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エリック・ドルフィー/アット・ザ・ファイブ・スポットVol.2

JAZZ Sax 2

2005年06月25日

five_spot2.jpeg Eric Dolphy / At The Five Spot Vol.2

 今日はエリック・ドルフィーの『アット・ザ・ファイブ・スポットVol.2』です。今週は仕事でずっと東京方面に出張していたのですが時間に余裕があったもので、東京にある老舗のジャズ喫茶、四谷『いーぐる』と吉祥寺『メグ』を訪問してきました。今日ご紹介するドルフィーの名盤は実を言いますと学生時代京都でよく通ったジャズ喫茶「52番街」で何度も聴いた思い出のアルバムなのです。パーソネルは、ブッカー・リトル(tp)、エリック・ドルフィー(fl.bcl)、マル・ウォルドロン(p)、リチャード・デイヴィス(b)、エド・ブラックウェル(ds)。1961年7月16日、NY、Five Spotでのライブ録音。

 前回は東京都内のホテルから記事更新しましたが今週6/21(火)から24(金)までの4日間東京方面に仕事のため出張しておりました。夕方時間がありましたので、ふと思い立って東京のジャズ喫茶を訪問してみたのでした。6/22(水)はジャズ評論家としても著名な後藤雅洋氏の経営する四谷『いーぐる』に16時頃から19時くらいまでバーボンのロック一杯で頑張りました。ホーム・ページに示された簡便な地図を頼りにJR四谷駅から近いその場所はすぐに見つかりました。地下にある店内は存外に広いスペースでとても落ちついたくつろぎのある空間なのでした。入ってすぐに感じられましたことは、その立派なJBLのスピーカーから流れ出る音が存外に小さ目で騒がしくない品のよいものであるということでした。昔聞いた京都や現在も通う神戸のジャズ喫茶の音量に比べて明らかに一段小さいもので、これは関西との文化的な違いかも知れぬと翌日訪れた『メグ』での小音量の事実からも強く印象付けられたのでした。

 その日『いーぐる』で聴いたアルバムは、リー・モーガン『Vol.3』、アート・テイラー『テイラーズ・テナー』、アート・テイタム『テイタム&ベン・ウェブスター』、ビル・エヴァンス『エブリバディ・ディグス』、他にカーメン・マクレエやコルトレーン、その他アーティスト及びアルバム名を確認できない数枚というものでした。その内容にとても満足しました。また、最初少し物足りなく感じられたその音量にも慣れてくるのでした。

 ジャズ喫茶に行きますと私は大抵の場合にそうしているのですが、その際もお店にあるジャズ関係の本を読んだのでした。店主である後藤雅洋氏が書かれたものや、寺島靖国氏との対談が掲載されているものなど興味深く拝見いたしました。後藤氏のことは勿論名前は知っていましたが、あまり深くは知らず、その日いろいろ読みまして、実のところ、その真っ当な感覚にとてもとても共感を覚えるのでした。ジャズが大好き、そしてその好きなジャズをできるだけたくさん聞いてその本質に少しでも迫りたい、できれば論理的に解き明かしたい、という欲求、若輩である私が言うのも何ですがそうした基本的な姿勢に深く共鳴するものを感じたのでした。それにジャズの好みが結構一致するように思います。寺島氏との対談を読んでいますと寺島氏よりもずっとずっと親近感を覚えるのでした。その後藤さんが18時頃に店に出て来られました。お客さんとのお話がよく聞こえまして、夕方から大抵お店に出ているとのこと。そのよく通る明瞭な声が印象的です。

 というわけで、もう1軒の『メグ』のことはまた明日にでも続きとして書くことに致しまして、主題はエリック・ドルフィーでしたですね。ジャズ喫茶で一番印象に残っているアルバムが今日のアルバムということでして、20年少し前に京都で通ったお店が寺町今出川にあった『52番街』。アルテックのスピーカーとマッキントッシュのアンプ、それに店内がレンガ風の作りになった今は亡き思いで深いお店です。その店でこのアルバムを何度か聴いたことが鮮明に記憶に残っているのです。レコードのB面、ドルフィーがフルートを吹く「Like Someone In Love」を、おそらく4回とか5回くらいこの店でかかったことをよく覚えているのです。数年間毎週のように通って毎回10枚くらい聞くわけですから、重複するのは当然出てくるのですが、4回以上になるのはそうそうないですから厭でも印象に残ります。あと、グラント・グリーンのブルー・ノート盤も同様によくかかってましたね。特に『マタドール』。

 このアルバム、ブッカー・リトルのトランペットの音程が幾分外れていると思われるのですが、その妙な違和感が克明に記憶に刻まれているのです。それは例えば、ドルフィーのフルートとマル・ウォルドロンのピアノが一層美しく感じられるという効果をもたらしていることを考慮しますと、リトルは敢えていつも外しているのではないかと実は私は密かに思ったりしているのです。このアルバムに限らずリトルの音程はいつも大抵明らかに低目に外されていまして、それによりあの独特の雰囲気が醸し出されているように思われます。全2曲。

1. Aggression (17:30)
2. Like Someone in Love (19:50)


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関連過去エントリー→ エリック・ドルフィー『アット・ザ・ファイブ・スポットVol.1
             エリック・ドルフィー『ラスト・デイト
             エリック・ドルフィー『アウト・ゼア

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