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アニタ・オデイ/シングズ・ザ・ウィナーズ

JAZZ Vocal

2004年12月31日

アニタ・オデイ・ウィナーズ.jpeg Anita O'Day / Sings The Winners

 大晦日の今日はアニタ・オデイです。アニタ・オデイは言わずと知れた屈指の実力派白人女性ヴォーカルですね。本作はアニタが当時のモダン・ジャズの名演奏曲をセレクトして、マーティ・ペイチ・オーケストラ他西海岸のジャズマン達をバックにして快唱を残した名曲集です。1958年LA録音。Verveレーベル。

 アニタ・オデイの魅力はハスキー系の特徴あるヴォイスと天性のジャズ・センスにあります。決して声量があるわけでなし、よい声でもない、それにうまいと言えるほどのものでもないのですが、ジャズらしい小粋な感覚は図抜けて素晴らしいものがあります。ジャズを歌うことがとても似合っている、そんな印象です。ジューン・クリスティやクリス・コナーらが後に続きますが、白人女性ヴォーカルの典型的なスタイルを形作ったと言えるのがこのアニタ・オデイかもしれません。

 40年台からジーン・クルーパやスタン・ケントン楽団で活躍し名を成しましたが、声を酷使したせいで50年前後はアル中にまでなるという悲惨なスランプ状態でした。ノーマン・グランツに機会を与えられ、50年代の後半に数多くの名唱をVerveに残すことになります。1920年生れですから、30才後半での大活躍ですね。

 本作のシングズ・ザ・ウィナーズ以外では、オーケストラをバックに優雅な名唱で傑作と名高い「 ディス・イズ・アニタ 」(56年)、オスカー・ピーターソン・トリオをバックにスインギーな名唱を記録した「 アニタ・シングズ・ザ・モスト 」(56年)、ジャズ・クラブでのライブ盤「 アット・ミスター・ケリーズ 」(58年)などが有名です。それにしてもVerveのジャケット・デザインだけはちょいといただけないですね、蛇足ですが。

 本作の曲目が40~50年代の有名曲ばかりでアニタ・オデイがこれらのよく知られた名演をどのように歌うかというところがポイントです。マーティ・ペイチら西海岸のバック陣を従えて、A列車で行こう(デューク・エリントン)、アーリー・オータム(ウディ・ハーマン)、チュニジアの夜(ディジー・ガレスピー)、マイ・ファニー・バレンタイン(マイルス・デイヴィス)らの名演をアニタ流に料理しています。7曲追加された全19曲、満腹感を堪能できる一枚です。

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