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ウェイン・ショーター/アダムス・アップル

JAZZ Sax 1

2005年01月27日

ウェイン・ショーター/アダムス・アップル Wayne Shorter / Adam's Apple

 今日もウェイン・ショーターでいってみましょう。「アダムス・アップル」、マイルス・グループで活躍しはじめたショーターの自信を感じさせる完成度の高いワン・ホーン・アルバムです。パーソネルは、ウェイン・ショーター(ts)、ハービー・ハンコック(p)、レジー・ワークマン(b)、ジョー・チェンバース(ds)。1966年録音。BlueNote 4232。

 ウェイン・ショーターの黒魔術的な音世界には不思議と惹きつけて已まないものを感じます。それはスクリャービンが後年に神秘主義に傾倒していったように、神秘的な響きというものにはある普遍的な音楽美の一つの要素を含んでいるのではないかと私には思われます。BbやEbのブルーノートがブルース・フィーリングを感じさせるように、神秘和音と呼ばれる「倍音系列から音を選んで4度で並べる」というスクリャービン考案の和音は聞き手にある種の不安感を呼び起こしますが、その神秘和音にある美しいメロディが刻み込まれている時、その美が魔性のような輝きをもって輝き出す、そんなところがあります。

 ショーター作の曲やソロにどのような工夫が施されているのかもっと和声などの音楽理論を勉強して少しでも分析ができたらおもしろいだろうなと思います。さて、このショーター、昨日は59年の初リーダー作をとりあげましたが、本日は66年のワンホーン・アルバムです。64年にブレイキーのメッセンジャーズからマイルスのグループに移籍した時期からの数年は、ショーターの最も充実していた時期でしょう。新鮮でかつ完成度の高いアルバムを次々に世に送り出しています。64~66年の主な参加作品を下に列挙してみました。③と⑤は当サイトでご紹介済みです。

①Speak No Evil (64.12)、②ESP(65.1)、③Soothsayer(65.3)、④The All Seeing Eye (65.10)、⑤Plugged Nickel(65.12)、⑥Adam's Apple(66.2)、⑦マイルス・スマイルス(66.10)

 いずれ劣らぬ名作ぞろいです。ここでのマイルス名義のアルバムも実質的にはショーターが主導しているといえる音楽です。私は、マイルスのプラグド・ニッケルのライブ盤やESPで衝撃と感動を覚え、これら同時期のショーターの参加作品を愛聴してきました。その中で本作のアダムス・アップルは、4.Foot Printや5.Teruなどの名曲が並ぶショーター・ジャズの確立を感じさせる気品ある作品です。

 1.Adam's Appleは当時のジャズ・ロックの名品、2.502 Blues でのショーターとハンコックのソロが絶妙、そして、やはり、5.Teruのまさにショーター的世界には耽溺させられます。全体の調和を重んじるショーターらしくレジー・ワークマンやジョー・チェンバースらのサポートも随所で光っています。

1. Adam's Apple
2. 502 Blues (Drinkin' And Drivin')
3. El Gaucho
4. Footprints
5. Teru
6. Chief Crazy Horse
7. Collector, The - (CD only, bonus track)

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投稿者 Jazz Blogger T : 20:48 | トラックバック

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