メイン・ページ > JAZZ Sax 2 > クリフ・ジョーダン/クリフ・クラフト

クリフ・ジョーダン/クリフ・クラフト

JAZZ Sax 2

2005年11月19日

cliff_craft.jpeg Cliff Jordan / Cliff Craft

 今日はクリフ・ジョーダンのテナーが心地よい『クリフ・クラフト』です。共演のアート・ファーマー、ルイス・ヘイズらと共に当時ホレス・シルヴァーのクインテットで活躍中であり、ソニー・クラークのピアノも印象深く快調なハードバップ・アルバム。パーソネルは、アート・ファーマー(tp)、クリフ・ジョーダン(ts)、ソニー・クラーク(p)、ジョージ・タッカー(b)、ルイス・ヘイズ(ds)。1957年NYC録音。BlueNote1582。

 50年代のハードバップ・テナーとしてのクリフ・ジョーダンは極めて優等生だと思うのですね。ホレス・シルヴァーに見込まれ、アルフレッド・ライオンにも認められた実力と個性はクセのないオーソドックスなスタイルながら明朗なグルーヴ感とブルージーなセンスに溢れており、典型的なブルーノート・サウンドの一角を照らすわけであります。

 やはり、アート・ファーマーとの2フロントの上に、ソニー・クラークやジョージ・タッカーが脇を固めて、さらに好選曲とくれば、これはもう素敵な内容となることが約束されたようなものです。その期待に違わず、本当に好ましい出来だと思われます。クリフ・ジョーダンの安定した自在な歌い回しには、シルヴァー・クインテットの黄金期メンバーとしての面目を示すに余りがあるほどに魅力的なものと言えるでしょう。

 1曲目Laconiaの魅惑の主題メロディを手際よく調理するのはまずもってファーマーの貴重なミュートではあります。次いでクラークの特徴的なシングル・トーンが間を繋いだ後、主役ジョーダンが豪快なテナーで味わい深いソロを2コ-ラス奏でます。このソロがとても魅力的です。ずしりと重い重量級ながら軽快なブローが心地よいのですね。最後はファーマーとの2重奏で主題を繰り返してエンディングとなります。

 2曲目Soul-Lo Blues のいかにもソニー・クラークっぽいブルースも一聴に値するものです。また、4曲目パーカー作のConfirmation ではジョーダンの卓越したテナーが存分に真価を発揮しています。細やかな部分でも決してぶれることのない技量とメロディック・センスが光っています。チャーリー・パーカー『ナウズ・ザ・タイム』の最後に収録されている名演を思い出します。ジョーダンのおおらかな個性が感じられる好演です。

1. Laconia 7:06
2. Soul-Lo Blues 8:31
3. Cliff Craft 6:32
4. Confirmation 7:34
5. Sophisticated Lady 6:46
6. Anthropology 7:03

Art Farmer(tp), Cliff Jordan(ts), Sonny Clark(p), George Tucker(b), Louis Hayes(ds). NYC, 1957. 11.10.

amazon.comでは試聴可能です。→Cliff Jordan / Cliff Craft

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Cliff Jordan / Cliff Craft

関連エントリはこちら。
 →ホレス・シルヴァー『ファーザー・エクスプロレイションズ』
 →チャーリー・パーカー『ナウズ・ザ・タイム』

ブログランキングに参加中です。よろしかったらクリックをお願いします。日々の記事更新の励みにさせていただきます。→ banner_04.gif

投稿者 Jazz Blogger T : 21:16 | トラックバック

« ミルト・ジャクソン/オパス・デ・ジャズ | メイン | ウェイン・ショーター/ナイト・ドリーマー »

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://dellton.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/260

Copyright (C) 2004-2014 MY FAVORITES All Rights Reserved.