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チック・コリア/ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス

JAZZ Piano 3

2005年08月04日

now_he_sings.jpeg Chick Corea/Now He Sings, Now He Sobs

 今日はチック・コリアの初期ピアノ・トリオの傑作『ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス』に耳を傾けています。その流麗なタッチと硬質な音、それに斬新な音世界には新鮮な感動があります。パーソネルは、チック・コリア(p)、ミロスラフ・ヴィトウス(b)、ロイ・ヘインズ(ds)。1968年NY録音。Solid State.

 デビュー間もない頃のチック・コリア(1941~)のピアノには才能がほとばしり出るような凄みが感じられるのですね。その後の活動内容からして、この時点ですでにスタイルを完成させていた天才型のピアニストなのでしょう。この種の天才型ピアニストは早熟であり若年時に自己の独自のスタイルを確立してしまい、その後の成長は微小で大きく変わることがないというのが特徴です。

 本作は1曲目と2曲目、すなわちレコードA面は少々前衛的でとっつきにくいですが、3曲目と4曲目はとてもわかりやすくて、コリアのピアノ演奏の特徴をよく掴むことができます。曲調も得意のスパニッシュ系の魅力的なものです。チック・コリアのピアノが全編に渡って響き渡ります。最高の速弾きテクニックで固めのカチっとした音が川の流れように自然な方向へと気持ちよく下ってゆきます。

 ミロスラフ・ヴィトウズのこれまた最高技能のベースが自在に動き回って、ピアノとの見事なコラボレーションが築かれています。このコリアとヴィトウスの相互作用はそれまでのバップ系ピアノ・トリオには聞かれなかった新しい音世界を示しています。ビル・エヴァンスとは明らかに異なる世界であり、当時のフリー・ジャズのような無秩序な音楽とは異質の美しい調和のある世界です。

 バップ系のピアノとは全く違う斬新なピアニズム、そしてリズムとの先鋭的で高度なやりとり、本作のこれらコリアの特徴には高い音楽性と芸術性を感じずにはおれません。日本盤ではレコードと同じく5曲収録ですが、外国盤ではボーナス・トラックが8曲も入って合計13曲収録とお得です。下記の海外サイトで試聴可能です。

1. Steps - (with What Was)
2. Matrix
3. Now He Sings, Now He Sobs
4. Now He Beats The Drum, Now He Stops
5. The Law Of Falling And Catching Up

Chick Corea (piano); Miroslav Vitous (bass); Roy Haynes (drums). Recorded at A&R Recording Studios, New York, New York on March 14, 19 and 27, 1968.

JR.comでは試聴可能です。→Chick Corea/Now He Sings, Now He Sobs
amazon.comでも試聴可能です。→Chick Corea/Now He Sings, Now He Sobs

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Chick Corea/Now He Sings, Now He Sobs

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