巻です。マクリーンのアルトが野暮ったく聞こえるほど繊細で粋で洗練されたフレージンングなんですね。この2曲目のみ『ジャッキーズ・バック』(BN4051)と同日録音で、メンバーは全く同じなのですね。なぜにこんなことに?と思いますね。というわけで、『ジャッキーズ・バック』の方も近々聞き比べた結果をご紹介いたしましょう。
それに、4のスロー・バラッドFor Heaven's Sakeがまた素敵な演奏なのですね、これが。ブルックスの研ぎ澄まされた感性がほとばしるようですね。このテナーはほんとイカしてます。ブルー・ミッチェルもこの当りはお手のものでして負けずにキュートなソロをとっています。ブルー・ノート・レーベルのファンキー色の少ない典型的なハード・バップ、しかも微妙な色合いのある日本人好みの内容だと思います。
1. Back To The Tracks
2. Street Singer
3. The Blues And I
4. For Heaven's Sake
5. The Ruby And The Pearl
JR.comでは試聴可能です。→Tina Brooks/ Back to the Tracks
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Tina Brooks/ Back to the Tracks
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:46
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ビル・エヴァンス/シェリーズ・マン・ホールのビル・エヴァンス・トリオ
JAZZ Piano 2
2005年04月19日
Bill Evans/ At Shelly's Manne Hole
今日はビル・エヴァンスですね。週の半ばはちょっと疲れ気味でして安易ながら敬愛するエヴァンスさんにご登場願いました。『シェリーズ・マン・ホール』、何気なく聴くにはもってこいの音よし演奏よし雰囲気よしの何拍子も揃った愛聴盤なのですね。パーソネルは、ビル・エヴァンス(p)、チャック・イスラエル(b)、ラリー・バンカー(ds)。1963年ハリウッド、シェリーズ・マン・ホールで録音。
ジャズを聴くときは大抵アルコールを入れながらとなりますが、ほんとリラックスしたいときはいつも聴いている定番を聴きくことになりますね。今日はそんな感じで逝かせてもらいます。逝くってちょっと語弊ありありですがまあちょっと洒落っ気です。いや酔っ気ですかな。私の場合、大体19時から20時くらいに帰宅いたしまして、夕食の際に晩酌としてビール大1本を消費した後、深夜にかけて少し濃いやつをロック数杯飲む慣わしになっております。ふふ、慣わしというほどのもんじゃ焼きではありませんが、まあそんな感じでここ数年過ごしておるというわけです。どんな感じって、そう週に1本くらい空けるペースでしょうか。
今週はそれが当りの週なのです。探求者である限りは常に当りはずれがあるのが宿命なのですが、バーボンのYellow Stone、これがなかなかのヒットということで今日は悦に入りつつエヴァンスを鳴らしながらもっと深みに嵌ろうという魂胆なのです。うまいお酒とジャズ、この組み合わせは生きていて良かった、という慰みの世界だと思うのですね。いろいろ試行錯誤してきました、苦節20年、ジャズ+アルコール遍歴の旅はこのバーボンとエヴァンスの組み合わせでひとつの頂点に達していると我ながら思うのであります。ちょい今だけの気分かもしれないという危惧は対象が何にしても私の場合に常にあるのですけれど。
神戸元町鯉川筋下山手通り少し下る、って京風の地名ですがな、その辺りに地元では有名な格安アルコール店があります。私が毎週のようにワイン、ウィスキー、バーボン、それに焼酎などをやたら購入しているお店どす。近隣のスナックやらの飲食屋さんがこぞって大量買いするような超お安いお店どすがな。そこで先週土曜、このケンタッキー・ストレイト・バーボンのYellowStoneを迷いに迷って1200円何がしかで入手したのでした。種類がたくさんありすぎて迷うのですね、それも楽しみではありますが。そのYellowStoneは色が赤みがかっていて樽熟成に余念がないことがわかっていましたので、直観的に口に触れる前から期待感で打ち震えていたのですね。
このYellowStoneというお酒は同名の国立公園で作られている伝統あるバーボンなのだそうです。まあバーボンといえばアメリカ独自のお酒でして、日本の日本酒同様に、上等なものほど酒飲みに鍛え上げられた上等の味がするのですね。本当か嘘かちょっと怪しいのですが、1200円プラスアルファとはいえ普通は倍の2400円するとのことで上等らしいのですね。私の場合、750mlで2000円を越えますとこれはたまに飲む上等ものという勝手な定義にしていまして、日々たしなむのは1000円台が多いのです。
これが芳香と甘い口当たりがクセになるような品のあるお酒なのですね。仕事しながらその舌触りを思い起こしては思わずにんまりしてしまうような、そして少しでも早くおうちに帰って飲みたいなと思わせるパワーがあるのですね。これはひょっとしなくてもほとんどアル中の世界かもしれませんが(笑)。
というわけで、ちょっと危機感を感じつつ、一方ではそんにゃことどうでもいいがなと開き直りつつ、ビル・エヴァンスの深い誘惑の罠に心地よく嵌っている自分がここにいるのです。タイム・マシンに乗ってハリウッドにあるシェリーズ・マン・ホールのライブ演奏に観客と一緒にエバンス・トリオの至芸に耳を傾けます。音が実に良いですから40年前という感覚が麻痺しています。これは現代21世紀のピアノ・トリオ演奏の音と遜色ないレベルだと思いますね。
スコット・ラファロとともに残した歴史的な録音よりもちょっと肩の力が抜けた感じがよいですね。聴く側としましても楽しめる余裕を少し与えてもらえますのでね。そのスキがないと芸術鑑賞という高尚なものになってしまうのですね。まあそれはそれでいいのですが、リラックス・ミュージックとしてはこれくらいのほどよい真摯さとエンターテイメント具合がよいと思うのですね。その意味でエヴァンスを気軽に楽しむには、中核部分の59~61年くらいを前後に少し外した57、58年、62~65年くらいが丁度よいかもと思う今日この頃なのでございます。枝雀師匠はとうにお亡くなりになっていますがな。
1. Isn't It Romantic
2. The Boy Next Door
3. Wonder Why
4. Swedish Pastry
5. Our Love Is Here To Stay
6. 'Round Midnight
7. Stella By Starlight
8. All The Things You Are - (bonus track)
9. Blues In "F"
BILL EVANS (p) CHUCK ISRAELS (b) LARRY BUNKER (ds). Recorded on May 30, 31, 1963.
iTunes Music Store では試聴可能です。→
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Bill Evans/ At Shelly's Manne Hole
関連エントリーはこちら。
→ アート・ファーマー『モダン・アート』(1958)
→ ビル・エヴァンス『エブリバディ・ディグス』(1958)
→ ビル・エヴァンス『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』(1959)
→ ビルエヴァンス『ポートレイト・イン・ジャズ』(1959)
→ キャノンボール・アダレイ『ノウ・ホワット・アイ・ミーン』(1961)
→ ビル・エヴァンス『エクスプロレイションズ』(1961)
→ ビル・エヴァンス『ムーン・ビームス』(1962)
→ デイブ・パイク『パイクス・ピーク』(1962)
→ ビル・エヴァンス『シェリーズ・マンホールのビル・エヴァンス』(1963)
→ スタン・ゲッツ『スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス』(1964)
→ モニカ・ゼタールンド『ワルツ・フォー・デビー』(1964)
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:55
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ソニー・ロリンズ/ソニー・ロリンズVol.2
JAZZ Sax 2
2005年04月18日
Sonny Rollins/ Sonny Rollins Vol.2
今日はソニー・ロリンズです。ロリンズ絶好調の代表作の一つ『ソニー・ロリンズVol.2』。シルバーとモンク両巨人ピアニストが参加した貴重で興味深い録音です。パーソネルは、ソニー・ロリンズ(ts)、J.J.ジョンソン(tb)、ホレス・シルバー(p)、セロニアス・モンク(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・ブレイキー(ds)。1957年録音。BlueNote1558。
ロリンズは56年にモンクの名品『ブリリアント・コーナーズ』ですでにモンクとの共演を果たしていますが、本作でもモンクが参加した2曲で素晴らしい名演を残しています。2曲とは、3.Misteriosoと
4.Reflectionsです。特にリフレクションズでのモンクに触発された2度目のソロは圧巻です。跳躍した自由なソロなのです。こういうのを目の当たりにしますとさすがにモンクの影響力は凄いなと感心します。コルトレーンに対してもこの時期に同様なイマジネーションを与えていますよね。
ちなみにミステオリオーソと言えばアルバム名にもなっているジョニー・グリフィン参加のリバーサイドのライブ盤を思い起こしますが本作ロリンズとの共演の方が時系列では先なのですね。私にとってはリバーサイド盤を先に買って長く聴いていますのでどうしてもそちらを基準に考えてしまいますね。
このアルバムはモンク以外にもホレス・シルバーにアート・ブレイキーと57年といえばすでに自身のコンボを率いている大御所、それに当時No.1のベースのチェンバースを迎えて、これはほとんど巨匠たちによるブローイング・セッションの体をなしています。ところが、明らかに異色のモンクが2曲で参加することでそうした単なるブローとは一味違う波紋を投げかけています。不思議な魅力のあるアルバムというわけです。しかも、ミステリオーソではピアノが途中モンク→シルバー→モンクと代わっているのですね。シルバーがモンク曲であってもやはりシルバー節のファンキー調を奏でるところなど興味深いものがありますね。
いずれにしましても、この時期のハード・バップ・テナーの王道を怖いものなしでひた走るロリンズの自信に満ちた豪放かつ自在な素晴らしいテナーを堪能できるアルバムです。56~58年のロリンズの残したジャズ・アルバムはモダン・ジャズの一つの典型的な象徴として不変の価値があると思いますが、本作はまさにそうした一枚なのです。
1. Why Don't I
2. Wail March
3. Misterioso
4. Reflections
5. You Stepped Out Of A Dream
6. Poor Butterfly
JR.comでは試聴可能です。→Sonny Rollins Vol.2
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Sonny Rollins/ Sonny Rollins Vol.2
関連エントリはこちら。
→ ソニー・ロリンズ/テナー・マッドネス(1956)
→ソニー・ロリンズ/サキソフォン・コロッサス(1956)
→ソニー・ロリンズ/ヴィレッジバンガードの夜(1957)
→ソニー・ロリンズ/ウエイ・アウト・ウエスト(1957)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:46
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ウラジミール・ホロヴィッツ/展覧会の絵
_Classic
2005年04月17日
Vladimir Horowitz/ Pictures at an Exhibition
今日はホロヴィッツのピアノでムソルグスキーの『展覧会の絵』です。昼間山歩きをしながらFMでラベル編曲の同曲(東京フィルハーモニーの2005年2月ライブ演奏)をたまたま聞きまして、それが色彩感のある大変に良い演奏でしたので、今日はこの曲のことを書こうと思い立ったのでした。前から気になっていたホロヴィッツのピアノ・バージョンをここではご紹介したいと思います。1951年のライブ録音。トスカニーニ指揮のチャイコフスキー・ピアノ協奏曲第1番とのカップリングです。
私が中学生の頃に我が家にはじめて家具調の立派なステレオなるものがお目見えしまして、音楽に関心のない父親が子供のために買ってきてくれた記念すべき最初のレコードがイムジチのビバルディ「四季」と小澤征爾指揮シカゴ響の「展覧会の絵」なのでした。ただ最初はB面に入っているブリテン「青少年のための管弦楽入門」の方が分かりやすくて楽しめたことを記憶しています。それに丁度その頃嵌っていたプログレッシブ・ロックっていうのがありまして、その中の著名グループのエマーソン・レイク&パーマー、ELPが同曲をムーグ・シンセサイザーを駆使して演奏したライブ・レコードが出て一挙にこの曲に親近感を抱いたのでした。この「展覧会の絵」はそういう意味で私にとりましてとても馴染みのある曲だったわけで、プロムナードのメロディなどは耳にこびりついているようですね。
それでこのホロヴィッツの演奏です。ご存知の通りムソルグスキーの原曲は実は純然たるピアノ曲でして、モーリス・ラベルが20世紀になってオーケストラ用に編曲したものが現在一般によく知られているものなのですね。ピアノ大好きの私は当然のごとくにピアノによる原曲を聴いてみたいという欲求があり、このホロヴィッツの演奏にすぐに遭遇することになりました。47年のスタジオ録音と51年のライブ録音の主に2種が入手可能です。本アルバムは後者で音質が十分に鑑賞に堪えるものです。
ホロヴィッツのピアノ演奏は、確かに音の魔術師と呼ばれたラベルの手に掛かかるオーケストラ版ほどの色鮮やかさは希薄ではありますが、ピアニスティックで力強く輝きのある見事な演奏だと思います。むしろピアノの方が適していると思える部分が結構にあると思いますね。例えば、カタコンブの詩的な響きやキュートで美しいCon Mortuisのメロディなどはやはりピアノならではと思われますし、サミュエル・ゴーデンバーグなどもピアノの方が面白いですね。チュイルリーや牛車のところもピアノで必要十分かもと思えます。それに、最後を飾る圧巻のキエフの大門などではホロヴィッツのピアノは十分にそのフィナーレの盛大さ、構築美、大地のような重いリズムなどの特徴を伝えることに成功していると思います。
この演奏はホロヴィッツ自身が少し編曲しているとのことですが、ムソルグスキーの原曲の美しさがしみじみとわかる演奏だと思いますね。ムソルグスキーの偉大さを噛み締めます。そういえば「はげ山の一夜」なども実に凄い曲ですよね。それにしましてもホロヴィッツのピアノの力量というのは大したものだと改めて感嘆いたします。ホロヴィッツはこの後80年代になっても素晴らしい演奏を繰り広げましたから半世紀間常にトップに君臨したということですね。本当に息の長い、まさに20世紀を代表するピアニストですね。
あと、このアルバムにはチャイコフスキーのピアノ協奏曲が入っていまして、音質がかなり劣る点が残念です。名指揮者でホロヴィッツの叔父でもあるトスカニーニ指揮の劇的な内容の演奏になっています。もちろんピアノはホロヴィッツですが、これはおまけという感じですね。
1. 展覧会の絵*組曲
作曲 ムソルグスキー
演奏: ホロヴィッツ(ウラジミール)
2. 水辺で
作曲 ムソルグスキー
演奏: ホロヴィッツ(ウラジミール)
3. ピアノ協奏曲第1番変ロ短調
作曲 チャイコフスキー
演奏: NBC交響楽団, ホロヴィッツ(ウラジミール)
指揮 トスカニーニ(アルトゥーロ)
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Vladimir Horowitz/ Pictures at an Exhibition
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カルロス・クライバー/ベートーベン交響曲第5番&7番
_Classic
2005年04月16日
Carlos Kleiber/ Beethoven Symphony No.5 & No.7
今日はベートーベンの交響曲をクライバー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で聴いています。ベートーベンの第5番と第7番をカップリングした超お得な一枚です。クライバーの名を轟かせ、未だにこの2曲の最高の演奏と言われる名演です。第5番は1974年、第7番は75年&76年録音。独グラモフォン。
カルロス・クライバーは昨年2004年7月に74才で亡くなっています。残されたCDはその巨匠ぶりからすると意外に少ないように思いますが、ベートーベンの4番や5番、7番は躍動する疾走感が魅力的なクライバーを代表する名演奏ですね。というより現代の最高の名演の一つと言えるようですね。
5番「運命」は中学性の頃より親しみのある曲です。このクライバーとウィーン・フィルの演奏はスピードと緊張感のある若々しい音楽で、そのリズムが生命力があって凄いなと思います。ジャズやロックを聴く感覚で楽しめるところがあります。
それと、7番って結構に名曲なんですよね。「運命」「田園」「合唱」という名が付いているものだけじゃないですよね。奥が深くてふくよかな音楽という印象です。特に第4楽章などは実に素晴らしい。あきの来ない長く楽しめる類の音楽だと思います。4番と7番がこれほど人気になったのもクライバーの名演のおかげなのですよね。
1. 交響曲第5番ハ短調 作品67
第1楽章 Allegro Con Brio
第2楽章 Andante Con Moto
第3楽章 Allegro
第4楽章 Allegro
2. 交響曲第7番イ長調 作品92
第1楽章 Poco Sostenuto- Vivace
第2楽章 Allegretto
第3楽章 Presto
第4楽章 Allegro Con Brio
amazon.comでは試聴可能です。→Carlos Kleiber/ Beethoven Symphony No.5 & No.7
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ クライバー/ベートーベン交響曲No.5 & No.7
SACD対応のハイブリッド仕様はこちら。→ 同上 SACD
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ミシェル・カミロ&トマティート/スペイン
_Popular Music
2005年04月15日
Michel Camilo & Tomatito/ Spain
今日はドミニカ共和国出身の鬼才ピアニストのミシェル・カミロと、現代スパニッシュ・フラメンコ・ギターの最高峰であるトマティートによる夢のデュオ・アルバム『スペイン』。ジャズとフラメンコの融合(フュージョン)を超絶技巧のテクニックの二人が見事な作品に仕上げています。パーソネルは、ミシェル・カミロ(p)、トマティート(g)。1999年録音。
本作、ジャケットはきわめて安易な作りですが、中味は折り紙付きの超一級品です。思わず時を忘れて聞き惚れてしまう類のコンテンポラリー音楽。シンプルなアコースティックな響きと少し哀愁を帯びたスパニッシュの香りが実に素晴らしい。これクセになりますよ。
ミシェル・カミロは大好きな粋なラテン系のジャズ・ピアニスト。抜群のセンスです。結構多くのアルバム、しかも渋いやつを出しています。そのうちまたいくつかをご紹介することになると思いますが。一方、フラメンコ・ギターのトマティート、実はほとんど知りません。私が知るのはこのアルバムのみです。テクニックがあっておおこれはフラメンコですぞという程度です。ちょいと古いですがパコ・デ・ルシアやアル・ディ・メオラはフュージョンとして聞いていましたが。
ギターとピアノのデュオと言えばすぐ思い出すのがビル・エヴァンスとジム・ホールの『アンダーカレント』ですね。この組み合わせは結構に難しいかもと思います。一方がメロディを奏でるとき、一方は伴奏をするということで、この掛け合いとバランスがポイント。本作『スペイン』の両者は共にツアーを重ねてきただけあって、その呼吸がぴたりと決まっています。共に卓越したメロディストですから、一体感のある絶妙なデュオが聞けるというものです。
全8曲。アルゼンチンのギタリスト、ルイス・サリナス作の8.Aire de Tangoと6.Para Troilo Y Salganが素晴らしい。特に8の麗しい曲調とそれを目一杯引き立たせる両者の自在の即興演奏には深い感動を覚えます。私はこの種の筋の通った美が織りなすモザイク模様のカタストロフィーに堪らなく魅力を感じます。その美音の洪水には、どうぞ好きにして、もっとむちゃくちゃにしてください状態になりますね。お勧めです。
1. Spain Intro
2. Spain
3. Besame Mucho
4. A Mi Nino Jose
5. Two Much/Love Theme
6. Para Troilo Y Salgan
7. La Vacilona
8. Aire De Tango
JR.comでは試聴可能です。→Michel Camilo & Tomatito/ Spain
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Michel Camilo & Tomatito/ Spain
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:51
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ジョン・コルトレーン/ジャイアント・ステップス
JAZZ Sax 2
2005年04月14日
John Coltrane/ Giant Steps
今日はジョン・コルトレーンの名作『ジャイアント・ステップス』です。シーツ・オブ・サウンズと呼ばれるコルトレーンのサックス・プレイがほぼ完成した記念すべきアルバム。異常な緊張感に満たされたコルトレーン・ジャズの美学が凝縮された一枚。パーソネルは、ジョン・コルトレーン(ts)、トミー・フラナガン(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。6と9のみ、ウィントン・ケリー(p)、ジミー・コブ(ds)。1959年録音。Atlantic。
今でこそコルトレーンの偉大さをよく理解していますが、ジャズ入門期の頃にその評判を本か何かで知って購入したこのレコードは何やらやたらに速いサックスだけれど余裕という遊びが無いなあとあまり感心しなかったことを記憶しています。ただ、6曲目のネイマだけは妙に惹きつけられる何かを感じとっていましたっけ。あまりに速いアドリブについていけなかった、音の連なりをしっかりと追えず、よくわからなったということです。
ただ、真摯で切迫感のある印象は今も変わりません。ハングリーな求道者の姿勢には聴く側に対して音楽を楽しんでもらうという本来の自然な意図を微塵も感じることができないのです。これはまさに至高の芸術的な境地であって、聴衆に対するへつらいや媚びを排除した徹底した美学追及の求道的スタンス、これはやはりあっぱれというものでございましょうぞ。
そう、多くのジャズを、娯楽として、また、俗な快楽として、ジャズを聴くことが当たり前なのですが、チャーリー・パーカーがバップのスタイルを築いたように、コルトレーンはパーカーの流れを踏襲しながら60年代以降の新主流の大きな支流を形作ったという意味で、革新を生真面目に追求した、それは大衆性とは無縁の世界であったということなのでしょう。
今の私にとっては、このコルトレーンの音楽は以前とは比較にならないほどに楽しめる対象になってきています。そこそこジャズ遍歴を重ねて、特に50年代ハードバップに飽和された耳には新鮮で凄みのある音楽として共鳴できる、理解できるという感じです。
レコードでは全7曲、CDではさらにプラス5曲です。1や4、それに5や7などの直球勝負にはある種の鮮烈な覚悟のような切迫感と緊張感を受けるとともに、洪水のような音の連なりとその構築美に従来のバップにはない異様な心地よさを感じることができます。さらに3などは剛速球の決め球という感じですね。美学の存在を感じずにはおれません。それに、トミー・フラナガンのピアノが実に素晴らしいということも記しておく必要があります。コルトレーンの雰囲気を敏感に感じ取って緊張とバランス感覚のある絶妙なピアノ・ソロを各曲で披露しています。あと、やはり6のネイマ、つかの間の安息、これはいつ聴いても納得の内容です。ピアノもウィントン・ケリーに代わっています。コルトレーンはソロをとらず、ケリーのピアノ・ソロのみが聴けますが、実に詩的で美しいものです。コルトレーンがやっと少しこっちを向いてくれてうれしい。この曲があって本アルバムは救われたという気がします。
1. Giant Steps
2. Cousin Mary
3. Countdown
4. Spiral
5. Syeeda's Song Flute
6. Naima
7. Mr. P.C.
8. Giant Steps - (alternate take, version 1)
9. Naima - (alternate take, version 1)
10. Cousin Mary - (alternate take)
11. Countdown - (alternate take)
12. Syeeda's Song Flute - (alternate take)
iTunes Music Store では試聴可能です。→
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ John Coltrane/ Giant Steps
関連エントリーはこちら。
→ セロニアス・モンク/ウィズ・ジョン・コルトレーン(1957)
→ ジョン・コルトレーン/ブルー・トレーン(1957)
→ ジョン・コルトレーン/ソウル・トレーン(1958)
→ ジョン・コルトレーン/マイ・フェイバリット・シングス(1960)
→ ジョン・コルトレーン/プレイズ・ブルース(1960)
→ ジョン・コルトレーン/オレ・コルトレーン(1961)
→ ジョン・コルトレーン/インプレッションズ(1961)
→ ジョン・コルトレーン/ライブ・アット・ザ・ビレッジ・ヴァンガード(1961)
→ ジョン・コルトレーン/コルトレーン(1962)
→ ジョン・コルトレーン/ジョン・コルトレーンとジョニー・ハートマン(1963)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:47
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クリス・コナー/バードランドの子守唄
JAZZ Vocal
2005年04月13日
Chris Connor/ Sings Lullabys of Birdland
今日はクリス・コナーです。本ブログでは3度目の登場です。コナーの代表作と言われるベツレヘム3部作の一つ『バードランドの子守唄』。録音当時20代半ばとはいえすでに成熟した女性を感じさせるハスキーヴォイス。伴奏は、エリス・ラーキンスのピアノ・トリオ、ヴィニー・バークのコンボ、サイ・オリヴァー・オーケストラと3種類の編成が楽しめます。1953-55年録音。Bethlehem。
すでにご紹介済みのクリス・コナーのアルバムは『ビレッジ・ゲイトのクリス・コナー』(1963年)、『クリス』(1953-55年)の2枚です。前者はコナーの作品の中で最もお気に入り、後者はベツレヘム3部作の一つでもう1作は『ディス・イズ・クリス』、こちらもそのうちご紹介することになるでしょう。
さて、本作ではクリスの特徴であるクールな中低音のハスキーな声が全開です。彼女のアルバム・ジャケットには口を大きく開けている姿がよく登場して印象的ですが、その背を反らしてまで熱唱するというイメージにはちょっと違和感がありますね。内に秘めつつ静かに燃える感じというのでしょうか。私にはそんなイメージです。それに、声だけでなくその歌い回しも知的かつドライなフレージングでとても個性的ですし、結構に技巧を凝らしているのですね。
全14曲プラス2曲。歌ものスタンダード中心です。1はコナーの代表曲でしょう。ジョージ・シアリング作の名曲ですね。バードランドとはチャーリー・パーカーの渾名バードに因んで命名されたNYハーレムにある老舗のジャズ・クラブ(私も一度行ったことがあります)。2も名曲ですね。ビル・エヴァンスの名演をすぐに思い出します。バラッドの4や5がしっとりと歌い込んでいてお勧め。それに7のブルー・シルエットは音質もよくオーケストラをバックにしたハスキーヴォイスが魅力的で特によいです。11や12などキュートなミディアム曲も実にいいです。14のグッバイは『ビレッジ・ゲイトのクリス・コナー』にも収録の曲。雰囲気は近いものがありますが、ビレッジ・ゲイトの方がライブ盤でもあり抑制された情感がにじみ出ていて感動的です。
1. Lullaby of Birdland
2. What Is There to Say?
3. Try a Little Tenderness
4. Spring Is Here
5. Why Shouldn't I?
6. Ask Me
7. Blue Silhouette
8. Chiquita from Chi-Wah-Wah
9. Cottage for Sale
10. How Long Has This Been Going On?
11. Stella by Starlight
12. Gone With the Wind
13. He's Coming Home
14. Goodbye
15. Why Shouldn't I? [Alternate Take 2]
16. Stella by Starlight [Alternate Take 2]
amazon.comでは試聴可能です。→ Chris Connor/Sings Lullabys of Birdland
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Chris Connor/ Sings Lullabys of Birdland
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:43
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大前研一/企業参謀
_books (business&life)
企業参謀―戦略的思考とはなにか
大前研一(著) プレジデント社 (1999/11)
大前研一氏の出世作となった作品『正・続企業参謀』(1975年&77年)の新装版です。著者30才過ぎで米国マッキンゼー社でコンサルタントをしていた時代の作品。世界各国で訳された大ベストセラー。現在も毎年のように著作を活発に続ける氏の自分の頭で徹底的に考え抜くという意思、そして得られた結論は自信をもって主張する姿勢、さらに時代を常に先取りする先見性など、やはり見習うべきものがたくさんありますね。
出版社/著者からの内容紹介
新しい時代の企業戦争を生き残る鍵を握るのは、評論家になり下がったスタッフ集団でも、アイデアを花火のように打ち上げるだけの一匹狼でもない。組織の中にあって、企業の頭取脳中枢として戦略的行動方針をつくりだし、それをラインに実行させる独特の力をもつ「企業参謀」集団──その存在が命運を決める。
著者紹介
1943年生まれ。早稲田大学理工学部応用化学科卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子工学科で博士号を得る。1970年から2年間、日立製作所原子力開発部技師として、主に高速増殖炉設計に従事。1979年から、マッキンゼー社の日本支社長となり、現在に至る。著書に『大前研一の新・国富論』『世界が見える日本が見える』『トライアド・パワー』、訳書に『エクセレント・カンパニー』など多数。
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投稿者 Jazz Blogger T : 18:17
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カール・パーキンス/イントロデューシング
JAZZ Piano 2
2005年04月12日
Carl Perkins/ Introducing
今日はカール・パーキンスの傑作『イントロデューシング』です。若くしてこの世を去った西海岸の名ピアニスト。不自由だった左手のことを全く感じさせない圧倒的なスイング感と粒だった小気味よさは極上のピアノです。パーソネルは、カール・パーキンス(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)、ローレンス・メイラブル(ds)。1955&56年録音。Dootone。
率直に言ってカール・パーキンスのピアノは実に素晴らしい。幼い頃に左手が不自由になって左はコードしか弾けないのですが独特の奏法を生み出して本当に素晴らしいピアノを奏でます。本作は初リーダー作。サイドメンとしてはクリフォード・ブラウン&マックス・ローチ・クインテットの『イン・コンサート』やアート・ペッパーの『ジ・アート・オブ・ペッパー』など多くの西海岸のアルバムに参加しています。惜しくも自動車事故で29才で夭逝。同姓同名の著名なロカビリー歌手がいますがその方とは別人です。
本作はピアノ・トリオの名作だと思いますね。西海岸にしては黒っぽいこってり感がほどよくあります。ハンプトン・ホーズに近いですが、粘りのあるグルーヴィー感は聴くほどにいい味わいが出てくるのですね。これはピアノ・ジャズを愛する方には絶対にお勧めできる内容です。「この渋いピアノいったい誰?」と聞かれてさりげなく「いいでしょ。カール・パーキンスっていう人なのさ。」と応じる得意満面な場面が脳裏に浮かんだりします^^;。
全12曲。どれも素敵な演奏です。決して飽きることのないお手頃感があります。若干カクテル風なところもありますが、エロール・ガーナーほどでもなくずっと真摯なジャズです。お勧めは、まず、11.Carl's Bluesです。これはピアニスティックで見事な演奏です。後半リズムに乗るところの感じが実にいいですね。2.You Don't Know What Love Isも同様な路線。5.Woody 'N Youはパウエルの名演がすぐ思い出だされますが、内容は最初ホーズ調のフニクラがちょっとあって後は渋いパーキンス節といった小気味よいジャズ・テイストがいい具合です。
1. Way 'Cross Town
2. You Don't Know What Love Is
3. Lady Is a Tramp
4. Marble Head
5. Woody 'N You
6. West Side AKA Mia
7. Just Friends
8. It Could Happen to You
9. Why Do I Care?
10. Lilacs in the Rain
11. Carl's Blues
12. West Side AKA Mia [Alternate Take]
iTunes Music Store では試聴可能です。→
Carl Perkins/ Introducing
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Carl Perkins/ Introducing
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:57
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ヘレン・メリル/ローマのナイト・クラブで
JAZZ Vocal
2005年04月10日
Helen Merrill/ Parole e Musica
今日はヘレン・メリルのイタリア録音です。原題は「詩と音楽」で著名舞台俳優のイタリア語のナレーションを間にはさみにながらヘレン・メリルがスタンダードをハスキーに歌い上げます。女性の成熟した色香が存分に発散されています。伴奏は現地のジャズマンですが、あのトランペットのニニ・ロッソが参加していたりします。何を隠そうこれは私の大切な愛聴盤です。1959&1960年録音。
ヘレン・メリルといえばまずクリフォード・ブラウンと共演したエマーシー盤が有名ですが、私にとっては以前にこのブログでもご紹介した『ニアネス・オブ・ユー』と本作の『ローマのクラブで』の2作が甲乙つけがたい代表的名演ではないかと思われるのです。2作ともにキュートなメロディが真綿で包んだような魅惑的なハスキーで暖かいヴォーカルによってしっとりと歌われています。これらのアルバムを聞くとき子宮回帰といった女性的なるものへの飽くなき憧憬が幾分なりとも満たされる瞬間となっているのかもしれません。
そうした原始的というか生理的な直感は別にしても、本作『ローマのクラブで』はメリルの器楽的ともいえる特徴的なヴォイスを十分すぎるほどに味わうことのできる内容です。ヘレン・メリルのファンの方や好感を持ってらっしゃる方には自信をもってお勧めすることができますね。ミディアム以下のスロー・テンポで聞きなれたスタンダード曲がメリル節で歌われます。
全11曲ヘレン・メリルの良いところその全貌がほぼ完全に示されています。メリルの声をこれ以上ないほどに目一杯に堪能することができ、かつ素晴らしい内容とくれば、最初は多少奇異に感じられるイタリア語ナレーションもそのうち枝葉末節になってくるのですよ。間違いなくヘレン・メリルの代表作の一つです。音質も十分に上質です。メリル・ファン必携の名唱でしょう。ミディアムの8.I've Got You Under My Skinと1.Night And Dayが特にお勧め。あのYou'd be so nice~と同等以上、むしろ私はこっちの方が好きです。
ちなみに、ニニ・ロッソといいますと、「夜空のトランペット」や水野晴男さんが解説していたTV「水曜ロードショー」の主題曲で日本ではとても有名ですね。ご興味ある方はアマゾンのこちらへどうぞ。→ ニニ・ロッソ/ ニニ・ロッソ
1. Night And Day
2. Everything Happens To Me
3. Autumn In New York
4. Why Don't You Do Right
5. You Don't Know What Love Is
6. These Foolish Things
7. April In Paris
8. I've Got You Under My Skin
9. Solitude
10. Willow Weep For Me
11. When Your Lover Has Gone
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Helen Merrill/ parole e musica
ヘレン・メリルのオフィシャル・サイトはこちら。→HelenMerrill.com
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:44
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ジョージ・シアリング/九月の雨
JAZZ Piano 2
2005年04月09日
George Shearing/ September in the Rain
今日はジョージ・シアリング・クインテットです。洗練されたクール・ジャズの名作『九月の雨』。ピアノとヴィブラフォンとのユニゾンによる演奏には独特のエレガントな雰囲気があります。パーソネルは、ジョージ・シアリング(p,accord)、チャック・ウェイン(g)、ジョン・レヴィ(b)、デンジル・ベスト(ds)、マージョリー・ハイアムス(vib)。1949年、1950年録音。Verve。
ジョージ・シアリングのピアノ・クインテットの演奏を休日前の静まりかえった深夜にそっとBGM代わりに流したりしますと実によい雰囲気になって満たされた気分が広がりますね。何といいまますか、落ち着いた気品があるのですね。シアリングの音楽がナット・キング・コールやシナトラと同様にジャズ・ファンだけでなく一般の音楽ファンにも高い人気があることになるほどとうなずけるのですよね。
ジョージ・シアリングは1919年ロンドン生まれ。生来の盲目です。47年に米国に渡り、49年にピアノ、ヴァイブ、ギター、ベース、ドラムスの編成の定番コンボをスタートさせます。ブロックコードを用いたプレイと室内楽的な演奏によってアメリカで大衆的な人気を得ることになります。作曲家としても、「バードランドの子守歌」や「コンセプション」など有名曲を作っています。70年代以降も活躍をしておりクインテットでなくピアノトリオや歌手との共演など多くのアルバムを残しています。
本作は全25曲。49年から50年にかけての音源を編集したベスト盤です。いずれも3分くらいまでの短い演奏です。シアリングはピアノ以外にもアコーディオンを演奏しています。ブロック・コードとはトップノートのオクターブ下に同じラインを入れて使うのですが、シアリングの場合には左手のメロディーをレガートで弾くのがコツになっているとのこと。
1.SEPTEMBER IN THE RAIN
2.GOOD TO THE LAST BOP
3.BOP, LOOK AND LISTEN
4.I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS
5.THE CONTINENTAL
6.NOTHING BUT DENZIL BEST
7.EAST OF THE SUN
8.IN A CHINESE GARDEN
9.IN A CHINESE GARDEN
10.CONCEPTION
11.I'LL REMEMBER APRIL
12.LITTLE WHITE LIES
13.CARNEGIE HORIZONS
14.JUMPIN' WITH SYMPHONY SID
15.NOVEMBER SEASCAPE
16.HOW'S TRIX?
17.CHANGING WITH THE TIMES
18.STROLLIN'
19.WHEN YOUR LOVER HAS GONE
20.AS LONG AS THERE'S MUSIC
21.ROSES OF PICARDY
22.FOR YOU
23.MOVE
24.PICK YOURSELF UP
iTunes Music Store では試聴可能です。→
George Shearing/九月の雨
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ George Shearing/ September in the Rain
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:58
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セロニアス・モンク/アローン・イン・サンフランシスコ
JAZZ Piano 2
2005年04月08日
Thelonious Monk/ Alone in San Francisco
今日はモンクのソロ・ピアノです。傑作『アローン・イン・サンフランシスコ』です。モンクの代表作を1枚だけ挙げるとすれば、私にとってはソロ演奏の名盤『サンフランシスコ』か『ヒムセルフ』になるのですね。そして、どちらかに決めよと言われれば本作が最高作かなと思うのですね。パーソネルは、セロニアス・モンク(p)。1959年サンフランシスコ録音。Riverside。
PCに向って時間に余裕があるときは好んでYahoo!ゲームの将棋をやることが多いです。見知らぬ方々とネット対局をするのですが、その際に例のソニーのイヤホンをつけて音楽を聞きながら対局しますと気のせいかもしれないですれど妙に好調なんですね。音楽は右脳を活性化させてくれますので、論理的な左脳に頼りがちな将棋においては左右の脳のバランスが取れて大局観や勘がうまく機能するのでは?なんて勝手に考えています。これって単に自分の中で音楽を聞きながらだと勝てるというジンクスみたいになっていて、その自信が良い結果に繋がっているだけなのかもしれません。
ちなみに棋力はレート1750くらいです。これはアマ2段クラスだと思います。私の場合できるだけ自分より上位の相手とするようにしていますので勝敗数だけでいいますと負け越しているのですが。少し上のレート、そう100くらい上の相手とやりますと効果的に強くなれるように思いますね。
いきなりなぜか将棋の話で始まりましたが、最近将棋をするときはモンクのピアノを聞くことが多くて、特にこの1ケ月くらいは本作『アローン・イン・サンフランシスコ』を好んで聞いているのですね。経験的にモンクを聞くと勝てるんです、いや勝ってるような気がするのですね。不思議な感覚のピアノが結構いい刺激になっていると思うのです。
さて、本作、録音がFugazi Hallというところで客はいないのですがライブで録られています。その音質がとてもよい具合です。ピアノの響きがナチュラルで、残響がしっくりきます。『ヒムセルフ』(57年)がモノーラルっぽくて重めなのと比べてかなりbetterになっていると思います。モンクのピアノには独立した単音がキーンと伸びたりする機会が多くて、結構にピアニスティックなところがあるのです。
全10曲プラス1曲。不協和音が少なくてモンクにしては妙に小綺麗にまとまっているように思います。お勧めは、第1に8. Rememberです。出だしの部分はまるでドビュッシーのようじゃあ~りませんか。それにしてもチャーリー・ミンガスでなくて、チャーリー・パーカーでもなくて、チャーリー・ハマーいやチャーリー浜は最近見かけなくなりましたね(また脱線かい?)。
モトイ、元井。昔私の通っていた高校の先生でしきりに「もとい!」とおっしゃる古典の先生がいらして、最初は「元井」君?そんなやつはこのクラスにはおらんはずやとか何のことだかわからなかったのですが、どうも「元に戻せ」と自分に言ってらっしゃるのですね。言い間違いをすぐに訂正する場合にまず「もとい!」と言って言い直すことを宣言してその後に正しいことを言うのです。妙に潔い響きが気になって、私もたまに使うことがあったりするのです。あ~長~。チャーリー浜からここまで引っ張るか?
というわけで何の話かわけわからんようになってきましたが、そうモンクのソロ・ピアノ、名作『サンフランシスコ』はいつもの不思議大好きの超のつく感覚が少しだけ芸術的な香りのする正統的なものを醸しているのです。7.Pannonicaから11.Reflectionsまでの5曲が実に素晴らしい。ピアニスティックな音感がまず美しく、そして音の構築美が最高に詩的です。8. Rememberや10. There's Danger In Your Eyes、それに11. Reflectionsでも途中から満足気なうなり声を上げていましてモンクが乗りに乗って演奏している感じがよくわかります。右脳を直撃してくれるモンクのピアノは私のよき味方なのです。
1. Blue Monk
2. Ruby My Dear
3. Round Lights
4. Everything Happens To Me
5. You Took The Words Right Out Of My Heart
6. Bluehawk
7. Pannonica
8. Remember
9. There's Danger In Your Eyes, Cherie - (take 2)
10. There's Danger In Your Eyes, Cherie - (take 1, bonus track)
11. Reflections
iTunes Music Store では試聴可能です。→
Thelonious Monk/ Alone in San Francisco
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Thelonious Monk/ Alone in San Francisco
関連エントリはこちら。
→セロニアス・モンク/プレイズ・デューク・エリントン
→セロニアス・モンク/セロニアス・ヒムセルフ
→セロニアス・モンク/ミステリオーソ
→セロニアス・モンク/ウィズ・ジョン・コルトレーン
→セロニアス・モンク/ストレート・ノーチェイサー
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:59
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ソニー・スティット/スティット、パウエル&JJ
JAZZ Sax 2
2005年04月07日
Sonny Stitt/ Sonny Stitt, Bud Powell, and J.J. Johnson
今日はソニー・スティットのテナーの名盤です。絶頂期のバド・パウエルが参加していることで有名な『スティット、パウエル&JJ』です。パーソネルは、①ソニー・スティット(ts)、バド・パウエル(p)、カーリー・ラッセル(b)、マックス・ローチ(ds)、②ソニー・スティット(ts)、J.J.ジョンソン(tb)、ジョン・ルイス(p)、ネルソン・ボイド(b)、マックス・ローチ(ds)。1949年、1950年録音。Prestige。
このブログでソニー・スティットのことをまだ触れていなくて結構気にしていたのです、実は。名モダン・ジャズ・サックス・プレイヤーとして大変に著名ですが、私にとっては座右に置いて愛聴するほど好きということでもないのですね。手元にあって折に触れて聴くアルバムは本作含めて数枚です。
本作の『スティット、パウエル&JJ』は日本でモダン・ジャズが騒がれだした頃に熱狂的に聞かれたとのことです。それにバド・パウエルの名演盤ということでも有名なんですね。その後、幻の名盤として長く入手困難であったことがその人気を高める遠因になったのかもしれません。いずれにせよ、バップからクールへの歴史的な転機の中で、ハード・バップへの道をひたむきに歩んでいる姿が鮮明にかつ名演として捉えられているという点が特筆されます。
ソニー・スティットはチャーリー・パーカーに似ているといわれるのがいやで、パーカーの存命中はアルトでなくテナーを吹いていたとのことで、それほどに豪快で流暢で49年の録音とは思えないくらいにモダンな感覚なのですね。このアルバムのもう一つの特徴は、スティットのようなテクニシャンのワンホーン・カルテット演奏ですと通常はホーン+リズムという図式になるところが、パウエルの参加によってピアノが例外的に対等にメロディックなソロを繰り広げるのですね。パウエルの独創的な演奏がシングル・トーンでホーン・ライクといわれる所以です。
全12曲。パーソネルは①が1~9、②が10~17です。お勧めは、まず、3. Bud's Bluesがファンキーなセンスがすでに見られて興味あるものです。それに、10.パリの午后、これはジョン・ルイスの名曲。スティットとJJのトロンボーンが美しいアンサンブルを聞かせてくますし、スティットのソロもいいですね。13. Eloraや16. Blue Mode - (take 1)でのスティットも素晴らしいと思います。
1. All God's Chillun Got Rhythm
2. Sonny Side
3. Bud's Blues
4. Sunset
5. Fine And Dandy - (take 1)
6. Fine And Dandy - (take 2)
7. Strike Up The Band
8. I Want To Be Happy
9. Taking A Chance On Love
10. Afternoon In Paris - (take 1, bonus track)
11. Afternoon In Paris - (take 2)
12. Elora - (take 1, bonus track)
13. Elora - (take 2)
14. Teapot - (take 1, bonus track)
15. Teapot - (take 2)
16. Blue Mode - (take 1)
17. Blue Mode - (take 2)
JR.comでは試聴可能です。→Sonny Stitt, Bud Powell, and J.J. Johnson
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Sonny Stitt/ Sonny Stitt, Bud Powell, and J.J. Johnson
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:48
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デヴィッド・ヘイゼルタイン/不思議の国のアリス
JAZZ Piano 2
2005年04月06日
David Hazeltine/ Alice In Wonderland
今日はヴィーナス・レコードからデヴィッド・ヘイゼルタインのピアノ・トリオで、『不思議の国のアリス』と行きましょう。エヴァンス・トリオを少し彷彿とさせてくれる高水準のトリオ演奏です。パーソネルは、デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)、ジョージ・ムラツ(b)、ビリー・ドラモンド(ds)。Venus Record。2003年7月録音。
日本のレーベルであるヴィーナス・レコードのアルバムを最近かなり聴くようになりました。私のような単純な感覚派人間はまずもってそのきわめて良い音質にまんまと騙されてしまうわけです。そこそこの演奏レベルであればいとも簡単に名作の一丁上がりということになります。それでもいいものはいい!と自分が納得したものを厳選してご紹介するのが私めの役目と思っております。どうぞご安心あれ。
というわけで、今日のピアニスト、あまり聞き慣れない名前のヘイゼルタインさんです。ヘイゼルシュタインなら許せるけれどヘイゼルタインって音感ちょっと拍子抜けして変でないかい? まあ、そんなこたあどっちでもいいんです、そのピアノ自体がいい塩梅なのですから。一応、スイング・ジャーナル誌選定ゴールド・ディスク、私は最近これあまり当てにはしていないんですけどね。
ベースのジョージ・ムラーツさんがいつものごとくに盛んにメロディアスに歌います。今回は重めの録音で軽々しさは感じないんですが結構耳につきますね。ビル・エヴァンスの名演奏曲が何曲も入っていまして、ムラーツさんはラファロのことをイメージさせてくれますね。インタープレイという点では満足なレベルだと思います。ライナーの寺島氏がドラムのビリー・ドラモンドのシンバルのことをしきりに褒め称えていらっしゃいます。私にはその違いがわかるほどまだ年季が足りませんが。それと、氏によるとこのドラモンドさんの奥方はあの実力派美形ピアニストのリニー・ロスネスなんだそうで。それはまあいいんですが気になるのは氏がロスネスのことを超のつく美形と書いてらっしゃることですね。ジャケットでしか知らないんですよね、残念。参考MyFavorites→リニー・ロスネス『レター・トゥ・ビル・エヴァンス』
全9曲。納得のピアノ・トリオ演奏です。ヘイゼルタインのピアノは特徴は乏しいかもしれませんが、十分に心地よくスイングしていますし、ソロでのメロディック・ラインはエヴァンスライクでとてもよい具合だと思います。それにベースとドラムがピアノと対等に活躍していまして、いかにも現代のピアノ・トリオ演奏ですよという感じが伝わってきます。お勧めは、「3.不思議の国のアリス」、「5.星に願いを」、「9.テンダリー」などでしょうか、どの曲も高水準の出来です。
1. ビューティフル・ラブ
Beautiful Love 《V. Young, W. King, Van Alstyne 》( 4 : 43 )
2. スイート&ラブリー
Sweet & Lovely《G. Arnheim, H. Tobias, J. Lemare 》( 6 : 13 )
3. 不思議の国のアリス
Alice In Wonderland《S. Fain 》( 7 : 06 )
4. 枯葉
Autumn Leaves《J. Kosma 》( 5 : 45 )
5. 星に願いを
When You Wish Upon A Star《L. Harline 》( 7 : 20 )
6. フォー・ビル
For Bill《D. Hazeltine 》( 5 : 47 )
7. 愛は海よりも深し
How Deep Is The Ocean《I. Verlin 》( 6 : 55 )
8. ダニー・ボーイ
Danny Boy《Trad 》( 4 : 47 )
9. テンダリー
Tenderly《W. Gross 》( 7 : 18 )
Venus Recordのホームページでは試聴可能でしかも寺島氏のライナーも読めます(上から4枚目)。→ David Hazeltine/ Alice In Wonderland
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ David Hazeltine/ Alice In Wonderland
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投稿者 Jazz Blogger T : 10:00
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ビヴァリー・ケニー/シングズ・フォー・ジョニー・スミス
JAZZ Vocal
2005年04月05日
Beverly Kenney/ Sings for Johnny Smith
今日は若くして亡くなった女性ヴォーカリストのビヴァリー・ケニーです。デビュー作の『シングズ・フォー・ジョニー・スミス』。少しハスキーがかった愛らしい声質でギター・コンボをバックにスタンダードをシンプルに歌い上げます。パーソネルは、ビヴァリー・ケニー(vo)、ジョニー・スミス(g)、ボブ・パンコースト(p)、ノビー・トター(b)、ムージー・アレクサンダー(ds)。1955年録音。Roost。
ビヴァリー・ケニーは1932年生まれ、寝たばこが原因のホテル火災で60年代初頭に若くして亡くなってしまいました。1955年にはドーシー・ブラザーズ・バンドの専属歌手になりましたが、その後ジョージ・シアリングなどのグループで歌っていたようです。その美形の容姿とキュートで少しハスキーがかった暖かみのあるクリアーな声質で、日本で人気が高いようです。1950年代半ばに吹き込まれたアルバムがルーストとデッカに合わせて6枚残されています。
本作はルーストに残されたデビュー・アルバムです。ルーストの看板ジョニー・スミスのコンボとの共演です。彼女の歌は力みがなく自然で軽やかに語りかけてくるようです。曲は良く知られたスタンダードが中心で、ジャジーな雰囲気は薄いですが、彼女のナチュラルな可愛らしさを上手く引き出したシンプルな演奏だと思います。ジョニー・スミスのギターが渋くていい雰囲気が出ています。
全12曲。白人女性ジャズ・ヴォーカルを日頃よく聴く私のようなジャズ・ファンには十分に楽しめる内容です。ジュリー・ロンドンの名盤『彼女の名はジュリー』に少し近い感じとでもいうのでしょうか、もっと明るくキュートにした感じですけれど。もちろんグルーヴィーな感覚は期待できないですし、スイング感も乏しいでのすが、その美しい歌もののメロディがさわやかな美声で丁寧に歌われています。
1. Surrey With The Frange On Top
2. Tis' Autumn
3. Looking For A Boy
4. I'll Know My Love(Greensleeves)
5. Destination Moon
6. Ball And Chain (Sweet Loraine)
7. Almost Like Being In Love
8. Stairway To The Stars
9. There Will Never Be Another You
10. This Little Town Is Paris
11. Moe's Blues
12. Snuggled On Your Shoulder
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Beverly Kenney/ Sings for Johnny Smith
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:45
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サラ・ヴォーン/アット・ミスター・ケリーズ
JAZZ Vocal
2005年04月04日
Sarah Vaughn/ At Mister Kelly's
今日はサラ・ヴォーンのライブといきましょう。『アット・ミスター・ケリーズ』です。ピアノ・トリオをバックにしっとりと歌い上げます。パーソソネルは、サラ・ヴォーン(vo)、ジミー・ジョーンズ(p)、リチャード・デイヴィス(b)、ロイ・ヘインズ(ds)。1957年3月シコガのミスター・ケリーズにてライブ録音。Mercuryレコード。
サラ・ヴォーンの歌は50年代の半ばくらいの情感をうちに秘めた少し抑えた歌唱が好みです。70年代以降はその声量を生かしたこってりな味わいが前面に出てくることになりまして個人的にはちょっと胃にもたれて食傷気味ではあります。本作のミスター・ケリーズはそうした50年代サラを代表する定評のあるライブ・アルバムです。
選曲もよし、伴奏のトリオも素晴らしい、サラも絶好調とくればもう言うことなしなのですが、ほんのちょっと残念なのがべたっとした録音です。艶のあるサラの声質がほぼそのままダイレクトに伝えられています。もう少し深みのあるリバーブをきかせるだけでガラっと違ってもう完璧だったはずなのですが。ヴォーカルの名盤を数多く残しているMercuryレーベルに一つだけ不満があるとすればこの点なのですね。まあそれでもサラの最もよい時期の録音ということで貴重な録音ではあります。
1918年生まれですから録音当時は39才と充実した年齢に達しています。最もお勧めは、4.Be Anything But Darling Be Mineです。ここでの粘りのあるバラッド歌唱、そしてその中にもそこはかとなくグルーヴィーな感覚があってさすがにサラ・ヴォーンの持ち味がにじみ出ていると思います。それに、5.Thou Swellがお好みですね。キュートなメロディを渋くハイブロウな歌唱に仕立てています。あと、情感をたたえた歌8.Just A Gigoloもお気に入りでして、特にサラからジミー・ジョーンズのピアノに引き継がれる部分がジャズの深みある美観が感じられてvery goodですね。
1. September In The Rain
2. Willow Weep For Me
3. Just One Of Those Things
4. Be Anything But Darling Be Mine
5. Thou Swell
6. Stairway To The Stars
7. Honeysuckle Rose
8. Just A Gigolo
9. How High The Moon
10. Dream - (bonus track)
11. I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter
12. It's Got To Be Love
13. Alone
14. If This Isn't Love
15. Embraceable You
16. Luckiy In Love
17. Dancing In The Dark
18. Poor Butterfly
19. Sometime's I'm Happy
20. I Cover The Waterfront
JR.comでは試聴可能です。→Sarah Vaughn/ At Mister Kelly's
アマゾンでも試聴可能です。→ Sarah Vaughn/ At Mister Kelly's
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:46
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ロイ・ヘインズ/アウト・オブ・ジ・アフタヌーン
JAZZ others 2
2005年04月03日
Roy Haynes/ Out of the Afternoon
今日はロイ・ヘインズのリーダー作から『アウト・オブ・ジ・アフタヌーン』です。個性際立つローラーンド・カーク、ワン・ホーンのカルテット演奏です。パーソネルは、ローランド・カーク(ts, manzello, stritch, fl)、トミー・フラナガン(p)、ヘンリー・グライムス(b)、ロイ・ヘインズ(ds)。1962年録音。Impulseレーベル。
ロイ・ヘインズは40年代末から70年代までその卓越したセンスと技術で幅広く時代を超えて活躍した稀有なドラマーの一人です。多くのジャズ名盤に名前を連ねていまして、私にとっても、バド・パウエル、サラ・ヴォーン、ミンガス、ドルフィー、チック・コリアらの名盤でお馴染みのジャズマンなのですね。ところが、リーダー作となると驚くほか少ないのですね。私も本作と『ウィ・スリー』くらいしか知りません。
ロイ・ヘインズのドラム・ソロが随所で披露されており、またリズムを取るにしてもリーダー作らしくドラムがよく目立っている作品に仕上がっています。とはいうものの、さすがにローランド・カークの個性豊かな演奏が前面に出ていますので、やはりカークの数少ないワン・ホーン作品として聴くことのになるのだと思います。2本のホーンを口に同時に咥えて一人ユニゾンをしたり、フルートでもジェレミー・スタイグのようにハミングを交えたりと、決して奇異や衒いではなくて音楽性の追求から必然として生じる演奏は十分に説得力のある素晴らしいものです。
全7曲。1曲目からローランド・カ-クの不思議と調和を感じさせるユニゾンが全回でしてその耳慣れない演奏にいきなり驚かされます。また、5、6それに7での深いブルース・フィーリングを感じさせるオーソドクスな渋い演奏を聴きますと、やはりカークが十分に正統派ホーン奏者として一流レベルであることがわかります。本作はこのカークの全容を知るにはもってこいのアルバムというわけですが、もちろんリーダーのヘインズの多彩なドラム演奏がそこかしこで結構にクローズアップされています。いずれにせよ本作は高水準のモダン・ジャズを味わうことのできる大変に好ましいアルバムといえましょう。
そして、もうひとつだけ付け加えるとすれば、トミー・フラナガンの小気味よいピアノをあげたいと思います。60年前後のフラナガンはほんと数多くのセッションに参加していまして、それがことごとくいい出来なのですね。端整でピリっとしたピアノ・ソロは常にアクセントになっていまして脇をしっかり固めるという感じがぴったりです。コルトレーンやブッカー・リトルとの共演盤など数枚のアルバムがすぐに脳裏に思い浮かびますね。
1. Moon Ray 6:42
2. Fly Me To The Moon (In Other Words) 6:40
3. Raoul 6:02
4. Snap Crackle 4:12
5. If I Should Lose You 5:50
6. Long Wharf 4:43
7. Some Other Spring 3:29
JR.comでは試聴可能です。→Roy Haynes/ Out of the Afternoon
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:35
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ブリキの太鼓/フォルカー・シュレンドルフ
_movies
2005年04月02日
ブリキの太鼓/フォルカー・シュレンドルフ
こんにちは。今日は学生時代に一度観てつい最近レンタルDVDで見直した映画のことをご紹介しましょう。ギュンター・グラス原作、シュレンドルフ監督『ブリキの太鼓』です。1979年カンヌ映画祭パルムドール(最高賞グランプリ)受賞。出演はダーヴィット・ベネント、マリオ・アドルフ、アンゲラ・ヴィンクラー、ダニエル・オルブリフスキー、シャルル・アズナヴール、カタリナ・タルバッハ他。音楽はモーリス・ジャール。1979年ドイツ/フランス。独語。
学生時代に名画館でこの映画を観てそのリアルな映像と不可思議な設定に強烈な印象を受けました。バルト海に面するポーランドの街ダンツィヒを舞台に、3歳の誕生日に母にかねて約束していたブリキの太鼓を買ってもらい、同時に大人の醜い世界に嫌気がさして自ら成長を止めた少年オスカルの目を通して、第二次世界大戦前後の暗黒の時代をシニカルに描いた物語です。成長が止まるというのはいかにもフィクションの世界でして、ブリキの太鼓、スカートの中とかいくつかのキーワードとともに何らかの隠喩の役割があるのだと思います。リアリスティックで強烈なベッド・シーンや馬の首を使って鰻を取るグロテスクなシーンなど鮮烈な映像が随所に出てきます。
原著者のギュンター・グラス(1927年~)は1999年にノーベル文学賞を受賞したドイツ人小説家。本作は1959年発表の当時話題となった出世作です。受賞理由は「陽気で不吉な寓話」というもの。どんな原作かと気になりましたので、この『ブリキの太鼓』を今日実は本屋さんで立ち読みして(正確にはジュンク堂で座り読み)少しだけ感触を掴んできました。全集ものの中にヘッセらの作品とともに収められていました。全3部からなる長編です。映画では2部までを扱っているようですね。印象に残った映画のシーンのところを中心に30分くらいざっと流しまして、まず感じましたのは描写がきわめて精緻に描かれていること、それに実に奇妙で複雑な設定が施してありいかにも現代作品っぽいということです。偏執的に微に入る描写、特に性的なところは実にリアルだと思います。映画の各シーンは原作をかなり忠実にしかも細かな配慮を十分に施しながら再現しているように思われました。
オスカル役のダーヴィット・ベネントが魅力的です(写真)。当時6才だったとのこと。そのちょっと醒めた目の輝きが実にいいです。オスカルの母親と従兄弟との情交シーンは女性の性欲が露に表現されており強烈です。オスカルの父親と若い継母とのシーンはもっと強烈でしてその際に交わされる言葉が実にリアルで印象的ですね。オスカルと継母との同様のシーンも妙にエロを感じさせるものでした。20年くらい前に見たシーンを今だによく覚えているというのは当時相当に印象深かったのでしょう。その頃見たときはさぞかしドギマギしたのだと思いますが。それに、オスカルの母に想いを寄せるおもちゃ屋の主人マルクスはシャンソン歌手のシャルル・アズナブールなんですよね(写真)。意外な人が出てきてびっくりです。役の上で自殺することになるのですが渋い役回りでした。アズナブールは結構映画出演が多いですがまさか独仏合作とはいえドイツ語の映画に出てくるとは思わないですからよく似た人がいるのだな程度に思っていたのですがキャストにその名を見て納得です。
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ブリキの太鼓/フォルカー・シュレンドルフ
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投稿者 Jazz Blogger T : 10:45
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マイルス・デイヴィス/1958マイルス
JAZZ Trumpet
2005年04月01日
Miles Davis/ 1958 Miles
今夜はマイルス・デイヴィスの人気盤『1958マイルス』です。名盤『サムシン・エルス』の2ヶ月後の録音でピアノがビル・エヴァンス、私はこっちの方が好きなんです。パーソネルは、マイルス・デイヴィス(tp)、キャノンボール・アダレイ(as)、ジョン・コルトレーン(ts)、ビル・エヴァンス(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)、5のみレッド・ガーランド(p)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1958年録音。
このアルバムは日本で企画・製作され、オムニバス盤として分散していた音源を一枚にまとめたもの。ジャケット・デザインは大分と以前に亡くなって久しい池田満寿夫さんによるものですね。私このアルバムははっきりいって傑作だと思います。1年後に『カインド・オブ・ブルー』でモード手法が開花することになりますが、その前夜のまだオーソドックスで理解しやすいモダン・ジャズのエッセンスが全体を支配しています。マイルス、コルトレーン、キャノンボールというフロントは『サムシン・エルス』と同じですが、ピアノがハンク・ジョーンズからビル・エヴァンスになっていることで音楽的に深みのあるものになっているように思います。そして、マイルスのミュートが冴えわたっておりその至芸を味わうには格好の対象でしょう。
1曲目の「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」を聴けば明らかです。この演奏、ほんと素晴らしいですね。マイルスのミュートがまず圧倒的です。しょぼいテクニックしか持ち合わせていなかったマイルスがこの時期はいかにすればカッコよく鳴らせるか、聴衆に受け入れられるかをほぼ完全に体得したように思われます。コルトレーン→キャノンボール→エヴァンスと素敵なソロの連続が引き継がれてゆきます。
それに3曲目の「ステラ・バイ・スターライト」がいい。これは後のライブで頻繁に演奏されることになる曲ですが、マイルスのミュートが光っています。そして、4曲目の「ラブ・フォー・セール」は『サムシン・エルス』にも入っていた曲。なぜお蔵入りになっていたのか不思議なくらいに素晴らしく、私は断然こちらの演奏に軍配を上げたいですね。特にマイルスのミュートがイマジネーションに富んでいます。
5曲目はレッド・ガーランドとフィリー・ジョーが入った演奏でして、岡崎正通氏のライナーノーツには1958年録音としていますが、1955年と1958年の2つの説があるとのこと。この音を聴きますとこれは完全に55年当時の音だと直感します。マイルスのペットの流暢でないところやコルトレーンのテナーなどからして明らかに55年の音だと思いますね。1958というタイトルにこだわって1958年録音説のある音源を持ってきたのでしょうが、ちょっと無理があるのではと思ったりします。
1. On Green Dolphin Street (9:55)
2. Fran Dance (5:54)
3. Stella By Starlight (4:45)
4. Love For Sale (11:45)
5. Little Melonae (7:21)
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Miles Davis/ 1958 Miles
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:25
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