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マイルス・デイヴィス/チュチュ

JAZZ Trumpet

2005年08月10日

tutu.jpeg Miles Davis/Tutu

 今日はマイルス・デイヴィスの『チュチュ』に耳を傾けています。マーカス・ミラーがフェンダー・ベースとともに主役のような作品ですが実にカッコいい音楽なのですね。あまり好んで聞く機会は少ないのですが、たまに勢いで聞いていますね。パーソネルは、マイルス・デイヴィス(tp)、マーカス・ミラー(b)、他。1986年録音。

 サンプリング音の人口的な響きがちょっと耳につきますが、センスがいいという感じはよくわかります。1曲目の表題曲などは実にイカした音楽だと思います。マイルス・デイヴィスがCBSを離れてワーナーに移籍した第1弾のアルバム。御歳60才という年齢を全く感じさせない若々しい音です。

 ジャケットのマイルス自身のアップの写真が強烈な印象です。人種差別の激しい南アフリカ共和国の反アパルトヘイト運動の旗手の名をアルバム名にしたとのことです。そうしたコンセプトがジャケットに反映されているのでしょう。実にインパクトのあるジャケットですね。

 80年代初頭に6年ほどのブランクを経て復帰したマイルスがCBSに吹き込んだ『ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン』や『ウィ・ウォント・マイルス』とはまたかなり異なった世界です。マーカス・ミラーのフェンダーが活躍するところは同じですが、シンセサイザーを駆使した本作はずっと時代感覚の先へ行こうとする意欲を感じさせるものと言えるでしょう。実を言うとエンターテイメントとしてはCBSの作品の方に私はずっと魅力を感じます。エレクトリックとは言え生の楽器に込められた生命感がダイレクトに伝わってくるからです。

 そうした思惑とは別に本作は結構に高い評価を得ているようで、私としましてはまだまだ理解が低いのかもしれないと感じるのですね。60年代後半の『ビッチェズ・ブリュー』以降のマイルスで積極的に楽しめるのが先のCBSの2作くらいというところでして、50年代60年代の古きメインストリームジャズをベースにした頑固な耳しか持たないというのがどうも現状なのだろうと思っています。

1. Tutu
2. Tomaas
3. Portia
4. Splatch
5. Backyard Ritual
6. Perfect Way
7. Don't Lose Your Mind
8. Full Nelson

Miles Davis (trumpet); Marcus Miller (various instruments, bass, programming); George Duke (various instruments); Michael Urbaniak (electric violin); Adam Holzman (synthesizer, programming); Bernard Wright (synthesizer); Omar Hakim (drums, percussion); Steve Reid, Paulinho Da Costa (percussion); Jason Miles (programming).

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