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ミシェル・カミロ&トマティート/スペイン

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2005年04月15日

spain.jpg Michel Camilo & Tomatito/ Spain

 今日はドミニカ共和国出身の鬼才ピアニストのミシェル・カミロと、現代スパニッシュ・フラメンコ・ギターの最高峰であるトマティートによる夢のデュオ・アルバム『スペイン』。ジャズとフラメンコの融合(フュージョン)を超絶技巧のテクニックの二人が見事な作品に仕上げています。パーソネルは、ミシェル・カミロ(p)、トマティート(g)。1999年録音。

 本作、ジャケットはきわめて安易な作りですが、中味は折り紙付きの超一級品です。思わず時を忘れて聞き惚れてしまう類のコンテンポラリー音楽。シンプルなアコースティックな響きと少し哀愁を帯びたスパニッシュの香りが実に素晴らしい。これクセになりますよ。

 ミシェル・カミロは大好きな粋なラテン系のジャズ・ピアニスト。抜群のセンスです。結構多くのアルバム、しかも渋いやつを出しています。そのうちまたいくつかをご紹介することになると思いますが。一方、フラメンコ・ギターのトマティート、実はほとんど知りません。私が知るのはこのアルバムのみです。テクニックがあっておおこれはフラメンコですぞという程度です。ちょいと古いですがパコ・デ・ルシアやアル・ディ・メオラはフュージョンとして聞いていましたが。

 ギターとピアノのデュオと言えばすぐ思い出すのがビル・エヴァンスとジム・ホールの『アンダーカレント』ですね。この組み合わせは結構に難しいかもと思います。一方がメロディを奏でるとき、一方は伴奏をするということで、この掛け合いとバランスがポイント。本作『スペイン』の両者は共にツアーを重ねてきただけあって、その呼吸がぴたりと決まっています。共に卓越したメロディストですから、一体感のある絶妙なデュオが聞けるというものです。

 全8曲。アルゼンチンのギタリスト、ルイス・サリナス作の8.Aire de Tangoと6.Para Troilo Y Salganが素晴らしい。特に8の麗しい曲調とそれを目一杯引き立たせる両者の自在の即興演奏には深い感動を覚えます。私はこの種の筋の通った美が織りなすモザイク模様のカタストロフィーに堪らなく魅力を感じます。その美音の洪水には、どうぞ好きにして、もっとむちゃくちゃにしてください状態になりますね。お勧めです。

1. Spain Intro
2. Spain
3. Besame Mucho
4. A Mi Nino Jose
5. Two Much/Love Theme
6. Para Troilo Y Salgan
7. La Vacilona
8. Aire De Tango

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