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テテ・モントリュー/ボディ・アンド・ソウル

JAZZ Piano 3

2011年09月20日

Tete_Montoliu_Body_and_Soul Tete Montoliu / Body and Soul

 今日はテテ・モントリュー、久しぶりの登場です。紛れもない天才ジャズ・ピアニスト。盲目であることが彼に神の手と感性を与えたと。耳にタコができるほどに繰り返し聞いてきたお気に入りのライブ盤をご紹介します。パーソネルは、テテ・モントリュー (p)、ジョージ・ムラーツ(b)、ジョー・ネイ(ds)。1971年ミュンヘン録音。Enya。

 テテ・モントリューのピアノをご存知の方も多いと思います。私ももちろんその真価をよく分かっているつもりでいました。特に、その前人未踏と言えるテクニックと、歳を重ねるうちにバラッド演奏等に聞かれるその情念の深さ具合に、ただならぬ魅力を感じつついつもいつかお近くにと念じておりました。

 例えば、本作2曲目Old Folks や4曲目 Nightingale に聞かれる奥深い慈愛とでも言いたくなるような饒舌だけど優しく静かに心に訴えかけてくるピアノ演奏に、私はもう痺れっぱなし惚れっぱなしなのです。好きで好きで堪らない。もうすべてを受け入れて成すがまま、好きにして状態ですわ。

 痒いところに手が届くというか、その執拗で飽くなき掘り下げ方、こちらが懇願してもその手を休めず、次々と手を変え品を変え、繰り出される手練手管の数々、その押し寄せる快感の波に、もう止めてください、堪忍してください、気が狂います、お願いしますお願いします、と叫んだまま、あ〜あ〜逝きます逝きます、ついには大往生を遂げてしまうのでございました。

 何だか、荷風(もちろん姓は永井ね)にでもなった気分になってきますが、テテ様はそんな凄腕の持ち主。海千山千のジャズ好きももうテテさん貴方の手にかかればたいていメロメロでござんすよ。5曲目 Body and Soul はなじみの常連。私はこれには持ちこたえられますよって。しばしの休息とご歓談とまいりましょう。

 6曲目 Lament もおなじみながら、深い愛情が込められていますね。事後の余韻を客観的に味わうのに丁度いい感じですわね。今夜も貴方に恥ずかしい姿をお見せして終いには無茶苦茶にされて、でもこれ本望でござんす。私は本に幸せ者でござんすよ。ありがたや。それで次はいつですの?

 いけませんね。テテ・モントリューさんにあまりにも失礼ではないですか。スペインというかカタロニア人は快楽主義者に違いないと思うわけです。人間の酸いも辛いも知り尽くし、行き着くところに行き着いたらテテ・モントリューを聞きましょう。聞いてブラボーと言いましょう。


1. Sweet Geogia Fame
2. Old Folks
3. Blues
4. A Nightingale Sang In Berkeley Square
5. Body And Soul
6. Lament

Tete Montoliu (p), George Mraz (b), Joe Nay (ds).
Recorded live at the Domicile in Munich, in Apr 1971.

 YouTubeからテテ・モントリューの信じがたいピアノ演奏を見てみましょう。これで盲目とはもう天才としか言いいようがないですね。速弾きだけでなく、次々に湧き出てくるフレーズの洪水とその高い音楽性にはもう唖然とするばかり。それによく見れば可愛くてとってもいい男。とぼけた顔してババンバン。貴方にはもうメロメロですわ、どうぞお好きなままに、と女でなくとも言いたくなるほど。

もう1本。少し若い70年代ものから。当時からの十八番レパートリーBody and Soul。

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Tete Montoliu / Body and Soul

関連エントリはこちらから。
 →テテ・モントリュー/テテ
 →ケニー・ドーハム/ショート・ストーリー

投稿者 Jazz Blogger T : 21:20 | トラックバック

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