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ローマ・トリオ/チャオ・チャオ・バンビーナ

JAZZ Piano 4

2011年12月07日

Roma_Trio Roma Trio / Ciao Ciao Bambina

 今日は最近集中的に聴いているイタリア人ピアニスト、ルカ・マンヌッツァのピアノ・トリオ作品をご紹介しましょう。21世紀に入ってイタリアのジャズが熱く燃えていますね。ネオ・ハード・バップとも呼べるこの潮流は本物のモダン・ジャズです。このトリオ・メンバーはその中心的ミュージシャン達。私のお好みに名を連ねるルカ・マンヌッツァとの出会いは今年後半の個人的な発見となりました。新鮮な感覚が魅力です。パーソネルは、ルカ・マンヌッツァ (p)、ジャンルカ・レンツィ (b)、ニコラ・アンジェルッチ(ds)。Venus。2007年ローマ録音。

 ルカ・マンヌッツァ(1968〜)は40才代前半の中堅どころ。ファブリツィオ・ボッソらのグループのメンバーとして著名です。そのピアノの魅力は、小気味よく歌う右手の新鮮なフレージング感覚。誰と似ているのでしょう。例えば、ウィントン・ケリーからブルース臭さが抜けて洗練だけを取り出したような、とでも表現しましょうか。あるいはラス・フリーマンの淡白系エレガンスを能弁にしたような。エヴァンス的な演奏もできるのだけれど、バップ系の強い打鍵とアクセントを伴ったハード・ドライビングな演奏により魅力がありそうです。

 本トリオのリーダー格のドラム、ニコラ・アンジェルッチの演奏が刺激的でいいですね。本作あるいは本トリオの新鮮な感覚は彼のドラミングと精妙なアレンジにかなり依存していそうですね。べースを含めて3者の関係性と調和が素晴らしいですね。密度の濃い上質なジャズが出来上がっています。

 ヴィーナス・レーベルの中にあって、このローマ・トリオのものは斬新かつ高い音楽性ゆえ目立っていますね。芸術を感じさせる音楽であること、ある種の緊張を強いられたりスリリングな感覚を味わうことなど本作が持つ魅力は、ジャズを聴く醍醐味そのものであります。

 全11曲。素敵な演奏が並びます。繰り返し聴くほどにどの曲にも平板でない何か新しいものが埋め込まれているのがわかります。お気に入りは、5曲目の Moon And Sand。ベース・ソロの後のマンヌッツァのソロが渋くて美しくて好みです。うねる指使いと繊細なタッチが素晴らしいですね。標題曲9曲目 Ciao Ciao Bambina は有名なイタリアのカンツォーネ曲。斬新なアレンジで独特のジャズに仕上げており、マヌッツァの軽快なピアノが快活なドラムの上を駆け巡ります。

 2曲目 Solar、4曲目 Anche Un Uomo、8曲目 Maramao Oerche Sei Morto、10曲目 That's Allでは新鮮なドラミングが冴え渡り、本ピアノ・トリオの真骨頂を聞くことができます。新鮮なジャズ・フィーリング。

1. All Of You
2. Solar
3. Amarsi Un Po'
4. Anche Un Uomo
5. Moon And Sand
6. Just One Of Yhose Things
7. Torna A Surrient
8. Maramao Oerche Sei Morto
9. Ciao Ciao Bambina
10. That's All
11. Celestina's Waltz
 
Luca Mannutza (p), Gianluca Renzi (b), Nicola Angelucci (ds).
Rec. July 16,2007,Rome (Venus Records VHCD1002)

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Roma Trio / Ciao Ciao Bambina

投稿者 Jazz Blogger T : 22:16 | トラックバック

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