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ヘレン・メリル/ローマのナイト・クラブで

JAZZ Vocal

2005年04月10日

musica_rome.jpeg Helen Merrill/ Parole e Musica

 今日はヘレン・メリルのイタリア録音です。原題は「詩と音楽」で著名舞台俳優のイタリア語のナレーションを間にはさみにながらヘレン・メリルがスタンダードをハスキーに歌い上げます。女性の成熟した色香が存分に発散されています。伴奏は現地のジャズマンですが、あのトランペットのニニ・ロッソが参加していたりします。何を隠そうこれは私の大切な愛聴盤です。1959&1960年録音。

 ヘレン・メリルといえばまずクリフォード・ブラウンと共演したエマーシー盤が有名ですが、私にとっては以前にこのブログでもご紹介した『ニアネス・オブ・ユー』と本作の『ローマのクラブで』の2作が甲乙つけがたい代表的名演ではないかと思われるのです。2作ともにキュートなメロディが真綿で包んだような魅惑的なハスキーで暖かいヴォーカルによってしっとりと歌われています。これらのアルバムを聞くとき子宮回帰といった女性的なるものへの飽くなき憧憬が幾分なりとも満たされる瞬間となっているのかもしれません。

 そうした原始的というか生理的な直感は別にしても、本作『ローマのクラブで』はメリルの器楽的ともいえる特徴的なヴォイスを十分すぎるほどに味わうことのできる内容です。ヘレン・メリルのファンの方や好感を持ってらっしゃる方には自信をもってお勧めすることができますね。ミディアム以下のスロー・テンポで聞きなれたスタンダード曲がメリル節で歌われます。

 全11曲ヘレン・メリルの良いところその全貌がほぼ完全に示されています。メリルの声をこれ以上ないほどに目一杯に堪能することができ、かつ素晴らしい内容とくれば、最初は多少奇異に感じられるイタリア語ナレーションもそのうち枝葉末節になってくるのですよ。間違いなくヘレン・メリルの代表作の一つです。音質も十分に上質です。メリル・ファン必携の名唱でしょう。ミディアムの8.I've Got You Under My Skinと1.Night And Dayが特にお勧め。あのYou'd be so nice~と同等以上、むしろ私はこっちの方が好きです。

 ちなみに、ニニ・ロッソといいますと、「夜空のトランペット」や水野晴男さんが解説していたTV「水曜ロードショー」の主題曲で日本ではとても有名ですね。ご興味ある方はアマゾンのこちらへどうぞ。→ ニニ・ロッソ/ ニニ・ロッソ

1. Night And Day
2. Everything Happens To Me
3. Autumn In New York
4. Why Don't You Do Right
5. You Don't Know What Love Is
6. These Foolish Things
7. April In Paris
8. I've Got You Under My Skin
9. Solitude
10. Willow Weep For Me
11. When Your Lover Has Gone

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Helen Merrill/ parole e musica

ヘレン・メリルのオフィシャル・サイトはこちら。→HelenMerrill.com

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