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ロイ・ヘインズ/アウト・オブ・ジ・アフタヌーン

JAZZ others 2

2005年04月03日

out_of_the_afternoon.jpeg Roy Haynes/ Out of the Afternoon

 今日はロイ・ヘインズのリーダー作から『アウト・オブ・ジ・アフタヌーン』です。個性際立つローラーンド・カーク、ワン・ホーンのカルテット演奏です。パーソネルは、ローランド・カーク(ts, manzello, stritch, fl)、トミー・フラナガン(p)、ヘンリー・グライムス(b)、ロイ・ヘインズ(ds)。1962年録音。Impulseレーベル。

 ロイ・ヘインズは40年代末から70年代までその卓越したセンスと技術で幅広く時代を超えて活躍した稀有なドラマーの一人です。多くのジャズ名盤に名前を連ねていまして、私にとっても、バド・パウエル、サラ・ヴォーン、ミンガス、ドルフィー、チック・コリアらの名盤でお馴染みのジャズマンなのですね。ところが、リーダー作となると驚くほか少ないのですね。私も本作と『ウィ・スリー』くらいしか知りません。

 ロイ・ヘインズのドラム・ソロが随所で披露されており、またリズムを取るにしてもリーダー作らしくドラムがよく目立っている作品に仕上がっています。とはいうものの、さすがにローランド・カークの個性豊かな演奏が前面に出ていますので、やはりカークの数少ないワン・ホーン作品として聴くことのになるのだと思います。2本のホーンを口に同時に咥えて一人ユニゾンをしたり、フルートでもジェレミー・スタイグのようにハミングを交えたりと、決して奇異や衒いではなくて音楽性の追求から必然として生じる演奏は十分に説得力のある素晴らしいものです。

 全7曲。1曲目からローランド・カ-クの不思議と調和を感じさせるユニゾンが全回でしてその耳慣れない演奏にいきなり驚かされます。また、5、6それに7での深いブルース・フィーリングを感じさせるオーソドクスな渋い演奏を聴きますと、やはりカークが十分に正統派ホーン奏者として一流レベルであることがわかります。本作はこのカークの全容を知るにはもってこいのアルバムというわけですが、もちろんリーダーのヘインズの多彩なドラム演奏がそこかしこで結構にクローズアップされています。いずれにせよ本作は高水準のモダン・ジャズを味わうことのできる大変に好ましいアルバムといえましょう。

 そして、もうひとつだけ付け加えるとすれば、トミー・フラナガンの小気味よいピアノをあげたいと思います。60年前後のフラナガンはほんと数多くのセッションに参加していまして、それがことごとくいい出来なのですね。端整でピリっとしたピアノ・ソロは常にアクセントになっていまして脇をしっかり固めるという感じがぴったりです。コルトレーンやブッカー・リトルとの共演盤など数枚のアルバムがすぐに脳裏に思い浮かびますね。

1. Moon Ray 6:42
2. Fly Me To The Moon (In Other Words) 6:40
3. Raoul 6:02
4. Snap Crackle 4:12
5. If I Should Lose You 5:50
6. Long Wharf 4:43
7. Some Other Spring 3:29

JR.comでは試聴可能です。→Roy Haynes/ Out of the Afternoon

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