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ジャン・イヴ・ティボーデ / Conversations With Bill Evans

JAZZ Piano 3

_Classic

2011年11月30日

Thibaudet_Bill_Evans Jean-Yves Thibaudet / Conversations With Bill Evans

 一風変わったジャズ・ピアノ作品。フランスのクラシック・ピアニストであるジャン・イヴ・ティボーデがビル・エヴァンスの作品をソロで演奏した素敵なアルバムです。静かに流れるエヴァンス・ライクな演奏はとても印象深く、濃厚なジャズではなく、品のよいコンテンポラリーなピアノなのです。パーソネルは、ジャン・イヴ・ティボーデ(p)。1997年録音。

 ジャン・イヴ・ティボーデ(1961〜)はラヴェルやサティら近代フランス作曲家のピアノ作品などで著名な中堅ピアニスト。テクニックがしっかりしており、音響に対するこだわりのあるクラシック・ピニアスト。クラシック以外にも関心が高く、ジャズでは本作品の他にデューク・エリントンやガーシュインの作品集があります。

 このビル・エヴァンスとの会話と題した作品にはエヴァンスのレパートリーとしておなじみの著名なスタンダード曲が集められています。専門のアレンジャー4人によって編曲されたものをティボーデが譜面通りに演奏しているという形式のようです。ジャズ本来のインプロヴィゼーションは全くないと言ってよいですが、アレンジの中にその要素を組み込まれておりジャズ的なフィーリングもそこそこに楽しめることができます。

 何と言ってもピアノの音色が美しく和音の響きが素晴らしいのですね。エヴァンスのピアノ・スタイルをかなり意識したアレンジになっており、和声の歌わせ方はエレガントを感じます。クラシックのピアニストが演奏するジャズはそれほど期待しない方がよいですが、本作品に関しては相当にいい線いっていると思います。それは編曲が十分にハイレベルなためであり、ジャズ・ファンに限らずピアノ作品が好きな人にとってはそれなりに楽しめる内容になっていると思います。

 全12曲。どの曲にも上品さと洗練が感じられます。個人的には4曲目 Noelle's Theme が好きです。美しい響きと印象的な演出で、女性が好みそうな雰囲気のある美的な演奏です。6曲目Here's That Rainy Day もいいですね。10曲目 Peace Piece も素敵です。


1. Song For Helen
2. Waltz For Debby
3. Turn Out The Stars
4. Noelle's Theme
5. Reflections In D
6. Here's That Rainy Day
7. Hullo, Bolinas
8. Love Theme From 'Spartacus: Love Theme From 'Spartacus'
9. Since We Met
10. Peace Piece
11. Your Story
12. Lucky To Be Me

YouTubeからラヴェルの『鏡』から「道化師の朝の歌」をティボーデの2010年の演奏で。音がいいですし、ラヴェル作品の持つエスプリや香りがそこはかとなく表現された素敵な演奏ですね。音の響きが本日紹介したエヴァンス集と通じるものがあるのは決して偶然とは思えません。

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Jean-Yves Thibaudet / Conversations With Bill Evans

投稿者 Jazz Blogger T : 21:41 | トラックバック

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