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カーメン・マクレエ/ブック・オブ・バラーズ

JAZZ Vocal

2005年06月26日

book_of_ballads.jpeg Carmen Mcrae / Book of Ballads

 今日はカーメン・マクレエの定評あるバラッド集『ブック・オブ・バラーズ』です。先日東京のジャズ喫茶『いーぐる』でマクレエの素晴らしい歌声(アルバム名は不明)を聴きまして、そういえばまだ本ブログに登場していないマクレエの愛聴盤を早くご紹介せねばと思い立ったのでした。パーソネルは、カーメン・マクレエ(vo)、ドン・アブニー(p)、ジョー・ベンジャミン(b)、チャーリー・スミス(ds)、フランク・ハンター(cond)。1958年12月NY録音。

 カーメン・マクレエの歌はすぐにそれと分かる特徴的なものですね。つい先日東京で思いもかけず遭遇したマクレエの歌声は、昔一時よく聴いていた頃の感銘を思い出させてくれるものでした。じっくり聴き入ることになり、ああやはりこれは堪らないなあと改めて深く思い至ることになるのでした。そのアルバムは初めて聴くもので題名も確認していませんが、オーケストラをバックに歌っており50年代と思われるのでした。In this world of ordinary people♪で始まる美しい佳曲I'm glad there is youが入っていましたね。特に印象に残りましたが、この曲大好きなのですよね。Decca盤でしょうか?

 カーメン・マクレエは1922年NY生まれ1994年没。その特徴である丁寧にしっとり歌い上げる歌唱は一度その味を占めると忘れがたい深い印象を聞くものに与えます。バラッドで最も深い味わいが滲み出てくるのです。エラやサラ・ヴォーンほどの派手さはないけれど、いぶし銀の渋い歌を着実に長年に渡ってジャズ・ファンの心深くに刻んできた黒人女性ヴォーカルと言えるでしょう。

 カーメン・マクレエのアルバムは数枚程度の定評ある限られたものしか日常的に聞いていませんがいずれも高水準です。本作はそうした中でもマクレエ50年代を代表する名作だと言われています。タイトルが示している通り、全編バラードで占められており、マクレエの特質がクリアに出ていると思います。全12曲、うち8曲がごく控え目なストリングス主体のオーケストラが伴奏し、残り4曲がピアノトリオとの共演となっています。非常に密度の濃い内容です。その情感のこもった丁寧な歌い回しは本当に胸にぐっとくるものがありますね。


1. By Myself
2. Thriil Is Gone
3. How Long Has This Been Going On?
4. Do You Know Why?
5. My Romance
6. Isn't It Romantic?
7. If Love Is Good To Me
8. When I Fall In Love
9. Please Be Kind
10. He Was Too Good To Me
11. Angel Eyes
12. Something I Dreamed Last Night

iTunes Music Store では試聴可能です。→Carmen McRae - Book of Balladsカーメン・マクレエ/ブック・オブ・バラーズ

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Carmen Mcrae / Book of Ballads

関連エントリはこちら。→カーメン・マクレエ/アフター・グロウ


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