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ウェイン・ショーター/ネイティブ・ダンサー

JAZZ Sax 2

2005年08月15日

native_dancer.jpeg Wayne Shorter / Native Dancer

 今日はウェイン・ショーター70年代の人気盤『ネイティブ・ダンサー』を聞いています。ミルトン・ナシメントを迎えたブラジル色の濃い心地よいクロス・オーバー音楽。ショーターの宙に拡散するソプラノと高い音楽性が豊穣で優しい空間を醸し出しています。パーソネルは、ウェイン・ショーター(ss,ts)、ミルトン・ナシメント(g,vo)、ハービー・ハンコック(p)、アイア-ト・モレイラ(ds)他。1974年LA録音。Capitol Records。

 ウェイン・ショーターの音楽は私のお好みの一つです。ジャズ・メッセンジャーズ、マイルス・デイヴィス・クインテット、ウェザー・リポートとデビュー以後ジャズ界最前線で常に活躍をしてきました。近年もライブ活動を行い、そのベスト・アルバムが2枚ほど立て続けに素晴らしい内容で話題を呼んでいますね。

 私の中では60年代までのショーターがやはり一番で、正直なところウェザー・リポートらの70年代以降の音楽には少し距離を感じてきました。そう言いつつ少しずつでも、わがショーターへの理解を深めるべく探索活動は続けておるというわけでして、本作はつい最近の成果の一つと言えるものです。本来的にブラジル音楽への嗜好が強い私にとりましては極めて取り付きのよいwelcomeな内容なのですね。

 ナシメントの歌声によってボサノヴァ独特のけだるい雰囲気が流れているところへ、ショーターの広がりのあるおおらかなサックスが響きます。これはリゾート音楽ですね。モダン・ジャズとはかなり遠い世界。ショーターの間口の広い音楽性がすべてを包容してくれるようです。

 全9曲。一番のお勧めは8曲目Lilia。その先鋭的なリズムがおもしろいですね。感性の確かさを感じさせられます。ショーターのソプラノも素晴らしい。それに3曲目のTarde。こちらは心地よいブラジル音楽です。ナシメントのボーカルに絡みつくショーターのテナーがエロティックな空間を形作ります。それに4曲目Miracle of the Fishesでのショーターらしいアブストラクトなサックスのインプロヴィゼーションが素晴らしいっす。あと9曲目Joanna's Themeではハービー・ハンコックの美しいアコースティック・ピアノとショーターの透明なソプラノのランデブーが聞かれます。映画「狼よさらば」のためにハンコックが作った曲。

1.Ponta de Areia
2.Beauty and the Beast
3.Tarde
4.Miracle of the Fishes
5.Diana
6.From the Lonely Afternoons
7.Ana Maria
8.Lilia
9.Joanna's Theme

Wayne Shorter (soprano & tenor saxophones); Milton Nascimento (vocals); Herbie Hancock, Airto Moreira, Dave McDaniel, Roberto Silva, Wagner Tiso, Jay Graydon, Dave Amaro. Recorded at Village Recorders, Los Angeles, California on September 12, 1974.

JR.comでは試聴可能です。→Native Dancer

アマゾンでも試聴可能です。→Native Dancer

ウェイン・ショーター関連の過去エントリー
  → ウェイン・ショーター『アダムス・アップル』(1966)
  → ウェイン・ショーター『預言者』(1965)
  → ウェイン・ショーター『イントロデューシング』(1959)
  → マイルス・デイヴィス『プラグド・ニッケルのマイルス・デイヴィス』(1965)

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投稿者 Jazz Blogger T : 21:27 | トラックバック

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