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ミッシェル・ルグラン/シェリーズ・マン・ホールのミシェル・ルグラン

JAZZ Piano 2

2005年03月06日

michel_legrand.jpeg Michel Legrand/ Michel Legrand at Shelly's Manne Hall

 今日はミッシェル・ルグランのピアノ・トリオ・アルバムをご紹介しましょう。ルグランといえば映画音楽の名作を数多く作曲したフランスを代表する音楽家です。このアルバムはピアニストとしてルグランの1968年シェリー・マンのクラブ「シェリーズ・マン・ホール」でのライブ演奏を捉えたを貴重な録音です。パーソネルは、ミッシェル・ルグラン(p)、レイ・ブラウン(b)、シェリー・マン(ds)。1968年LA録音。

 ミッシェル・ルグランの映画主題曲には、「シェルブールの雨傘」、「エヴァの匂い」、「華麗なる賭け」、「思い出の夏」、「ロシュフォールの恋人達」などとても美しくて印象的なメロディがありますね。若かりし頃はジャズにも相当にのめり込んでおり、『ルグラン・ジャズ』というマイルス、コルトレーン、ビル・エヴァンスといった面々を起用した名作アレンジ・アルバムを残しています。

 本作はレイ・ブラウンとシェリー・マンをバックに本格的なピアノ・トリオにチャレンジした意欲的な作品です。ジャズ・ピアノが本業ではありませんので、スマートで流暢なソロは決して望めませんが、意外にも転がるピアノがそれなりにスイングしていて鑑賞に堪える内容になっています。それにやはり抜群の音楽的センスがそこはかとなく漂っていまして、通常のジャズでは聞けない新鮮で不思議な魅力を持っています。多分にレイ・ブラウンのベースがしきりに刺激を与えて鼓舞しているような節があります。

 全8曲。ライブ演奏ですが聴衆のノリがとてもよくてルグランのピアノを暖かく見守っている雰囲気がとてもいいです。音質が素晴らしくよいのでライブの臨場感が直に伝わってきます。1曲目から特徴的な少しせわしなげなピアノが快調に飛ばします。4曲目のルグラン自作曲ウォッチ・ホワット・ハプンズが仏のエスプリを感じさせて私には特に好ましいですね。5曲目のマイ・ファニー・バレンタインではヨーロッピアンのスキャットをレイ・ブラウンを相手に披露していましてこれには思わず唸ってしまいます。続くピアノもなかなか味わいがあってなるほどという演奏です。全体にルグランという著名な作曲家のピアノ演奏家としてのセンスが露骨に示されているという点で貴重なものといえるとともに、1枚のジャズ・アルバムとしても結構に楽しめる内容に仕上がっていましてたまにはこういうのもいいかなと思いますね。

1. Grand Brown Man
2. Time for Love
3. Ray's Riff
4. Watch What Happens
5. My Funny Valentine
6. Another Blues
7. Willow Weep for Me
8. Gatos

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