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ウェイン・ショーター/ナイト・ドリーマー
JAZZ Sax 2
2005年11月20日
Wayne Shorter / Night Deamer
今日はウェイン・ショーターの『ナイト・ドリーマー』ですね。ショーターにとってはBN第1作です。アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズを抜けてマイルス・バンドに加わる前の64年はショーターにとってその個性が輝き出した重要な時期に当ります。パーソネルは、リー・モーガン(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、マッコイ・タイナー(p)、レジー・ワークマン(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。1964年NYC録音。BlueNote4173。
64年から66年くらいにかけてのショーターの音楽が大好きです。音楽というとちょっと大げさですが、ショーターの残した録音ということです。ウェイン・ショーターは59年にデビューした後、ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズの音楽監督に就くこと数年、64年前半にそこを辞して、その後すぐにマイルスの傘下に入るまでの約半年の間にブルーノートに2枚のリーダー作を残します。本作はその第1作に当ります。
この時期、ショーター本来の個性がいよいよ全開して光り輝いているように思います。新主流派としての新鮮な感覚はこの以前よりありましたが、神秘主義的な雰囲気は本作より明確になってゆくのです。それに一人のテナー奏者としてもこの時期が旬の時期に当ると思えるのです。それは例えばマイルス名義のシカゴでの『プラグド・ニッケル』(1965)のライブ演奏を聞けば明らかなことです。
この時期のショーターの軌跡を手繰ってみるべく、下に参加アルバムを時系列に列挙してみました。
1964年4月 ウェイン・ショーター『ナイト・ドリーマー』
8月 ウェイン・ショーター『ジュジュ』
9月 マイルス・デイヴィス『イン・ベルリン』
12月ウェイン・ショーター『スピーク・ノー・イーブル』
1965年1月 マイルス・デイヴィス『E.S.P.』
3月 ウェイン・ショーター『預言者』
10月 ウェイン・ショーター『ジ・オール・シーング・アイ』
12月 マイルス・デイヴィス『アット・ザ・プラグド・ニッケル』
1966年2月 ウェイン・ショーター『アダムス・アップル』
10月 マイルス・デイヴィス『マイルス・スマイルス』
(リンクは本ブログの過去エントリです。)
流石に凄い密度ですね。特に65年の4作は生涯最高の出来ではないかと思います。本作のナイト・ドリーマーはそれらの最初の第一歩という感じですが、すでに後年の成熟を予感させる内容になっています。特に、1曲目Night Dreamer でのワルツのリズムに乗った素敵な進歩的ジャズはショーターが得意とするアレンジの一つですし、3曲目Virgo では独特のショーター美学がほぼ満開といったところです。BNのA.ライオンが施したという、マッコイ、ワークマン、エルヴィンという当時のコルトレーン・グループのリズム隊も最適なサポートをまっとうしています。
1. Night Dreamer
2. Oriental Folk Song
3. Virgo
4. Black Nile
5. Charcoal Blues
6. Armageddon
Wayne Shorter (tenor saxophone); Lee Morgan (trumpet); McCoy Tyner (piano); Reggie Workman (double bass); Elvin Jones (drums). Liner Note Authors: Nat Hentoff; Bob Blumenthal. Recording information: Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, New Jersey (04/29/1964).
JR.comでは試聴可能です。→Wayne Shorter / Night Deamer
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Wayne Shorter / Night Deamer
関連エントリはこちら。
→ウェイン・ショーター『イントロデューシング・ウェイン・ショーター』
→ウェイン・ショーター『ネイテイブ・ダンサー』
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:15
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クリフ・ジョーダン/クリフ・クラフト
JAZZ Sax 2
2005年11月19日
Cliff Jordan / Cliff Craft
今日はクリフ・ジョーダンのテナーが心地よい『クリフ・クラフト』です。共演のアート・ファーマー、ルイス・ヘイズらと共に当時ホレス・シルヴァーのクインテットで活躍中であり、ソニー・クラークのピアノも印象深く快調なハードバップ・アルバム。パーソネルは、アート・ファーマー(tp)、クリフ・ジョーダン(ts)、ソニー・クラーク(p)、ジョージ・タッカー(b)、ルイス・ヘイズ(ds)。1957年NYC録音。BlueNote1582。
50年代のハードバップ・テナーとしてのクリフ・ジョーダンは極めて優等生だと思うのですね。ホレス・シルヴァーに見込まれ、アルフレッド・ライオンにも認められた実力と個性はクセのないオーソドックスなスタイルながら明朗なグルーヴ感とブルージーなセンスに溢れており、典型的なブルーノート・サウンドの一角を照らすわけであります。
やはり、アート・ファーマーとの2フロントの上に、ソニー・クラークやジョージ・タッカーが脇を固めて、さらに好選曲とくれば、これはもう素敵な内容となることが約束されたようなものです。その期待に違わず、本当に好ましい出来だと思われます。クリフ・ジョーダンの安定した自在な歌い回しには、シルヴァー・クインテットの黄金期メンバーとしての面目を示すに余りがあるほどに魅力的なものと言えるでしょう。
1曲目Laconiaの魅惑の主題メロディを手際よく調理するのはまずもってファーマーの貴重なミュートではあります。次いでクラークの特徴的なシングル・トーンが間を繋いだ後、主役ジョーダンが豪快なテナーで味わい深いソロを2コ-ラス奏でます。このソロがとても魅力的です。ずしりと重い重量級ながら軽快なブローが心地よいのですね。最後はファーマーとの2重奏で主題を繰り返してエンディングとなります。
2曲目Soul-Lo Blues のいかにもソニー・クラークっぽいブルースも一聴に値するものです。また、4曲目パーカー作のConfirmation ではジョーダンの卓越したテナーが存分に真価を発揮しています。細やかな部分でも決してぶれることのない技量とメロディック・センスが光っています。チャーリー・パーカー『ナウズ・ザ・タイム』の最後に収録されている名演を思い出します。ジョーダンのおおらかな個性が感じられる好演です。
1. Laconia 7:06
2. Soul-Lo Blues 8:31
3. Cliff Craft 6:32
4. Confirmation 7:34
5. Sophisticated Lady 6:46
6. Anthropology 7:03
Art Farmer(tp), Cliff Jordan(ts), Sonny Clark(p), George Tucker(b), Louis Hayes(ds). NYC, 1957. 11.10.
amazon.comでは試聴可能です。→Cliff Jordan / Cliff Craft
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Cliff Jordan / Cliff Craft
関連エントリはこちら。
→ホレス・シルヴァー『ファーザー・エクスプロレイションズ』
→チャーリー・パーカー『ナウズ・ザ・タイム』
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:16
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ミルト・ジャクソン/オパス・デ・ジャズ
JAZZ others 2
2005年11月14日
Milt Jackson / Opus de Jazz
今日はミルト・ジャクソンの名盤『オパス・デ・ジャズ』ですね。私はMJQのミルト・ジャクソンよりも本作のように独立したリーダー作のミルト・ジャクソンの方に魅力を感じてきました。渋くてブルージーでほどよくファンキーなのです。パーソネルは、フランク・ウェス(fl,ts)、ミルト・ジャクソン(vib)、ハンク・ジョーンズ(p)、エディ・ジョーンズ(b)、ケニー・クラーク(ds)。1955年NY録音。Savoy.
フルートが入って少しお洒落な雰囲気です。そういえば、ヘレン・メリル『ザ・ニアネス・オブ・ユー』の雰囲気に似ています。フルートを吹くのはフランク・ウェス、ご存知の通りカウント・ベイシー楽団の花形奏者の一人ですね。ベイシー楽団50年代の名盤でウェスのソロ演奏を聞くことが出来ます。80才を過ぎた今も現役ジャズマンとして活躍中とか。軽やかなフルートとは対照的な豪快なテナーも吹きますが、本作では2曲目でそのテナーが聞かれます。
それにハンク・ジョーンズのピアノがまた渋いのですね。例えば、2曲目のピアノ・ソロのところなどはハンク・ジョーンズならではの上品かつ上質のブルース・センスが光っています。この3者、ウェスのフルート&テナー、ハンク・ジョンーズのピアノ、それにミルト・ジャクソンのヴァイブの組合わせが絶妙な相乗効果を示しています。とっても興味深い別世界のジャズなのですね。典型的な3曲目の静溢でブルージーな演奏などは何度聞いても飽きない渋いものです。私はミルト・ジャクソンのこの種の音空間が大好きですし、これからもずっと愛してゆくことになろうことを感じています。
派手にスイングするジャズもよいですが、たまにはこうした落ち着いたジャズも格別のものがあります。秋の深夜一人で孤独を友にしながらゆったりした自由な時間を過ごすのにはもってこいのBGMかもしれません。きっといつもの日常とは異なる福よかな時が流れて行くことでしょう。
1. Opus De Funk 13:28
2. Opus Pocus 7:31
3. You Leave Me Breathless 6:31
4. Opus And Interlude 6:31
Milt Jackson (vibraphone); Frank Wess (tenor saxophone, flute); Hank Jones (piano); Eddie Jones (bass); Kenny Clarke (drums). Recorded on October 28, 1955.
JR.comでは試聴可能です。→Milt Jackson / Opus de Jazz
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Milt Jackson / Opus de Jazz
関連エントリはこちら。
→ミルト・ジャクソン『ミルト・ジャクソン・クァルテット』
→ヘレン・メリル『ザ・ニアネス・オブ・ユー』
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投稿者 Jazz Blogger T : 22:34
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フレディ・レッド/シェイズ・オブ・レッド
JAZZ others 2
2005年11月11日
Freddie Redd / Shades of Redd
今日はフレディ・レッドの代表作『シェイズ・オブ・レッド』をご紹介いたしましょう。フレディ・レッドはあまり有名なピアニストではないですが、BNに残した2枚のリーダー・アルバムその他数枚で真摯なジャズ・ファンの胸に深く刻印されている鬼才です。パーソネルは、ジャッキー・マクリーン(as)、ティナ・ブルックス(ts)、フレディ・レッド(p)、ポール・チェンバース(b)、ルイス・ヘイズ(ds)。1960年NY録音。BlueNote4045.
特徴的な優れたメロディのブルース曲が印象に残ります。それにジャッキー・マクリーンとティナ・ブルックスという味のある2管サックスのフロントが素敵です。内容的には典型的なハード・バップになりますね。全作フレディ・レッドのオリジナルとのことですから作編曲の才能は相当のものがあります。きっとホレス・シルヴァーやソニー・クラーク並みなのでしょう。
例えば、6曲目Just A Ballad For My Baby での哀歓のある主題と表現がとてもいいです。主題メロディをマクリーンがしっとりと紹介し、ブルックスがそれを受けて癒し系の音色でもって優しく応えます。それを2回繰り返した後、レッドの美しいピアノ・ソロを挟んで再びブルックスの素晴らしいソロが続きます。マクリーンは主題紹介のみの役回りでして、ブルックスとレッドの哀愁漂うセンスが実にいい感じなのです。
それに7曲目Oleなどはまるで自動車のTVコマーシャルに出てきそうなくらいインパクトのある愛らしいメロディです。主題紹介の後は快調なミディアム・テンポのブルースとして3者の巧みなソロが聞かれます。また、3曲目Shadows でも同様に魅力的な主題がまず示されて、それを腕達者のマクリーンとブルックスがさらにおいしく料理するというパターンなのですね。ここでのブルックスとレッドの深い感情移入を感じさせてくれるソロ展開には唸らされます。
やはりティナ・ブルックスのテナーに私は敏感に反応してしまうのですね。野太い音に耳を澄ませば憂いに満ちた繊細なハートが感じられます。そこへフレディ・レッドの孤独な佇まいのピアノがよく呼応しているのです。印象に残る独特の世界です。
1. The Thespian
2. Blues-Blues-Blues
3. Shadows
4. Melanie
5. Swift
6. Just A Ballad For My Baby
7. Ole
amazon.comでは試聴可能です。→Freddie Redd / Shades of Redd
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Freddie Redd / Shades of Redd
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投稿者 Jazz Blogger T : 22:35
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ジョニー・グリフィン/ブローイング・セッション
JAZZ Sax 2
2005年11月07日
Johnny Griffin / A Blowing Session
今日はジョニー・グリフィンのNYデビュー2枚目、ブルーノート2作目の『ブローイング・セッション』です。超豪華メンバーを従えてグリフィンが主役をこなす最高のハード・バップ・アルバム。パーソネルは、リー・モーガン(tp)、ジョニー・グリフィン(ts)、ジョン・コルトレーン(ts)、ハンク・モブレイ(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・ブレイキー(ds)。1957年NY録音。BlueNote1559.
参加メンバーが何といっても凄いですね。フロントはリー・モーガンにジョン・コルトレーンとハンク・モブレイの4管、リズムは、ウィントン・ケリー、ポール・チェンバース、アート・ブレイキーといった少し変則ですがビッグネームばかり。流石にグリフィンの力量を見込んだ製作者側の意図が十分に汲み取れるというものです。そしてその期待以上に申し分のないブローを繰り広げるグリフィンのテナーは超一流の証を示しえたのでした。
ジョニー・グリフィンは出身地であるシカゴでアーゴ盤『JG』 (1956)でデビューし、NYに出てきてBlueNoteに『イントロデューシング・ジョニー・グリフィン』 (1956)を吹き込んでいまして、本作は通算3作目にあたります。前2作はいずれもワン・ホーンの力作でしたが、本作はセブンステットという4管7人編成なのです。前2作で披露されたその凄まじいまでのノリ具合が本作でも見事に全開しております。尽きることの無いその圧倒的なインプロヴィゼーションはコルトレーンやモブレイらの同じテナーを向こうにまわして存分な存在感を主張しています。
例えば、私のお好みのスタンダ-ド3曲目All the things you are に耳を傾けてみますと、最初にグリフィンによるテーマ紹介があり、続けてグリフィンのソロに突入しますが、そのいつもながら次から次に展開してゆくソロの広がり具合、さらには混沌へと入り込まんとする醍醐味といいますのは流石に心地良い最高の境地なのですね。グリフィンの後に、コルトレーン、モブレイ、モーガンと受け継がれるソロは、いずれも味わい深いものではありますが、やはりグリフィンの最奥に分け入って独り我行かんといった孤高の意気込みといいますのは聞くものの胸に響いてくるものがあるというものですね。勿論、この時期のコルトレーンも実に素晴らしいものがありますが、まあそれに匹敵するグリフィンというところです。
ジョニー・グリフィンは本作の後、同年の1957年10月にBNにもう一枚ソニー・クラークとの共演ワン・ホーン作を録音して、さらには1958年にはモンクとの定評あるライブ共演を果たします。やはりこの時期のグリフィンは旬の人なのだと思われます。どの作品にもパワー全開の元気なグリフィン、いつも主役のグリフィンがいます。私の中では、ロリンズ、コルトレーン、グリフィンの3人がモダン・ジャズ・テナーのベスト・スリーとなりますですね。
1. The Way You Look Tonight 9:41
2. Ball Bearing 8:12
3. All The Things You Are 10:14
4. Smoke Stack 10:10
Johnny Griffin, Hank Mobley, John Coltrane (tenor saxophone); Lee Morgan (trumpet); Wynton Kelly (piano); Paul Chambers (bass); Art Blakey (drums). Producer: Alfred Lion. Recorded at the Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey on April 6, 1957. Originally released on Blue Note (1559).
JR.comでは試聴可能です。→A Blowing Session
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ A Blowing Session
関連エントリーはこちら。
→ジョニー・グリフィン『JG』 (Argo, 1956)
→ジョニー・グリフィン『イントロデューシング・ジョニー・グリフィン』 (BN, 1956)
→セロニアス・モンク『ミステリオーソ』 (1958)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:17
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ホレス・シルヴァー/ザ・スタイリングス・オブ・シルヴァー
JAZZ others 2
2005年11月05日
Horace Silver / The Stylings of Silver
今日はホレス・シルヴァーの愛すべき名作『ザ・スタイリングス・オブ・シルヴァー』といきましょう。NY国連ビル前でポーズをとるシルヴァー。この妙に新鮮で心魅かれるジャケット同様、中味も分かりやすいファンキー・ジャズが魅力的です。アート・ファーマーとハンク・モブレイのテナーの魅力が横溢していますね。パーソネルは、アート・ファーマー(tp)、ハンク・モブレイ(ts)、ホレス・シルヴァー(p)、テディ・コティック(b)、ルイス・ヘイズ(ds)。1957年NY録音。BlueNote1562.
ときどき無性にホレス・シルヴァーを聞きたくなるときがあるものなのです。その可愛げのある主題メロディ、小気味良いアンサンブル、それにその明るいノリなど。ブルーノート4作目の本作と次作の『ファーザー・エクプロレイションズ』の2枚は特にそうしたシルヴァーらしさを最も感じさせてくれる私にとって大切な作品になっています。老舗が持つ安らぎと落ち着きとでもいうのでしょうか。
アート・ファーマーとハンク・モブレイのフロントが暖色のなごみ系なのが良いのですね。この時期のファーマーは美しい音色で実に安定した歌い回しですし、モブレイのしなやかでソフトな独特の吹奏が存分に披露されています。シルヴァー・クインテットのトランペットは、ケニー・ドーハム、ドナルド・バード、ファーマー、ブルー・ミッチェルと変遷してゆきますが、私にはファーマーが最もシルヴァーとの相性が良いように思われます。
全6曲。いずれも渋くて飽きの来ない味わい深い演奏です。2曲目ミディアム・テンポのThe Back Beat などはシルヴァーのファンキー・ジャズの典型的な音だと思います。ここでのモブレイのテナー・ソロと続くファーマーのソロがともにとてもいかしていますね。6曲目スタンダードのMy One And Only Love でのファーマーのソロがまた素晴らしいものですし、続くモブレイの丁寧な歌い回し、そして二人を支えるシルヴァーの美しいバッキングなど、いずれも聞き応えがあります。
1. No Smokin'
2. The Back Beat
3. Soulville
4. Home Cookin'
5. Metamorphosis
6. My One And Only Love
amazon.comでは試聴可能です。→The Stylings of Silver
詳しくはamazon.co.jpでどうぞ。→ The Stylings of Silver
関連エントリはこちら。
→ホレス・シルヴァー『ファーザー・エクプロレイションズ』
→ホレス・シルヴァー『ソング・フォー・マイ・ファーザー』
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投稿者 Jazz Blogger T : 22:36
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ジャズ・クリスマス・パーティ
JAZZ others 2
2005年11月04日
Jazz Christmas Party
今日はクリスマスを題材にしたよくあるオムニバス盤をご紹介しましょう。ジャズのクリスマス・アルバムと言えば、私の中では、シンガーズ・アンリミテッドのものと本作とが筆頭格としてまず浮かびます。本作はワーナー・ブラザーズによって所属ジャズ・スター達を起用して製作されたアルバムです。ボブ・ジェームス、アル・ジャロウ、マイケル・フランクスらの大御所をはじめとして、ブラッド・メルドー、マーク・ターナー、ラリー・ゴールディングスらの若手~中堅の実力者らを一堂に会した、軟弱なアルバム・ジャケットからは想像しがたい本格的な真摯なジャズ・アルバムなのです。1997年NYC録音。
全12曲、楽しさとともにジャズの深みを知ることのできる面白いアルバムです。私のお勧めは何といいましても6曲目のブラッド・メルドーのピアノとラリー・ゴールディングスのオルガンのデュオによるお馴染みのメロディSilentNightです。この演奏を紹介したいがために本作をエントリしたようなもの、それくらいに素敵な演奏と私は感じているのですね。
ブラッド・メルドーは哲学的で深い音楽世界を醸すことのできる稀有なピアニストですね。彼の奏でる音楽には音の間を演出することにより生じる深遠な空間が常に形作られます。いわば精神的にあくまでも豊穣な音楽です。10曲目でもそうしたメルドーのトリオ演奏が聞かれますが流石に深いですね。で、6曲目に戻りますけれど、こちらはラリー・ゴールディングスというオルガンがいい感じなのですね。
ジャズ・オルガンといいますと、ジミー・スミスがダントツで著名なわけですが、私は数枚、そうあの黒猫とかスポーツカー&女のジャケットのやつなどでその嗜好が私の中には無いことを実感しました。スミスさんは根っからの根アカ系なのですね。サックスやピアノ奏者にもいろいろなセンスの違いがあるものでして、オルガン奏者にもジミー・スミスとは異なるセンスを持つジャズマンがいると思うのです。まだまだ探索はこれからですが、昔ではラリー・ヤング、最近ではこのラリー・ゴールディングスあたりがよいかなと少し思いつつあるところなのです。
このラリー・ゴールディングスのオルガンが分かりやすくて、その低音ベースが心地よくて、それにメルドーとのバランスが妙に良き感触だったりして、繰り返し何度も聴いてその良い具合に納得するのでした。オルガンの音楽について思い起こしますと、やはりあの映画『男と女』のサウンド・トラック、そうフランシス・レイの音楽が脳裏に焼きついています。ユーモラスな映画冒頭のすぐ後に海の映像とともに流れるオルガンによる美しいメロディ、それにレース優勝の祝賀会でA・エーメからの電報を受け取るJ.L.トランティニャンがパリへと向かおうとするはやる気持ちを象徴するかのようなオルガンの音色、これらはサウンド・トラック盤には入っておらず映画を観るしかないのですが。
ついでですが、8曲目Kevin Mahogany の歌声がジョニー・ハートマン風の渋いもので聞き応えありです。
1. Santa Claus Is Coming To Town - Joshua Redman
2. Celebrate Me Home - All Jarreau
3. A Cradle In Bethlehem - Kirk Whalum
4. I Bought You A Plastic Star For Your Aluminum Tree - Michael Franks
5. Our First Christmas - Gabriela Anders
6. Silent Night - Larry Goldings & Brad Mehldau
7. Have Yourself A Merry Little Christmas - Boney James
8. I'll Be Home For Christmas - Kevin Mahogany
9. Pure Imagination - Mark Turner
10. Christmas Time Is Here - Brad Mehldau Trio
11. Personent Hodie (Sing Aloud On This Day) - Bob James Trio
12. White Christmas - Bela Fleck & Bob James
amazon.comでは試聴可能です。→Jazz Christmas Party
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Jazz Christmas Party
関連エントリはこちら。
→ブラッド・メルドー『ソングス』
→フランシス・レイ『男と女』サウンド・トラック
→クロード・ルルーシュ『男と女』
→マイケル・フランクス『スリーピング・ジプシー』
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投稿者 Jazz Blogger T : 22:33
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バーニー・ケッセル/オン・ファイアー
JAZZ Guitar 1
2005年11月03日
Barney Kessel / On Fire
今日はお好みの白人ギタリスト、バーニー・ケッセルにご登場願いましょう。その代表作とされるトリオ演奏の『オン・ファイアー』は、ケッセルのスインギーでご機嫌な熱いライブ演奏が繰り広げられた定評ある名作です。パーソネルは、バーニー・ケッセル(g)、ジェリー・シェフ(b)、フランク・キャプ(ds)。1965年ライブ録音。Emerald。
バーニー・ケッセルのギターはよく歌ってスイング感があって日常的に楽しむにはもってこいのいわば茶の間のモダン・ジャズと呼べるでしょう。いつでもどこでも確実にジャズの面白みを感じさせてくれますので本当に頼りになる存在なのですね。ジュリー・ロンドンの『彼女の名はジュリー』やポール・ウィナーズの諸作などで格別に親しみのあるギタリストなのです。
やはりそのグルーヴ感のある歌い回しが魅力的ですし、何と言ってもベースとドラムのリズムを従えたギター1本の構成でジャズの醍醐味を十分に伝え得るその力量たるや流石に抜群のものがありますね。次から次に繰り出される変化のある技と歌心に全くもって魂を奪われてしまうのです。いつものごとくアルコールで少し麻痺した今宵の我が感性にとっては極上のテイストを与えてくれています。
やはりライブ演奏といういかにも直截なダイナミズム空間が興趣を生むことに貢献しているのでしょう。多くの一流ジャズメンに当てはまると思いますが、ケッセルほどの力量があればむしろ一過性の即興性のライブにこそスリルを伴った素晴らしい演奏が成就するのだと思われます。とにかく西海岸白人系特有の小気味良い根アカのご機嫌なジャズが満開なのです。
3曲目のエリザベス・テーラー主演の映画「いそしぎ」の主題曲The Shadow Of Your Smileのような有名曲の素朴な解釈にもケッセルならではの味わいが感じられます。やはり4曲目Recado Bossa Novaのメリハリのきいたボサノヴァ演奏に聞かれる尽きることなく泉のように湧き出てくるメロディ構築には面目躍如の感があります。この凄まじいノリこそケッセルの本領です。堪らない魅力がありますね。1、2曲目や7曲目にも同種のスインギーでブルージーなギターが目一杯聞かれます。
1. Slow Burn
2. Just in Time
3. The Shadow Of Your Smile
4. Recado Bossa Nova
5. Sweet Baby
6. Who Can I Turn To
7. One Mint Julep
Barney Kessel(g), Jerry Scheff(b), Frank Capp(ds). Rec. 1965, live at P.J.'s, Hollywood.
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Barney Kessel / On Fire
関連エントリーはこちら。
→ バーニー・ケッセル『イージー・ライク』(1953&54)
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投稿者 Jazz Blogger T : 22:37
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ジョン・コルトレーン/コルトレーン
JAZZ Sax 2
2005年11月01日
John Coltrane / Coltrane
今日はコルトレーンの名作『コルトレーン』です。50年代半ばから急速に変化を遂げてきたコルトレーン・ジャズがほぼ完成の域に達した62年春のImpulse録音。メンバーも、トレーン、マッコイ、ギャリソン、エルヴィンというジャズ史上最強とも言えるカルテットの記念すべき第1作。自信に満ち溢れたコルトレーン入魂の情念ほとばしる剛速球です。パーソネルは、ジョン・コルトレーン(ts,ss)、マッコイ・タイナー(p)、ジミー・ギャリソン(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。1962年録音。Impulse。
感覚派の管理人にとってまずもって素敵なジャケットに心を奪われます。テナー・サックスとそれを吹く真摯なコルトレーン、そして全体のくすんだブルーからグリーン系の配色、それらが独特の渋い雰囲気を醸し出しています。コルトレーンの数多いアルバムの中でこのジャケットが最も好ましいと私は感じています。
さて本作は、61年12月にヴィレッジ・バンガードでの著名なライブ録音を残した直後の62年春に録音されています。50年代半ばにマイルスに見出され桧舞台に出て以降、遅咲きを取り返すかのような勢いでひたすら精進を重ねてきた結果、コルトレーン・ジャズと呼ぶに相応しい一つの頂点に達した時期に当ります。メンバーも最強と言われるマッコイ、ギャリソン、エルヴィンに固定された最初の録音ですね。このすぐ後の62-63年はエリントンとの共演やバラード集など、ある意味で歩調が止まった一種のスランプ状態の時期となりますので、本作はその意味ではコルトレーンが求めてきた一つの最終目標を示しているに違いないと私には思われます。
実際、その音楽の隅々にまで感じられる揺るぎない自信に満ちた表情、それがとても印象的です。独特の体臭を放つまさに典型的なコルトレーン的世界が映し出されている作品と言えるでしょう。1曲目Out Of This World に聞かれる圧倒的な吹奏に耳を傾けてみましょう。全開するコルトレーン流ブルースのテナー、それを煽り続けるエルヴィンのドラミング、そして、ギャリソンの神秘的に歌うベースとモード奏法のマッコイ節、この4者の渾然一体となった不思議空間、これは聞く者を別世界にいざなってくれますね。
2曲目Soul Eyesでは、後の『バラード』の原型がここにあることが分かります。切ないテナーが印象に残ります。それに、マッコイ・タイナーのピアノがコルトレーンが指摘するbeautyを如実に映しています。マッコイのピアノは私の大のお気に入りですが、本来のモード手法の合間に時折垣間見せるこうした叙情的な側面を実に美しいと思うのです。
1. Out Of This World 14:06
2. Soul Eyes 5:26
3. The Inch Worm 6:18
4. Tunji 6:34
5. Miles' Mode 7:31
John Coltrane(ts, ss) McCoy Tyner(p), Jimmy Garrison(b), Elvin Jones(ds). 1962.4.11, 5.21, 5.29
iTunes Music Store では試聴可能です。→
詳しくはアマゾンでどうぞ。
→ John Coltrane / Coltrane
ジョン・コルトレーンのディスコグラフィはこちら。
→John Coltrane Discography
関連エントリーはこちら。
→ セロニアス・モンク/ウィズ・ジョン・コルトレーン(1957)
→ ジョン・コルトレーン/ブルー・トレーン(1957)
→ ジョン・コルトレーン/ソウル・トレーン(1958)
→ ジョン・コルトレーン/ジャイアント・ステップス(1959)
→ ジョン・コルトレーン/マイ・フェイバリット・シングス(1960)
→ ジョン・コルトレーン/プレイズ・ブルース(1960)
→ ジョン・コルトレーン/オレ・コルトレーン(1961)
→ ジョン・コルトレーン/インプレッションズ(1961)
→ ジョン・コルトレーン/ライブ・アット・ザ・ビレッジ・ヴァンガード(1961)
→ ジョン・コルトレーン/ジョン・コルトレーンとジョニー・ハートマン(1963)
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:19
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