メイン・ページ > JAZZ others 2 > ジャズ・クリスマス・パーティ

ジャズ・クリスマス・パーティ

JAZZ others 2

2005年11月04日

christmas_party.jpeg Jazz Christmas Party

 今日はクリスマスを題材にしたよくあるオムニバス盤をご紹介しましょう。ジャズのクリスマス・アルバムと言えば、私の中では、シンガーズ・アンリミテッドのものと本作とが筆頭格としてまず浮かびます。本作はワーナー・ブラザーズによって所属ジャズ・スター達を起用して製作されたアルバムです。ボブ・ジェームス、アル・ジャロウ、マイケル・フランクスらの大御所をはじめとして、ブラッド・メルドー、マーク・ターナー、ラリー・ゴールディングスらの若手~中堅の実力者らを一堂に会した、軟弱なアルバム・ジャケットからは想像しがたい本格的な真摯なジャズ・アルバムなのです。1997年NYC録音。

 全12曲、楽しさとともにジャズの深みを知ることのできる面白いアルバムです。私のお勧めは何といいましても6曲目のブラッド・メルドーのピアノとラリー・ゴールディングスのオルガンのデュオによるお馴染みのメロディSilentNightです。この演奏を紹介したいがために本作をエントリしたようなもの、それくらいに素敵な演奏と私は感じているのですね。

 ブラッド・メルドーは哲学的で深い音楽世界を醸すことのできる稀有なピアニストですね。彼の奏でる音楽には音の間を演出することにより生じる深遠な空間が常に形作られます。いわば精神的にあくまでも豊穣な音楽です。10曲目でもそうしたメルドーのトリオ演奏が聞かれますが流石に深いですね。で、6曲目に戻りますけれど、こちらはラリー・ゴールディングスというオルガンがいい感じなのですね。

 ジャズ・オルガンといいますと、ジミー・スミスがダントツで著名なわけですが、私は数枚、そうあの黒猫とかスポーツカー&女のジャケットのやつなどでその嗜好が私の中には無いことを実感しました。スミスさんは根っからの根アカ系なのですね。サックスやピアノ奏者にもいろいろなセンスの違いがあるものでして、オルガン奏者にもジミー・スミスとは異なるセンスを持つジャズマンがいると思うのです。まだまだ探索はこれからですが、昔ではラリー・ヤング、最近ではこのラリー・ゴールディングスあたりがよいかなと少し思いつつあるところなのです。

 このラリー・ゴールディングスのオルガンが分かりやすくて、その低音ベースが心地よくて、それにメルドーとのバランスが妙に良き感触だったりして、繰り返し何度も聴いてその良い具合に納得するのでした。オルガンの音楽について思い起こしますと、やはりあの映画『男と女』のサウンド・トラック、そうフランシス・レイの音楽が脳裏に焼きついています。ユーモラスな映画冒頭のすぐ後に海の映像とともに流れるオルガンによる美しいメロディ、それにレース優勝の祝賀会でA・エーメからの電報を受け取るJ.L.トランティニャンがパリへと向かおうとするはやる気持ちを象徴するかのようなオルガンの音色、これらはサウンド・トラック盤には入っておらず映画を観るしかないのですが。

 ついでですが、8曲目Kevin Mahogany の歌声がジョニー・ハートマン風の渋いもので聞き応えありです。

1. Santa Claus Is Coming To Town - Joshua Redman
2. Celebrate Me Home - All Jarreau
3. A Cradle In Bethlehem - Kirk Whalum
4. I Bought You A Plastic Star For Your Aluminum Tree - Michael Franks
5. Our First Christmas - Gabriela Anders
6. Silent Night - Larry Goldings & Brad Mehldau
7. Have Yourself A Merry Little Christmas - Boney James
8. I'll Be Home For Christmas - Kevin Mahogany
9. Pure Imagination - Mark Turner
10. Christmas Time Is Here - Brad Mehldau Trio
11. Personent Hodie (Sing Aloud On This Day) - Bob James Trio
12. White Christmas - Bela Fleck & Bob James

amazon.comでは試聴可能です。→Jazz Christmas Party

詳しくはアマゾンでどうぞ。→  Jazz Christmas Party

関連エントリはこちら。
ブラッド・メルドー『ソングス』
フランシス・レイ『男と女』サウンド・トラック
クロード・ルルーシュ『男と女』
マイケル・フランクス『スリーピング・ジプシー』


ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→ banner_04.gif

投稿者 Jazz Blogger T : 22:33 | トラックバック

« バーニー・ケッセル/オン・ファイアー | メイン | ホレス・シルヴァー/ザ・スタイリングス・オブ・シルヴァー »

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://dellton.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/479

Copyright (C) 2004-2014 MY FAVORITES All Rights Reserved.