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ウェイン・ショーター/ナイト・ドリーマー
JAZZ Sax 2
2005年11月20日
今日はウェイン・ショーターの『ナイト・ドリーマー』ですね。ショーターにとってはBN第1作です。アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズを抜けてマイルス・バンドに加わる前の64年はショーターにとってその個性が輝き出した重要な時期に当ります。パーソネルは、リー・モーガン(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、マッコイ・タイナー(p)、レジー・ワークマン(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。1964年NYC録音。BlueNote4173。
64年から66年くらいにかけてのショーターの音楽が大好きです。音楽というとちょっと大げさですが、ショーターの残した録音ということです。ウェイン・ショーターは59年にデビューした後、ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズの音楽監督に就くこと数年、64年前半にそこを辞して、その後すぐにマイルスの傘下に入るまでの約半年の間にブルーノートに2枚のリーダー作を残します。本作はその第1作に当ります。
この時期、ショーター本来の個性がいよいよ全開して光り輝いているように思います。新主流派としての新鮮な感覚はこの以前よりありましたが、神秘主義的な雰囲気は本作より明確になってゆくのです。それに一人のテナー奏者としてもこの時期が旬の時期に当ると思えるのです。それは例えばマイルス名義のシカゴでの『プラグド・ニッケル』(1965)のライブ演奏を聞けば明らかなことです。
この時期のショーターの軌跡を手繰ってみるべく、下に参加アルバムを時系列に列挙してみました。
1964年4月 ウェイン・ショーター『ナイト・ドリーマー』
8月 ウェイン・ショーター『ジュジュ』
9月 マイルス・デイヴィス『イン・ベルリン』
12月ウェイン・ショーター『スピーク・ノー・イーブル』
1965年1月 マイルス・デイヴィス『E.S.P.』
3月 ウェイン・ショーター『預言者』
10月 ウェイン・ショーター『ジ・オール・シーング・アイ』
12月 マイルス・デイヴィス『アット・ザ・プラグド・ニッケル』
1966年2月 ウェイン・ショーター『アダムス・アップル』
10月 マイルス・デイヴィス『マイルス・スマイルス』
(リンクは本ブログの過去エントリです。)
流石に凄い密度ですね。特に65年の4作は生涯最高の出来ではないかと思います。本作のナイト・ドリーマーはそれらの最初の第一歩という感じですが、すでに後年の成熟を予感させる内容になっています。特に、1曲目Night Dreamer でのワルツのリズムに乗った素敵な進歩的ジャズはショーターが得意とするアレンジの一つですし、3曲目Virgo では独特のショーター美学がほぼ満開といったところです。BNのA.ライオンが施したという、マッコイ、ワークマン、エルヴィンという当時のコルトレーン・グループのリズム隊も最適なサポートをまっとうしています。
1. Night Dreamer
2. Oriental Folk Song
3. Virgo
4. Black Nile
5. Charcoal Blues
6. Armageddon
Wayne Shorter (tenor saxophone); Lee Morgan (trumpet); McCoy Tyner (piano); Reggie Workman (double bass); Elvin Jones (drums). Liner Note Authors: Nat Hentoff; Bob Blumenthal. Recording information: Van Gelder Studios, Englewood Cliffs, New Jersey (04/29/1964).
JR.comでは試聴可能です。→Wayne Shorter / Night Deamer
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Wayne Shorter / Night Deamer
関連エントリはこちら。
→ウェイン・ショーター『イントロデューシング・ウェイン・ショーター』
→ウェイン・ショーター『ネイテイブ・ダンサー』
投稿者 Jazz Blogger T : 21:15 | トラックバック
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