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アントニオ・カルロス・ジョビン/波
_Bossa Nova / MPB
_Popular Music
2005年09月03日
今日はアントニオ・カルロス・ジョビンの『波』です。この作品はボサノヴァ・インストゥルメンタルの名作でありジョビン代表作の一つです。クラウス・オガ-マンのアレンジも最高の出来映え。パーソネルは、アントニオ・カルロス・ジョビン(p, celeste,harpsichord)、アービー・グリーン、ジミー・クリーヴランド(tb)、ホメオ・ペンケ、ジェローム・リチャードソン(fl,piccolo)、ロン・カーター(b)、ドン・ウン・ロマーノ、クラウジオ・スローン(ds)、クラウス・オガーマン(arr,cond) 他。1967年NJ録音。A&M。
やはりジョビンは素晴らしい。本日休日の昼下がり日頃聞けていない音楽をいろいろ聞いてみた際に改めて感じた率直な思いです。最近はいつの間にかなぜかジャズに集中しておりクラシックやボサノヴァなど結構お好みの音楽から疎遠になっていましたので時間のあった今日はジャズ以外を中心にゆっくり楽しんでみたのでした。
ジョビンの音楽には美しいメロディと魅惑的なボサノヴァのリズム、それに盟友オガーマンによる洗練された麗しのハーモニーとがあり、音楽としての基本の3拍子が最高レベルに備わっていると私は思います。それにジャジーなセンスも随所に散りばめられておりましてジョビンのボサノヴァこそまさに現代の快楽&癒し系ミュージックの原点といったような印象を持っておりますです。
本作の『波』はそうしたジョビン・ボサノヴァの最高傑作と言われる作品です。BGMとしてこれほど素敵な音楽は他にないと断言できそうなくらいに安らぎと寛ぎの空間を演出してくれますね。耳を澄まして一つ一つの楽器の音に注意を集中しながら聴きましても十分に鑑賞に堪える音楽でありますね。とりわけジョビンの叩くピアノには音数が少なくて朴訥なのですがツボを押えたといいますか痒いところに手が届くように音楽的なセンスが本当に素晴らしいと感じますね。
クラウス・オガーマンのアレンジの妙が冴えています。ホメオ・ペンケの奏するバス・フルートの幽玄な響き、アービー・グリーンの吹くトロンボーンの柔らかな音色、それに弦楽器オーケストレーションによる見事なハーモニー。特に私はオーケストレイションの奏でる対位法的な裏筋メロディにはいつもメロメロにされてしまいます。もうどうにでも好きにして状態です。
まあジョビン原曲の美しさをオガーマンがこれ以上ないくらいに巧みに演出しているといった構図です。この2人はジョビンのアメリカデビュー作『イパネマの娘』でボサノヴァ音楽の一つの典型的なスタイルを生み出し、本作『波』でその究極の完成に至ったと言えるのではないでしょうか。ちなみに録音はジャズのブルーノート・レーベルでお馴染みのニュージャージーにあるルディ・ヴァン・ゲルダー・スタジオで行われています。ベースはロン・カーターです。そういえば、クラウス・オガーマンは先年ダイアナ・クラール『ルック・オブ・ラブ』で素晴らしいアレンジ・テイストを披露してその健在振りを示しましたね。
1.Wave
2.Red Blouse
3.Look to the Sky
4.Batidinha
5.Triste
6.Mojave
7.Dialogo
8.Lamento
9.Antigua
10.Captain Bacardi
詳しくはアマゾンへ。試聴も可能。→ Antonio Carlos Jobim / Wave
JR.comでは試聴可能です。→Antonio Carlos Jobim / Wave
関連エントリーはこちら。
→アントニオ・カルロス・ジョビン『イパネマの娘』
→アントニオ・カルロス・ジョビン『コンポンザー』
→エリス・レジーナ&アントニオ・カルロス・ジョビン『エリス&トム』
→ダイアナ・クラール『ルック・オブ・ラブ』
投稿者 Jazz Blogger T : 09:41 | トラックバック
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