メイン・ページ > JAZZ others 2 > ギル・エヴァンス/クールからの脱出

ギル・エヴァンス/クールからの脱出

JAZZ others 2

2005年06月01日

out_of_the_cool.jpeg Gil Evans / Out of the Cool

 今日はギル・エヴァンスの代表作『クールからの脱出』です。Impulseレコードの第1作として、プロデューサーのクリード・テイラーがギル・エヴァンスに白矢を立てて製作されたという記念すべきアルバム。パーソネルは、ジョニー・コールズ(tp)、ジミー・ネッパー(tb)、レイ・ベッケンステイン(as,fl,piccolo)、バッド・ジョンソン(ts,as)、レイ・クロフォード(g)、ロン・カーター(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)、ギル・エヴァンス(p,arr,cond.)他。1960年録音。Impulse Records。

 ギル・エヴァンス(1912~1988)は1940年代にクロード・ソーンヒル楽団の編曲者に抜擢され精妙な音色の変化でビッグ・バンドのアレンジに革命を起こしました。そして49年にはマイルス・デイヴィス9重奏団の『クールの誕生』でジャズの新時代を開き、57年に再びマイルスと組んで『マイルス・アヘッド』、『ポーギーとベス』、『スケッチ・オブ・スペイン』など、数々の名作を手掛けていくのです。60年代以降は、自らの特異な編成のオーケストラを率いて先鋭的なアレンジで常に時代を先取ってゆくのでした。

 本作の『クールからの脱出』Out of the Cool は60年の録音という古さを全く感じさせない斬新な音世界です。ジャズ・オーケストラに対する新しいコンセプトを提示することで鬼才と呼ばれたギル・エヴァンスにとっての代表作であり、いわゆるジャズ史的な名盤の一つに挙げられる評価の高いアルバムなのです。

 全6曲。1曲目のLa Nevadaでのレイ・クロフォードのギターの音色などを聴きますと70年代以降のフュージョンの音かと思われるほどに新鮮なのですね。3曲目のBilbao Songなどは個人的にお好みの曲調なのでして、新しい音楽芸術を感じさせる類の印象に残る演奏だと思います。4曲目のStratusphunkなども盟友ジョージ・ラッセルの曲で興味深いリズム感を持ったブルース。5曲目のSunken Treasureではジョニー・コールズのtpをフィーチャーしながら独特のクールな音世界を映し出していますね。

1.La Nevada
2.Where Flamingos Fly
3.Bilbao Song
4.Stratusphunk
5.Sunken Treasure
6.Sister Sadie

JR.comでは試聴可能です。→Gil Evans / Out of the Cool

関連エントリーはこちら。→フラン・ウォーレン/ムード・インディゴ

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Gil Evans / Out of the Cool

ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→人気ブログランキング

投稿者 Jazz Blogger T : 09:31 | トラックバック

« カーティス・フラー/ブルースエット | メイン | フィニアス・ニューボーンJr/ア・ワールド・オブ・ピアノ »

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://dellton.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/497

Copyright (C) 2004-2014 MY FAVORITES All Rights Reserved.