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ホレス・パーラン/アス・スリー

JAZZ Piano 3

2005年08月06日

us_three.jpeg Horace Parlan/Us Three

 今日はホレス・パーランの代表作『アス・スリー』を聞きましょう。ホレス・パーランは50年代後半にチャーリー・ミンガスのグループで活躍した後、BNにリーダー作を残し現在なお活動を続ける個性的なピアニスト。パーソネルは、ホレス・パーラン(p)、ジョージ・タッカー(b)、アル・ヘアウッド(ds)。1960年録音。BlueNote4037.

 BlueNoteのピアノ作品といえば私の場合まずこの作品が思い浮かびます。それほど印象的で内容の濃いアルバムだという認識です。バド・パウエル、ホレス・シルバー、ソニー・クラーク、スリー・サウンズ、デューク・ピアソン等々、パウエルは別格にしても名作は少数ながら確かにありますが、BNらしいということを考慮したときこのホレス・パーランの本作が筆頭に躍り出てくるのです。

 BNらしさと言いますと少し偏見に陥ることになりかねないのです。それを承知の上で私的に一歩踏み込んでみますと、ブルースを限りなくブルージーに、かつ黒っぽくスイングしつつ、骨太いサウンドでもって奏でる、といった感じ。我ながら大雑把なくくり方ですが。

 ここでのホレス・パーランのピアノ自体その特徴を十分に持っていますが、本作のそうした価値付けに貢献しているのがジョージ・タッカーのベースと言えるでしょう。清く正しく美しく、ではなくて、黒く太く逞しく、ってやつです。身体の深奥にまでズンズンと響き渡ります。快感です。これぞBNの屋台骨というやつですね。ジャズ・テイストのオーラが発散されています。

 全7曲。ブルージーな曲とキュートな愛らしいメロディの曲とが交差しています。前者は言わずもがなですが、後者においてもやはり黒い雰囲気がそこはかとなく漂っています。1曲目の強烈な個性、2曲目の独特の美、3曲目の寛ぎ、4曲目のこってりブルース、5曲目の優しいリズム感、などをじっくり繰り返し聴きますとそこにはホレス・パーランがジョージ・タッカーとともに共同して醸し出す美学といった少し重いものが感じられるのです。

1. Us Three
2. I Want to Be Loved
3. Come Rain or Come Shine
4. Wadin'
5. Lady Is a Tramp
6. Walkin'
7. Return Engagement

Horace Parlan(p), George Tucker(b), Al Harewood(ds). 1960.4.20.

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