全8曲。いずれも洒落た味のある演奏です。2曲目表題曲の Invitaion では淀みなく次々に巧なメロディックイディオムが展開されます。3曲目 Enigma は落ち着いた曲想の中に抑えられたリリシズムが匂い立つような素敵な演奏。そして、5曲目 If You Could See Me Now がまた心優しくて切ないとても美しい世界。7曲目 Daydream もアル・ヘイグならではの淡白で繊細な味わい。
1. Holyland
2. Invitation
3. Enigma
4. Sawbo City Blues
5. If you could see me now
6. Sambalhasa
7. Daydream
8. Linear Motion
Al Haig (p), Gilbert 'Bibi' Rovere (b), Kenny Clarke (ds). Recorded at Olympic Sound Studios, Barnes, England, on January 7th、1974.
ロバート・ラカトシュのことは昨年10月に彼の澤野2枚目アルバム『Never Let Me Go』のことを書いた頃より、iPodで日常的に聞き続けていまして、そのクールなピアノ・センスにずっと痺れっぱなしなのですね。こうした歌伴のピアノではさぞやツボを押えた好サポートをするに違いないと確信めいたものがありました。
CDに収められた曲についてもコメントをしておきましょう。まず、選曲がなかなか渋いことと、澤野らしく音質がやはり最高なことを挙げておかねばなりません。個人的には、ジョン・コルトレーンの哀愁ある演奏でお馴染みの5曲目 Everytime We Say Goodbye と多くの歌手が手がけている13曲目 The Look of Love がともに静溢な雰囲気で好みです。特に後者の反ブルースのような詩的な解釈は斬新です。加えて、ラカトシュのピアノはいずれも一聴に値する極めて美しいもの。
2曲目 Waltz For Debby はモニカ・ゼタールンドとビル・エヴァンスの21世紀版という感じですね。また、ロレツ・アレキサンドリアの名唱が印象深い6曲目 I've Grown Accustomed To His Face が入っていたり、レオン・ラッセルの名曲でカーペンターズも歌ったCD表題の1やビリー・ジョエルの10なども新鮮です。8曲目 Almost Like Being In Love では彼女が得意とするスキャットが聞かれますが、そのリズミカルで器楽的な声質が好ましく思えます。
1 A Song For You
2 Waltz For Debby
3 If I Were A Bell
4 Time After Time
5 Everytime We Say Goodbye
6 I've Grown Accustomed To His Face
7 Summer Night
8 Almost Like Being In Love
9 I Didn't Know What Time It Was
10 Just The Way You Are
11 Nobody Else But Me
12 Spring Can Really Hang You Up The Most
13 The Look Of Love
Nikoletta Szoke (vo), Robert Lakatos (p), Thomas Stabenow (b), Klaus Weiss (ds).
Recorded at Pirouet Studio, Munich, on Oct.9&10th, 2008.
久しぶりの更新です。今日は最近よく聞いているアニタ・オデイから一枚の名盤を紹介しましょう。その絶頂期を捉えたジャズ・フィーリングの素晴らしい This is Anita。独特の毒がちょっと抜けた分かりやすい名唱です。パーソネルは、アニタ・オデイ(vo)、バディ・ブレグマン(arr)、ポール・スミス(p)、ジョー・モンドラゴン(b)、アルビン・ストーラー(ds)、バーニー・ケッセル(g)他。1955年12月6-8日ハリウッド録音。Verve。
本作はそんなアニタ・オデイの代表作の一つ。1955年録音。伴奏がコンボのものと、ストリングスの入ったものが同居するスタジオ録音です。まあそれほどアクの強くない優等生のアニタ・オデイですね。アニタ・オデイといえばスキャットやミデディアム~アップテンポの小唄ものでの名唱が多いという印象ですが、この作品ではしっとりとしたバラードの名演も収められています。5曲目 I Can't Get Started などでは独特の旨みがありますね。
アクの強い歌手であり、その独特の歌唱の魅力に嵌ると、噛めば噛むほど味の出る止まらない止まらないカッパえびせん、いやスルメのような歌手だと思っています。本作では2曲目 Honeysuckle Rose や12曲目 Beautiful Love などではその片鱗が窺えます。バックにストリングスが入るとお嬢さんっぽい上品な歌になるのでしょう、コンボだとジャズ・フィーリングが正面に出てきますね。
1 You're the Top 2:24
2 Honeysuckle Rose 3:13
3 A Nightingale Sang in Berkeley Square 4:00
4 Who Cares? 3:14
5 I Can't Get Started 3:53
6 Fine and Dandy 2:25
7 As Long as I Live 3:39
8 No Moon at All 2:28
9 Time After Time 4:06
10 I'll See You in My Dreams 2:50
11 I Fall in Love Too Easily 2:54
12 Beautiful Love 2:37
Anita O'Day(vo), Buddy Bregman (arr), Milt Bernhart, Lloyd Elliot, Joe Howard, Si Zentner(tb),Paul Smith(p), Barney Kessel(g), Joe Mondragon(b), Alvin Stoller(ds), Corky Hale(harp) & Strings. Recorded in Hollywood, on Dec. 6-8th, 1955.