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ジョン・ジェンキンス/ジョン・ジェンキンスとケニー・バレル
JAZZ Sax 2
2005年09月28日
John Jenkins / John Jenkins and Kenny Burrell
今日はジョン・ジェンキンスです。パーカー派の実力あるアルト・サックス奏者ですね。少し哀感のある麗しい音色と流麗な歌心があって私にとってはお好みのとても気になる存在ですが、その活動期間が1957~58年の1年に満たないという夢幻のようなジャズマンなのです。パーソネルは、ジョン・ジェンキンス(as)、ケニー・バレル(g)、ソニー・クラーク(p)、ポール・チェンバース(b)、ダニー・リッチモンド(ds)。1958年録音。BlueNote1576。
ほんとご無沙汰してしまいました。実は現在先週の土曜から名目は仕事ですが半分以上お遊びのような北海道出張中です。函館、札幌、小樽と来まして今週末は道東という8泊9日の旅です。今日は宿泊中のホテルからこのエノトリーを投稿しているのです。思えば先週の連休は今回の出張の準備などでほとんど休みのない1週間でしたが今週は時間的余裕が十分にあってやれやれというところです。
さらに余談が続きますが、今日は午後時間がありましたので小樽の街を散策してきました。札幌から電車で40分の距離で、レトロな建物がいっぱいの素敵な街ですね。昔は横浜、神戸に次いで盛んだった港、戦前は海軍基地などもあった街ですが、今は観光を中心としたのんびりした風情ある街です。お寿司屋さんが100軒ほども立ち並ぶ寿司屋通りというストリートがありまして思わず暖簾をくぐってしっかり食してまいりましたですよ。アワビやほたて、カニ、いくら等々、特に貝系が美味でした。ここんとこ毎日のようにラーメンと寿司三昧の日々ですので感激はそれほどでもないという贅沢極まりない感想になりますですが。
小樽の街は運河があったりレンガ造りの古くて立派な建造物がそこかしこに見られたりするいい感じの街並ですが、その一角に蔵を1軒ごとお店にしたジャズ喫茶が目につきまして思わず入ってしまいました。名はFree-Lance。2階にはモノクロ写真が飾ってあったりしてお洒落な空間になっています。ここで今日は久しぶりにテテ・モントリューのピアノを聞きました。トリオ演奏です。さすがにうれしくなりました。独特の早弾きピアノにはそこかしこにクセが見つけられますが、そうそうこれがテテ・モントリューだと一人ごちるというわけですね。Free-Lanceのwebサイトはこちら。→Free-Lance
前置きが長くなって肝心のジョン・ジェンキンスのことを忘れそうになってきましたね。本作はiPodに入れてこの旅の期間中、飛行機の中やそこかしこで何度も繰り返し聞いてます。そういえば往きの飛行機ANAのスチュワーデスさん、いや今はキャビンアテンダントと言うのでしたね、その中に素敵な方がいらっしゃいました。一番前の座席でしたのでついつい見とれてしまいましたですね。何度も目が合いましたが先方も慣れているのかさわやかな微笑でさらりとかわすというような感じですね。愛想良くいろいろお世話をしていただきますとますます鼻の下を長くしてしまうという我ながらみっともない中年おじさんを実感したのでした(笑)。
それとついでですがつい先ほど夕食にラーメン屋で味噌&麺をすすっていましたら、そこに地方の場末のお店には全く似つかわしくないこれまた素敵すぎる妙齢の美女が一人で入って来られましたですね。店員さんとその方の話に耳を傾けていますと東京から来たとかで、その立ち居振る舞いと受け答えの洗練された品のあることといったら、ああ今もまたため息が出てしまいそうですね。恥ずかしながらいい年になっても旅中にいますとついつい色気づいてしまう今日この頃です。もちろん言うまでもなく今こうしてホテルの一室で一人ブログに向かっているということは残念ながらその後何もなしというわけですがね、ふふふ。まあこの禁欲生活、いつまで持ちますことやら当人にとっては全く自信はありません。
というわけで紙数がつきてきましたので、ジョン・ジェンキンスさんのことはまた次回に、とか、いやそういうわけにもまいりませんですね(笑)。ここ数日毎日のようにiPodで聞いていますし、そのアルトの響きに惚れ込んでいるのですから。ジャッキー・マクリーンに似ているとか言われますが、私にはマクリーンよりも上手い上に音色に艶があるように聞こえますよ。マクリーンにはぶきっちょなところがあって、それがまた彼の魅力でもあるのですが、ジョン・ジェンキンスにはこれといった欠点がないと思えるくらいに優等生なのです。クセがないってのは癖もの?なのかもしれません。
サイドにケニー・バレルとソニー・クラークが参加していることが本作を決定的に素晴らしいものにしています。ジェンキンスのワン・ホーンにバレルのギターが一枚加わることで厚みのあるサウンドになり、ソニー・クラークのピアノがブルージーな雰囲気の外枠をしっかりと埋めています。ブルーノートの1500番台の多くはハードバップの名作です。本作もあまり目立ちはせずともジェンキンスの快調なアルトを記録した貴重で内容の濃い純正ハードバップの隠れた名作といえるでしょう。いや~本論が短かくてあっさりしすぎですね。サッポロラーメンのこってり具合とは対照的!
1. From This Moment On 7:37
2. Motif 6:14
3. Everything I Have Is Yours 6:10
4. Sharon 7:47
5. Chalumeau 5:56
6. Blues For Two 4:42
7. Sharon [stereo take] 6:27
8. Chalumeau [stereo take] 5:58
John Jenkins (as), Kenny Burrell (g), Sonny Clark (p), Paul Chambers (b), Dannie Richmond (ds). Recorded at 1958.2.9.
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ John Jenkins / John Jenkins and Kenny Burrell
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:24
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ルイス・ヴァン・ダイク/バラード・イン・ブルー
JAZZ Piano 3
2005年09月14日
Luis Van Dijk / Ballads in Blue
今日はあのルイス・ヴァン・ダイクのピアノ・トリオ作品です。ご存知の方も多いと思いますが、アン・バートンの2枚の名作でピアノ伴奏をしていたあのルイス・ヴァン・ダイクです。30年以上の時の経過を感じさせない可憐なピアノが響き渡ります。パーソネルは、ルイス・ヴァン・ダイク (p)、 エドウィン・コージリアス (b)、フリッツ・ランデスバーゲン (ds)。2004年アムステルダム録音。M&I。
アン・バートンの有名な『ブルー・バートン』(1967)を初めて聞いた時にバートンの歌声よりも最初に印象に残ったのは素敵なピアノの響きでした。その抜けるような高音の明るい呟きに私はまさに白昼夢を見たのでした。それ以来、ルイス・ヴァン・ダイクというピアニストの名前が脳裏に深く刻み込まれました。
本作は待望の最新作です。恐る恐る聞き始めました時は、初恋の人と何十年も後に会うような不安と期待が入り混じる気恥ずかしい心持でしたが、実際に耳にしますと予想外にも昔の面影がはっきりと感じられてとてもとてもうれしくてありがたい気持ちになれたのでした。全然お変わりございませんね、なんて。気さくに語りあえるような雰囲気なのでございます。
あなたのピアノはヨーロピアンの典型的な音なのですが、右手の跳ね上るような高音部での動きと響きが印象に残りますですね。そうしたクセは30年以上を経ても変わらぬのですね。クラシックの素養から来ると思われる全体のバランス感覚なども含めて昔のスタイルをしっかりと堅持していらっしゃるのです。あなたはすでに60歳を超えてなお美しくて愛らしいジャズをいまだに奏でておられたのですね。安らぎのあるピアノ音に耳を傾けていますと、ああ、昔の感動が蘇ってきます。じんわりと至福感が内から広がってくるのがわかります。ありがとう。会えてよかった。思わず涙が溢れてきます。もう離れないでいつもそばにいてくださいね。
ちょっと入り込み過ぎましたね(笑)。いやはや本当に嬉しいのです。ヴァン・ダイクの優しいピアノの響きに耳を傾けていますと本当に人生を諦観できるかのような恍惚感がじんわりとにじみ出してくるのです。このほのぼのとしたありがたい気持ちは何ということでしょう。音楽を聞くことによってこんな気持ちになれることはそうそうないことです。かつてバートンのすさんだ心の叫びをしっかり受け止めて包み込みながら慰み返しのエールを送る、それが我々第三者をも癒してくれるというそんなピアノがまさに蘇ったような感触なのです。
今をときめくビル・チャーラップやエリック・リードら実力派ピアニストをモーツアルトに例えるなら、ヴァン・ダイクはハイドンのよう。儚くも可憐に美しく咲く野辺の小花のように淡白で端正な佇まいですね。私はそんなあなたのことが心底好きです。これからもずっと愛することができると思います。それに本作の音質がまた素晴らしくて、ピアノ音が一層引き立っています。『ブルー・バートン』や『バラード・アンド・バートン』でのピアノ音も異常にいい録音で特徴あるピアノをよく捉えていましたっけ。この落ち着きのある美しい雰囲気は秋の気配によく似合うものですね。1曲目や2曲目の映画『いそしぎ』主題歌で聴かれるヴァン・ダイクのおおらかで繊細で麗しいピアノ音はまた再び私の心奥深くに刻み込まれて決して忘れることができない印象を残してくれました。それに6曲目ボサノヴァ風アレンジのEstateでの慎ましやかで洗練された美学には感謝の念を抱きたくなります。本当にありがとう。
1. Go Away Lttle Girl
2. The Shadow Of Your Smile
3. I Can't Give You Anything But Love
4. Round Midnight
5. Where Ware You
6. Estate
7. The Summer Knows
8. More Than You Know
9. Chez Regine
10. Triology
11. GOne With The Wind
12. Liz Anne
13. It Might As Well Be Spring
Louis Van Dijk ルイス・ヴァン・ダイク (p) Edwin Corzilius エドウィン・コージリアス (b) Frits Landesbergen フリッツ・ランデスバーゲン (ds) ; Recorded 2004-10-11,12,at Amsterdom.
詳しくはアマゾンでどうぞ。
→ Luis Van Dijk / Ballads in Blue
関連エントリーはこちら。
→ アン・バートン『ブルー・バートン』
→ アン・バートン『バラード・アンド・バートン』
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:35
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ケニー・ドーハム/静かなるケニ-
JAZZ Trumpet
2005年09月10日
Kenny Dorham / Quiet Kenny
今日はケニー・ドーハムのワンホーン・アルバムの名作『静かなるケニー』ですね。熟練のトランペッターがキュートな曲をブルーに柔らかく料理した渋いアルバム。真摯なジャズ・ファンにとっては愛すべき大切な一枚になろうかと思われるお勧めの一枚です。パーソネルは、ケニー・ドーハム(tp)、トミー・フラナガン(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。1959年録音。Prestige。
ケニー・ドーハムは私のお好みのトランペット奏者です。そのグルーヴィーでブルージーな黒いセンスと堅実で安定感のある歌い回しには、ハード・バップの多くのトランペッターの中でも筆頭格の力量を感じます。すでにご紹介した『カフェ・ボヘミア』や『アフロ・キューバン』、それに今後ご紹介することになるであろう『ウナ・マス』や『マタドール』などの傑作リーダー作、さらにはサイドマンで参加している多くの作品がありますね。
本作はそんな実力者の唯一のワン・ホーン作品です。腕達者だけに安心して聞き込むことができます。トランペット・ワンホーン作品といいますのは私にとっては何か普通の編成とは異なる独特の意味合いがあるように思われます。じっくりと少しお洒落なジャズ的雰囲気に浸りたい、でもあまり深刻なのは疲れるからほどほどに楽しいヤツといった括り方とでも言いましょうか。そんな時に何気なく聞くにはもってこいなのですね。
こうしたお気に入りのトランペット・ワンホーン作としては、リー・モーガン『キャンディ』とアート・ファーマー『アート』、それに本作の3作品が私のお好みベスト・スリーといったところでしょう。実際よく聞くアルバムなのですね。その中でも本作は落ち着きがあってクセもあまりないので最も好きなアルバムと言えるでしょう。
ドーハムのペットにトミー・フラナガンのピアノとポール・チェンバースのベースという組み合せは申し分のない最高のものに違いありません。特に、トミフラのアッサリ味だけど鋭い切れ味のピアノがきらりと光る場面が数多くあります。
全8曲。3曲目Blue Friday と5曲目 Blue Spring Shuffle はドーハムの本領が発揮されたミディアム調のグルーヴィーなブルースです。やはりこうした演奏でのドーハムが最もドーハムらしくて聞く側としては安心ですし自然とうれしくなってくるのですね。しかしながら、2曲目My Ideal や5曲目 Blue Spring Shuffle、6曲目 I Had the Craziest Dreamら、本作が主題とする愛らしい曲での慎ましやかな吹奏もまた抜群の魅力があるのですね。スローからミディアム調でのキュートなメロディを料理する手際の良さには流石に当代一流の技を感じさせられます。
1. Lotus Blossom
2. My Ideal
3. Blue Friday
4. Alone Together
5. Blue Spring Shuffle
6. I Had the Craziest Dream
7. Old Folks
8. Mack the Knife
Personnel: Kenny Dorham (trumpet); Tommy Flanagan (piano); Paul Chambers (bass); Art Taylor (drums). Recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey on November 13, 1959. Originally released on New Jazz (8225). Includes liner notes by Jack Maher. Digitally remastered using 20-bit K2 Super Coding System technology.
JR.comでは試聴可能です。→ Quiet Kenny
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Quiet Kenny
関連エントリーはこちら。
→ケニー・ドーハム『カフェ・ボヘミアのケニー・ドーハム』
→ケニー・ドーハム『アフロ・キューバン』
→リー・モーガン『キャンディ』
→アート・ファーマー『アート』
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投稿者 Jazz Blogger T : 21:18
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ロレツ・アレキサンドリア/ディープ・ルーツ
JAZZ Vocal
2005年09月07日
Lorez Alexandria / Deep Roots
今日は私の大のお好み歌手ロレツ・アレキサンドリアの名作『ディープ・ルーツ』をご紹介したいと思います。ロレツの代表作としてはインパルスの『グレイト』や『モア・グレイト』が有名ですが本作はその少し前に地元シカゴのアーゴ・レーベルに残した同等レベルの名品です。ジャズ・ヴォーカル・ファンにはぜひ聞いてほしいお勧めのアルバム。ロレツ・アレキサンドリア(vo)、ハワード・マギー(tp)、ジョン・ヤング(p)、ジョージ・エスクリッジ(g)、イスラエル・クロスビー(b)、ヴァーネル・フォーニエ(ds)。1962年シカゴ録音。Argo。
ロレツ・アレキサンドリアの歌声にこれまで尋常でない魅力を感じてきましたし、これからもその嗜好は恐らくそう振れるものではないという妙に自信めいたものがあります。その理由をうまく言葉で表現するのはとても億劫なことでできれば避けたいところなのですが、ロレツの素晴らしい歌をあまり知らない少しでも多くの心あるジャズ・ファンの方々にお伝えしたいという思いのために少し書いてみたいと思います。基本的にこのブログは音楽や映画、本などの身近な趣味的経験から自分の感じたことを思うままに記述すること、その防備録と自己表現というのが主旨でありまして、あまり押し付けがましいことはしないというのがスタンスではありますが。
ロレツ・アレキサンドリアの歌にはブルーな表現力と絶妙な音程感などにワンアンドオンリーの個性的な魅力があります。一聴すればロレツ・アレキサンドリアとすぐに分かる類の個性があります。まあ普通、一流のジャズ歌手はいずれも極めて個性的でありまして、ただ歌が上手いというだけの歌手は数あれどもう一歩先へ行くためにはそれが必須としか思えないくらいに超のつく個性を有しているものなのですね。一歩間違えれば大きな欠点になりかねない個性でもそれを絶大な魅力にするに余りあるsomethingがあるということかもしれません。
個性的な歌手としてはビリー・ホリデイなどが典型でしょうが、このロレツはずっと一般受けする歌の上手さや声質と声量などが備わっていまして、その意味では個性が幾分希薄といえるかもしれません。そのあたりがロレツの魅力を説明しにくい要因でもあるのですが、まあとっつきやすいという点でもありますね。
よく伸びる透き通った中低音の美しさには格別の吸引力があります。そのブルーで孤独な佇まいは一度聞けば忘れがたい印象を与えてくれます。現代に生きる人間の心の隅にある深い空洞や虚無を代弁して共感して、さらには癒してくれる、そんな救いを感じたりするのですが皆さんはいかがでしょうか。こうした思い入れははなはだ個人的な感受性の問題でありまして、私の場合はこんなふうにロレツの歌を聴いて、こんなふうにある感慨を抱くということでありましてあまり露骨に表現するのは実は非常にお恥ずかしいことではあります。
『グレイト』や『モア』が少しよそ行きの洗練されたロレツとすれば、こちら『ディープ・ルーツ』にはナチュラルで生のロレツがいまして、スモール・コンボの伴奏のためかジャジーな内容でもあります。その意味で親近感は本作の方が上でして、当然にこちらが日頃愛超する盤ということに相なります。ロレツの巧みな息使いや微妙にコントロールされたフレージングには繰り返し聞くほどに深い味わいがあります。特に情感を湛えつつも理性的な4曲目の最初のところなどはいつもながら直接的に感情に訴えかけてきまして我を忘れてしまいますね。完全にノックアウトです。
1. Nature Boy
2. I Was A Fool
3. No Moon At All
4. Spring Will Be A Little Late This Year
5. Softly As In The Morning Sunrise
6. Detour Ahead
7. It Could Happen To You
8. Travelin' Light
9. Almost Like Being In Love
10. I Want To Talk About You
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Lorez Alexandria / Deep Roots
関連エントリーはこちら。
→ ロレツ・アレキサンドリア『ザ・グレイト』
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:33
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チック・コリア&ゲイリー・バートン/イン・コンサート
JAZZ others 2
2005年09月04日
Chick Corea & Gary Burton / In Concert
今日はチック・コリアとゲイリー・バートンのデュオの傑作『イン・コンサート』をご紹介します。スイス・チューリッヒでのライブ演奏。その見事なまでの一体感と音楽美にはジャズを超越した現代音楽の最も美しい部分が表現されているように感じられます。パーソネルは、チック・コリア(p)、ゲイリー・バートン(vib)。1979年チュリッヒ録音。ECM Records。
基本的にチック・コリアもゲイリー・バートンもその饒舌的な話法を可能とするテクニックと音楽性でもって従来の4ビート・ジャズでは飽き足らなくてもっとスピード感のある例えば8ビートのロック・リズムでのより自由で即興性に富むジャズ音楽を目指していたであろうという点で両者が共鳴するものを感じます。さらには、そうした表現技法に留まらずに両者の親和性を最も際立たせているのが耽美的な音楽観と言えるでしょう。本作や以前のスタジオでのデュオ作品『クリスタル・サイレンス』で聞かれる調和と一体感を肌で感じれば両者に共通の土壌があることを肯定せざるを得ません。
このピアノとヴィブラフォンの音が幾重にも重なり合い衝突しながらもあたかも一つの楽器とまごうほどに融和しつつ天上へと昇華してゆく音世界の構築美はどうでしょう。これはジャズという自由で自律的な音楽形式の中でしか育まれない類の音楽美だと思われます。お互いが奔放かつ自在に発散しながらも一方で自然に収斂されてゆくその統一性は尋常なものではありますまい。決して恣意的なものではないだけにその異様なほどの調和美には恐れながらも驚嘆を禁じえないのです。
この種の想像を超える音楽的一体感には一種のエロティシズムさえ感じられます。お互いを本能的にフェロモンに従って引き付けあうような生来の相性の良さ、時を超越して出会うべくして出会った運命の仕儀。そんなことを思い巡らされるほどにこのライブ・アルバムで聞かれる音楽には異様なまでに不思議で美しい世界観が映し出されています。ライブであるからこそより自然な発露が導き出されたのだろうとも思われます。
また、ECMレーベルの音はこうしたライブ演奏でも決してそのポリシーを外さないのだと納得させられます。コリアのピアノの音が透明でクリアーであたかも宙を舞うような何ともECM的なサウンドであります。音世界を自由に浮遊しているような幻想性を感じさせる素晴らしい音。ヴィブラフォンの余韻とピアノ音が微妙に共鳴する際に覚える快感は本アルバムを忘れがたいものにしてくれます。ひたすら耽美的な3曲目クリスタル・サイレンスや4曲目Tweakが私の好みに一致します。
1. Senor Mouse
2. Bud Powell
3. Crystal Silence
4. Tweak
5. Falling Grace
6. Mirror, Mirror
7. Song To Gayle
8. Endless Trouble, Endless Pleasure
JR.comでは試聴可能です。→Chick Corea & Gary Burton / In Concert
詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Chick Corea & Gary Burton / In Concert
関連エントリーはこちら。
→チック・コリア『ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス』
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:09
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アントニオ・カルロス・ジョビン/波
_Bossa Nova / MPB
_Popular Music
2005年09月03日
Antonio Carlos Jobim / Wave
今日はアントニオ・カルロス・ジョビンの『波』です。この作品はボサノヴァ・インストゥルメンタルの名作でありジョビン代表作の一つです。クラウス・オガ-マンのアレンジも最高の出来映え。パーソネルは、アントニオ・カルロス・ジョビン(p, celeste,harpsichord)、アービー・グリーン、ジミー・クリーヴランド(tb)、ホメオ・ペンケ、ジェローム・リチャードソン(fl,piccolo)、ロン・カーター(b)、ドン・ウン・ロマーノ、クラウジオ・スローン(ds)、クラウス・オガーマン(arr,cond) 他。1967年NJ録音。A&M。
やはりジョビンは素晴らしい。本日休日の昼下がり日頃聞けていない音楽をいろいろ聞いてみた際に改めて感じた率直な思いです。最近はいつの間にかなぜかジャズに集中しておりクラシックやボサノヴァなど結構お好みの音楽から疎遠になっていましたので時間のあった今日はジャズ以外を中心にゆっくり楽しんでみたのでした。
ジョビンの音楽には美しいメロディと魅惑的なボサノヴァのリズム、それに盟友オガーマンによる洗練された麗しのハーモニーとがあり、音楽としての基本の3拍子が最高レベルに備わっていると私は思います。それにジャジーなセンスも随所に散りばめられておりましてジョビンのボサノヴァこそまさに現代の快楽&癒し系ミュージックの原点といったような印象を持っておりますです。
本作の『波』はそうしたジョビン・ボサノヴァの最高傑作と言われる作品です。BGMとしてこれほど素敵な音楽は他にないと断言できそうなくらいに安らぎと寛ぎの空間を演出してくれますね。耳を澄まして一つ一つの楽器の音に注意を集中しながら聴きましても十分に鑑賞に堪える音楽でありますね。とりわけジョビンの叩くピアノには音数が少なくて朴訥なのですがツボを押えたといいますか痒いところに手が届くように音楽的なセンスが本当に素晴らしいと感じますね。
クラウス・オガーマンのアレンジの妙が冴えています。ホメオ・ペンケの奏するバス・フルートの幽玄な響き、アービー・グリーンの吹くトロンボーンの柔らかな音色、それに弦楽器オーケストレーションによる見事なハーモニー。特に私はオーケストレイションの奏でる対位法的な裏筋メロディにはいつもメロメロにされてしまいます。もうどうにでも好きにして状態です。
まあジョビン原曲の美しさをオガーマンがこれ以上ないくらいに巧みに演出しているといった構図です。この2人はジョビンのアメリカデビュー作『イパネマの娘』でボサノヴァ音楽の一つの典型的なスタイルを生み出し、本作『波』でその究極の完成に至ったと言えるのではないでしょうか。ちなみに録音はジャズのブルーノート・レーベルでお馴染みのニュージャージーにあるルディ・ヴァン・ゲルダー・スタジオで行われています。ベースはロン・カーターです。そういえば、クラウス・オガーマンは先年ダイアナ・クラール『ルック・オブ・ラブ』で素晴らしいアレンジ・テイストを披露してその健在振りを示しましたね。
1.Wave
2.Red Blouse
3.Look to the Sky
4.Batidinha
5.Triste
6.Mojave
7.Dialogo
8.Lamento
9.Antigua
10.Captain Bacardi
詳しくはアマゾンへ。試聴も可能。→ Antonio Carlos Jobim / Wave
JR.comでは試聴可能です。→Antonio Carlos Jobim / Wave
関連エントリーはこちら。
→アントニオ・カルロス・ジョビン『イパネマの娘』
→アントニオ・カルロス・ジョビン『コンポンザー』
→エリス・レジーナ&アントニオ・カルロス・ジョビン『エリス&トム』
→ダイアナ・クラール『ルック・オブ・ラブ』
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投稿者 Jazz Blogger T : 09:41
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サラ・ヴォーン/ウィズ・クリフォード・ブラウン
JAZZ Vocal
2005年09月02日
Sarah Vaughan / With Clifford Brown
今日はサラ・ヴォーンの『ウィズ・クリフォード・ブラウン』です。独特の味わい深いサラ・ヴォーンの歌唱に軽快なクリフォード・ブラウンのトランペットが花を添えたジャズ本来の美しさを湛える傑作アルバム。サラ・ヴォーン(vo),クリフォード・ブラウン(tp),ハービー・マン(fl),ポール・クイニシェット(ts),ジミー・ジョーンズ(p),ジョー・ベンジャミン(b),ロイ・ヘインズ(ds)。1954年NY録音。Mercury。
この時期のサラ・ヴォーンの歌が大好きです。本作ではキュートなスタンダード曲をしっとりと丁寧に歌い上げていまして、情感がこもり声量があり透明でもある太目の美声が響き渡ります。余裕の歌い回しですね。それにサラ・ヴォーン専属歌伴のジミー・ジョーンズのピアノがいつもながら小粋でお洒落で私は大好きなのですね。
それだけでも十分なのですが、クリフォード・ブラウンのトランペットが一枚加わることで非常にアクセントに満ちた面白みのある作品に仕上がっています。明るくて軽やかで歌心のあるブラウンのソロがねっとりと粘り気のあるサラ・ヴォーンの歌声と好対照を形作っているのです。
マーキュリー・レーベルでブラウンの参加したヴォーカルものには『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』と『ダイナ・ワシントン・ウィズ・クリフォード・ブラウン』を含めて計3枚のアルバムがあります。いずれもそれぞれに個性ある魅力に富むよく知られた名作ですね。このブログでも以前にすでにご紹介しています。本作もそれらと遜色のない極めて優れた内容のヴォーカル作品と言えるでしょう。
全9曲プラス1ボーナス。スロー系のバラッドが印象に残ります。2.April in Paris、4.Jim、7. I'm Glad There Is You、8.September Song などでの名唱ぶりたるや他ではそうそう聞くことのできない濃厚な味わいがありますね。鮨ネタに例えれば私にとってはそれはまさに中トロで、舌の上でとろけ気味ながらも甘さに流されずにしっかりとしたコクのある味覚といった按配です。クリフォード・ブラウンはここでは完全に添え物の扱いでして、例えるなら山椒の効いた上品な赤だしといったところでしょうか。
1. Lullaby Of Birdland - (composite master take)
2. April In Paris
3. He's My Guy
4. Jim
5. You're Not The Kind
6. Embraceable You
7. I'm Glad There Is You
8. September Song
9. It's Crazy
10. Lullaby Of Birdland - (alternate take, bonus track)
Sarah Vaughan (vocals); Ernie Wilkins (arranger); Paul Quinichette (tenor saxophone); Clifford Brown (trumpet); Herbie Mann (flute); Jimmy Jomes (piano); Joe Benjamin (bass); Roy Haynes (drums). Producer: Bob Shad. Reissue producers: Richard Seidel, Paul Ramey. Recorded December 16 and 18, 1954, in New York.
iTunes Music Store では試聴可能です。→
サラ・ヴォーン/ウィズ・クリフォード・ブラウン
詳しくはアマゾンでどうぞ。→Sarah Vaughan With Clifford Brown
関連エントリーはこちら。
→サラ・ヴォーン『スインギン・イージー』
→サラ・ヴォーン『アット・ミスター・ケリーズ』
→ヘレン・メリル『ウィズ・クリフォード・ブラウン』
→ダイナ・ワシントン『ウィズ・クリフォード・ブラウン』
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投稿者 Jazz Blogger T : 23:34
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