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リー・モーガン/リー・モーガンVol.3
JAZZ Trumpet
2005年06月28日
Lee Morgan / Lee Morgan Vol.3
今日はリー・モーガン『Vol.3』ですね。先日四谷『いーぐる』でじっくり聞いてやはりこりゃ堪らないよなという思いでエントリーします。思い起こせば私がジャズの魅力に開眼したのは20才の頃、アート・ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズ在籍時のリー・モーガンのトランペットによる「I Remenber Clifford」や「Whisper Not」でのキュートでリリカルなソロを好ましいと感じたことがきっかけでした。モーガンはその意味でジャズ初恋というイメージに重なります。パーソネルは、リー・モ-ガン(tp)、ジジ・グライス(as)、ベニー・ゴルソン(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、チャーリー・パーシップ(ds)。1957.3.24.NY録音。BlueNote1557。
一流のジャズを良きジャズ喫茶のしっかりした音響設備&空間でしかも「よし聞くぞ」と気合を入れて聴くことになりますと自ずとそこには相応しい深い感銘が待ち受けているというものです。前回のカーメン・マクレエもそうですが、本日のリー・モーガンも正しくその類なのです。
ジャズに開眼させてもらったジャズ・メッセンジャーズのことはこのブログの立上げ時にすでにエントリーしています。→ジャズ・メッセンジャーズ『パリ・オリンピア・コンサート1958』
リー・モーガンはジャズ・メッセンジャーズで世界的に有名になりましたが、それ以前にブルーノートに何枚ものリーダー作を残しています。本作は3作目に当たり、若干19才時の録音です。3曲目「I Remenber Clifford」でのソロがやはり圧巻です。この曲はご存知の通り本作でも音楽監督として共演しているベニー・ゴルソン作のスタンダードですが、クリフォード・ブラウン死後まもない時期の録音ということとその内容の充実度から言って最も著名なものに違いありません。確かに、モーガンのソロには匠の技の冴えがある、リリシズムがある、リズムを味方につけている、という最高の賛辞を惜しみなく与えたい感じです。楽器を自在にコントロールしているという点でも安心して没入できるのですね。クリフォード・ブラウンしかり、また先日登場したいただいたキャノンボール・アダレイに通じるものがあり、さらに言えば50年前後の若きマイルス・デイヴィスとは対照的ではあります。
その意味で、本作の後に結成されたアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズというジャズ・グループはこのリー・モーガンとベニー・ゴルソンという二人のフロントを迎えているということで、名曲、名アレンジ、名アドリブ、という3拍子がすでに約束されていた、つまり大いなる成功が確約されていたといえるでしょう。本作は全5曲。この数日iPodに入れてじっくり聴き直していますが、ゴルソン・アレンジの妙とモーガンの手練手管を楽しむ素敵なハード・バップです。一言付言するなら、ジジ・グライスのアルトが結構に魅力があるということです。
1. Hasaan's Dream
2. Domingo
3. I Remember Clifford
4. Mesabi Chant
5. Tip Toeing
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Lee Morgan / Lee Morgan Vol.3
当ブログでの関連エントリー→ リー・モーガン『キャンディ』
→ リー・モーガン『ヒアズ・リー・モーガン』
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:23
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カーメン・マクレエ/ブック・オブ・バラーズ
JAZZ Vocal
2005年06月26日
Carmen Mcrae / Book of Ballads
今日はカーメン・マクレエの定評あるバラッド集『ブック・オブ・バラーズ』です。先日東京のジャズ喫茶『いーぐる』でマクレエの素晴らしい歌声(アルバム名は不明)を聴きまして、そういえばまだ本ブログに登場していないマクレエの愛聴盤を早くご紹介せねばと思い立ったのでした。パーソネルは、カーメン・マクレエ(vo)、ドン・アブニー(p)、ジョー・ベンジャミン(b)、チャーリー・スミス(ds)、フランク・ハンター(cond)。1958年12月NY録音。
カーメン・マクレエの歌はすぐにそれと分かる特徴的なものですね。つい先日東京で思いもかけず遭遇したマクレエの歌声は、昔一時よく聴いていた頃の感銘を思い出させてくれるものでした。じっくり聴き入ることになり、ああやはりこれは堪らないなあと改めて深く思い至ることになるのでした。そのアルバムは初めて聴くもので題名も確認していませんが、オーケストラをバックに歌っており50年代と思われるのでした。In this world of ordinary people♪で始まる美しい佳曲I'm glad there is youが入っていましたね。特に印象に残りましたが、この曲大好きなのですよね。Decca盤でしょうか?
カーメン・マクレエは1922年NY生まれ1994年没。その特徴である丁寧にしっとり歌い上げる歌唱は一度その味を占めると忘れがたい深い印象を聞くものに与えます。バラッドで最も深い味わいが滲み出てくるのです。エラやサラ・ヴォーンほどの派手さはないけれど、いぶし銀の渋い歌を着実に長年に渡ってジャズ・ファンの心深くに刻んできた黒人女性ヴォーカルと言えるでしょう。
カーメン・マクレエのアルバムは数枚程度の定評ある限られたものしか日常的に聞いていませんがいずれも高水準です。本作はそうした中でもマクレエ50年代を代表する名作だと言われています。タイトルが示している通り、全編バラードで占められており、マクレエの特質がクリアに出ていると思います。全12曲、うち8曲がごく控え目なストリングス主体のオーケストラが伴奏し、残り4曲がピアノトリオとの共演となっています。非常に密度の濃い内容です。その情感のこもった丁寧な歌い回しは本当に胸にぐっとくるものがありますね。
1. By Myself
2. Thriil Is Gone
3. How Long Has This Been Going On?
4. Do You Know Why?
5. My Romance
6. Isn't It Romantic?
7. If Love Is Good To Me
8. When I Fall In Love
9. Please Be Kind
10. He Was Too Good To Me
11. Angel Eyes
12. Something I Dreamed Last Night
iTunes Music Store では試聴可能です。→
カーメン・マクレエ/ブック・オブ・バラーズ
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Carmen Mcrae / Book of Ballads
関連エントリはこちら。→カーメン・マクレエ/アフター・グロウ
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:39
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エリック・ドルフィー/アット・ザ・ファイブ・スポットVol.2
JAZZ Sax 2
2005年06月25日
Eric Dolphy / At The Five Spot Vol.2
今日はエリック・ドルフィーの『アット・ザ・ファイブ・スポットVol.2』です。今週は仕事でずっと東京方面に出張していたのですが時間に余裕があったもので、東京にある老舗のジャズ喫茶、四谷『いーぐる』と吉祥寺『メグ』を訪問してきました。今日ご紹介するドルフィーの名盤は実を言いますと学生時代京都でよく通ったジャズ喫茶「52番街」で何度も聴いた思い出のアルバムなのです。パーソネルは、ブッカー・リトル(tp)、エリック・ドルフィー(fl.bcl)、マル・ウォルドロン(p)、リチャード・デイヴィス(b)、エド・ブラックウェル(ds)。1961年7月16日、NY、Five Spotでのライブ録音。
前回は東京都内のホテルから記事更新しましたが今週6/21(火)から24(金)までの4日間東京方面に仕事のため出張しておりました。夕方時間がありましたので、ふと思い立って東京のジャズ喫茶を訪問してみたのでした。6/22(水)はジャズ評論家としても著名な後藤雅洋氏の経営する四谷『いーぐる』に16時頃から19時くらいまでバーボンのロック一杯で頑張りました。ホーム・ページに示された簡便な地図を頼りにJR四谷駅から近いその場所はすぐに見つかりました。地下にある店内は存外に広いスペースでとても落ちついたくつろぎのある空間なのでした。入ってすぐに感じられましたことは、その立派なJBLのスピーカーから流れ出る音が存外に小さ目で騒がしくない品のよいものであるということでした。昔聞いた京都や現在も通う神戸のジャズ喫茶の音量に比べて明らかに一段小さいもので、これは関西との文化的な違いかも知れぬと翌日訪れた『メグ』での小音量の事実からも強く印象付けられたのでした。
その日『いーぐる』で聴いたアルバムは、リー・モーガン『Vol.3』、アート・テイラー『テイラーズ・テナー』、アート・テイタム『テイタム&ベン・ウェブスター』、ビル・エヴァンス『エブリバディ・ディグス』、他にカーメン・マクレエやコルトレーン、その他アーティスト及びアルバム名を確認できない数枚というものでした。その内容にとても満足しました。また、最初少し物足りなく感じられたその音量にも慣れてくるのでした。
ジャズ喫茶に行きますと私は大抵の場合にそうしているのですが、その際もお店にあるジャズ関係の本を読んだのでした。店主である後藤雅洋氏が書かれたものや、寺島靖国氏との対談が掲載されているものなど興味深く拝見いたしました。後藤氏のことは勿論名前は知っていましたが、あまり深くは知らず、その日いろいろ読みまして、実のところ、その真っ当な感覚にとてもとても共感を覚えるのでした。ジャズが大好き、そしてその好きなジャズをできるだけたくさん聞いてその本質に少しでも迫りたい、できれば論理的に解き明かしたい、という欲求、若輩である私が言うのも何ですがそうした基本的な姿勢に深く共鳴するものを感じたのでした。それにジャズの好みが結構一致するように思います。寺島氏との対談を読んでいますと寺島氏よりもずっとずっと親近感を覚えるのでした。その後藤さんが18時頃に店に出て来られました。お客さんとのお話がよく聞こえまして、夕方から大抵お店に出ているとのこと。そのよく通る明瞭な声が印象的です。
というわけで、もう1軒の『メグ』のことはまた明日にでも続きとして書くことに致しまして、主題はエリック・ドルフィーでしたですね。ジャズ喫茶で一番印象に残っているアルバムが今日のアルバムということでして、20年少し前に京都で通ったお店が寺町今出川にあった『52番街』。アルテックのスピーカーとマッキントッシュのアンプ、それに店内がレンガ風の作りになった今は亡き思いで深いお店です。その店でこのアルバムを何度か聴いたことが鮮明に記憶に残っているのです。レコードのB面、ドルフィーがフルートを吹く「Like Someone In Love」を、おそらく4回とか5回くらいこの店でかかったことをよく覚えているのです。数年間毎週のように通って毎回10枚くらい聞くわけですから、重複するのは当然出てくるのですが、4回以上になるのはそうそうないですから厭でも印象に残ります。あと、グラント・グリーンのブルー・ノート盤も同様によくかかってましたね。特に『マタドール』。
このアルバム、ブッカー・リトルのトランペットの音程が幾分外れていると思われるのですが、その妙な違和感が克明に記憶に刻まれているのです。それは例えば、ドルフィーのフルートとマル・ウォルドロンのピアノが一層美しく感じられるという効果をもたらしていることを考慮しますと、リトルは敢えていつも外しているのではないかと実は私は密かに思ったりしているのです。このアルバムに限らずリトルの音程はいつも大抵明らかに低目に外されていまして、それによりあの独特の雰囲気が醸し出されているように思われます。全2曲。
1. Aggression (17:30)
2. Like Someone in Love (19:50)
amazon.comでは試聴可能です。→At The Five Spot Vol.2
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ At The Five Spot Vol.2
関連過去エントリー→ エリック・ドルフィー『アット・ザ・ファイブ・スポットVol.1』
エリック・ドルフィー『ラスト・デイト』
エリック・ドルフィー『アウト・ゼア』
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:40
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ビル・エヴァンス/オン・グリーン・ドルフィン・ストリート
JAZZ Piano 2
2005年06月21日
Bill Evans / Green Dolphin Street
今日はビル・エヴァンスの『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』です。15年ほどお蔵入りしていたとは決して思えないようなエヴァンス・スタイルがほぼ確立された高水準のピアノ・トリオ作品。パーソネルは、ビル・エヴァンス(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1959年1月録音。Reverside Records。
スコット・ラファロとポール・モチアンとの黄金のトリオが結成される前夜、名作『エブリボディ・ディグス』(58年12月)の直後、マイルス・グループでの『カインド・オブ・ブルー』(59年3月)の直前の作品です。この録音時期からして悪かろうはずが無いのですね。ポール・チェンバースとフィリー・ジョー・ジョーンズとはマイルス・グループである程度手の内を知り合った仲ですし、エヴァンスが自由に振舞うことが許されているのですから。硬質なタッチとシングル・トーンが光る渋いエヴァンスを聞くには最適なお勧めの一枚です。
1曲目の「あなたと夜と音楽と」は大分と以前にTVーCMにも使われたことのある著名な好演。チェンバースのリズムに乗ったエヴァンスの快調なピアノが披露されます。この曲を聞くとなぜかバド・パウエルの「クレオパトラの夢」を思い起こしてしまいますが雰囲気が似ているのでしょうか。さらに、余談ですが最近立ち上げたばかりの私のサイトにこの名前が似ています。「iPodと英会話と音楽と」(笑)。別に意図したわけでもなく、冗談でもないのですが、偶然の結果です。ただ、その頃にこのアルバムをiPodに入れて頻繁に聞いていたことは事実です。まだまだ中途半端な内容ですがiPodや英語にご興味のある方に活用されるサイトを目指してします。
3曲目のOn Green Dolphin Streetも文句なしの名演でしょう。この演奏を聞くためにこのアルバムを何度も聞いてきたのでした。1曲目よりこちらが圧倒的に好みなのです。デューク・ジョーダンのすがすがしい好演がすぐに脳裏を掠めますが、このエヴァンスの枯淡で内省的な美意識を湛えた演奏にも深い味わいがあるのですね。ブロック・コードを多用したソロが印象に残ります。→デューク・ジョーダン『フライ・トゥ・デンマーク』
1. You And The Night And The Music
2. My Heart Stood Still
3. On Green Dolphin Street
4. How Am I To Know?
5. Woody'n You - (take 1)
6. Woody'n You - (take 2)
7. Loose Bloose
JR.comでは試聴可能です。→Bill Evans / Green Dolphin Street
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Bill Evans / Green Dolphin Street
今日は実は出張先のホテルで書いています。最近出張が増えてまして何とか出張先でも記事の更新をせねばと思っていましてやっと実現したというわけです。それにしても便利な世の中になりましたね。
関連エントリーはこちら。
→ アート・ファーマー『モダン・アート』(1958)
→ ビル・エヴァンス『エブリバディ・ディグス』(1958)
→ ビル・エヴァンス『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』(1959)
→ ビルエヴァンス『ポートレイト・イン・ジャズ』(1959)
→ キャノンボール・アダレイ『ノウ・ホワット・アイ・ミーン』(1961)
→ ビル・エヴァンス『エクスプロレイションズ』(1961)
→ ビル・エヴァンス『ムーン・ビームス』(1962)
→ デイブ・パイク『パイクス・ピーク』(1962)
→ ビル・エヴァンス『シェリーズ・マンホールのビル・エヴァンス』(1963)
→ スタン・ゲッツ『スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス』(1964)
→ モニカ・ゼタールンド『ワルツ・フォー・デビー』(1964)
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:48
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キャノンボール・アダレイ/イン・シカゴ
JAZZ Sax 2
2005年06月20日
Canonnball Adderley /Cannonball Adderley Quintet in Chicago
今日はキャノンボール・アダレイの『イン・シカゴ』です。59年当時のキャノンボールとコルトレーンという絶好調サックス2管はジャズ史上でも最強のフロントと言って過言ではありません。それに当時のマイルス・グループのリズム隊とくればこれはもう楽しいというだけでなく何かスリルのあるジャズが生れないわけがないという垂涎の組み合わせです。パーソネルは、キャノンボール・アダレイ(as)、ジョン・コルトレーン(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)。1959年2月Sutherland Hotel in Chicago録音。Mercury Records。
キャノンボール・アダレイのアルバムはどれも高水準ですが、本作も間違いなく最高水準のジャズ・アルバムではないかと私は密かに思っております。全6曲、レコードではA面に1~3、B面に4~6です。前半のA面はキャノンボール主体、後半のB面はコルトレーン主体という色分けがなされているようです。
4曲目Grand Central が実にいいです。これはコルトレーンの曲で、まさにほぼ同時期の『ジャイアント・ステップス』(59年4~5月)のあの隙と遊びのない世界です。キャノンボール→コルトレーンという順でソロがありますが、キャノンボールが圧倒的なアドリブプレイを披露しています。凄まじいテクニックで一気に吹き切っていまして、コルトレーンも真っ青となるような新鮮なソロです。コルトレーンに刺激を受けた結果でしょうが、あのジャイアント・ステップスをキャノンボールが録音していたら従前の斬新さに加えてさぞかし楽しいものになったでしょうにとふと思ってしまうのは私だけでしょうか。
2曲目「アラバマに陽は落ちて」でのキャノンボールのソロはさすがにこれは素晴らしいものです。完全にコントロールされたアルトは至芸の域に達しています。5曲目You're a Weaver of Dreamsはコルトレーンのあのバラッドの味のある世界ですね。この2&5曲目は各々が単独のソロをとりまして、それぞれに持ち味を最大限に出した名演と言えるものです。ただ繰り返しになりますがやはりこの両雄が火花を散らすという点では4曲目が実に興味深い演奏だと思うのですね。また、一方で、6曲目Sleeper、これもコルトレーン作の魅力的なブルースですが、こちらでは残念ながら我らがキャノンボールはオーソドックスなキャノンの枠を越えておらず今一歩の感を持ちます。コルトレーンのソロのあと、キャノンかなと思いきやケリーのピアノが出てきて、このまま終わるかに見えた頃にキャノンが登場しまして、曲調と流れからこう演奏するしかなかったんですというようなexcuseを感じさせる内容です。
いずれにしましても、圧倒的なキャノンボールのアルトです。その早弾きと、かつ音色までをも自在にコントロールするテクニック、その一種の個性にまで昇華された技巧を持ってすれば、本来はオーソドックスなバッパーであっても、シーツ・オブ・サウンドとか新主流派とか言ったくくり方をされる新興ミュージシャンと対等に渡り合えるということです。もし60年代にチャーリー・パーカーがそのまま出現したとしてもその個性でもってやはり天才とはいかずとも最高の評価がなされたことでしょうが、その種の個性と実力をキャノンボールは持っていて、このアルバムで油の乗ったコルトレーンと共演する中できっちり証明しているのではないのかなと思うのです。こうしたキャノンとコルトレーンの両雄の微妙な関係性を念頭に入れつつ、各々の芸に舌鼓を打つ、これもまた楽しからずやというところです。
1. Limehouse Blues
2. Stars Fell on Alabama
3. Wabash
4. Grand Central
5. You're a Weaver of Dreams
6. Sleeper
Amazon.comでは試聴可能です。→Cannonball Adderley Quintet in Chicago
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Canonnball Adderley /Cannonball Adderley Quintet in Chicago
関連エントリーはこちら。→ジョン・コルトレーン『ジャイアント・ステップス』
→キャノンボール・アダレイ『ノウ・ホワット・アイ・ミーン』
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:41
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マイルス・デイヴィス/E.S.P
JAZZ Trumpet
2005年06月19日
Miles Davis/ E.S.P.
今夜はマイルス・デイヴィスの名盤『E.S.P.』です。60年代半ばのマイルス・グループはウェイン・ショーターを音楽監督に迎えてショーター色の濃い4部作を発表します。本作はその第1弾です。パーソネルは、マイルス・デイヴィス(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)。1965年LA録音。
このアルバムには学生時代、京都岡崎公園に近い熊野神社そばにあるジャズ喫茶(銭湯の帰りに立ち寄るような隣近所)で初めて聞いて衝撃を受けたのでした。そのレコードのB面だったと思うのですが、今までに聞いたことのないジャズ、奥行き感のある深い音楽というのでしょうか。何か得体の知れないもの、それでいて何か共感できる美を感じ取れるのです。一見すると陰気くさい負の世界のように映るのですが、聞き込むうちに深遠で透徹した音楽美がおぼろげに垣間見えてくるのでした。
60年代前半のマイルスはコンサート・ライブを中心として活動し、スタンダード曲を完成されたモード手法で口当たりよくかつ芸術的に料理することで高いポピュラリティを獲得してきました。そして、ショーターをレギュラーに加えて不動の固定メンバーが成立した段階で新たな局面を切り開くべく本作をスタートとするスタジオ録音を開始したというわけです。関連エントリー→『マイルス・デイヴィス/サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』
全7曲。いずれも不思議な感覚の斬新な音楽です。お気に入り曲について一言づつコメントしておきましょう。2曲目Eighty-Oneはラテン風リズムで気だるい雰囲気の曲。ショーターのテナーが水を得た魚のようにいい感じのソロを披露しています。また、3曲目はハンコックのリーダー作『処女航海』でも扱われたハンコック作のハンコックらしい流麗な好印象の曲。そして、6曲目Irisは沈静したブルーなまさにショーター的世界です。ハンコックのソロが美しい。さらに。7曲目Moodはさらに絶妙なリズムと間を持ったショーターの才能を感じさせる印象深い力作です。スパニッシュの香りと独特のリズム感が素晴らしい。そして、全体を通じて特筆すべきこととして、ロン・カーターのベースがリズムの基調を作り出しており大活躍します。このアルバムの影の立役者こそロン・カーターであろうとそう思えるのです。一方、トニー・ウィリアムスはいつもとは異なりかなり控えめに感じられます。
1. E.S.P. 5:27
2. Eighty-One 6:11
3. Little One 7:21
4. R.J. 3:56
5. Agitation 7:46
6. Iris 8:29
7. Mood 8:50
JR.comでは試聴可能です。→Miles Davis/ E.S.P.
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Miles Davis/ E.S.P.
この65年、各メンバーは高レベルのリーダー作を残しています。ハービー・ハンコック『処女航海』、ショーター『オール・シーング・アイ』『預言者』、トニー・ウィリアムス『スプリング』、こうして並べまてみますと力作ぞろいですね。ちなみにいずれもBlueNoteでして、ハンコックとウィリアムスはBNの専属でした。
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:24
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アントニオ・カルロス・ジョビン/イパネマの娘
_Bossa Nova / MPB
_Popular Music
2005年06月18日
Antonio Carlos Jobim / The Composer of Desafinado, plays
今日はアントニオ・カルロス・ジョビンの歴史的名作『イパネマの娘』です。インストゥルメンタルのボサノヴァとして間違いなく最高傑作でしょう。ジョビン自ら演奏する美しい代表曲集でありボサノヴァを聞くならまずこの一枚からというお勧めの一枚。1962年NY録音。
1962年の歴史的なカーネギー・ホールのコンサートでボサノヴァが一躍脚光を浴び、スタン・ゲッツ、ジョアン・ジルベルト、ジョビン、それにアストラッド・ジルベルトらによる『ゲッツ/ジルベルト』で決定的な大衆性を博することになりますが、ジョビンはこれらでのピアノ演奏で作曲者としてだけでなくピアニストとしても人気を得ました。そうした流れの中で本作は同年62年録音のジョビンの演奏家としてのソロ・デビュー作に当ります。アレンジはクラウス・オガーマンでこれ以降20年くらいコンビを組むことになる盟友です。
アントニオ・カルロス・ジョビンの魅惑的なメロディがジョビン自ら弾くシングル・ノートのピアノとクラウス・オガーマンの巧みなオーケストレーションによって上品で心地よくて味わい深い極上の音楽に仕上げられいます。全12曲、ジョビンの初期代表作が並びます。壮観です。「イパネマの娘」「デザイフィナード」「おいしい水」「コルコバード」「ハウ・インセンティブ」「ワン・ノート・サンバ」などなど、ボサノヴァを知らぬ人でもどこかで聞いたことがあるであろう有名なメロディが続きます。
1. The Girl From Ipanema
2. Amor Em Paz :: Once I Loved
3. Agua De Beber
4. Vivo Sonhando :: Dreamer
5. O Morrow Nao Tem Vez (Favela)
6. Insensatez :: How Insensitive
7. Corcovado
8. Samba De Uma Nota So :: One Note Samba
9. Meditation
10. So Danco Samba :: Jazz Samba
11. Chega De Saudade :: No More Blues
12. Desafinado
JR.comでは試聴可能です。→Antonio Carlos Jobim / The Composer of Desafinado, plays
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Antonio Carlos Jobim / The Composer of Desafinado, plays
関連エイントリー→『ダイアナ・クラール/ルック・オブ・ラブ』
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:44
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嶋田淑之、中村元一/Google―なぜグーグルは創業6年で世界企業になったのか
_books (business&life)
2005年06月17日
Google―なぜグーグルは創業6年で世界企業になったのか 嶋田 淑之、中村元一(著) 毎日コミュニケーションズ(2004/12)
ネット上の検索ではGoogle、Yahoo、MSNと3社がメジャーですが、その中でも検索に特化して最も急成長しているのがGoogleです。ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリムの二人のスタンフォード大の学生が1998年に立ち上げたベンチャー企業です。4年前にエリック・シュミットという辣腕経営者を招いて、今や年商3000億円を越える大企業に成長し現在も拡大を続けています。アドセンスなど検索と広告が巧みに連動された画期的な広告手法を編み出すことにより、単に検索エンジン提供企業から広告企業へと大変身を遂げています。
これまでGoogle社に関する企業本はあまりありませんでした。歴史も浅く情報も限られていたからです。本書の内容は確かに一次情報が少なくて我々でもネット上などで日頃見聞きできる類の内容が中心に展開されているのですが、Googleの特徴をよくまとめ上げているという点では目を通しておいて損のない本だと思います。
最近東京研究所が立ち上がり優秀な頭脳を世界中から集めていますが、Google社の企業としての特徴的な点は技術力と採用を重んじることです。企業文化を共有できる人を徹底的に厳選して採用しているようです。そして独創的な技術を生み出すとともにそれを利益に結び付けてゆくことに注力しているのです。
第1章 18カ月で売上高6倍、税引き前利益23倍
第2章 どこまでも楽しくどこまでも快適に
第3章 なぜグーグルだけに可能だったのか
第4章 最高の創造的環境をつくればよい
第5章 「この半年間であなたが見た最もクールなものはナニ?」
第6章 WOLFGANG SERGEY-LARRY GOOGLE
詳しくはアマゾンでどうぞ。→Google―なぜグーグルは創業6年で世界企業になったのか
そういえば先月5月19日にFactory Tourと題されたGoogleによるプレゼンが行われています。セルゲイ・プリンやエリック・シュミットら経営陣が入れ替わり立ち代り登場して企業戦略などを説明しています。女性マネージャーがかっこいいですね。それらの貴重な動画をこちらのサイトからご覧になれます。→Google Press Center/Google Inc. Factory Tour
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投稿者 Jazz Blogger T : 18:16
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ウェス・モンゴメリー/ボス・ギター
JAZZ Guitar 1
2005年06月16日
Wes Montgomery / Boss Guitar
今日はウェス・モンゴメリーの『ボス・ギター』といきましょう。モダン・ジャズ・ギターの代表者と言えばやはりこのウェス・モンゴメリーに落ち着くのでしょう。後のフュージョンの先駆者としてテクニックと音楽性を併せ持っていました。パーソネルは、ウェス・モンゴメリー(g)、メル・ライン(org)、ジミー・コブ(ds)。1963年NY録音。Riverside Records。
本作は63年録音と思えないほどすでに後年のクロスオーヴァーらのカッコイイ感触を発散しているのです。シンプルなトリオ演奏でアーシーでジャジーな魅力が十分にある上、とても心地良い快楽印のフュージョン系音楽に仕上がっているのですもの。最初の印象は少々軟弱なのですが、聞き込むうちにその真価が自ずと明らかにされてゆきます。
ウェス・モンゴメリーのギターとオルガンの組み合わせというのはなかなかツボを押えた演出なのですよ。50年代のモンゴメリーといいますとオクターブ奏法とかの超絶のテクニックが前面に出てきますが、本作含めて60年代になりますと渋いジャズ・センスの魅力が際立ってきまして、特に本作ではお馴染みのスタンダード曲の口当たりのよい演奏が極上の「なごみ」系ミュージックに仕上がっていまして、週末の夜に軽く一杯やりながらの癒しタイムなどにもってこいのアルバムでしょう。
お勧めは10曲目のFor Heaven's Sakeです。流石に渋い。くすんだ音色が妙に魅力的なのです。6曲目のCanadian Sunsetや4曲目のDays Of Wine And Roses、それに10曲目の「そよ風と私」などがいい感じです。アレンジが多少俗っぽいと言えば俗っぽいのですが、ジャズ・フィーリングが横溢していまして決して厭味にはなっていません。
ほんとはテクニシャンだけれどそれをぐっと抑えて真正面から音楽性で勝負する姿勢には肯けるのです。ケニー・バレルのブルース・フィーリングを都会的に洗練したような味わいは素晴らしいバランス感覚に裏打ちされているのです。ウェス・モンゴメリーは本作のあとA&Mに移籍してクリード・テイラーの好みに一致してよりポップなイージー・リスニング的世界に浸ってゆくことになりますが、残念なことに68年6月15日に43才の若さで亡くなっています。モンゴメリーにとって全盛期が60年代以降となったことは本当に不幸だったのかもしれません。60年代後半は正統派モダン・ジャズにとっては冬の時代だったのです。
1. Besame Mucho
2. Besame Mucho - (take 2, bonus track)
3. Dearly Beloved
4. Days Of Wine And Roses
5. The Trick Bag
6. Canadian Sunset
7. Fried Pies
8. Fried Pies - (take 1, bonus track)
9. The Breeze And I
10. For Heaven's Sake
JR.comでは試聴可能です。→Wes Montgomery / Boss Guitar
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Wes Montgomery / Boss Guitar
関連エントリーはこちら。→ ウェス・モンゴメリー『フル・ハウス』
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:43
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白夜/ルキノ・ヴィスコンティ
_movies
2005年06月14日
白夜/ルキノ・ヴィスコンティ
こんにちは。先週の休みにヴィスコンティの『白夜』を観てきました。学生時代にロベール・ブレッソンの『白夜』を観た時の鮮烈な印象が残っており、このヴィスコンティ作品にもいつか出会うチャンスを待ち望んでいたのでした。主演、マリア・シェル、マルチェロ・マストロヤンニ、ジャン・マレー。音楽、ニーノ・ロータ。1957年伊作品。白黒。原作、ドストエフスキー。
今でこそヴィスコンティは映画監督として著名ですが、50年代にはミラノ・スカラ座の舞台監督としてマリア・カラスを演出するなどむしろオペラ界で大変有名な存在でした。この映画『白夜』も完全な室内セットを用いたそうした舞台演出家としての本領が発揮された作品といえるでしょう。
下宿人の男ジャン・マレーと近くの橋で一年後に出会うことを約束し、毎日夜遅くに橋のたもとで待つ健気な女性マリア・シェル。そんな浮世離れした夢みたいな話を内心否定しつつも肯きながら何とかマリア・シェルに取り入ろうとするマルチェロ・マストロヤンニ。
ラストは雪の降る情緒ある白銀の夜にやっとのことでマリア・シェルの心を掴んだと思いきや、とうとうその男が現れて女は踵を返して先ほどのマストロヤンニとの睦まじさをジャン・マレーに許しを請ってまで本意を遂げてめでたしめでたしというお話。
信じる者は救われる。マリア・シェルの純真な乙女心が臭い立つほど野暮ったいのですが妙に印象に残ります。事実は小説より奇なるとよく言いますが、こと男と女にまつわるよしなしごとにはこの種の想像しがたい話がよくあるのですよね。ニヒルな二枚目のマストロヤンニがまんまと野暮なマリア・シェルに一杯食わされて、実は自分がずっと野暮だったという悲喜劇なのですね。
ドストエフスキーと言えば地下生活者の手記に象徴されるように、極めて内省的で饒舌で自我を抑えきれない矛盾だらけの自己の存在、そしてその執着して愛しくて堪らない自己を自ら自虐的に否定することにより引き起こされる悲喜劇。マストロヤンニの心の葛藤がいかにもドストエフスキー的と思えるのですね。
詳しくはアマゾンでどうぞ。→白夜/ルキノ・ヴィスコンティ
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投稿者 Jazz Blogger T : 10:39
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男と女/オリジナル・サウンド・トラック
_Popular Music
2005年06月13日
Un Homme Et Une Femme/ Original Soundtrack
今日は映画『男と女』のオリジナル・サウンド・トラックをご紹介しましょう。主題曲はご存知フランシス・レイのダバダバダで有名なメロディですよね。映画はクロード・ルルーシュ監督、主演ジャン・ルイ・トランティニャン、アヌーク・エーメ、1966年フランス作品。感覚派には堪らない映像と音楽の素敵な融合。そしてこのサウンド・トラックがまた素晴らしい内容で映画音楽としては間違いなく最高の一つでしょう。
このアルバムは長年親しんできた大切な一枚です。1曲目のダバダバダの主題曲は半音を駆使した不思議なメロディなのですが何と魅惑的な音楽なのでしょう。何度続けて聞いても飽きることがない稀有な音楽なのですね。A・C・ジョビンの影響を感じさせるピアノのアクセントが実によい具合なのです。私の場合最も素敵な曲を一曲だけ選べと言われたらこの曲を選ぶことに躊躇はしないのではないでしょうか。優柔不断ながら何となく妙に自信があるのですね。1,4,7は同じ曲のアレンジ違いです。
このアルバムの素晴らしいところは主題曲だけでなく他に収められた曲たちも実によい出来であるということです。ピエール・バルーの歌う2曲目なども仏流のサンバなのですがそのセンスの良さには脱帽ものですね。バルーは映画の中でもアヌーク・エーメの夫として出演していましたね。
続く3曲目が実に美しいメロディでして、フランスのエスプリといいますか、情感の篭ったハスキーでセクシーでもある女性歌手の歌声と、ベースの深い音楽的な動き、ジャジーなピアノの魅力的なアクセント、ギターのリズムが有機的に渾然一体化しています。ほんと素晴らしい。最高の賛辞を送りたくなる1曲です。6曲目はこの3曲目のアレンジ違いで、こちらはインストゥルメンタルです。リズミカルな行進曲風な主題の中を弦楽器が美しいメロディを裏側から奏でていましてこれもなかなか素敵な内容です。映画ではトランティニャンが車に乗ってアヌーク・エーメを想定して独り言を言うシーンで使われていましたっけ。
4曲目は主題曲の編曲違いで男女のデュエット。それに1曲目が全編ダバダバダでしたがこちらには歌詞がついています。この演奏も実に美しいですね。やはりハモンド・オルガン(?)が特徴的なのと、同様にピアノがアクセントになっていますね。
5曲目は美しい原曲が弦楽器により奏でられています。もうロマンティックが止まらないという感じです。ため息が出るような世界ですね。海辺のシーンが思い出されます。シルエットに写る子供達とともに心が触れ合って共鳴しつつある男と女。その揺れる心象を映すような美しいメロディ。8曲目は同じ曲のヴォーカル・ヴァージョンでして、これがこのアルバムの隠れた名作でしょう。詩的なピアノとハモンドオルガンをバックに歌われる男女の醒めつつも内に秘められた深い想い。なんかまた恋に落ちてみたいなと思いますですね。
今日は久しぶりにこの『男と女』オリジナル・サウンドトラックをじっくり聴きました。やはり素晴らしい。フランシス・レイは天才だなあと改めて思いました。そして恋の気分を少し思い出させてもらいました。ありがとう。今日はいい夢が見れそうです(笑)。
1. Un Homme Et Une Femme
2. Samba Saravah
3. Aujourd Hui Cest Toi
4. Un Homme Et Une Femme
5. Plus Fort Que Nous
6. Aujourd Hui Cest Toi
7. A Lombre De Nous
8. Plus Fort Que Nous
9. A 200 A Lheure
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Un Homme Et Une Femme/ Original Soundtrack
amazon.comもご参考まで。→Un Homme Et Une Femme/ Original Soundtrack
関連する過去エントリー。→ 『男と女/クロード・ルルーシュ&フランシス・レイ』
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:45
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ソニー・ロリンズ/テナー・マッドネス
JAZZ Sax 2
2005年06月12日
Sonny Rollins / Tenor Madnes
今日はソニー・ロリンズの56年絶好調時の名作『テナー・マッドネス』。マイルス・バンドの最強のリズム隊を迎え、かつジョン・コルトレーンが1曲のみ参加の記念すべき好アルバムですね。パーソネルは、ソニー・ロリンズ(ts)、ジョン・コルトレーン(ts,1のみ参加)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。1956年5月24日録音。Prestige Records。
当時のマイルス・バンドのリズム隊であるレッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズは、先日アート・ペッパーの『ミーツ・ザ・リズム・セクション』をご紹介しましたが、サックスがアート・ペッパーのアルトからソニー・ロリンズのテナーに変わったというのが本作ということになります。また録音が当然ながら東海岸です。と言いつつも、ソニー・ロリンズはサイドメンに関係なくマイ・ペースを通すことのできる稀少なジャズマンでして、サイドが誰であろうがいつも自分自身の演奏をするのですね。そういう意味では予想外のスリルというものは希薄になります。
56年のロリンズは5月にかの名作『サコソフォン・コロッサス』を録音し、本作は同年同月の録音です。57年3月には 「ウエイ・アウト・ウエスト」、4月にBlueNoteに 「ソニー・ロリンズVol.2」、9月に 「ニュークス・タイム」、11月には 「ライブ・アット・ザ・ヴィレッジバンガード」と定評ある作品を立て続けに世に送り出しています。56~57年はロリンズにとって名声を確立した時期に当りますね。
というわけで、本作は意外なスリルは少ないかもしれませんが圧倒的なロリンズの豪放かつ奔放なテナーを十分に満喫することができるのです。小気味良いガーランドのピアノや重心の安定したチェンバースのベースを従えて、これはもう典型的なハード・バップの醍醐味なのですね。1曲目にジョン・コルトレーンが参加しているのですが、ロリンズの強烈で卓越した演奏の前では後年の個性が未だ確立していずロリンズの亜流というような没個性的な印象にも映ります。まあ努力の人コルトレーンがやっとロリンズと遜色ない高レベルに至っているということではありますが。
全5曲。1曲目の12分に及ぶ標題曲がやはりいいですね。コルトレーンの硬質なソロが新鮮です。ロリンズはさすがに凄みがありますがいつもながらの野暮ったさも若干ですが目立ちますね。これはコルトレーンの無駄や隙のないソロとは微妙に好対照を示しています。この録音元々はロリンズのワン・ホーンで撮るところがひょっこり現れたコルトレーンがゲスト参加することで実現したとのこと。他の4曲、極端に言えばこれらはロリンズのテナーを満喫するためにあるような録音です。4曲目ドビュシーのMy Reverie、こうした歌ものはまさにロリンズに任せておいて、よしなに取計らっておいてもらえればよろしという感じなのですよね。ガーランド以下も本来の地味目なバックに徹しておりまして、持分をわきまえていらっしゃるというところです。
1. Tenor Madness
2. When Your Lover Has Gone
3. Paul's Pal
4. My Reverie
5. The Most Beautiful Girl In The World
JR.comでは試聴可能です。→Sonny Rollins / Tenor Madnes
amazon,comでも試聴可能です。→Sonny Rollins / Tenor Madnes
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Sonny Rollins / Tenor Madnes
関連エントリはこちら。
→ソニー・ロリンズ/サキソフォン・コロッサス(1956)
→ソニー・ロリンズ/ヴィレッジバンガードの夜(1957)
→ソニー・ロリンズ/ウエイ・アウト・ウエスト(1957)
→ ソニー・ロリンズ/ソニー・ロリンズVol.2(1957)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:42
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エラ・フィツジェラルド/エラ・シングス・ガーシュイン
JAZZ Vocal
2005年06月11日
Ella Fitzgerald / Ella Sings Gershwin
今日はエラ・フィッツジェラルドの名盤『シングス・ガーシュイン』です。60年代以降の油の乗ったエラよりも私はこの50年前後のまだ名声を確立していない時期のエラに惹かれます。ガーシュインの名曲をピアノ伴奏のみで丁寧にしっとり歌い上げる本作の真摯なエラには好感が持てるのです。エラ・フィツジェラルド(vo)、エリス・ラーキンス(p)。1947~1954年。Decca Records。
本作は1~4、7~10の8曲(1950年9月録音)をベースにした10インチLP『ガーシュイン・ソングス』として世に出ています。12インチの通常のLPにするときに他の4曲を追加して発売され、現在のCDもそのLPに準じたものとして発売されているというわけです。50年のエラ・フィッツジェラルドはすでに32才でして、
ジャズ・ヴォーカリストとして順風満帆の成長期に当るようです。
後年エラは59年にLP5枚組みのガーシュイン集をヴァーブに、そして83年にはパブロにニールス・ヘニング・エルステッド・ペデルセンのベースを迎えて残していますね。エラは生涯の80枚以上に及ぶアルバムにおいてガーシュイン集を3度録音しておりその占める位置の重要さがわかるというものです。
ヴァーブのガーシュイン集の方は音楽監督を務めたネルソン・リドルが編曲に1年を費やしたというほど念入りに作り上げられた力作なのに対して、本作のデッカ盤はエリス・ラーキンスのピアノのみをバックにしたシンプルな一枚。ガーシュインの原曲の美しさを極めてナチュラルに慈しむように大切にしている感覚が伝わってきて私の好みは圧倒的にこちらになるのですね。
全12曲。50年の8曲がやはり素晴らしいです。いきなりメロウなSomeone To Watch Over Meで始まります。この最初の1曲がこのアルバム全体を象徴的に表現していますね。一番のお勧めは、7. I've Got A Crush On Youと、3. But Not For Meでしょうか。6.Oh, Lady Be Goodでは後年得意とした完全にコントロールされたスキャットが聞かれます。さすがに上手いなと感心させられます。
本作はガーシュインのバラード集ですが、エラ自身「私はバラードが大好きで基本的にバラード・シンガーだと思っています」と語っているとのこと。デッカの前作である名作『ソングス・イン・ア・メロウ・ムード』でもエリス・ラーキンスの伴奏のみでバラードを歌っていますね。
1. Someone To Watch Over Me
2. My One And Only
3. But Not For Me
4. Looking For A Boy
5. Nice Work If You Can Get It
6. Oh, Lady Be Good
7. I've Got A Crush On You
8. How Long Has This Been Going On?
9. Maybe
10. Soon
11. I'm Just A Lucky So And So
12. I Didn't Mean A Word I Said
JR.comでは同種のアルバムが試聴可能です。→ Pure Ella (Decca)
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Ella Fitzgerald / Ella Sings Gershwin
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:40
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about
_others
2005年06月10日
My Favorites へようこそ。管理人の aft と申します。
当サイトは、管理人が趣味として日頃楽しんでいる音楽、映画、書籍、トレッキングなどについて、特に、お気に入りに焦点を当ててブログ形式で綴った全く個人的な趣味のサイトです。どうぞ、お気楽にお付き合いくださいませ。
音楽では、ジャズ、特に50年代60年代のモダン・ジャズが中心になっていまして、クラシックやボサノヴァなども少しですが加わっています。基本的に、音楽の場合はCDをご紹介するというパターンにしています。内容とともにアルバム・ジャケットのデザインにも結構思い入れを持つ性質(たち)でして、音楽の中味が良くて、かつ、ジャケット・デザインも気に入れば、それはもうほとんど 「私の宝物」、My Favorites になるのです。また、当然のごとくに演奏者であるアーティストに焦点を当てていまして、過去エントリーのカテゴリー分類も演奏者が奏する楽器別に分類されています。楽器ではピアノやサックスがお好みですのでエントリー数も自然に多くなると思います。
映画では、フランスやイタリアのヨーロッパのやはり50年代60年代の古い映画が中心になります。こちらも監督や出演者に焦点を当てながら、DVD単位のご紹介をしています。映画作家と呼ばれる巨匠監督を軸にして、鑑賞した映画の印象を忘備録として残すことを目的にした、ほぼ自分のための鑑賞記録といったところです。
書籍についても同様です。こちらはエントリーも少なく長い目で少しづつ蓄積してゆくことになるでしょう。
あと、トレッキングというカテゴリーを設けていますが、これは、この10年来毎週のように近郊の週末登山を主に健康のため行っておりまして、こちらも忘備録のような位置づけで考えています。
また、当サイトはアマゾン(amazon.co.jp)へのリンクがいたる所に張られています。これは当サイトがアマゾン・アソシエイトに参加しているからです。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、アマゾン・アソシエイトといいますのは、アマゾンと個人あるいは法人サイトが提携して、各サイトのリンクを通してアマゾンで売上があった場合にアマゾンからそのサイト運営者に売上の数%が支払われるというシステムです。
お陰様で毎月少額ですが収益が上っています(2005年6月時点)。当サイト経由でアマゾンにて商品をご購入いただいた方々には心より御礼を申し上げます。これらの収益は、そのほとんどが当ブログ・サイトの運営費用である、サーバー費やドメイン維持費、それに月数枚のCD購入などに有効に使わせていただいております。深く感謝いたします。
また、当サイトはMovable Typeというブログ専用ソフトで構築されています。訪問者の方々が当サイトにアクセスして目的のページに効率よく移動できるよう、またサイト内を気ままに散策していただけるよう、サイト構造を自由に構築できるMovable Typeを選びました。多くの方にご愛顧いただけるサイトを目指しています。
どうぞ、今後ともよろしくお願い申し上げます。
投稿者 Jazz Blogger T : 17:25
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ナラ・レオン/美しきボサノヴァのミューズ
_Bossa Nova / MPB
_Popular Music
2005年06月07日
Nara Leao / Dez Anos Depois
今日はボサノヴァからとても渋い一枚をご紹介させていただきます。ナラ・レオン『美しきボサノヴァのミューズ』。ギターやピアノなど最小の伴奏でナラ・レオンの美声にてジョビンの名曲がアコースティックに演奏されます。心が洗われるようなシンプルで美しいボサノヴァ音楽の典型的な境地です。1971年パリ録音。ナラ・レオン亡命中の録音とか。お勧めです。
政治的な活動をしていたとのことですがそんな個人の世俗的なことには頓着せずともこの音楽は純粋に楽しめるものです。アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲の数々が極めて淡々と奏でられます。ギターをバックに歌われる詩的な世界これは一種の美学と言えるものです。
私はこの種のナチュラルで美しい音楽がとても好みなのです。あきが来ない類の音楽というのでしょうか。原曲の美が隠しようも無く露にされています。全24曲ですがさながらボサノヴァ名曲集です。1~14曲目はまさにボサノヴァのヒット・メドレー。透明なナラ・レオンの歌が魅力的です。これぞくせになる座右の音楽。
例えば2曲目のワン・ノート・サンバという曲は典型的なボサノヴァ曲。シンプルな曲だけに演奏者のセンスが如実に現れます。リバーブのよくきいた音ですが2本のギター伴奏で歌われるレオンの声質と雰囲気は最高に素晴らしいものです。これには脱帽です。イパネマの娘にも同種の美が輝いています。1942年生れ89年47才で没。
1,ハウ・インセンシティブ
2.ワン・ノート・サンバ
3.白と黒のポートレイト
4.コルコヴァード
5.イパネマの娘
6.ポイズ・E
7.想いあふれて
8.ボニータ
9.あなたと私
10.フォトグラフ
11.オ・グランヂ・アモール
12.エストラーダ・ド・ソル
13.ポル・トーダ・ミーニャ・ヴィーダ
14.ジザフィナード
15.私の恋人
16.まじめな青年
17.ヴォウ・ポル・アイー
18.平和な愛
19.サビアー
20.メディテーション
21.春
22.まなざし
23.オウトラ・ヴェス
24.ジマイス
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Nara Leao / Dez Anos Depois
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:46
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フィニアス・ニューボーンJr/ア・ワールド・オブ・ピアノ
JAZZ Piano 2
2005年06月03日
Phineas Newborn Jr. / A World of Piano
今日はフィニアス・ニューボーンJrの傑作アルバム『ア・ワールド・オブ・ピアノ』です。そのテクニックはジャズ・ピアノ史上恐らくトップでしょう。そのフィニアス・ニューボーンJrの代表作といえば本作です。パーソネルは、フィニアス・ニューボーンJr(p)、ポール・チェンバース、サム・ジョーンズ(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ、ルイス・ヘイズ(ds)。1961年LA録音。Contemporary Records。
両手ユニゾンなどに見られる驚くべきテクニックは、一歩間違えばバカテクの類になりかねないところなのですが、このフィニアス・ニューボーンJrは十分に高い音楽性を伴っていているのですね。フィニアス・ニューボーンJrは1931年米メンフィス出身。56年にニューヨークでデビュー後、初レコーディングはプログレッシブ盤、ついでリーダー作をアトランティックに1枚、RCAに4枚、ルーレットに2枚、そして、61年以降は本作も含めたコンテンポラリーに3枚というハイ・ペースでリーダー・アルバムを残してゆくことになります。本ブログでも以前にお気に入りのRCA盤についてはご紹介しています。→ 『フィニアス・レインボウ』
50年代デビュー当時にはそのテクニックを披露すべくもっぱら急速調の演奏が多かったのですけれど、60年代の本作などに至りますと成熟したジャズ・ピアノ音楽を聴くことができますね。例えば、3曲目のビリー・ストレイホーンのスタンダード曲「ラッシュ・ライフ」などのバラッド演奏にはファンタジーでブリリアントな側面が見事に現れています。
余談ですが、曲の冒頭にラベルのピアノ曲「ソナチネ」のフレーズが出てきて面くらいますね。アルゲリッチのアルバム『夜のガスパール』のB面に入っていて聴きこんでいる曲だけにその覚束なさを少し感じたりします。ジャズマンがときにクラシック曲をまともに演奏することがありますが私はあまり好きではありません。このフィニアス・ニューボーンJrの場合はまだ許せる範囲ですが、私共が耳にする機会の多いクラシックの超一流プロの演奏と比べますとやはり脇の甘さなどが目についてしまうのですね。
また、7曲目、ベーシスト、ルロイ・ヴィネガー作でピアニスト、カール・パーキンスに捧げられた「フォー・カール」でのリリカルなジャズ・ワルツ演奏には可憐な佇まいの哀感があって実によい具合なのですね。カール・パーキンスをフィニアス・ニューボーンはフェイヴァリット・ピアニストの一人として挙げているそうですが、私も大好きなピアニストです。以前ご紹介したアルバムはこちらです。→ カール・パーキンス『イントロデューシング』
テクニック抜群のピアニストですぐ思いつくのがスペイン出身の盲目のピアニスト、テテ・モントリューです。こちらはラテンの血を感じさせる饒舌で情熱的なピアノなのですね。以前ご紹介したアルバムはこちらです。→ テテ・モントリュー『テテ』
話にまとまりがありませんが、本作は全8曲収録、素敵なピアノ・ジャズ・アルバムだと思います。尖がった個性を感じるのは50年代デビュー間もない頃の演奏、洗練されて円熟したピアニスティックなピアノなら60年代以降、特に本作は申し分のないハイ・レベルの演奏かなというところです。
1. Cheryl
2. Manteca
3. Lush Life
4. Daahoud
5. Oleo
6. Juicy Lucy
7. For Carl
8. Cabu
JR.comでは試聴可能です。→Phineas Newborn Jr. / A World of Piano
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Phineas Newborn Jr. / A World of Piano
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:49
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ギル・エヴァンス/クールからの脱出
JAZZ others 2
2005年06月01日
Gil Evans / Out of the Cool
今日はギル・エヴァンスの代表作『クールからの脱出』です。Impulseレコードの第1作として、プロデューサーのクリード・テイラーがギル・エヴァンスに白矢を立てて製作されたという記念すべきアルバム。パーソネルは、ジョニー・コールズ(tp)、ジミー・ネッパー(tb)、レイ・ベッケンステイン(as,fl,piccolo)、バッド・ジョンソン(ts,as)、レイ・クロフォード(g)、ロン・カーター(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)、ギル・エヴァンス(p,arr,cond.)他。1960年録音。Impulse Records。
ギル・エヴァンス(1912~1988)は1940年代にクロード・ソーンヒル楽団の編曲者に抜擢され精妙な音色の変化でビッグ・バンドのアレンジに革命を起こしました。そして49年にはマイルス・デイヴィス9重奏団の『クールの誕生』でジャズの新時代を開き、57年に再びマイルスと組んで『マイルス・アヘッド』、『ポーギーとベス』、『スケッチ・オブ・スペイン』など、数々の名作を手掛けていくのです。60年代以降は、自らの特異な編成のオーケストラを率いて先鋭的なアレンジで常に時代を先取ってゆくのでした。
本作の『クールからの脱出』Out of the Cool は60年の録音という古さを全く感じさせない斬新な音世界です。ジャズ・オーケストラに対する新しいコンセプトを提示することで鬼才と呼ばれたギル・エヴァンスにとっての代表作であり、いわゆるジャズ史的な名盤の一つに挙げられる評価の高いアルバムなのです。
全6曲。1曲目のLa Nevadaでのレイ・クロフォードのギターの音色などを聴きますと70年代以降のフュージョンの音かと思われるほどに新鮮なのですね。3曲目のBilbao Songなどは個人的にお好みの曲調なのでして、新しい音楽芸術を感じさせる類の印象に残る演奏だと思います。4曲目のStratusphunkなども盟友ジョージ・ラッセルの曲で興味深いリズム感を持ったブルース。5曲目のSunken Treasureではジョニー・コールズのtpをフィーチャーしながら独特のクールな音世界を映し出していますね。
1.La Nevada
2.Where Flamingos Fly
3.Bilbao Song
4.Stratusphunk
5.Sunken Treasure
6.Sister Sadie
JR.comでは試聴可能です。→Gil Evans / Out of the Cool
関連エントリーはこちら。→フラン・ウォーレン/ムード・インディゴ
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Gil Evans / Out of the Cool
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:31
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