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ジョニー・グリフィン/ブローイング・セッション

JAZZ Sax 2

2005年11月07日

blowing_session.jpeg Johnny Griffin / A Blowing Session

 今日はジョニー・グリフィンのNYデビュー2枚目、ブルーノート2作目の『ブローイング・セッション』です。超豪華メンバーを従えてグリフィンが主役をこなす最高のハード・バップ・アルバム。パーソネルは、リー・モーガン(tp)、ジョニー・グリフィン(ts)、ジョン・コルトレーン(ts)、ハンク・モブレイ(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・ブレイキー(ds)。1957年NY録音。BlueNote1559.

 参加メンバーが何といっても凄いですね。フロントはリー・モーガンにジョン・コルトレーンとハンク・モブレイの4管、リズムは、ウィントン・ケリー、ポール・チェンバース、アート・ブレイキーといった少し変則ですがビッグネームばかり。流石にグリフィンの力量を見込んだ製作者側の意図が十分に汲み取れるというものです。そしてその期待以上に申し分のないブローを繰り広げるグリフィンのテナーは超一流の証を示しえたのでした。

 ジョニー・グリフィンは出身地であるシカゴでアーゴ盤『JG』 (1956)でデビューし、NYに出てきてBlueNoteに『イントロデューシング・ジョニー・グリフィン』 (1956)を吹き込んでいまして、本作は通算3作目にあたります。前2作はいずれもワン・ホーンの力作でしたが、本作はセブンステットという4管7人編成なのです。前2作で披露されたその凄まじいまでのノリ具合が本作でも見事に全開しております。尽きることの無いその圧倒的なインプロヴィゼーションはコルトレーンやモブレイらの同じテナーを向こうにまわして存分な存在感を主張しています。
 
 例えば、私のお好みのスタンダ-ド3曲目All the things you are に耳を傾けてみますと、最初にグリフィンによるテーマ紹介があり、続けてグリフィンのソロに突入しますが、そのいつもながら次から次に展開してゆくソロの広がり具合、さらには混沌へと入り込まんとする醍醐味といいますのは流石に心地良い最高の境地なのですね。グリフィンの後に、コルトレーン、モブレイ、モーガンと受け継がれるソロは、いずれも味わい深いものではありますが、やはりグリフィンの最奥に分け入って独り我行かんといった孤高の意気込みといいますのは聞くものの胸に響いてくるものがあるというものですね。勿論、この時期のコルトレーンも実に素晴らしいものがありますが、まあそれに匹敵するグリフィンというところです。

 ジョニー・グリフィンは本作の後、同年の1957年10月にBNにもう一枚ソニー・クラークとの共演ワン・ホーン作を録音して、さらには1958年にはモンクとの定評あるライブ共演を果たします。やはりこの時期のグリフィンは旬の人なのだと思われます。どの作品にもパワー全開の元気なグリフィン、いつも主役のグリフィンがいます。私の中では、ロリンズ、コルトレーン、グリフィンの3人がモダン・ジャズ・テナーのベスト・スリーとなりますですね。
 
1. The Way You Look Tonight 9:41
2. Ball Bearing 8:12
3. All The Things You Are 10:14
4. Smoke Stack 10:10

Johnny Griffin, Hank Mobley, John Coltrane (tenor saxophone); Lee Morgan (trumpet); Wynton Kelly (piano); Paul Chambers (bass); Art Blakey (drums). Producer: Alfred Lion. Recorded at the Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey on April 6, 1957. Originally released on Blue Note (1559).

JR.comでは試聴可能です。→A Blowing Session

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ A Blowing Session

関連エントリーはこちら。
 →ジョニー・グリフィン『JG』 (Argo, 1956)
 →ジョニー・グリフィン『イントロデューシング・ジョニー・グリフィン』 (BN, 1956)
 →セロニアス・モンク『ミステリオーソ』 (1958)

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投稿者 Jazz Blogger T : 21:17 | トラックバック

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