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アル・ヘイグ/インヴィテイション

JAZZ Piano 3

2009年01月27日

アル・ヘイグ/インヴィテイション Al Haig / Invitation

 今日はお好みのピアニスト、アル・ヘイグの70年代の定評ある一枚をご紹介しましょう。Invitation。溌剌としたバピッシュな演奏の中に繊細な美学が個性的に輝いています。パーソネルは、アル・ヘイグ (p)、ジルベール・ロヴェル (b)、ケニー・クラーク (ds)。1974年1月英バーンズ録音。Spotlite。

 アル・ヘイグ(1924-82)は米ニュージャージー州生れ、40年代半ばよりチャーリー・パーカーら、50年前後よりスタン・ゲッツらのピアニストを務めた著名なモダン・ジャズ勃興期の白人バップ系ピアニスト。その味わいは繊細ながら独特の美意識に貫かれており、洗練された魅惑のピアノといった賛辞が似合います。パーカーやゲッツら巨人の背後で響かせるバッキングや短いソロには心に残るきらめきがありました。忘れがたいジャズ・ピアニストですね。

  → Al Haig Discography

 本作は70年代英国を拠点にしていたアル・ヘイグ50才前後の作品。当時いつも奏でていたであろう得意のレパートリーを調子のよい状態で演奏録音できたのだと思います。溌剌とした勢いを感じます。次々に繰り出される香(かぐわ)しい和音の響きに独特の美学が感じられますね。現代21世紀の没個性的なジャズ・ピアノの地平とは明らかに一線を画するもので、一つの確たるスタイルを明示していると思います。極めて個性的かつ美しい音楽です。

 Invitationという愛らしいメロディを持つ佳曲は私にとって不思議と惹きつけて止まない魅力があるように思います。前回ご紹介したニコレッタ・セーケ嬢の同曲のYouTube画像を観ていましたら、本作アル・ヘイグのInvitationと、もう一つシンガーズ・アンリミテッドのやはりInvitationというアルバムを思い出しました。後者はアート・ヴァンダムというアコーディオンのトリオをバックにシンガーズ・アンリミテッドが美しいハーモニーを聞かせてくれる私の愛すべき愛聴盤です。

 全8曲。いずれも洒落た味のある演奏です。2曲目表題曲の Invitaion では淀みなく次々に巧なメロディックイディオムが展開されます。3曲目 Enigma は落ち着いた曲想の中に抑えられたリリシズムが匂い立つような素敵な演奏。そして、5曲目 If You Could See Me Now がまた心優しくて切ないとても美しい世界。7曲目 Daydream もアル・ヘイグならではの淡白で繊細な味わい。

1. Holyland
2. Invitation
3. Enigma
4. Sawbo City Blues
5. If you could see me now
6. Sambalhasa
7. Daydream
8. Linear Motion

Al Haig (p), Gilbert 'Bibi' Rovere (b), Kenny Clarke (ds). Recorded at Olympic Sound Studios, Barnes, England, on January 7th、1974.

iTunes Music Store では試聴可能です。→Al Haig - InvitationAl Haig / Invitation

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Al Haig / Invitation

関連エントリはこちら。
 →チャーリー・パーカー/バード・シンボルズ
 →スタン・ゲッツ/スタン・ゲッツ・カルテット
 →スタン・ゲッツ/ザ・サウンド
 →アル・ヘイグ/ジャズ・ウィル・オー・ザ・ウィスプ
 →アル・ヘイグ/オルニソロジー

投稿者 Jazz Blogger T : 20:52 | トラックバック

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