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マイルス・デイヴィス/1958マイルス

JAZZ Trumpet

2005年04月01日

miles1958.jpeg Miles Davis/ 1958 Miles

 今夜はマイルス・デイヴィスの人気盤『1958マイルス』です。名盤『サムシン・エルス』の2ヶ月後の録音でピアノがビル・エヴァンス、私はこっちの方が好きなんです。パーソネルは、マイルス・デイヴィス(tp)、キャノンボール・アダレイ(as)、ジョン・コルトレーン(ts)、ビル・エヴァンス(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)、5のみレッド・ガーランド(p)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1958年録音。

 このアルバムは日本で企画・製作され、オムニバス盤として分散していた音源を一枚にまとめたもの。ジャケット・デザインは大分と以前に亡くなって久しい池田満寿夫さんによるものですね。私このアルバムははっきりいって傑作だと思います。1年後に『カインド・オブ・ブルー』でモード手法が開花することになりますが、その前夜のまだオーソドックスで理解しやすいモダン・ジャズのエッセンスが全体を支配しています。マイルス、コルトレーン、キャノンボールというフロントは『サムシン・エルス』と同じですが、ピアノがハンク・ジョーンズからビル・エヴァンスになっていることで音楽的に深みのあるものになっているように思います。そして、マイルスのミュートが冴えわたっておりその至芸を味わうには格好の対象でしょう。

 1曲目の「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」を聴けば明らかです。この演奏、ほんと素晴らしいですね。マイルスのミュートがまず圧倒的です。しょぼいテクニックしか持ち合わせていなかったマイルスがこの時期はいかにすればカッコよく鳴らせるか、聴衆に受け入れられるかをほぼ完全に体得したように思われます。コルトレーン→キャノンボール→エヴァンスと素敵なソロの連続が引き継がれてゆきます。

 それに3曲目の「ステラ・バイ・スターライト」がいい。これは後のライブで頻繁に演奏されることになる曲ですが、マイルスのミュートが光っています。そして、4曲目の「ラブ・フォー・セール」は『サムシン・エルス』にも入っていた曲。なぜお蔵入りになっていたのか不思議なくらいに素晴らしく、私は断然こちらの演奏に軍配を上げたいですね。特にマイルスのミュートがイマジネーションに富んでいます。

 5曲目はレッド・ガーランドとフィリー・ジョーが入った演奏でして、岡崎正通氏のライナーノーツには1958年録音としていますが、1955年と1958年の2つの説があるとのこと。この音を聴きますとこれは完全に55年当時の音だと直感します。マイルスのペットの流暢でないところやコルトレーンのテナーなどからして明らかに55年の音だと思いますね。1958というタイトルにこだわって1958年録音説のある音源を持ってきたのでしょうが、ちょっと無理があるのではと思ったりします。

 
1. On Green Dolphin Street (9:55)
2. Fran Dance (5:54)
3. Stella By Starlight (4:45)
4. Love For Sale (11:45)
5. Little Melonae (7:21)

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投稿者 Jazz Blogger T : 21:25 | トラックバック

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