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カーティス・フラー/ブルースエット

JAZZ others 2

2005年05月29日

blues-ette.jpeg Curtis Fuller / Blues-ette

 今日はカーティス・フラーの人気盤『ブルースエット』です。1曲目「ファイブ・スポット・アフター・ダーク」はTVコマーシャルに使われていたほど典型的なモダン・ジャズの有名曲ですね。パーソネルは、カーティス・フラー(tb)、ベニー・ゴルソン(ts)、トミー・フラナガン(p)、ジミー・ギャリソン(b)、アル・ヘアウッド(ds)。1958年NY録音。SAVOY Records。

 本作に収められた「ファイブ・スポット・アフター・ダーク」の作曲者ベニー・ゴルソンはアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズのテナー兼音楽監督として知られていますがやはり作編曲者として著名ですね。テナー奏者としてはコールマン・ホーキンズやラッキー・トンプソンらのバップ系であり決してパーカー派ではなく、うねるような独特のフレージングが魅力でもあります。

 この『ブルースエット』の録音日は定かではありませんが、58年11月以降、ジャズ・メッセンジャーズの仏巡業に参加していますので、それ以前の夏~秋頃だろうと言われています。ゴルソンは同時期にアート・ファーマーと組んだ名作『モダン・アート』(58年9月)も残しています。ゴルソンの作曲には、他にも例えば、「ウィスパー・ノット」、「アイ・リメンバー・クリフォード」、「ブルース・マーチ」、「ステープルメイツ」など、印象的で美しいメロディを持つスタンダード化した曲が多数ありますね。

 一方の主役であるカーティス・フラーは、57年にデトロイトからNYに出てきまして、ブルーノートで多くのセッションに起用されます。ジャズ・トロンボーンではJ.J.ジョンソンの独壇場でしたが、本作がフラーにとって決定的な出世作となり、新人としてスポット・ライトを浴びることになります。この後も、フラーとゴルソンのコンビは59年にかけての短期間に合計6枚のアルバムを残しています。

 全6曲。CDでは2曲の別録音ボーナスが追加されています。いずれの演奏もメロディックな曲調をベースにしたファンキーな味わいがあってジャズを楽しむにはもってこいの内容だと思います。やはり1.Five Spot After Darkでの心地よいテーマとフラーのまろやかなトロンボーンの響きが印象深いですね。テーマ・リフの後、フラー→ゴルソン→フラナガンと快調なソロが繰り広げられます。5.Love Your Spell Is Everywhereなども同様の路線。ゴルソン→フラー→フラナガン→ギャリソンと続くソロはいいずれも魅力的でして、フラーの端整で落ち着いた佇まいとは対照的なゴルソンの奔放なブローイング、それにフラナガンのツボを押えたアーシーなセンスは流石にいい感じです。
 
1. Five Spot After Dark
2. Undecided
3. Blues-ette
4. Minor Vamp
5. Love Your Spell Is Everywhere
6. Twelve-Inch
7. Blues-ette - (alternate take 3, bonus track)
8. Five Spot After Dark - (alternate take 2, bonus track)

JR.comでは試聴可能です。→Curtis Fuller / Blues-ette

詳しくはアマゾンでどうぞ。→ Curtis Fuller / Blues-ette

関連エントリーはこちら。→『アート・ファーマー/モダン・アート

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投稿者 Jazz Blogger T : 09:32 | トラックバック

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