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アル・ヘイグ/オルニソロジー

JAZZ Piano 3

2006年12月11日

al_haig_ornithology.jpeg Al Haig/ Ornithology

 今日はお好みのピアニスト、アル・ヘイグのデリケイトで端正なピアノ・タッチを堪能しています。40年代後半から50年代に大活躍した後、70年代にも数少ないながら本作はじめ優れた録音を残しています。パーソネルは、アル・ヘイグ(p)、ジャミル・ナッサー(b)、フランク・ガント(ds)。1977年録音。Progressive Records.

 アル・ヘイグ(1924〜82)のピアノはチャーリー・パーカーやスタン・ゲッツの50年前後の名盤にその独特の繊細なタッチ・センスが印象深く刻まれています。50年代半ばにリーダー作を数枚残して、70年代カムバックして10枚ほどを残すという、その実力からすると比較的寡作なピアニストに思われます。特に50〜60年代壮年期の作品が少ないのは少し残念ですね。

 私はアル・ヘイグのピアノに憧憬にも似た魅力を感じてきました。その美的センスに深く共感できるとともに、なかなか手の届かぬ距離感を感じます。それは、あたかも野辺に咲く一輪のスミレの小花、近寄ってよくよく見れば限りなく美しい、そんな印象になりますが、日常の喧騒の中では容易には出会うことができない遠い存在のように私には思われるのです。

 アル・ヘイグのピアノの繊細な佇まいにはすぐに壊れそうな神経症的な儚さを孕んでいると同時に妥協を許さない完全主義者の張り詰めた感性を感じさせます。ユタ・ヒップやデューク・ピアソンらのピアノから受ける印象に近い感じがします。ルイス・ヴァン・ダイクも同類でしょうか。

 本作は70年代の録音で50年前後のフレシュな輝きは失せていますが、タッチ・センスの感覚はそのまま残されています。バド・パウエルが60年代にパリで復帰して若き往年とはまた違った枯れた魅力を発散したように、アル・ヘイグも落ち着いたかつての輝きの片鱗を聞かせてくれます。特に、スロー・バラッドでの静かで心優しい演奏には心底に癒されますね。3曲目Enigmaと8曲目Day Dreamがお勧めです。  

1. MARMADUKE
2. SHOW 'NUFF
3. ENIGMA
4. BLUES FOR ALICE
5. BODY AND SOUL
6. ORNITHOLOGY
7. BLUE BIRD
8. DAY DREAM
9. LINE FOR LHASA

Al Haig (p), Jamil Nasser (b), Frank Gant (ds). Progressive Records. 1977.7.22.

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Al Haig/ Ornithology

アル・ヘイグ・ディスコグラフィー→ Al Haig Discography

関連エントリはこちら。→ アル・ヘイグ/ジャズ・ウィル・オー・ザ・ウィスプ

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