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ソフィー・ミルマン/メイク・サムワン・ハッピー

JAZZ Vocal 2

2007年08月21日

51NFqUYUcHL__SS500_.jpg Sophie Milman / Make Someone Happy

 久々のエントリです。遅ればせながら巷で評判のジャズ・ヴォーカルのニュースター、ソフィー・ミルマンの歌声を聴いてその感動について書いてみる気になったのでした。天性の歌心センス、艶のある中高音を併せ持つ魅惑のハスキーボイス、それにそのチャーミングな美貌と若干23歳の若さ、これは凄い新人です。好評のデビュー作に次ぐ2作目となる本アルバムはソフィー・ミルマンのジャズ歌手としての本領を発揮した文句なしの名品。2007年録音。

 いや~、感激です。ソフィー・ミルマンなる女性ヴォーカルの登場。新作に縁の薄い小生にとりまして、やはり何気にHMVの試聴コーナーで偶然に出くわしたのがこの2007年8月なのでした。しかも2作目となる本作。デビュー作はすでに iTunes Music Store でジャズ部門1位にランクされたこともあり、来日コンサートもこの夏で3回目とか。

 最近YouTubeなる画像ソフトが流行りですので、自宅に帰って動く画像のソフィー・ミルマンをチェックしますと、何とCDジャケットとは印象の異なるキュートな美(少)女、小柄で少し小太り気味の愛嬌ある大学生(この夏卒業?)なのでした。それにもまして魅力的なのはクリス・コナーも真っ青なその素敵なハスキーボイス。私は完全に参ってしまったのでした。

 例えば、本アルバムの1曲目People Will Say We're In Love の歌唱が次のYouTubeで見ることができます。アルバムとは明らかに異なるその生のハスキーな歌声にびっくりさせられます。何と素晴らしい個性であることかと。カナダのTV放送用の画像です。

 YouTubeついでに、インタビューなどを交えた貴重な映像、何度見ても感激の映像がこちらです。歌のコーチ(この方もなかなか素敵)が初めてソフィー・サウンドに接してそのスモーキーでファビュラスなサウンドにノックド・オーバーされたと言ってますね。

 もう一つだけ、デビュー盤に納めらた「おいしい水」をどうぞ。

 さて、本作については、生来のハスキーボイスをもっとうまく録音してもらえればと次回には期待したいと思いますが、艶やかな中高音の魅力は余すところなく捉えられていますし、聞いている側にその喜びが伝わってくるような歌心が感じられてとても感動的なアルバムだと思います。子供のころから音楽好きの父親の影響下で日常的にジャズやオールディズを耳にするだけでなくよく歌っていたというソフィーの強く育まれた感性が光っています。

 1曲目から3曲目のそれぞれに全く異なる曲調、流麗なジャズ・フィーリング、気だるいボサノヴァ、アメリカン・カントリー系と自分の持ち歌のように歌い切るそのセンスには完全に脱帽です。その実力のほどが遺憾なく発揮されていますね。そして次の4曲目So Long, You Fool という小唄にミルマンの素晴らしい個性を聞くことができます。適度な力の抜きかげんにコントロールされた愛らしい歌い回し、絶妙のバランスです。Oh~ というハスキー具合、no more と口ずさむ悠長なリラックス感は極上のジャズにこそある魅力です。

 そして、5曲目Matchmakerと6曲目Like Someone In Love が最近の私の脳裏に焼き付いて離れない曲。気がつけば頭の中でミルマンの歌声が流れているのです。柔らかくてぬくもりのある母なる歌声とでも言うのでしょうか。こうした感覚はそうそう他では出会えない味です。7曲目表題曲では静溢でよくコントロールされたセンスをじっくりと聞かせてくれます。後半に聞かれる雄叫びのような歌唱はやはり本作の白眉でしょうか。もっとハスキーな原音で聞きたいなと思わせますね。臭みは増して万人受けしないもしれないけれどさぞかし個性的だろうなと。
 
 9曲目のボサノヴァ調で仏語で歌われる愛らしい曲Resteの魅力的なこと。1作目のエディット・ピアフ「バラ色の人生」ほどのインパクトはないにしてもよきアクセントになっています。そして、12曲目 It Might As Well Be Spring の清澄な小川のせせらぎのごとき心地よい歌い回しといったら、一度耳にすれば決して忘れることができないテューンですね。最後の2曲は日本盤のボーナス・トラックだそうですが、最後15曲目Save Your Love For Me もソフィー・ミルマンの魅惑の歌唱が聞かれる忘れ難い曲です。

 いやはや、それにしましても私としましてはまさにストライク・ゾーンに入る女性ジャズ・ボーカルの登場に正直なところ動揺を隠せません。その実力とは不釣り合いな若さと気取らないシロートっぽい雰囲気にも好感がもてますね。次作以降にも大いに期待されますし、ライブやライブ盤にも期待大です。また、中年になって少し肥った体躯と人生経験を積んだ40才過ぎのソフィー・ミルマンの歌声を早く聴いてみたいと思いましたとさ。

1. People Will Say We're In Love
2. Something In the Air Between Us
3. Rocket Love
4. So Long, You Fool
5. Matchmaker, Matchmaker
6. Like Someone In Love
7. Make Someone Happy
8. (It's Not Easy) Bein' Green
9. Stay
10. Fever
11. Undun
12. It Might As Well Be Spring
13. Eli, Eli (A Walk To Caesarea)
14 Stay (English Version)
15 Save Your Love For Me

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Sophie Milman / Make Someone Happy

iTunes Music Storeでは試聴可能です。→ソフィー・ミルマン - Make Someone Happy

JR.comでは試聴可能です。→Sophie Milman / Make Someone Happy

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投稿者 Jazz Blogger T : 21:39 | トラックバック

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