メイン・ページ > 2005年08月
ミルト・ジャクソン/ミルト・ジャクソン・カルテット
JAZZ others 2
2005年08月31日
Milt Jackson / Milt Jackson Quartet
今日はミルト・ジャクソンの渋い一枚『ミルト・ジャクソン・カルテット』です。MJQのミルト・ジャクソンとは少し違ってブルージーでグルーヴィーなヴァイブです。バラッド系が中心の選曲で私はこちらの方が断然好みになります。パーソネルは、ミルト・ジャクソン(vib)、ホレス・シルバー(p)、パーシー・ヒース(b)、コニーケイ(ds)。1955年NY録音。Prestige。
ミルト・ジャクソンの味のあるヴァイブの魅力をじっくり聴くという点で本作は最も適した一枚に違いありません。それに意外なほどに妙に上品なホレス・シルバーのピアノが控えめで大変に好ましいのですね。シルバー以外の3人がMJQのメンバーであり肩身が狭いのはわかりますが、きっとミルト・ジャクソンの渋い音色とジャズ・テイストに敬意を表してその調和を重んじた、そんな印象にも感じられます。
MJQ以外にも録音の多いミルト・ジャクソンですが私は本作が最も好きであります。amazon.comのレビュー評を見ますとboring(退屈)という言葉が使われたりしていますが、欧米人の多くはこうした繊細なセンスを真っ当に評価できる耳を持たぬのだろうと私は勝手に解釈しています。確かにざっと聞き流せば刺激に乏しい凡庸な音楽に聞こえるかも知れませんが、よ~く噛み締めて聴き入りますればそこにはそうした忍耐を惜しまなかった者だけに許される桃源の世界があるように思います。
MoonrayやThe Nearness of Youなどに聞かれるグルーヴィな感触にはミルト・ジャクソン独特の美学が満ち溢れています。そのヴィブラフォンの深くて余韻のある音色がまた素敵でありますね。今もNearness of Youを聞きながら書いていますが心の底から本当に癒されますという感じですね。素敵なジャズです。それに全編にわたるホレス・シルバーの抑えたピアノが確実にジャクソンをサポートしているのが印象に残ります。シルバーのこの種のサイドワークの達者ぶりには流石に面目躍如の感を持ちます。
1. Wonder Why
2. My Funny Valentine
3. Moonray
4. Nearness of You
5. Stonewall
6. I Should Care
Milt Jackson (vib), Horace Silver (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds). Recorded in New York City; May 20,1955.
amazon.comでは試聴可能です。→Milt Jackson Quartet
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Milt Jackson Quartet
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。 → 
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 23:11
| トラックバック
I.W.ハーパー ゴールド メダル
_alcohol
2005年08月30日

今回も最近結構日頃飲んでいるお酒です。I.W.ハーパーはあっさりしていてクセのなり飲みやすいバーボンです。名前の由来は生産者のドイツ人アイザック・ウルフの頭文字とか。
【名 称】 I. W. HARPER Gold Medal
【アルコール濃度】 40%
【容 量】 700ml
【原材料】 モルト・グレーン
【種 類】 ケンタッキー・ストレート・バーボン
【価 格】 1416円(税込)
【購入店】 神戸元町Penty
【印 象】 すっきりとした飲み口とほのかな甘さ
投稿者 Jazz Blogger T : 20:47
| トラックバック
エリック・リード/クレオパトラの夢
JAZZ Piano 3
2005年08月29日
Eric Reed / Cleopatra's Dream
今日はエリック・リードのピアノ・トリオ作品『クレオパトラの夢』です。お洒落で粋なオーソドックスなトリオ演奏。私はこういうジャズ・ピアノが堪らなく大好きなのです。粒立ちのよい録音もまたよし。パーソネルは、エリック・リード(p)、ロン・カーター(b)、アル・フォスター(ds)。2003年録音。M&Iレーベル。
エリック・リードは1970年フィラデルフィア生れということですからまだ30代半ばの若さ。ブラッド・メルドーやビル・チャーラップ、ジャッキー・テラソンらと並ぶ若手の実力者の一人です。ウィントン・マルサリスのグループで頭角を現していまや引っ張りだこの売れっ子ピアニストですね。ロン・カーターとアル・フォスターという大御所とトリオを組んで全く引けを取らない成熟したピアノを奏して素晴らしいピアノ・トリオ作品となっています。
なんといいましても繊細で小回りのきく右手のタッチセンスが素晴らしい。それに止めどなく湧き出てくる歌心。そのソロには否が応でも引き込まれて行きまして、1コーラス目から2コーラス、さらに3コーラスと進むにつれて深みと味のあるメロディックなソロの魅力がいっそう深まってゆくのですね。その粋なセンスと圧倒的なテクニック、それに豊かな歌い回しには類稀な音楽性が感じられます。
2曲目、4曲目、6曲目、9曲目、11曲目などのバラッド系での落ち着きのある解釈と後半に聞かれる展開部分のジャズ・テイストにはすこぶる愉快な気分にさせてもらえます。ロン・カーターのベースとアル・フォスターのドラムも中庸を心得ていまして、この3者の絶妙のバランスもまたgoodです。やっぱりピアノ・トリオはこうでなくっちゃという感涙の思いです。ここ数日ずっとiPodで毎朝夕通勤時に聞き込んでいるのですが、思わず足や手が勝手にリズムを取っている自分に気が付いて周りの目を気にしています。
1. Django
2. Teddy's Tune
3. Tea For Two
4. Lush Life
5. Effendi
6. Waltz For Debby
7. 'Round Midnight
8. Scandal
9. I Love You, Porgy
10. Cleopatra's Dream
11. Prelude To A Kiss
12. The Sorcerer
Eric Reed (p), Ron Carter (b), Al Foster (ds). Recorded at NYC in 2003. M&I, MYCJ-30211.
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Eric Reed / Cleopatra's Dream
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→ 
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 09:36
| トラックバック
フィル・ウッズ/ウォーム・ウッズ
JAZZ Sax 2
2005年08月28日
Phil Woods / Warm Woods
今日はフィル・ウッズの50年代の傑作『ウォーム・ウッズ』です。パーカー直系のテクニックとフレージングに抜けのよい明朗な音色でハード・バップを代表するアルト奏者。まさに安心して聞けるジャズです。パーソネルは、フィル・ウッズ(as)、ボブ・コーウィン(p)、ソニー・ダラス(b)、ニック・スタビュラス(ds)。1957年録音。
フィル・ウッズのアルトは同じ白人のアート・ペッパー、ポール・デスモンド、リー・コニッツらよりは、むしろソニー・スティットやソニー・クリスらの黒人のアルトに近いものを感じます。それはパーカー直系のフレージングによるのかもしれません。特に50年代のウッズは音色に柔らかな憂いがある上、あまり黒っぽいクセもなく取り付きのよい正統派アルトといえましょう。
本作はPrestige『ウッドロア』(1955)と並んでウッズ初期の代表作です。明るい西海岸の太陽を思い起こさせるようなとても爽快なワンホーン・アルバムに仕上がっています。スタイルこそ違いますが、やはりテクニックと歌心のあるズート・シムスのテナーに聞かれる潔さと同類の心地よさを感じますね。とにかく一点の曇りもなく明るく前向きに歌い上げます。その志と技量にはただ感服する思いです。
全8曲。いい感じです。自然と気持ちが華やかになってきますね。圧倒的なテクがあり歌があり、余裕を感じさせる見事な吹奏です。ハードドライビングに高い側に吹き切られた音はちょっと付いてゆけないかもしれませんが、中音域の人間的な木質の響きには妙に惹かれるものを感じます。
1. In Your Own Sweet Way
2. Easy Living
3. I Love You
4. Squire's Parlor
5. Wait Till You See Her
6. Waltz For A Lovely Wife
7. Like Someone In Love
8. Gunga Din
Phil Woods (as), Bob Corwin (p), Sonny Dallas (b), Nick Stabulas (ds). Rec Date: Sep.11, Oct.18, Nov.8,1957.
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Phil Woods / Warm Woods
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→ 
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 21:24
| トラックバック
ケニー・バレル/アット・ザ・ファイブ・スポット
JAZZ Guitar 1
2005年08月27日
Kenny Burrell / At The Five Spot Cafe
今日はケニー・バレルのライブ盤『アット・ザ・ファイブ・スポット・カフェ』です。バレル、ブルックス、ティモンズといういぶし銀の強者達による、ハード・バップのライブ演奏の醍醐味を直かに伝える渋い一枚です。パーソネルは、ティナ・ブルックス(ts)、ケニー・バレル(g)、ボビー・ティモンズ、ローランド・ハナ(p)、ベン・タッカー(b)、アート・ブレイキー(ds)。1959年NY録音。BlueNote4021。
ケニー・バレルのシングル・トーンのギターが冴え渡っています。ブルース系の曲でのグルーヴ感という格別の味わいのあるバレル。そのバレルがライブ演奏で静かに燃えています。私は個人的にこの種のライブが大好きなのです。素の力量が自ずと明らかになるだけでなく、自由な即興にはスタジオとは異なる予想外のスリルが満ちているからです。
ファイヴ・スポットはニューヨークのグリニリッジ・ビレッジにある有名なジャズ・クラブ。セロニアス・モンクやエリック・ドルフィーらのライブ盤がすぐに思い浮かびますね。こじんまりした雰囲気の中で白熱した演奏が繰り広げられるという好印象があります。耳の肥えた客がじっと固唾を呑んで静かに見守っているそんなイメージです。まばらな拍手がこうしたジャズにはよく似合いますよね。
全5曲。CDの種類によってはボーナストラック3曲。聞きどころは、まずラバーマンでのケニー・バレルのアーシーなシングルトーンのギターワークです。これはほんと素晴らしい。胸にぐっと来るものがあります。それにその後のボビー・ティモンズが負けずにグルーヴィーなソロをとっていまして、これがまた堪らない体臭を放っています。バレルとティモンズ、これはなかなかよい組み合わせではありませんか。
それにバレル自身のよく通る声による紹介で始まるディジー・ガレスピー作の1曲目バークス・ワークス。これがまた渋い演奏です。テーマ自体がもうバレルの世界にぴったりの黒いブルースの上、バレル→ブルックス→ティモンズへと連なるソロの流れはハードバップの真髄のような素敵な演奏です。ティナ・ブルクスの例の憂いのあるセクシーなテナーが私の心を揺さぶってくれます。
1. Birk's Works
2. Lady Be Good
3. Lover Man
4. Swingin' - (bonus track)
5. Hallelujah
6. Beef Stew Blues - (bonus track)
7. If You Could See Me Now - (bonus track)
8. 36-23-36
Kenny Burrell (guitar); Tina Brooks (tenor saxophone); Bobby Timmons, Roland Hanna (piano); Ben Tucker (bass); Art Blakey (drums). Recorded live at the Five Spot Cafe, New York, New York on August 25, 1959.
JR.comでは試聴可能です。→At The Five Spot Cafe
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Kenny Burrell / At The Five Spot Cafe
関連エントリーはこちら。
→ケニー・バレル『ミッドナイト・ブルー』
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→ 
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 23:12
| トラックバック
リー・モーガン/ザ・サイドワインダー
JAZZ Trumpet
2005年08月26日
Lee Morgan / The Sidewinder
今日はリー・モーガンの大ヒットアルバム『ザ・サイドワインダー』です。サイドワインダーは米の人気TVに登場していた怪物の名前から取られたとのこと。ジャズ・ロック調の軽快なリズムと魅力的なメロディでまさに怪物のような売上ヒット・アルバムとなりました。パーソネルは、リー・モーガン(tp)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、バリー・ハリス(p)、ボブ・クランショウ(b)、ビリー・ヒギンス(ds)。1963年録音。BlueNote4157。
リー・モーガン(1938~1972)のトランペットは華麗なテクニックと艶やかなトーン、それにスタイリストとしてのカッコよいイメージで、デビュー以来早熟の天才肌で言わばハード・バップの申し子のような存在。その彼が60年代に入ってファンキー・ジャズの先端に位置するジャズ・ロック調の派手なジャズに突き進むのは至極当然のようにも見えるのでした。
58~61年のジャズ・メッセンジャーズ在籍時がやはり旬であったと思われるのですが、61年の来日直後に病気療養のため故郷のフィラデルフィアに戻ること2年、本アルバムを63年にリリースするやモーガン起死回生の一打となったばかりかブルーノート創立以来の大ヒット・アルバムという輝かしい記録を打ち立てることになるのでした。1曲目のモーガン作「ザ・サイドワインダー」は調子のよいロック・ビートに乗った親しみやすく、誰しも一度耳にしたら忘れられない魅力を持った印象深い曲です。
実のところ本作品は私にとって長い間少し距離を置いてきたアルバムです。超有名作品ということでとりあえず聞いておこうということで昔々に購入したのですが、あまりに大衆受けしやすくて安易で分かりやすい点に何かしら胡散臭いものを感じてきたのでした。ただ近頃は、ジョー・ヘンダーソンやバリー・ハリスのことを深く知るにつれて妙にその細部からじわりじわりと魅力が増してきているように思えます。特にこの時期のジョー・ヘンダーソンの斬新なテナーは一聴に値するものといえましょう。
1. The Sidewinder
2. Totem Pole
3. Gary's Notebook
4. Boy, What A Night
5. Hocus-Pocus
6. Totem Pole - (alternate take, bonus track)
Lee Morgan (trumpet); Joe Henderson (tenor saxophone); Barry Harris (piano); Bob Cranshaw (bass); Billy Higgins (drums). Recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey on December 21, 1963. Includes liner notes by Leonard Feather.
JR.comでは試聴可能です。→ The Sidewinder
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Lee Morgan / The Sidewinder
関連エントリーはこちら。
→リー・モーガン『キャンディ』(1957)
→リー・モーガン『リー・モーガンVol.3』(1957)
→リー・モーガン『ヒアズ・リー・モーガン』(1960)
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→ 
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 21:19
| トラックバック
ハンプトン・ホーズ/フォア・リアル
JAZZ others 2
2005年08月24日
Hampton Hawes / For Real !
今日はハンプトン・ホーズの『フォア・リアル』です。テナーを加えたカルテット演奏。数年後にあのビル・エヴァンス・トリオでの演奏で名を馳せることになるスコット・ラファロも参加。パーソネルは、ハロルド・ランド(ts)、ハンプトン・ホーズ(p)、スコット・ラファロ(b)、フランク・バトラー(ds)。1958年LA録音。Contemporary Records。
ハンプトン・ホーズは私のお好みのピアニストの一人です。フニクリフニクラと独特のリズムを刻んで繰り出されてくる音の連なりは躍動的でよくスイングする言わばジャズ・テイストに溢れたものです。ワン・パターンのところもなくはないですがブルース系の曲で聞かれる絶妙の間合いやタイミングの心地よさには堪らない魅力があるのですね。
本作はハロルド・ランドの多弁気味のテナーが参加して、音と音の間(ま)を活用するホーズのピアノとよき対照をなしています。従来のホーズの得意とするピアノ・トリオ演奏とは少し趣きが異なって知的な輝きを感じさせる内容といえるでしょう。それに名ベース奏者のスコット・ラファロが彩りを添えており、味わいのあるクールなジャズに仕上がっていると思います。
レナード・フェザーによるライナーノーツにはアンドレ・プレヴィンの言葉が引用されています。「ハンプトン・ホーズは決してその影響力について十分に理解されてこなかった。多くのピアニストはホレス・シルヴァーから影響を受けたというが、そのうちの半分は実のところハンプトン・ホースに負うているのである。ホーズはシルヴァーよりテクニックがあり、そのフィーリングに裏付けられたテクニックが多くのピアニストのスタイルを形作っているのである。」
全6曲。いずれもいい調子です。2曲目のWrap Your Troubles In Dreams でのグルーヴ感は他ではそうそう聞けるものではありますまい。
1. Hip
2. Wrap Your Troubles In Dreams
3. Crazeology (Little Bennie)
4. Numbers Game
5. For Real
6. I Love You
Hampton Hawes (piano); Harold Land (saxophone); Scott LaFaro (bass); Frank Butler (drums). Recorded at Contemporary Records, Los Angeles, California on March 17, 1958. Originally released on Contemporary (7589). Includes liner notes by Leonard Feather.
JR.comでは試聴も可能です。→ For Real !
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Hampton Hawes / For Real !
関連エントリーはこちら。
→ハンプトン・ホース『ザ・トリオVol.1』
→ハンプトン・ホース『ザ・トリオVol.2』
→ハンプトン・ホース『オールナイト・セッションVol.1』
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→ 
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 23:13
| トラックバック
ビル・パーキンス&ジョン・ルイス/グランド・エンカウンター
JAZZ others 2
2005年08月23日
Bill Perkins & John Lewis / Grand Encounter
今日は『グランド・エンカウンター』と題されたモダン・ジャズの名盤をご紹介いたしましょう。イースト・コーストから2名、ウェスト・コーストから3名のジャズメンが邂逅して生れた極めて上品な口当たりのよい作品。パーソネルは、ビル・パーキンス(ts)、ジョン・ルイス(p)、ジム・ホール(g)、パーシー・ヒース(b)、チコ・ハミルトン(ds)。1956年LA録音。Pacific Jazz。
この5名のうちでイーストの2名と言いますと、MJQのジョン・ルイスとパーシー・ヒースですね。東西ジャズメンの融合によって生れた名作といわれますが、私にはその音調はどうも西海岸風の乾いた音が優っているように聞こえます。いわばあっさり味で品のある西がこってりしたアクの強い東に事も無げに肩透かしか何かを食らわして危なげなく勝利しているようにしか見えないのですね。
ジョン・ルイスらMJQ組が本来的に優雅で知的な東海岸らしからぬ個性を持っていますので、製作サイドから見ると目論見通りの予期された融合ということだったのかもしれません。ビル・パーキンスとジム・ホールが典型的な西の音ですしね。まあ、ソニー・ロリンズ『ウェイ・アウト・ウェスト』やアート・ペッパー『ミーツ・ザ・リズム・セクション』らの同様な主旨の作品ではもっとその対比がおもしろい結果になっていると思うのですけれどね。
いずれにしましても、本作はその題名から予想されるものがどうあれその内容は非常に調和の取れた閑静な佇まいと高貴で香り高い品格を感じさせるという秀逸なジャズ音楽に仕上がっています。ジョン・ルイスの資質がビル・パーキンスやジム・ホールらの個性を引き立てることに見事に成功したという印象になります。全6曲。落ち着きと寛ぎのある味わい深いジャズです。特にジム・ホールをフィーチャーした5曲目スカイラークが渋くて好きです。
1. LOVE ME OR LEAVE ME
2. I CAN'T GET STARTED
3. EASY LIVING
4. 2 DEGRESS EAST-3 DEGRESS WEST
5. SKYLARK
6. ALMOST LIKE BEING IN LOVE
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Bill Perkins & John Lewis / Grand Encounter
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→ 
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 23:15
| トラックバック
キャノンボール・アダレイ/イン・サンフランシスコ
JAZZ Sax 2
2005年08月21日
Cannonball Adderley / In San Francisco
今日はキャノンボール・アダレイの人気盤『イン・サンフランシスコ』です。ファンキーで最高にノリのよい実に素晴らしいライブ演奏。パーソネルは、キャノンボール・アダレイ(as)、ナット・アダレイ(cor)、ボビー・ティモンズ(p)、サム・ジョーンズ(b)、ルイス・ヘイズ(ds)。1959年サンフランシスコ録音。Riverside Records。
キャノンボール・アダレイの特徴ある声のアナウンスで始まるライブ録音。アルト・サックス同様に結構におしゃべりだったのかもと思わせる多弁ぶりです。You know what I mean? というキャノンボールの口癖が何度も聞こえてきておもしろいですね。ビル・エヴァンスとの名共演盤の題名にもなったあの"Know what I mean?"です。
キャノンボール・アダレイのアルト・サックスは安心して耳を傾けることができますね。完全にコントロールされたアルトですからね。駄作がないと言ってよいほどの名アルト吹きだと思われます。テクニック、歌心、リズム感、音色、何をとっても欠点らしきものが見当たらず、チャーリー・パーカー以後のハード・バッパーの中でも屈指のアルト奏者に違いありません。
私にとってのキャノボール・アダレイはもう好きとか嫌いとかの些末な私心を超越した偉大なるアルト職人というところです。本作でもその最高水準のアルトが相変わらずの鋭い切れ味を示しています。もう、キャノン様にかかれば、モードだろうがファンキーだろうがボサノヴァだろうが何でもござれといった按配です。さらに、本作では息の合ったコルネット奏者の弟ナット・アダレイを従えて自他共に完全にキャノンボールがリーダーであり、またライブ演奏ということもあってか、キャノンボールの奔放で自由な吹奏を十分に堪能することができます。
ボビー・ティモンズの参加と最初の1曲目がティモンズ作のThis Hereだったりして、確かにファンキー調が際立ってはいます。ただこれは当時のハード・バップのライブ・ジャムセッションとしては総じてこんなものだったに違いないと思えるのです。全6曲。うち5曲が10分前後の長尺演奏です。その時間を全く感じさせないノリに乗った快演です。典型的なハード・バップの醍醐味とスリルを見事に伝える好演と言えるでしょう。それにナットもボビーも申し分のない出来であることを付け加えておかねばなりません。
1. This Here (12:27)
2. Spontaneous Combustion (11:52)
3. Hi-Fly (11:07)
4. You Got It! (5:04)
5. Bohemia After Dark (Birdland After Dark) (8:03)
6. Straight, No Chaser - (bonus track) (11:43)
Cannonball Adderley (alto saxophone); Nat Adderley (cornet); Bobby Timmons (piano); Sam Jones (bass); Louis Hayes (drums). Recorded live at The Jazz Workshop, San Francisco, California on October 18 & 20, 1959.
詳しくは試聴もできるアマゾンでどうぞ。→ In San Francisco
キャノンボール・アダレイ関連の過去エントリー
→ キャノンボール・アダレイ『ノウ・ホワット・アイ・ミーン』(1961)
→ キャノンボール・アダレイ『イン・シカゴ』(1959)
→ キャノンボール・アダレイ『サムシン・エルス』(1958)
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→人気ブログランキング
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 21:25
| トラックバック
フォア・ローゼズ
_alcohol
2005年08月20日

今日は割とポピュラーな『フォア・ローゼズ』というバーボンを買って来ました。夕食を待ちきれずにこの昼下がりにんまりと味見をしているところなのです。
【名 称】 FOUR ROSES
【アルコール濃度】 40%
【容 量】 700ml
【原材料】 モルト・グレーン
【種 類】 ケンタッキー・ストレート・バーボン
【価 格】 1207円(税込)
【購入店】 神戸元町Penty
【印 象】 ほのかな芳香と甘い口あたり
6月に東京に出張した機会にジャズ喫茶の四谷「いーぐる」に初めて寄った際にバーボンのシングル・ロックを注文したのですが、確かその銘柄がこのFour Rosesであったように記憶しています。思い込みというのがありますので大間違いかもしれませんが。今日いつも行く酒屋さんで10種以上ある値段的にお手ごろなバーボンの候補の中でどれにするか決めかねている最中にふとそのことを思い出したのでした。
1~2週間という短いながらもしばらくの間座右に置いて苦楽を共にするのですから、いつもながらおごそかに慎重に決断することになります。本来慎重なA型気質の上に若干優柔不断な性格も併せ持ちますので容易なことではありませんが、以前に何度か購入して満足したという安心感があって、それは結局のところ新たな探究心を凌駕することになるのでした。
その味わいは熟成が浅いせいか少しハードな野性味を感じさせますが、その芳香と甘めの風味は忘れがたい印象を残してくれます。例によって赤みがかった薄い茶色。その品格からしてバーボンのスタンダードと言ってよいかもしれません。この種の少しクセのあるタイプを私はこよなく愛でることになるのでしょう。BGMには日向敏文『アイシス』。洗練されたピアノの響きに天上音楽の極上の美を感じつつ、3杯目を飲んで晩夏休日の夕を気分よく過ごしております。
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 20:49
| トラックバック
アート・ペッパー/ジ・アート・ペッパー・カルテット
JAZZ Sax 2
2005年08月18日
Art Pepper /The Art Pepper Quartet
今日はアート・ペッパーの名作『ジ・アート・ペッパー・カルテット』です。名演「ベサメ・ムーチョ」をはじめとして憂いと艶のあるアート・ペッパーのアルトが連綿と冴え渡ります。パーソネルは、アート・ペッパー(as)、ラス・フリーマン(P)、ベン・タッカー(b)、ゲイリー・フロマー(ds)。1956年ハリウッド録音。Tampa Records。
やはりアート・ペッパーの56年後半の録音はいいですね。奇跡の半年と言えましょう。ペッパー生涯の名作がこの時期に集中しています。下にそれらを列記してみました。本作は④に相当します。すでに他に3作についてエントリー済みです。
①The Return of Art Pepper (Jazz West) 1956.8. →「リターン・オブ・アート・ペッパー」
②Marty Paich Quartet Featuaring Art Pepper (Tampa) 1956.8~9.
③Playboys/Chet Baker & Art pepper 1956.10.
④Art Pepper Quartet (Tampa) 1956.11.
⑤Modern Art (Intro) 1956.12~57.1. →「モダン・アート」
⑥Art Pepper Meets the Rythm Section (Contemporary) 1957.1. →「アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション」
ブルースやラテン系のリズムでのペッパーの特徴あるアルトの響きは何とも魅力的なものですね。湿っぽい泣きの入った音、人情の機微を示すような繊細な表情に富む音なのです。そのマイナー調の芳しい音の連なりが自在かつ巧みに操られて次から次に繰り出されてくるのです。ペッパーのアルトを聴くこと、それはまさに最高の快楽の一つと言ってよいくらいに至福の時に思われます。
少し誉め過ぎかもしれませんが、実際、ペッパーを聞きながら時にその種の感激を味わう瞬間がままあることは紛れもなく事実です。日本の演歌の懐かしい風情を洋楽に移してカッコよくしたような印象とでも言いましょうか。心に響くものを感じるのですね。収録は全7曲。プラス別テイク5曲。いずれも絶好調のペッパーです。得意のミディアム・テンポのブルースが主体です。3曲目の妻のことを曲にした美しい曲調のDianeや6曲目の渋めのブルースBlues At Twilight などに聞かれる麗しい演奏は忘れがたいものがあります。
1. Art's Opus
2. I Surrender, Dear
3. Diane
4. Pepper Pot
5. Besame Mucho
6. Blues At Twilight
7. Val's Pal
8. Pepper Pot - (alternate take)
9. Blues At Twilight - (alternate take)
10. Val's Pal - (alternate take)
11. Val's Pal - (alternate take)
12. Val's Pal - (alternate take)
Art Pepper (alto saxophone); Russ Freeman (piano); Ben Tucker (bass); Gary Frommer (drums). Recorded in Hollywood, California on November 25, 1956.
JR.comでは試聴可能です。→Art Pepper /The Art Pepper Quartet
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Art Pepper /The Art Pepper Quartet
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→人気ブログランキング
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 21:30
| トラックバック
ウェイン・ショーター/ネイティブ・ダンサー
JAZZ Sax 2
2005年08月15日
Wayne Shorter / Native Dancer
今日はウェイン・ショーター70年代の人気盤『ネイティブ・ダンサー』を聞いています。ミルトン・ナシメントを迎えたブラジル色の濃い心地よいクロス・オーバー音楽。ショーターの宙に拡散するソプラノと高い音楽性が豊穣で優しい空間を醸し出しています。パーソネルは、ウェイン・ショーター(ss,ts)、ミルトン・ナシメント(g,vo)、ハービー・ハンコック(p)、アイア-ト・モレイラ(ds)他。1974年LA録音。Capitol Records。
ウェイン・ショーターの音楽は私のお好みの一つです。ジャズ・メッセンジャーズ、マイルス・デイヴィス・クインテット、ウェザー・リポートとデビュー以後ジャズ界最前線で常に活躍をしてきました。近年もライブ活動を行い、そのベスト・アルバムが2枚ほど立て続けに素晴らしい内容で話題を呼んでいますね。
私の中では60年代までのショーターがやはり一番で、正直なところウェザー・リポートらの70年代以降の音楽には少し距離を感じてきました。そう言いつつ少しずつでも、わがショーターへの理解を深めるべく探索活動は続けておるというわけでして、本作はつい最近の成果の一つと言えるものです。本来的にブラジル音楽への嗜好が強い私にとりましては極めて取り付きのよいwelcomeな内容なのですね。
ナシメントの歌声によってボサノヴァ独特のけだるい雰囲気が流れているところへ、ショーターの広がりのあるおおらかなサックスが響きます。これはリゾート音楽ですね。モダン・ジャズとはかなり遠い世界。ショーターの間口の広い音楽性がすべてを包容してくれるようです。
全9曲。一番のお勧めは8曲目Lilia。その先鋭的なリズムがおもしろいですね。感性の確かさを感じさせられます。ショーターのソプラノも素晴らしい。それに3曲目のTarde。こちらは心地よいブラジル音楽です。ナシメントのボーカルに絡みつくショーターのテナーがエロティックな空間を形作ります。それに4曲目Miracle of the Fishesでのショーターらしいアブストラクトなサックスのインプロヴィゼーションが素晴らしいっす。あと9曲目Joanna's Themeではハービー・ハンコックの美しいアコースティック・ピアノとショーターの透明なソプラノのランデブーが聞かれます。映画「狼よさらば」のためにハンコックが作った曲。
1.Ponta de Areia
2.Beauty and the Beast
3.Tarde
4.Miracle of the Fishes
5.Diana
6.From the Lonely Afternoons
7.Ana Maria
8.Lilia
9.Joanna's Theme
Wayne Shorter (soprano & tenor saxophones); Milton Nascimento (vocals); Herbie Hancock, Airto Moreira, Dave McDaniel, Roberto Silva, Wagner Tiso, Jay Graydon, Dave Amaro. Recorded at Village Recorders, Los Angeles, California on September 12, 1974.
JR.comでは試聴可能です。→Native Dancer
アマゾンでも試聴可能です。→Native Dancer
ウェイン・ショーター関連の過去エントリー
→ ウェイン・ショーター『アダムス・アップル』(1966)
→ ウェイン・ショーター『預言者』(1965)
→ ウェイン・ショーター『イントロデューシング』(1959)
→ マイルス・デイヴィス『プラグド・ニッケルのマイルス・デイヴィス』(1965)
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→人気ブログランキング
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 21:27
| トラックバック
キース・ジャレット/生と死の幻想
JAZZ others 2
2005年08月14日
Keith Jarett/Death and The Flower
今日はキース・ジャレットのアルバム『生と死の幻想』をご紹介しましょう。近年はトリオによるスタンダード演奏が主体ですが、デビュー間もない頃はサックスを加えたカルテット演奏も重要な位置にあったようです。パーソネルは、デューイ・レッドマン(ts)、キース・ジャレット(p)、チャーリー・ヘイデン(b)、ポール・モチアン(ds)、ギレルミ・フランコ(perc)。1974年NY録音。Impulse Records。
恥ずかしながら私はキース・ジャレットのことあまり詳しくありません。ケルン・コンサートはじめ話題になったアルバムが70年代より多数ありましたが何となく濃いかなってずっと敬遠してきました。多少食わず嫌いなところもありますが。本作の『生と死の幻想』は学生時代から長く聞いてきた例外的なアルバムです。テナーが入って分かりやすいモダン・ジャズとして聞くことができるからです。
私の若い頃はラジオやジャズ喫茶などの限られた情報源しかなく、さらに本や雑誌、それに自分のそれまでの収集したレコードなど、そうした情報を最大限に生かしながら主に中古レコード購入によって新しい分野を開拓してゆくのでした。現在のネット上のオンラインストアやリアルのCDショップでの試聴ができる現在の状況は本当にありがたいと感じます。
当り外れを経験しながら自分の好みが少しずつ明確になってくるということもありますが、おおよそ定評のあるものを購入するよう心がけますので最初はよくないと判断して放っておいたものが何年か後にああいいじゃないかということも数多く経験しました。耳が確実に変化してゆくのですね。ですから、敬愛するジャズ評論家後藤雅洋氏も書物の中で同様の主旨のことを述べていらっしゃると思いますが、取り合えずあまりこだわりを持たずに定評あるアルバムを50枚とか100枚くらいの単位でとにかく広く浅く聞いてみるというのがジャズに入り込む最初の方法論としてはよいのかなと思います。
さて本作ですが豊かな叙情とジャズ・フィーリングがあって悪くない内容だと思います。全3曲。特に表題曲後半の盛上りがgoodです。露骨なセンチメンタルな表現だけですと重過ぎるのですけれど、適度の緊張と粘りがあって、何より美しい構築物のようなジャズに仕上がっています。土の香りのするエロティシズムが感じられ、そして、プラトー期を経てオーガズムに達するというキース・ジャレットの得意?のパターンが繰り広げられています。キース・ジャレットの演奏には総じて長いものが多くこれは多分に満足なオーガズムが得られるまでとにかくやり通すというそんな印象を持ちますが、こんなことを書けばジャレット・ファンからブーイングが出るに違いありません(笑)。
参考のために、ジャケットに記されたキース・ジャレットの言葉を下に引用しておきましょう。
ぼくらは誕生と死の間で生きている。あるいは、そうなのだと都合よく自分に納得させている。しかし、実は、ぼくらは自分たちの生のあらゆる永遠の瞬間に、生まれつつあると同時に死につつもあるのだ。したがって、ぼくらは花のようであることにもっと努めなければならない。というのは、それは毎日のように自らの誕生と死を経験しているからだ。(清水俊彦 訳)
1. Death And The Flower
2. Prayer
3. Great Bird
KeithJarrett(p, ss, perc), Dewey Redman(ts, perc), Charlie Haden(b), Paul Motian(ds), Guilherme Franco(perc).
amazon.comでは試聴可能です。→Keith Jarett/Death and The flower
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Keith Jarett/Death and The Flower
関連エントリーはこちら。
→キース・ジャレット『』
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→人気ブログランキング
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 23:16
| トラックバック
ソニー・クラーク/ソニー・クラーク・トリオ
JAZZ Piano 3
JAZZ Piano 3
2005年08月13日
Sonny Clark / Sonny Clark Trio
今日はソニー・クラークのピアノ・トリオの名盤『ソニー・クラーク・トリオ』です。こちらはTime盤で、同名のBlueNote盤と甲乙付け難い高水準の内容です。本作はすべてクラークの自作曲という意欲作でもあり、ブルージーな本領を発揮したクラークの代表作と言って過言ではないでしょう。パーソネルは、ソニー・クラーク(p)、ジョージ・デュヴィヴィエ(b)、マックス・ローチ(ds)。1960年録音。Time.
BlueNote盤に比べてこちらTime盤の方は自作曲で固めているということもあってか幾分斬新な雰囲気が感じられます。ただ内容的にはブルースを主体としたものですのでソニー・クラークの特徴が存分に引き出されています。クラーク好みには安心して身を委ねられる堪らないアルバムですね。
本作のクラークの自作曲はいずれも魅力のあるものです。2曲目Nica、5曲目Blues Blue、6曲目Junka、7曲目My Conception、8曲目Soniaなど素敵な主題メロディを持つ曲です。演奏自体についても、レコードのB面に当る5~8曲目が実に素晴らしいと思います。ミディアム・ブルースBlues Blueでの渋いピアノ・フレージングこそクラークの本質を明示しているものです。堪らないものがあります。明るい雰囲気のJunkaでの流麗に転がるクラークのピアノには実に心地よいジャズの醍醐味が凝集されているようであります。
ピアノ・ソロの7曲目My Conceptionに耳を傾けますとそのパウエルを感じさせる極めてピアニステイックな演奏に改めて感心させられます。高い音楽性を有していることが明らかです。続く8曲目Soniaでは対照的にリズミカルに弾みつつグルーヴィーを漂わせる実に素晴らしいピアノ快演を聞くことができます。この5~8の4曲は実に密度の濃い内容となっています。まさにソニー・クラークの本領が全開しているといえるのではないでしょうか。
1. Minor Meeting
2. Nica
3. Sonnys Crip
4. Blues Mambo
5. Blues Blue
6. Junka
7. My Conception
8. Sonia
9. Nica [Alternate Take]
10. Blues Blue [Alternate Take]
11. Junka [Alternate Take]
12. Sonia [Alternate Take]
Sonny Clark (p), George Duvivier (b), Max Roach (ds). 1960/3/23
amazon.comでは試聴可能です。→Sonny Clark Trio
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Sonny Clark / Sonny Clark Trio
関連エントリーはこちら。
→ソニー・クラーク『ソニー・クラーク・トリオ』(BN盤)
→ソニー・クラーク『ソニー・クラーク・クインテッツ』
→ソニー・クラーク『ソニーズ・クリブ』
→ソニー・クラーク『ダイアル・S・フォー・ソニー』
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→人気ブログランキング
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 09:37
| トラックバック
エロール・ガーナー/ミスティ
JAZZ Piano 3
2005年08月12日
Erroll Garner / Plays Misty
今日はエロール・ガーナーの名作『ミスティ』です。スタンダード曲の中でももっともポピュラーな名曲の一つ「ミスティ」の作曲者はガーナーであり、本作がその記念すべき自作初演です。パーソネルは、エロール・ガーナー(p)、ワイアット・ルーサー(b)、ユージン・ファッツハード(ds)。1954年シカゴ録音。Mercury.
エロール・ガーナー(1921~1977)のピアノは私のお気に入りです。少しカクテル風でエンターテイメント色の濃いスタイルなのですが、ジャズの楽しさを存分に教えてくれるという点ではモダン・ジャズ・ピアニストの中でも最右翼だと思うのですね。本作『ミスティ』と翌年録音のライブ盤『コンサート・バイ・ザ・シー』の2枚はジャズ・ピアノ・ファンには外せないガーナーの代表的な名アルバムです。
エロール・ガーナーの演奏には独特の芳香があります。左利きのためか左手による強烈なビートと、ビハインド・ザ・ビートと呼ばれる一瞬遅れて出てくる右手のメロディ、この両手のコンビネーションから紡ぎ出される音の連なりにはジャズ・フィーリングが満ちあふれているのです。楽譜を読めなかったといった風評もありますが、独学で芸を身に着けたいわゆるピアノ職人であり、確かに理論面が弱かったのかもしれません。
大変個性的なスタイルですのですぐにエロール・ガーナーと分かるのですね。ツボに嵌ると極上の魅力的なジャズ世界がかもし出されます。収録曲は全10曲。どれも落ち着きのあるいい塩梅のジャズ・ピアノです。ミディアム・テンポ曲でのリズム感、スロー曲でのくつろぎ感、といったところは相当に高いレベルに違いありません。お気に入りは、6曲目Againや8曲目Through a Long and Sleepless Nightなどでのしっとりとした情緒、それに2曲目Exactly Like Youでの得意のビート感覚など。最高です。勿論1曲目も。
1. MISTY
2. EXACTLY LIKE YOU
3. YOU ARE MY SUNSHINE
4. WHAT IS THIS THING CALLED LOVE
5. FRANTENALITY
6. AGAIN
7. WHERE OR WHEN
8. LOVE IN BLOOM
9. THROUGH A LONG AND SLEEPLESS NIGHT
10. THAT OLD FEELING
Erroll Garner (p) Wyatt Ruther (b) Eugene "Fats" Heard (d) Candido (cga -4)
Universal Recording Studios, Chicago, IL, July 27, 1954
amazon.comでは海外盤の試聴が可能です。→Erroll Garner / Plays Misty
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Erroll Garner / Plays Misty
関連エントリーはこちら。→エロール・ガーナー『コンサート・バイ・ザ・シー』
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→人気ブログランキング
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 09:38
| トラックバック
マイルス・デイヴィス/チュチュ
JAZZ Trumpet
2005年08月10日
Miles Davis/Tutu
今日はマイルス・デイヴィスの『チュチュ』に耳を傾けています。マーカス・ミラーがフェンダー・ベースとともに主役のような作品ですが実にカッコいい音楽なのですね。あまり好んで聞く機会は少ないのですが、たまに勢いで聞いていますね。パーソネルは、マイルス・デイヴィス(tp)、マーカス・ミラー(b)、他。1986年録音。
サンプリング音の人口的な響きがちょっと耳につきますが、センスがいいという感じはよくわかります。1曲目の表題曲などは実にイカした音楽だと思います。マイルス・デイヴィスがCBSを離れてワーナーに移籍した第1弾のアルバム。御歳60才という年齢を全く感じさせない若々しい音です。
ジャケットのマイルス自身のアップの写真が強烈な印象です。人種差別の激しい南アフリカ共和国の反アパルトヘイト運動の旗手の名をアルバム名にしたとのことです。そうしたコンセプトがジャケットに反映されているのでしょう。実にインパクトのあるジャケットですね。
80年代初頭に6年ほどのブランクを経て復帰したマイルスがCBSに吹き込んだ『ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン』や『ウィ・ウォント・マイルス』とはまたかなり異なった世界です。マーカス・ミラーのフェンダーが活躍するところは同じですが、シンセサイザーを駆使した本作はずっと時代感覚の先へ行こうとする意欲を感じさせるものと言えるでしょう。実を言うとエンターテイメントとしてはCBSの作品の方に私はずっと魅力を感じます。エレクトリックとは言え生の楽器に込められた生命感がダイレクトに伝わってくるからです。
そうした思惑とは別に本作は結構に高い評価を得ているようで、私としましてはまだまだ理解が低いのかもしれないと感じるのですね。60年代後半の『ビッチェズ・ブリュー』以降のマイルスで積極的に楽しめるのが先のCBSの2作くらいというところでして、50年代60年代の古きメインストリームジャズをベースにした頑固な耳しか持たないというのがどうも現状なのだろうと思っています。
1. Tutu
2. Tomaas
3. Portia
4. Splatch
5. Backyard Ritual
6. Perfect Way
7. Don't Lose Your Mind
8. Full Nelson
Miles Davis (trumpet); Marcus Miller (various instruments, bass, programming); George Duke (various instruments); Michael Urbaniak (electric violin); Adam Holzman (synthesizer, programming); Bernard Wright (synthesizer); Omar Hakim (drums, percussion); Steve Reid, Paulinho Da Costa (percussion); Jason Miles (programming).
JR.comでは試聴可能です。→Miles Davis/Tutu
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Miles Davis/Tutu
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→人気ブログランキング
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 21:20
| トラックバック
ペギー・リー/ブラック・コーヒー
JAZZ Vocal
2005年08月09日
Peggy Lee/Black Coffee
今日はペギー・リーの傑作『ブラック・コーヒー』です。大変有名な作品ですね。ペギー・リーといえば映画女優やポピュラー・シンガーとしての方がよく知られているのかもしれませんが、本作はどちらかといえばジャズ色の濃い、大人の色香を感じさせる魅力的な作品です。パーソネルは、ペギー・リー(vo)、ピート・カンドリ(tp)、ルー・レヴィ(p)、他。1953年、1956年録音。Decca.
軽いハスキー・ヴォイスと余裕のある歌い回しで快適なジャズ・フィーリングが分かりやすいポップな内容になっています。スタンダード曲が品よく料理されていますのでジャズ初心者にもすぐに馴染めるものと言えるでしょう。
と言いつつもよく耳を澄まして聴きますと深いものがあるようにも思います。3曲目Easy Living、9曲目When The World Was Youngや11曲目You're My Thrill でのしみじみとした味のある歌声にはペギー・リーの独特の持ち味が出ていたりするのですね。一番のお好みは12曲目の There's A Small Hotelなのですけれどね。その子守唄を思い起こさせるような暖かい雰囲気がいいのですね。後半の少しアップテンポになったところの味わいなどは忘れがたいものがあります。
それに、2曲目I've Got You Under My Skinでの力の抜き加減さや10曲目Love Me or Leave Me などでのアニタ・オデイを少し品よくしたような奔放で明るい印象がとてもいい感じですね。いずれもよくこなれていて本当にいい具合だと思うのですね。本作は、結婚、出産、離婚を経た30才台半ばのペギー・リーが女盛りのピークの歌唱を示した聴くほどに味のあるお勧めの一枚です。
1. Black Coffee
2. I've Got You Under My Skin
3. Easy Living
4. My Heart Belongs To Daddy
5. It Ain't Necessarily So
6. Gee, Baby, Ain't I Good To You?
7. A Woman Alone With The Blues
8. I Didn't Know What Time It Was
9. When The World Was Young, (Ah, The Apple Trees)
10. Love Me or Leave Me
11. You're My Thrill
12. There's A Small Hotel
Peggy Lee (vocals); Bill Pitman (guitar); Stella Castellucci (harp); Pete Candoli (trumpet); Jimmy Rowles, Lou Levy (piano); Larry Bunker (vibraphone, drums, percussion); Max Wayne, Buddy Clark (double bass); Ed Shaughnessy (drums). Recording : New York City, NY (1953); Los Angeles, CA (1956).
iTunes Music Store では試聴可能です。→
ペギー・リー/ブラック・コーヒー
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Peggy Lee/Black Coffee
ブログランキングに参加中です。→人気ブログランキング
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 23:35
| トラックバック
ヘンリー・マッケンナ
_alcohol
2005年08月08日

今週は『ヘンリー・マッケンナ』というバーボンを飲んでます。前回ご紹介したワイルド・ターキーはなかなかいい具合でして先週一気になくなってしまいました。
【名 称】 HENRY McKENNA
【アルコール濃度】 40%
【容 量】 750ml
【原材料】 モルト・グレーン
【種 類】 ケンタッキー・ストレート・バーボン
【価 格】 1764円(税込)
【購入店】 神戸元町Penty
【印 象】 口当たりがよくまろやかであまりクセがない
液体の色が少し赤っぽいうす茶色なのです。こういうやつはおおよそよくこなれた味がするはずなのです。いろいろ試した結果の経験的な感なのですがほぼ間違えることはありません。樽熟成が最低でも8年くらいでないと若くて刺激が強すぎるのです。角がとれて適度に世間ずれしたいい塩梅ってやつです。今回はじめて買ったものですが決して悪くないです。また近いうちにリピートすることになると思います。
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 20:50
| トラックバック
アン・バートン/バラード・アンド・バートン
JAZZ Vocal
2005年08月07日
Ann Burton/Ballads and Burton
今日はアン・バートンの名作『バラード・アンド・バートン』です。前作『ブルー・バートン』(1967)と同じピアノ・トリオにクールなサックスを加えたカルテットをバックにバラードをデリケートに歌います。パーソネルは、アン・バートン(vo)、ルイス・ヴァン・ダイク(p)、ジャック・スコルス(b)、ジョン・エンゲルス(ds)、ルディ・ブリンク(ts)。1969年録音。
このブログもそろそろスタートして1年になろうかというところです。よくこれまで続いたものだと我ながら感心しています。記事を毎日のように更新すること自体は日課として慣れてきますとそれほどの負担ではありません。やはり好きなことというのが大きいのでしょうね。それと訪問してきてくれる人がいつも確実にいるということがとても励みになっているのだと思います。
ただ一つだけ不満があるとすれば、それは大好きなアルバムを自由に聞く時間が減っているということです。例えば今日のアン・バートンの作品なども実はほんとに久しぶりなのです。どうしてもその日のブログにエントリーするものを繰り返し聞くことになりますのでね。じっくりとお気に入り作品を聴く時間が残念ながら正直いって少なくなっているというのが現状です。
アン・バートンの歌にじっくり耳を傾けますとジャズを聴くことによってもたらされる典型的な至福感を感じ取ることができます。決して滅茶苦茶うまい歌というのでもなく、むしろ素人っぽく聞こえるほどなのですが、ジャズ・フィーリングとセンスに洗練された味わいがあること、それに、ルイス・ヴァン・ダイクのピアノが実に美しい音色とツボを押えたサポートをしていることが成功の要因と思われます。
本作『バラード・アンド・バートン』と前作『ブルー・バートン』の2枚が共にジャズ・ヴォーカルの大人気盤です。本作ではテナーが参加しており少しマイルドな彩りを添えています。こういうジャズを深夜一人でお酒でも飲みながらゆっくり聴くってのは大人の楽しみってやつですね。たまに自由気ままに音楽の深みに自から嵌るというのもいいものです。
1. A Lovely Way to Spend An Evening 2:23
2. Try A Little Tenderness 5:25
3. Bang Bang 3:14
4. Someone to Watch Over Me 7:09
5. The Shadow of Your Smile 5:08
6. It Never Entered My Mind 5:21
7. That Ole Devil Called Love 2:26
8. Here's That Rainy Day 5:29
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Ann Burton/Ballads and Burton
関連エントリーはこちら。→アン・バートン『ブルー・バートン』
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→人気ブログランキング
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 23:36
| トラックバック
ホレス・パーラン/アス・スリー
JAZZ Piano 3
2005年08月06日
Horace Parlan/Us Three
今日はホレス・パーランの代表作『アス・スリー』を聞きましょう。ホレス・パーランは50年代後半にチャーリー・ミンガスのグループで活躍した後、BNにリーダー作を残し現在なお活動を続ける個性的なピアニスト。パーソネルは、ホレス・パーラン(p)、ジョージ・タッカー(b)、アル・ヘアウッド(ds)。1960年録音。BlueNote4037.
BlueNoteのピアノ作品といえば私の場合まずこの作品が思い浮かびます。それほど印象的で内容の濃いアルバムだという認識です。バド・パウエル、ホレス・シルバー、ソニー・クラーク、スリー・サウンズ、デューク・ピアソン等々、パウエルは別格にしても名作は少数ながら確かにありますが、BNらしいということを考慮したときこのホレス・パーランの本作が筆頭に躍り出てくるのです。
BNらしさと言いますと少し偏見に陥ることになりかねないのです。それを承知の上で私的に一歩踏み込んでみますと、ブルースを限りなくブルージーに、かつ黒っぽくスイングしつつ、骨太いサウンドでもって奏でる、といった感じ。我ながら大雑把なくくり方ですが。
ここでのホレス・パーランのピアノ自体その特徴を十分に持っていますが、本作のそうした価値付けに貢献しているのがジョージ・タッカーのベースと言えるでしょう。清く正しく美しく、ではなくて、黒く太く逞しく、ってやつです。身体の深奥にまでズンズンと響き渡ります。快感です。これぞBNの屋台骨というやつですね。ジャズ・テイストのオーラが発散されています。
全7曲。ブルージーな曲とキュートな愛らしいメロディの曲とが交差しています。前者は言わずもがなですが、後者においてもやはり黒い雰囲気がそこはかとなく漂っています。1曲目の強烈な個性、2曲目の独特の美、3曲目の寛ぎ、4曲目のこってりブルース、5曲目の優しいリズム感、などをじっくり繰り返し聴きますとそこにはホレス・パーランがジョージ・タッカーとともに共同して醸し出す美学といった少し重いものが感じられるのです。
1. Us Three
2. I Want to Be Loved
3. Come Rain or Come Shine
4. Wadin'
5. Lady Is a Tramp
6. Walkin'
7. Return Engagement
Horace Parlan(p), George Tucker(b), Al Harewood(ds). 1960.4.20.
amazon.comでは試聴可能です。→Horace Parlan/Us Three
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Horace Parlan/Us Three
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→人気ブログランキング
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 09:39
| トラックバック
チャールズ・ミンガス/ミンガス・アー・アム
JAZZ others 2
2005年08月05日
Charles Mingus/Mingus Ah Um
今日はチャーリー・ミンガスの代表作の一つ『ミンガス・アー・アム』を聞いています。本作はクセのある個性的なメンバーを束ねながらミンガス・サウンドの個性が際立つという、いつもながらのミンガス一流の音楽性が直に感じられるアルバムなのです。パーソネルは、チャールズ・ミンガス(b)、ジョン・ハンディ(as)、シャフィ・ハディ(ts)、ブッカー・アーヴィン(ts)、ジミー・ネッパー、ウィリー・デニス(tb)、ホレス・パーラン(p)、ダニー・リッチモンド(ds)。1959年NY録音。
チャーリー・ミンガスは自身のジャズ・ワークショップを組織したり、独自色の濃い作品を数多く残したりと、通常のベース奏者に納まらないクリエイティブな音楽家です。小グループで色彩感のある分厚いサウンドを響かせ、ソロイストの個性を生かした深いジャズ・テイストを撒き散らし、さらにはユーモアや風刺精神を持った音楽を通じて社会性のあるプロパガンダを展開するといった、何というか人間的なエネルギーに満ちた特異なミュージシャンなのですね。
ミンガスの音楽に聞かれるスモール・エリントンといったコンボとしての調和感と実力のある若手らにより示される真摯なインプロヴィゼーションとがこの時期のミンガス作品を真に価値あるものにしています。私にとってはそうした純粋に音楽的な魅力がすなわちミンガス音楽の素敵な部分であって、本作のように音楽から少し遊離した社会的な主張が前面に押し出されているところには正直あまり関心がないのです。
とは言うものの、例えば、7曲目の「フォーバス知事の寓話」などその典型的な風刺的な音楽に耳を傾けてみますとその楽想の面白さと豊かさにそうしたことも忘れてしまうのですね。それに、亡くなったレスター・ヤングのことを題材にした2曲目「グッパイ・ポーク・パイ・ハット」でフィーチャーされるシャフィ・ハディのテナーや、映画『アメリカの夜』の主題歌の4曲目「三色の自画像」でのブルーなサウンドといったところには流石に素晴らしいミンガス的美学と呼べるものが確かにしっかりと存在しているのです。
1. Better Git It In Your Soul
2. Goodbye Pork-Pie Hat
3. Boogie Stop Shuffle
4. Self-Portrait In Three Colors
5. Open Letter To Duke
6. Bird Calls
7. Fables Of Faubus
8. Pussy Cat Dues
9. Jelly Roll
10. Pedal Point Blues - (bonus track)
11. GG Train - (bonus track)
12. Girl Of My Dreams - (bonus track)
Charles Mingus (piano, bass); John Handy (alto & tenor saxophones, clarinet); Shafi Hadi (alto & tenor saxophones); Booker Ervin (tenor saxophone); Jimmy Knepper, Willie Dennis (trombone); Horace Parlan (piano); Dannie Richmond (drums). Producer: Teo Macero. Recorded at 30th Street Studio, New York, New York on May 5 & 12, 1959.
JR.comでは試聴可能です。→Charles Mingus/Mingus Ah Um
詳しくはアマゾンでどうぞ。→Charles Mingus/Mingus Ah Um
関連エントリーはこちら。
→チャールズ・ミンガス『直立猿人』
→チャールズ・ミンガス『メキシコの想い出』
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→人気ブログランキング
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 23:17
| トラックバック
iTunes Music Store
_others
昨日8/4より iTunes Music Store が日本でもオープンしましたね。本国の米国より約2年遅れでのスタートです。MP3音源ダウンロードサイトとしては世界最大規模ですから、まだ楽曲数は少ないようですが今後に期待しています。1曲当りの価格は150円とか200円、アルバム単位で1500円~というところです。ちなみに米国では1曲99¢~です。

購入にはクレジットカード利用が便利ですが、それが困る人はアマゾンでも買えるiTMS用のプリペイドカードが出ていますでのそちらを利用するとよいでしょう。
→ Apple iTunes Music プリペイドカード 5,000円 [MA164J/A]
→ Apple iTunes Music プリペイドカード 2,500円 [MA163J/A]
基本となるソフトの iTunes 自体は無料でダウンロードできますし、ウィンドウズ・メディア・プレイヤー(WMP)やリアル・プレイヤーなどの音楽再生ソフトの一つに過ぎませんので、iPodを持たぬともPC上で音楽をダウンロードして楽しむこともできると思います。iTunes無料ダウンロードはこちら。
投稿者 Jazz Blogger T : 20:58
| トラックバック
チック・コリア/ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス
JAZZ Piano 3
2005年08月04日
Chick Corea/Now He Sings, Now He Sobs
今日はチック・コリアの初期ピアノ・トリオの傑作『ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス』に耳を傾けています。その流麗なタッチと硬質な音、それに斬新な音世界には新鮮な感動があります。パーソネルは、チック・コリア(p)、ミロスラフ・ヴィトウス(b)、ロイ・ヘインズ(ds)。1968年NY録音。Solid State.
デビュー間もない頃のチック・コリア(1941~)のピアノには才能がほとばしり出るような凄みが感じられるのですね。その後の活動内容からして、この時点ですでにスタイルを完成させていた天才型のピアニストなのでしょう。この種の天才型ピアニストは早熟であり若年時に自己の独自のスタイルを確立してしまい、その後の成長は微小で大きく変わることがないというのが特徴です。
本作は1曲目と2曲目、すなわちレコードA面は少々前衛的でとっつきにくいですが、3曲目と4曲目はとてもわかりやすくて、コリアのピアノ演奏の特徴をよく掴むことができます。曲調も得意のスパニッシュ系の魅力的なものです。チック・コリアのピアノが全編に渡って響き渡ります。最高の速弾きテクニックで固めのカチっとした音が川の流れように自然な方向へと気持ちよく下ってゆきます。
ミロスラフ・ヴィトウズのこれまた最高技能のベースが自在に動き回って、ピアノとの見事なコラボレーションが築かれています。このコリアとヴィトウスの相互作用はそれまでのバップ系ピアノ・トリオには聞かれなかった新しい音世界を示しています。ビル・エヴァンスとは明らかに異なる世界であり、当時のフリー・ジャズのような無秩序な音楽とは異質の美しい調和のある世界です。
バップ系のピアノとは全く違う斬新なピアニズム、そしてリズムとの先鋭的で高度なやりとり、本作のこれらコリアの特徴には高い音楽性と芸術性を感じずにはおれません。日本盤ではレコードと同じく5曲収録ですが、外国盤ではボーナス・トラックが8曲も入って合計13曲収録とお得です。下記の海外サイトで試聴可能です。
1. Steps - (with What Was)
2. Matrix
3. Now He Sings, Now He Sobs
4. Now He Beats The Drum, Now He Stops
5. The Law Of Falling And Catching Up
Chick Corea (piano); Miroslav Vitous (bass); Roy Haynes (drums). Recorded at A&R Recording Studios, New York, New York on March 14, 19 and 27, 1968.
JR.comでは試聴可能です。→Chick Corea/Now He Sings, Now He Sobs
amazon.comでも試聴可能です。→Chick Corea/Now He Sings, Now He Sobs
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Chick Corea/Now He Sings, Now He Sobs
ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→人気ブログランキング
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 09:41
| トラックバック
iPod mini 4GB を購入しました
_others
2005年08月02日
Apple iPod mini 4GB
iPod miniを購入してしまいました。4月にshuffleを買ったばかり(過去エントリー iPod shuffleがついに届きました)ではありますが、思うところあって上位機種のminiを一作日の日曜日にアマゾンで発注をかけたのでした。本日お昼に届いていまして現在一通りその設定や使用感、そして音質などを確認しているところです。そして、ほぼ満足なものであることに一安心しているのでした。
音質的にはどうなんでしょうか。微妙にminiの方がクリアに聞こえるのですね。先入観というやつでしょうか。ジャズを代表して、ビル・エヴァンス『ニュー・ジャズ・コンセプション』から大好きなEasy Livingを、そして、クラシックを代表して、マルタ・アルゲリッチの『ハイドン・ピアノ協奏曲ニ長調』から大好きな第二楽章を、それぞれminiとshuffleに入れまして聞き比べをしているところです。
基本的にiPodの音は元気があって中域が張り出す感じで、まあ好感の持てる音ではあります。miniとshuffleは同様な音色で一聴するところ大差ないように思われます。ただ、ビル・エヴァンスでもそれほど顕著な差はないように見えますが、微妙にベースやピアノの音でminiの場合にクリアな質感があるように思いますね。余裕があるというのでしょうか。shuffleで幾分か荒い感じがしないでもないというところです。
クラシックの弦楽器やピアノの音になりますとその違いが少し開くように思われます。繊細さや奥行き感というところではminiで圧倒的によいですね。shuffleでは中音域が目立ち高低音ともに分解能が劣ってモワ~としたあいまいな感じが出てしまいます。miniで聴くアルゲリッチのピアノの音が素晴らしいですね。特に高音のピアノ音質がとてもクリアです。これはもうshuffleに戻れないのではないかというほどの差です。
どうも高い音、低い音ともにminiの方がクリアで分解能がよいように聞こえます。ジャズのように中音域が主体の音楽ではそれほど感じない差も、クラシックでの繊細な弦やピアノの音色では顕著な差となって現れるように思われます。やはりminiの方が微妙な差異ながらよい音であると私は感じたのでした。これまでshuffleで聞いてきたクラシック音楽をすべてminiで聞き直してみたいという衝動に駆られます。きっと心地よい音に違いないと内心うれしくなってくるのですね。
それと、画面があるというのはやはりいろいろメリットもあるだろうと思います。その使い方には最初少々とまどいますが、慣れてきますとものすごくいい感じなのです。音量の調節などは円の部分を右回りか左回りになぞることで、各々大か小をスムースに変化させることができるようになっています。これなどはとても愉快な気分になってくるのですね。昔AppleのPCを使って感じた快適感があって、Apple製品は基本的にいつも人間にとてもやさしく設計されているのだなと実感するのですね。
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 20:59
| トラックバック
ワイルド・ターキー・8年
_alcohol
2005年08月01日

今日から日々嗜んでいるお酒について防備録を兼ねて記録してゆこうと思います。第一弾の本日はケンタッキー・ストレート・バーボンの『ワイルド・ターキー・8年』です。
【名 称】 WILD TURKEY Aged 8 Years
【アルコール濃度】 50.5%
【容 量】 700ml
【原材料】 グレーン・モルト
【種 類】 ケンタッキー・ストレート・バーボン
【価 格】 2048円(税込)
【購入店】 神戸元町Penty
【印 象】 品がよくマイルドで飲みやすい
近頃はバーボンに嵌っています。おおよそ1週間か長くても2週間に1本のペースです。毎日ロックで2~3杯程度を楽しんでいます。夕食時はビールです。以前は大瓶ビール1本でしたが、最近は発泡酒500ml 1本にしています。発泡酒の銘柄は、淡麗→ドラフトワン→のどこし生、と変遷していました。バーボンなど濃い目のお酒は食後から夜にかけてPCに向いながらちびりちびりとやります。音楽を聞きながらのときもありますし、このブログを書くときもあります。
バーボンの種類はたくさんありまして、この1年くらいでさまざまなものを飲んできました。以前にこのブログでも少しその辺のことを書いたことがあります(→ビル・エヴァンス『シェリーズマンホールのビル・エヴァンス』)。ほのかな芳香と少し甘い口当たりのバーボンはジャズのように渋めの音楽を聞きながら楽しむのにはもってこいのお酒だと思いますね。上等なお酒は皆似てくるといいますが、あまり高価なやつは旨すぎてついつい飲みすぎて身体に悪いだろうという思いがあって、私が日頃購入するものはだいたい1000円台半ばくらい価格のものになります。まだまだ模索中というところでしょうが、銘柄によっていくつかお気に入りと言ってよいものもあります。
これから当ブログにて購入したお酒のことをしっかり記録してゆこうということです。旨いお酒について忘れないように記録しておくということです。全く個人的な目論見からの発想ですね。
≪ 続きを隠す
投稿者 Jazz Blogger T : 20:53
| トラックバック