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ティナ・ブルックス/トゥルー・ブルー

JAZZ Sax 1

2005年03月05日

true_blue.jpeg Tina Brooks/ True Blue

 今日はティナ・ブルックスです。幻のテナー奏者と一時言われブルージーな演奏で知る人ぞ知るティナ・ブルックスの数少ないリーダー作『トゥルー・ブルー』。パーソネルは、フレディ・ハバード(tp)、ティナ・ブルックス(ts)、デューク・ジョーダン(p)、サム・ジョーンズ(b)、アート・テイラー(ds)。1960年NY録音。BlueNote4041。

 優れたセンスとテクニック、それに作曲の才を持ったティナ・ブルックスの代表作です。全盛時のブルーノートにリーダー作を作る機会を与えられるということ自体がすでに一流の証しです。これ以外にもサイドメンとしては印象に残るケニー・バレルのアルバムなど何枚かに登場していまして、本作のつい1週間前にはフレディ・ハバードの初リーダー作『オープン・セサミ』に参加し標題曲を提供したりしています。

 ハバードとブルックス、調和のとれたバランスのよい組み合わせで、デューク・ジョーダンをはじめとするバップのリズムをバックにBNらしい典型的なブルージーなハード・バップが駆け抜けてゆきます。ブルックスのテナーにはアーシーなフレージングと流麗な歌心があり、いぶし銀のような渋いものを感じさせます。アクは決して強くなく適度にクールにブレイクする演奏スタイルは当時のテナーでいいますとハンク・モブレイにブッカー・アーヴィンを少し足したような印象です。いやもっと神経が行き届いた卓越したものを感じるといえば少しほめすぎでしょうか。

 フレディ・ハバードやジョーダンも十分な演奏を繰り広げています。ハバードはこの時期絶好調のようで随所に本来のすがすがしいいい音色とテクニックの冴えを示してします。ジョーダンも持ち味のコロコロと小気味良く転がるドライブのきいたブルージーなソロがとても心地いいですね。

 全6曲。ブルックス、ハバード、ジョーダンのソロを全曲で聞くことができます。間違いなく最高の部類のハードバップそのものです。まず1曲目のブルックスのソロに耳を傾けてみればただ者でないことがすぐに判明するでしょう。憂いのある響きとメロディアスなフレージングには完全に脱帽です。3では流麗な起伏感と歌心を示していますし、自作曲の5でも高い音楽性を感じずにおれません。

 ということで大変に満足な内容ですのでその後の活躍がさぞかし期待されたろうにと思うのですが、現実はなぜか次作のリーダー作が長くお蔵入りとなっていたりと鳴かず飛ばずのまま70年台初頭に40過ぎで没することになります。とても残念なジャズマンの一人ですね。

1. Good Old Soul
2. Up Tight's Creek
3. Theme For Doris
4. True Blue
5. Miss Hazel
6. Nothing Ever Changes My Love For You
7. True Blue - (alternate take)
8. Good Old Soul - (alternate take)

JR.comでは試聴可能です。→Tina Brooks/ True Blue

詳しくはamazon.co.jpでどうぞ。→ Tina Brooks/ True Blue

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投稿者 Jazz Blogger T : 20:38 | トラックバック

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