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エラ・フィツジェラルド/エラ・シングス・ガーシュイン

JAZZ Vocal

2005年06月11日

ellasingsgershwin.jpeg Ella Fitzgerald / Ella Sings Gershwin

 今日はエラ・フィッツジェラルドの名盤『シングス・ガーシュイン』です。60年代以降の油の乗ったエラよりも私はこの50年前後のまだ名声を確立していない時期のエラに惹かれます。ガーシュインの名曲をピアノ伴奏のみで丁寧にしっとり歌い上げる本作の真摯なエラには好感が持てるのです。エラ・フィツジェラルド(vo)、エリス・ラーキンス(p)。1947~1954年。Decca Records。

 本作は1~4、7~10の8曲(1950年9月録音)をベースにした10インチLP『ガーシュイン・ソングス』として世に出ています。12インチの通常のLPにするときに他の4曲を追加して発売され、現在のCDもそのLPに準じたものとして発売されているというわけです。50年のエラ・フィッツジェラルドはすでに32才でして、
ジャズ・ヴォーカリストとして順風満帆の成長期に当るようです。

 後年エラは59年にLP5枚組みのガーシュイン集をヴァーブに、そして83年にはパブロにニールス・ヘニング・エルステッド・ペデルセンのベースを迎えて残していますね。エラは生涯の80枚以上に及ぶアルバムにおいてガーシュイン集を3度録音しておりその占める位置の重要さがわかるというものです。
 
 ヴァーブのガーシュイン集の方は音楽監督を務めたネルソン・リドルが編曲に1年を費やしたというほど念入りに作り上げられた力作なのに対して、本作のデッカ盤はエリス・ラーキンスのピアノのみをバックにしたシンプルな一枚。ガーシュインの原曲の美しさを極めてナチュラルに慈しむように大切にしている感覚が伝わってきて私の好みは圧倒的にこちらになるのですね。

 全12曲。50年の8曲がやはり素晴らしいです。いきなりメロウなSomeone To Watch Over Meで始まります。この最初の1曲がこのアルバム全体を象徴的に表現していますね。一番のお勧めは、7. I've Got A Crush On Youと、3. But Not For Meでしょうか。6.Oh, Lady Be Goodでは後年得意とした完全にコントロールされたスキャットが聞かれます。さすがに上手いなと感心させられます。

 本作はガーシュインのバラード集ですが、エラ自身「私はバラードが大好きで基本的にバラード・シンガーだと思っています」と語っているとのこと。デッカの前作である名作『ソングス・イン・ア・メロウ・ムード』でもエリス・ラーキンスの伴奏のみでバラードを歌っていますね。
 
1. Someone To Watch Over Me
2. My One And Only
3. But Not For Me
4. Looking For A Boy
5. Nice Work If You Can Get It
6. Oh, Lady Be Good
7. I've Got A Crush On You
8. How Long Has This Been Going On?
9. Maybe
10. Soon
11. I'm Just A Lucky So And So
12. I Didn't Mean A Word I Said

JR.comでは同種のアルバムが試聴可能です。→ Pure Ella (Decca)

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Ella Fitzgerald / Ella Sings Gershwin

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