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オリバー・ネルソン/ブルースの真実

JAZZ others 1

2004年12月11日

オリバー・ネルソン/ブルースの真実 Oliver Nelson / The Blues and the Abstract Truth

 こんにちは。今日はオリバー・ネルソンです。このブルースの真実は作曲・編曲者にしてサックス奏者でもあるオリバー・ネルソンがブルースを題材にして作編曲した定評あるジャズの名盤です。パーソネルは、フレディ・ハバード(tp)、エリック・ドルフィー(as,fl)、オリバー・ネルソン(as,ts)、ジョージ・バーロウ(bs)、ビル・エヴァンス(p)、ポール・チェンバース(b)、ロイ・ヘインズ(ds)。1961年ロ録音。Impulseレーベル。

 このアルバムは、ハバード、ドルフィー、エヴァンス、チェンバースといった60年台初頭の名手達を起用して、オリバー・ネルソンがブルースの斬新な解釈を示した野心作です。7人編成セプテットによる演奏ですがその重厚なアンサンブルがまず魅力的で、また各プレイヤーの卓越したソロは聞き応え十分です。また、このアルバムは音質の良いことでも知られていまして、録音はBlueNoteレーベルの有名なルディ・ヴァン・ゲルダーが担当しています。

 モダン・ジャズの作編曲といえば、50年代以降では、ギル・エヴァンスやクインシー・ジョーンズ、ジョージ・ラッセルまた、小編成ではチャールズ・ミンガスやベニー・ゴルソンらが有名です。その中でネルソンはこのブルースの真実で注目されそれ以降70年代まで活躍しました。このアルバムの魅力は、新鮮な感覚の編曲による統一感とそれと対照をなす各ソロイストの個性とが不思議な均衡の上にあることではないかと思います。

 1曲目のスタンダード曲StolenMomentsはネルソン作のマイナー・ブルースの好演。テーマを流麗なユニゾンで示してから各ソロに入ってゆくという典型的なパターンですが、ハバード、ドルフィー、ネルソン、エヴァンスが順にそれぞれ個性的なソロ、ブルース・フィーリングを感じさせるものを示します。さすがにエヴァンスは明らかに少し異質な感じがします。2曲目以降も同様に趣向の凝らされたテーマ提示と各個性的ソロというパターンです。全体にハバードもさることながらやはりドルフィーが素晴らしいです。この時期のドルフィーは絶好調。伝統的なブルースの典型的な演奏とは対極にあるような新鮮な感覚。それでいて中身はしっかりブルースなのです。

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投稿者 Jazz Blogger T : 20:04 | トラックバック

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